第三研究所 Third Reserch Institute


           
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NEC Direct

ioPLAZA【インテル Compute Stick】

第 5世代 CPU

64ビットへその構造を確立した CPU。

名称 Pentium (P5) 製造メーカー Intel
Intel Pentium PGAパッケージ版 発表年月日 1993/3/22
形状 273pin PGA
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 3,100,000
製造技術 0.8micron BiCMOS process
対応ソケット Socket 4
動作クロック
(MHz)
60/ 66
システムクロック
(MHz)
60/ 66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
16KB (8KB/ 8KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧 5V
命令セット 32ビット命令 (IA-32)
PC-98本体
での採用例
 PC-9821Af/Bf/Cf/Xf
 SV-H98model50f
 SV-98 model1
PC-98オプション
での採用例
 なし
CPUアクセラレータ
での採用例
 なし
備考 スーパースケーラ・アーキテクチャ搭載。
解説  Pentium は Intelが開発した x86系 32ビット CPU。開発時のコードは P5。従来の i486をベースに設計が見直され、プロセッサは 32ビットながら、データ処理を 64ビット化し、新たにスーパースケーラ・アーキテクチャとしてパイプラインを利用した 2命令同時実行、浮動小数点演算ユニットのパイプライン化、分岐予測機能の追加に合わせ命令用とデータ用に別々にメモリを用意するハーバード・アーキテクチャを採用、新たに命令用キャッシュメモリを 8Kバイト追加するといった新技術により大幅な高速化を実現した。従来の i486DX 33MHzと比較すると処理速度は 5倍も向上している。
 また、このプロセッサから対称型マルチプロセッサをサポートし 複数のプロセッサを同時に稼働させ処理を分散することでシステム全体の処理能力を上げる事が出来る。マルチプロセッサを利用するには、対応するマザーボードと OS (Windows NT系など) が必要になる。
 Pentium登場に合わせて周辺 LSIとして 82496アドバンスド・キャッシュ・コントローラ、二次キャッシュメモリとして 82491キャッシュ・メモリ、PCIバスとキャッシュメモリ、EISAまたは ISAバスを統括するチップセットとして 82430 PCIセット、マルチプロセッサ対応 82489DX割り込みコントローラを発表。より洗練されたシステムが構築できるようになった。

 この Pentium (P5) は後に登場する Pentium (P54C) とは動作電圧やピン配置、大きさ (P54Cより一回り大きい) 等が異なり、内部逓倍回路も無くシステムクロックと同じ速度で動作する。外観は初期の物はセラミックパッケージでそれ以降は、放熱用に金色のヒートスプレッダを搭載したパッケージに代わっている。

 Pentiumの名称の由来は、「5」を表すギリシャ語の「Penta: ペンタ」と「金属」を表すラテン語の「ium: イウム」の合成語。「Penta + ium」で母音が重なる場合は、重なる直前の母音「a」を取って「Pentium: ペンティアム」と名付けられた。この CPUは順当にいけば 586になるのだが、互換 CPUメーカーに 586の商標を先に取られてしまったので別の名称が必要になったという背景がある。

 P5の初期ロットには、浮動小数点演算ユニットに非常に小さな値でとある割り算を行うと答えを間違えるという、その筋では非常に有名な FDIVバグがある。一般のユーザには殆ど影響はないのだが、研究等で精密な科学技術計算をする場面では大きな問題となった。Intelは当初このバグの存在を認めなかったが、Intel外部から検証が進むにつれ最終的にはバグの存在を認め交換の対応に当たる事になった。
 NECの PC-9800シリーズも該当し、初期の機種や同じ機種でもロットによってバグ付きの Pentiumを搭載している可能性がある。このため NECは、無償交換等の対応に追われた。(^ ^;;
 交換をすると型番の最後に「L」のシールが貼られる。2004年以降は PC-9800シリーズのサポートが終了しているため Intelと直接交渉する必要がある。なお、型番の末尾が「L」で終わる物はバグの無い Pentiumを搭載している。
 Pentium Pro以降の CPUでは、この様なバグに対応するためマイクロコードのアップデートが行えるようになっている。
 その後も Intelは度々、CPUやチップセットのバグ (近年では Sandybridge用チップセットの例がある) で回収騒ぎになるトラブルを起こしている。AMDなどでも Opteronのバグといったトラブルを起こす事があるが、Intelは製品シェアが極端に大きいためその影響力は大きく、事件に発展することが多い。パソコンのユーザとしては、特段の事情が無い限り初物に飛びつくのはお勧めしない。(^ ^)b

