借金の整理方法(個人)―調停・破産・民事再生など TOP index.htm

1、特定調停(もしくは一般調停)

簡易裁判所へ申立。専門家の援助(アドバイス)のもと、本人でも可能。

ある程度の返済資金が確保できる場合に利用。一般的には、3年(36回払い)で返済計画を立てる。

おおよその目安は、債務残高合計の2%から3%程度を毎月返済していくことができるかどうか(将来利息は考えない)。これが無理で援助も期待できない場合、次の破産等を検討する。

利息制限法の利率による引き直し計算で債務額がかなり減るケースもあり。利息 risoku.htm

(取引が長く、利息制限法の利率による引き直し計算により、債務額0で決着するケースもあります。基本的には話合いによる解決ですので、合意が必要ですが、合意成立の見込みがない場合でも、17条決定が出され、解決されるケースもあります。債務額0で決着するケースというのは、多くが、利息制限法の利率で引き直し計算すると、過払いになっているケースです。)

注意)特定調停では、利息制限法の制限利息での再計算による減額は可能ですが、後記の個人再生と異なり、元本カットまで要求することは困難であり(比較的負担大)、また成立により相手に債務名義を取得させることになり、滞納すれば、強制執行を受けることとなる危険性があるため、十分支払っていける額で調停を成立させる必要があります。なお、過払いになっている場合、特定調停の手続の中でその過払い金を取り戻すことは困難であり、別途、訴訟等をすることになります。特定調停は、数ある債務整理方法の中の一つです。housin.htm

(参考) 特定調停 tokutei.htm 雑談 heisei12.htm 注意 闇金・特定調停を紹介する業者 yami.htm

2、自己破産

返済不可能(支払不能)な場合。不動産(自宅など)や自動車などの財産(ある程度換価価値のあるもので、処分してもその人の最低生活に支障のないもの)は処分される。免責が認められれば、借金の返済義務がなくなる。借金ゼロからの人生のやり直し(生活再建)。

(参考) その他 hasanjitu.htm 概要 hasangai.htm  同時廃止と管財の振分け furiwake.htm メリットデメリット hasan2.htm

3、民事再生法による個人再生

ある程度の安定収入がある場合に利用。裁判所で再生計画を認可してもらう。要件があり、生活再建のための念入りなシミュレーションが必要(専門家の判断が必要)。調停ではむずかしい元本カットも可能。場合により、住宅ローンの返済は継続し、自宅を手放さずに生活再建も可能。破産の場合のような資格制限はありません。(破産の資格制限 sikakuseigenn.htm

(参考) 概略 minnjisaisei.htm

4、任意整理

裁判所での手続によらず、各債権者と交渉し、返済計画を立てる。本人では困難なため通常、弁護士(もしくは簡裁代理権がある認定司法書士)に依頼。(上記、1の特定調停(一般調停)は、裁判所での任意整理といえるかもしれません) 東京三弁護士会統一基準 等 touitukijyunn.htm

5、訴訟(攻め!の借金整理)−過払金返還請求訴訟

消費者金融などの金利の比較的高い債権者と取引が長く、利息制限法の利息で計算をすると、債務ゼロか過払いになっている場合。ある程度、契約書や領収書など証拠が残っている場合(また債権者から取寄せた取引明細書(計算書)がある場合)、有効。金融庁事務ガイドライン jimugai.htm (貸金業者には取引履歴の開示義務があるとされています)業者の対応 taiou.htm

不当利得(過払金)返還訴訟・債務不存在確認訴訟。 取り戻した過払い金に税金がかかるか?kabaraikazei.htm

最近の最高裁の判例より注意点 itirenkeisankahi.htm 開示請求に対する業者の対応 taiou.htm

消費者金融などの金利の比較的高い債権者と取引が長く、長年がんばって返済を続けている人は、ケースにより、過払い金返還請求で取り戻した分を他の債権者(借金残がある債権者)への返済原資にして、すべての借金が解決する場合もあります(破産しかないと思っていた多重債務者が破産せずに解決できるケース)。破産実務では、7年以上の取引期間、もしくは、借り増しがない場合、5年程度の取引期間があれば過払い金発生の可能性があるとされています(一応の目安でケースにより異なります)。

