一本化による債務整理について

低金利で借入れ、高金利の多数の債務を一括返済し、債務を1箇所(低利の債務)にまとめて返済額を減らすこと。

DMやチラシなどで「債務の一本化・低利で融資」とうたって、勧誘しているものは、多くが、高金利であったり、別の意図があったりするので、注意が必要です(一般的には、こういうところには「手を出すな」ということになります)。

一本化による債務整理は、無理なケースも多く、いろいろな面で注意が必要となります。

私は、以下の要件をすべて満たす必要があると思っています。

1、一本化のため借入れするところは、低金利であること。前の借金より金利が低いというのはあたりまえですが、すくなくとも、利息制限法の制限利息以下であること。したがって、借入れ先は、銀行、労金、親類縁者などに限られます(銀行等が借金返済のための借入れを認めてくれるかどうかは別にして)。低金利で一括返済資金を貸してくれるところがあるかどうかという前提問題。

2、他の解決方法と比較し、十分検討すること。

3、借金全額を一本化すること。原則、前の借金が残るというのはまずい。

4、きちっとした返済計画を立てること。一本化後の毎月の返済額は、収入の範囲内で十分返済できるものであり、できれば、5年程度以内に完済できるものであること。

5、一括返済をすれば、実績ができたということで、前の債権者などから、借入れの勧誘があるかもしれません。今後、一切借金はしないと決心し、それを実践する必要があります。

6、前の借金をそのまま全額、一括返済するということは、利息制限法制限利息による引き直し計算ができるという利益を放棄してしまうのと同様になります。任意整理を弁護士に依頼するなどして、債務をできるだけ圧縮した上で、一本化すること。

(もっとも、弁護士、司法書士に任意整理を依頼した場合は、一本化するメリットはほとんどないケースが多い。touitukijyunn.htm 任意整理の返済期間はおおむね3年〜4年ぐらい)

安易に一本化し、逆に借金を増やす結果になったというケースはたくさんあります。

親族からの援助的な借入れにより債務整理(裁判手続、弁護士・司法書士の任意整理によらないもの)をした場合、再び多重債務者となる確率は非常に高い。

一本化にはしる過重債務者も多く、上記、思うところを記載してみました。

不動産を所有している多重債務者に、不動産担保で一本化をすすめる金融業者もあり、不動産担保だからといって金利が低いわけではないので、十分注意しないと、結局、逆に借金が増え、不動産を手放さざるを得なくなる場合があります。

(終り)