 ちなみに、国産パソコンで初めて Pentiumを搭載したのは NECの PC-98で、1993年 8月に登場した PC-9821Afである (^-^)。定価は 120万円 (税別)。このパソコンは、ハイエンドマシンを意識しているらしく筐体が横長で、当時、一般的な PC-98デスクトップ PC-9821Ap/ As/ Aeより大きい。
 この CPUを搭載している PC-9821Af/Bf/Cf/Xf及び SV-H98model50f、SV-98model1では、Socket 4なので直接 P54Cを搭載できず、また対応する PODPが無いのでパワーアップが非常に困難な機種である。高速な CPUや MMXに対応させるためには、パワーリープ製の電圧変換下駄の改造や BIOSの書き直し等の大改造を必要とする。

FDIVバグがある Pentiumの S Spec一覧
50MHz: Q0399
60MHz: Q0352, Q0394, Q0400, Q0412, Q0466, SX753, SX835, SZ949
66MHz: Q0353, Q0395, Q0413, Q0467, SX754, SX837, SZ950

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名称 Pentium (P54, P54C) 製造メーカー Intel
Intel Pentium SPGAパッケージ版 発表年月日 1994/10/10
形状 296pin SPGA、296pin PPGA
320lead TCP (Mobile版)
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 3,200,000 (75MHz〜120MHz)
3,300,000 (120MHz〜200MHz)
製造技術 0.6micron BiCMOS process (75MHz〜120MHz)
0.35micron BiCMOS process (120MHz〜200MHz)
対応ソケット Socket 5 (Pentium 75〜120MHz)
Socket 7 (Pentium 90, 130〜200MHz)
動作クロック
(MHz)
75/ 90/ 100/ 120/ 133/ 166/ 200
システムクロック
(MHz)
50/ 60/ 66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
16KB (8KB/ 8KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧 3.3V
2.9V、3.1V (Mobile Pentium)
命令セット 32ビット命令 (IA-32)
PC-98本体
での採用例
 PC-9821An/Xa/Xn/Xt
 SV-98 model 2
※ 上記の機種はバグ付き Pentiumを搭載している可能性がある

 PC-9821Cb3/Cb10/Cr13/Ct16/Ct20/Cu10/Cu13/Cx2/Cx3/Cx13/V7/V10/V12/V13/V16/V20
 PC-9821Xa7/Xa7e/Xa9/Xa10/Xa12/Xa13/Xa16/Xa20/Xb10/Xc13/Xc16/Xt13/Xt16/Xv13/Xv20
 PC-9821La7/La10/Ls12/Ls13/Na7/Na9/Na12/Na13/Na15/Nb7/Nb10/Nf/Nr12/Nr13/Nr15
 SV-98 model1A/1A2/3
 SC-9821X
 FC-9801Ka/Kt/Xa
PC-98オプション
での採用例
 SV-98/3-B01 (CPU増設ボード)
CPUアクセラレータ
での採用例