6、消滅時効援用

滞納を始めてから5年〜10年以上経過している。ただし、時効中断(判決が出ている・承認しているなど)に注意。

利息 risoku.htm 保証 renntaihoshou.htm その他(一本化) ipponn.htm 方針 housin.htm

7、(余談 整理じゃないけど)何もしない(-_-;)(お金がなく返済できないんだから、返済もしない。自分の生活を最優先。ある程度自分の生活ができるようになってから、法的解決を考える。もしくは、わずかばかりでも、とりあえず現在支払える範囲内での支払にとどめ、それ以上は、じたばたして無理をしない)

差押えられるような財産がなにもない。食べていくだけで精一杯。債権者からの督促に対して、開き直りの精神をもって、「払うお金がありません」と、きっぱりと断れる人。

多重債務に陥る原因として、「なんとか返済しなければ」と思い、無理をして他から借入してでも返済してしまうことがあげられます。闇金注意 yami.htm「返済できないんだから仕方がない」という開き直りも大切です。無理して、他からの借入で返済を続け、あがきにあげいたあげくの借金整理は、おおむね、むずかしい借金整理(T_T)となります。

多重(過重)債務者の債務整理には「個人やその家庭が経済的に再建すると、社会に有用な経済活動ができるようになり、それにより税収が増加し社会保障費が抑えられる。また、経済的困窮から生じる犯罪や家庭崩壊などが防止できる」といった社会的な目的があります。そして、それに携わっている弁護士・司法書士には、多重(過重)債務者が多くなっている社会的背景や原因を探り、多重(過重)債務の問題をなくしていく改善への働きかけが求められます。

借金整理が困難な事例 konnanjirei.htm

参考情報)個人情報照会 kojinnjyouhou.htm 登録貸金業者検索 http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/index.php


 解決方法を考える上で、必要な書類及び質問事項(相談の際、あらかじめ以下の点について留意し、ご用意(準備)いただければ相談がスムーズにできます)

・借金について

必要書類

手元に残っている契約書・返済金領収書・ATM利用明細書など(債権者業者ごとに整理)

質問事項

借入先(支店名)保証人になっているもの・災害援護貸付金なども忘れずに。過去、完済した借金の有無

保証債務、銀行のローン、年金担保になっているもの、公的融資、勤務先からの借入、保険会社からの借入、親族知人からの借入など、借金すべて)

借金残高(不明であればおおよその額)

初回借入日・借入額(いつから取引をしているか。途中完済がある場合、完済前を含めいつから取引をしているか)

最終借入日・借入額

返済状況(支払中・滞納中)

最終返済日・返済額

毎月の返済額

保証人・担保の有無

借入のきっかけ(生活苦・失業・病気・子供の教育費・ギャンブル・遊興費・借金返済・事業)

借入状況(利用回数・借入返済の繰返し)

使いみち(使途)

使途ごとの使ったおおよその金額

債権者との話合い・法的手段をとられたことがあるかどうか・催促状況

・家計の状況について

必要書類

給与明細書・源泉徴収票・市県民税課税証明書・確定申告書など収入のわかるもの

質問事項

家族の状況(家族構成、ご家族の方の年齢収入など)

職業・年齢・毎月の収入(年金、手当なども)

毎月の生活費(家賃・食事代・光熱費・教育費など)

援助の可能性

滞納家賃・滞納している公共料金・滞納している税金など

親族・友人からの借入ついて

・財産について

質問事項

不動産(相続しているもの等がないかどうか)・自動車

預貯金・積立金

生命保険(保険で、解約返戻金や満期金の有無)

共済保険(出資金等、解約したら戻ってくるお金)

返還敷金・保証金

貸付金・売掛金など債権(友人に貸しているお金、他人のために立替えているお金等含む)

退職金(見込額)

事業用財産

処分した財産の有無(生活費・借金返済のため、車を処分した。品物を質入した等)

相続の有無

債務整理の費用について(酒井司法書士事務所)seirihiyou.htm

相談先

酒井司法書士事務所(兵庫県西宮市index.htm 事務所jimusho.htm(多重債務・借金問題の解決には、書類収集等、本人の協力が必要であり、また、通常、数回の面談が必要となります)

 

兵庫県司法書士会  http://www.hyogo-shihoushoshi.jp/

 

クレジット・サラ金問題対策協議会  http://www.cresara.net/

弁護士会