MTC/ MELCO TECHNICAL COMPONENT

 MTC-40001 (倍率設定変換ソケット)
備考 スーパースケーラ・アーキテクチャ搭載。
解説  Pentium は Intelが開発した x86系 32ビット CPU。開発時のコードは P54。P5のコアを改良し 0.6ミクロンプロセスで製造され、動作電圧が 3.3V (ロットによっては 3.52Vのものもある) に低下した。これに合わせて CPUのピン配置がより高密度な千鳥配列の SPGA (Staggered Pin Grid Array) に変更された。
 Pentium (P54) の初期のチップでは、セラミックパッケージ上に金色のヒートスプレッダ (放熱板) 有り、コアクロックの動作倍率が 1.5倍固定 (2倍動作できるロットもある) となっている。後に、ヒートスプレッダの無いセラミックパッケージに変更された。  Pentiumでは外部データバスが 64ビットに拡張した事も有り、メモリモジュールの増設方法も 64ビットに合わせて同容量で同種の 72ピン SIMMを二枚一組で増設する事が一般化した。
 P54でも P5同様にある種の浮動小数点演算を間違えるという有名な FDIVバグがあり、Intelは交換対応を行った。詳細は Pentium (P5) の項を参照のこと。
 Pentiumは初期ロットこそバグ付きでトラブルが有ったが、交換対応によって一応の決着が見られると、高い 486との互換性と先進的な構造による性能の高さ、同時に Windows95ブームの到来も有って爆発的に普及しベストセラーとなった。結果として世間に CPUの代名詞となるまで知名度が上がった Pentiumの名称は、以降代々受け継がれ Core i7登場以降もエントリー PC向けに商品名として存在している。

 120MHz版からは、製造プロセスが 0.35micron BiCMOS processに変更された改良版、開発時のコード P54CQS、P54CSが登場。製造プロセスの微細化かから消費電力の削減と発熱が少なくなりクロックが上げ易くなった。このタイプでは、内部逓倍回路により、486系や P5などでは、固定 (1種類) ないし 2種類だったコアクロックの動作倍率設定が、2本のピン (BF0、BF1) を使い 1.5/2/2.5/3倍の 4通りの設定ができるようになっている。
 なお、ロットによっては、高倍率の設定が削除されていたり、高クロック動作に対するリミッターなどがあり、全ての設定が通らないものもある。Pentiumのオーバークロック耐性はそれほど高くなく、150MHzを 166MHzに上げるといった一クラス上位のクロックで動作する程度で、200MHz以上で安定して動作する例は殆どない。

 166MHz版の一部ロットから、CPUパッケージがコストの安いプラスチックパッケージ (PPGA) に変更された。これら、高クロック版はロットによっては、3.3Vでは安定動作しない物があるので、アップグレードなどで CPUを交換する際には注意を要する。

 P54、P54Cでは、モバイルパソコン向けに、Mobile Pentiumとして動作電圧を 2.9Vや 3.1Vに下げた製品が登場。従来の QFPに代わって新たに TCP (Tape Carrier Package) パッケージのものが用意された。このパッケージは、薄い樹脂のフィルムに CPUコアが接着されているもので、通常、ユーザが交換することはできない。

 PC-9800シリーズでもデスクトップ、ノート問わず多くの機種で採用されたが、P54の初期ロットにはバグがあり、PC-9821An等の初期の Pentium搭載モデルではそのバグ付き Pentiumを搭載している物7も有った。このため NECはこの当時、無償交換等の対応に追われた。(^ ^;; 交換をすると型番の最後に「L」のシールが貼られる。

 CPUアクセラレータとして Pentiumを搭載した製品はほとんど存在しないが、より高クロックのチップに交換し CPUの設定倍率を変更するだけでアップグレードが可能になるので 内部逓倍設定を変更する機能を持ったソケット (下駄) が メルコ (現バッファロー) の派生ブランド MTCブランド として MTC-40001が発売された。この MTCブランドは、ある程度の知識と技術を持ったユーザ向けの製品でパソコンの改造パーツを主に製品化、サポートや製品保証がメルコの製品と異なるという、後の「玄人志向」ブランドの原点と言えるものでその筋の人たちには人気が有った。

FDIVバグがある Pentiumの S Spec一覧
75MHz: Q0540, Q0541, Q0601, Q0606, SX951
90MHz: Q0542, Q0543, Q0611, Q0612, Q0613, Q0628, SX679, SX874, SX885, SX909, SX921, SX922, SX923, SX942, SX943, SX944, SZ951
100MHz: Q0563, Q0587, Q0614, Q0677, SX886, SX910, SX960

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名称 PentiumODP (PODP5V133) 製造メーカー Intel
Intel PentiumODP5V 発表年月日 1996/4
形状 273pin PGA + CPUクーラー
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 3,300,000
製造技術 0.35micron BiCMOS process
対応ソケット Socket 4
動作クロック
(MHz)
133
システムクロック
(MHz)
66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
16KB (8KB/ 8KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧 5V
命令セット 32ビット命令 (IA-32)
PC-98本体
での採用例
 なし
PC-98オプション
での採用例
 なし
CPUアクセラレータ
での採用例
 なし
備考 スーパースケーラ・アーキテクチャ、電圧変換機構搭載。
解説  Pentium ODP5V133 は Intelが開発した x86系 32ビット Over Drive Prosessor (ODP)。Socket 4 (初期の Pentium 66MHz搭載機) 用の ODPで、より高速の Pentiumに載せ替えるというもの。内部逓倍設定は 2倍に固定されている。開発時のコードは P5T。
 Pentium (P54) との違いは、ピンの配列以外に P54コアは P5とは動作電圧が違うため、電圧変換機構が搭載されさらに CPUクーラが追加されている。細かい点では P54と異なるがコア自体は同一で変わり無い。
 製品ラインナップは、66MHz機用のみで 60MHz機でも 133MHz版を使用する。60MHz機での動作クロックは 120MHzになる

 ちなみに、この ODPは登場当時 PC-9800シリーズに対応予定であったが、Intelの検証の結果正常動作せずに (例として PC-9821Cfで CPUモードを LOWにしないと動作しない) 非対応となりカタログから PC-9800シリーズが削除された。PC-9821Afでは電源ユニットの改造により動作することが多く、実際に当方の PC-9821Afでは正常動作した。(^-^) 詳細は、第二電算機研究棟へどうぞ。
 一方、EPSON PC-98互換機シリーズや PC/AT互換機 (当時は DOS/V機) では正常動作する機種が多かった。

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名称 PentiumODP (PODP3V) 製造メーカー Intel
Intel PentiumODP 発表年月日 1996/1
形状 320pin SPGA + CPUクーラー
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 3,300,000
製造技術 0.35micron BiCMOS process
対応ソケット Socket 5/ 7
動作クロック
(MHz)
125/ 150/ 166/ 180/ 200
システムクロック
(MHz)
50/ 60/ 66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
16KB (8KB/ 8KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧 3.3V
命令セット 32ビット命令 (IA-32)
PC-98本体
での採用例
 なし
PC-98オプション
での採用例
 PC-9821-E04 (125MHz: 75MHz機用)
 PC-9821-E05 (150MHz: 90/120MHz機用)
 PC-9821-E06 (166MHz: 100/133MHz機用)
CPUアクセラレータ
での採用例
 なし
備考 スーパースケーラ・アーキテクチャ搭載。
解説  Pentium ODP3Vは Intel の開発した Socket 5/ 7 (Pentiumの 75/90/100/120/133/166MHz搭載機) 用の x86系 32ビット ODP。CPUのアップグレードの方法の一つとしてより高速な Pentiumに載せ替えるというもの。内部逓倍設定は、製品の動作クロックに応じて 2.5倍または 3倍に固定されている。
 P54Cとの違いは、CPUクーラーへの電源供給のために、ピンの数が 320ピンに増えている。オーバークロックに対し、リミッターが付いているらしい等、細かい点では P54と異なるが、コアは同一で変わり無い。
 他にも Intel純正品では、NEC PC-9821Xa7/Xa9/Xa10専用に、型番に Nが付くものが存在した。
 
 ちなみに、Pentium 90MHzを搭載している PC-9821Anにも使えそうであるが、PC-9821Anのソケットは Socket 5相当の 296ピンソケットなのでこの ODPは物理的に装着できない。この様に初期の Pentium搭載モデルではソケットの形状により装着できない例がある。

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名称 MMX Pentium (P55C) 製造メーカー Intel
Intel MMX Pentium PGAパケージ版 発表年月日 1996/10
形状 296pin SPGA、296pin PPGA
320lead TCP (Mobile版)
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 4,500,000
製造技術 0.35ミクロン CMOS 4層
対応ソケット Socket 7
動作クロック
(MHz)
133/ 150/ 166/ 200/ 233
システムクロック
(MHz)
60/ 66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
32KB (16KB/ 16KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧
(コア部/ I/O部)
2.8V/ 3.3V
2.45V/ 3.3V (Mobile版)
命令セット 32ビット命令 (IA-32)、MMX (MultiMedia extensions) 命令
PC-98本体
での採用例
 PC-9821C166/C200/C233/F166/F200/V166/V200/V233/Xa200/Xc200
 PC-9821Ls150/Nr150/Nr166/Nw133/Nw150
PC-98オプション
での採用例
 なし
CPUアクセラレータ
での採用例

I-O DATA

 PK-MXP200/98 (PC-9821V16 (/S5P/S5V),Xa13/W12, Xa16/W16, Xa16/W30, Xc13/S5, Xc16/M7, Xv13/W16対応)
 PK-MXP233/98

アセットコア

 VIPER Max Drive CV233
 VIPER Max Drive CVR

EVERGREEN

 Hyper-X 55C+

MTC/ Buffalo

 MTSA-MX (電圧変換ソケット単体)
備考 MMXテクノロジ搭載。
解説  MMXテクノロジ Pentium/ Pentium Processor with MMX Technology(通称 MMX Pentium) は Intelが開発した Pentiumをベースに内蔵するキャッシュメモリの容量を倍の 32KBに追加し繰り返し演算処理に改良を加え、i386以来となる新しい命令セットとして、57の MMX命令 (MMXテクノロジ) を加えた第 5世代 x86系 32ビット CPU。開発時のコードは P55C。これらの改良により、同クロックの Pentiumより演算処理能力が向上した他に MMX命令に対応したソフトウェアでは、画像の処理、音楽の再生等を従来より高速で行えるようになる。Pentiumの改良版でその他の基本的な部分に変更はない。
 Intelとしては、あくまで Pentiumの改良版という位置づけであって従来の Pentiumから呼称は変えていない。よって、「MMX Pentium」または「Pentium MMX」という名称の製品が有る訳では無いが、ユーザ側としては動作電圧などの違いから区別の為に通称として国内では MMX Pentiumと呼ぶ事が多い。ちなみに海外では、省略系の Pentium MMXと呼ぶ事が一般的。
 AMD等の Pentium互換 CPUで追加されたアウトオブオーダー実行や投機実行等の新機能の追加も期待されていたが見送られた。
 MMX命令は主流となった GUI (Graphical User Interface) の Windows 95といったクラフィックやサウンドといったマルチメディア関連の処理が重要性を増す中で、x86系 CPUとしては初めて追加されたマルチメディア処理に特化したテクノロジで RISCプロセッサ i860の経験が生かされている。MMX命令は通常の演算処理とは別に同時に 2つ実行できる。ただし、浮動小数点演算ユニットと共用なので MMX命令と浮動小数点演算を繰り返す 3Dゲームなどでは、切り替えのためにパフォーマンスが落ちることがある。
 
 この P55Cでは、コアクロックの動作倍率設定で 1.5倍設定が無くなり、新たに 3.5倍設定が追加された。また、この CPUでは供給電圧がデュアルボルテージ対応で、コア部が 2.8V、 I/O部が 3.3Vと従来の Pentiumと異なる。このため、デュアルボルテージに対応した新しいソケットとして Socket 7対応となった。
 Socket 7では、Pentium Proで採用された VRM (Voltage Regulator Module) を使い、コア部の電圧のみを別に降圧して CPUが要求する電圧に調整することができるもので、VRMをユニットとして交換または制御するだけで異なる電圧の CPUに対応できる。また、電源部は大電流が流れるために劣化によって故障するケースが多いので故障しても障害のある部分だけ交換できるメリットもある。Pentium Pro以降、おもにサーバやハイエンドデスクトップではこの方式が一般的となった。

 なお、P55Cは、従来のセラミックパッケージからコストの安いプラスチックパッケージ (PPGA) への過渡期に出荷されたため、166MHzと 200MHz版には セラミックパッケージとプラスチックパッケージの二種類のパッケージが存在する。

 ちなみに、PC-98では、Socket 7でも VRMユニットを搭載している機種としていない機種がある。搭載している機種でも PC-98対応の P55C搭載用の VRMユニットは存在しないが、VRMユニットは規格が定められているため、某メーカーのある製品 (詳しくは、PC-9821Xa16W/30ネタを参照) を改造したものが利用できたり、P55Cを搭載した PC/AT互換機の VRMユニットを動作保証外ながら流用できる。
 ただし、電源部は大電流が流れる事も有り誤ったものを取りつけると CPUだけでなくマザーボードをも焼損する可能性があるので注意すること。

 PC-9800シリーズでこの CPUを動作させるためには、供給電圧の問題以外にも 1996年 6月以降に登場した「PC-9821V13、V16の S5および M7型番、V20の M7型番以降」以外の機種では、専用固定ディスクインターフェース、専用 CD-ROMインタフェース部との相性から BIOSの問題もクリアしなければならない。
 これらは、HDDや CD-ROMを SCSI I/Fに変更して専用インタフェースを切り離すか、Cyrixの CPUである Cx6x86を載せるためのソケットと電圧変換ソケットを組み合わせることにより解決できたので従来の Pentium機に P55Cを搭載する改造が大流行した。ユーザーの間では、通称「MMX化」とよばれた。
 Pentium登場以降、CPUアクセラレータの需要は下火になりつつあったのだが、Pentium機の普及がかなり進んでいたこともあり MMX化の需要が多い事から両方をハードウェアでクリアした CPUアクセラレータが周辺機器メーカーから発売された。
 PC-9800シリーズで汎用拡張バス (Cバス) 対応の SCSIボードのうち SMIT伝送をする製品は MMX Pentiumを搭載すると正常動作しない物がある。正常動作しない場合は、SCSIボードの BIOSのバージョンに注意の事。2014年現在、I-O DATAの「SC-98IIIP」、バッファローの「IFC-NN」と「IFC-NS」ではアップデート用 BIOSのダウンロードが可能。

 Pentium同様に動作電圧を下げたモバイル版も登場、台湾で製造された黄金色のヒートスプレッダが特徴的な CPUアクセラレータ「黄金戦士」という TCPの Mobile MMX Pentiumを PGAタイプの下駄に取り付けた製品が話題になった。
 このような製品は、安価に製品を供給する手段として Cyrix製コプロセッサ等の QFPパッケージを PGAに変換する製品の例がある。  Mobile Pentiumでは、ノートパソコン向けに TCPと L2キャッシュ、430TXノースブリッジ、電圧レギュレータを一つの基板に搭載した Mobile Module Connector 1 (MMC-1) というカートリッジタイプの製品が登場した。マザーボードとは 140pin二列のコネクタ (計 280pin) で繋がる。このタイプは、PentiumIIまで存在するが、ノースブリッジが異なるので Mobile Pentiumと互換性はない。

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名称 MMX Pentium ODP 製造メーカー Intel
Intel MMXテクノロジ Pentium ODP 発表年月日 1997/1
形状 320pin SPGA + CPUクーラー
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 4,500,000
製造技術 0.28ミクロン CMOS 4層
対応ソケット Socket 7
動作クロック
(MHz)
166/ 180/ 200
システムクロック
(MHz)
60/ 66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
32KB (16KB/ 16KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧
(コア部/ I/O部)
3.3V/ 3.3V
命令セット 32ビット命令 (IA-32)、MMX命令
PC-98本体
での採用例
 なし
PC-98オプション
での採用例
 なし
CPUアクセラレータ
での採用例
 なし
備考 MMXテクノロジ搭載。電圧変換機構追加、PC-98用では BIOS書き換えプログラム付属。
解説  MMXテクノロジ Pentium ODPは Pentium搭載機を MMXテクノロジ Pentiumにアップグレードするために Intelが開発したオーバードライブプロセッサ (ODP)。コアクロックの動作倍率は 3倍固定となっている。
 P54C搭載機は、基本的にシングルボルテージの Socket 5である為に、この ODPは電圧変換機構を内蔵している。外観は、電圧変換機構の内蔵によりチップ上に小さい基板が追加され、冷却を強化するため CPUクーラーが付いていて、クーラーへの電源供給のためにピンの数が一回り多い点が P55Cと異なる。コアは P55Cと同一のため性能に違いはない。

 PC-98シリーズでは、1996年 5月以前に発売され、チップセットに Intel 430FX、VLSI Wildcatを採用しているマシンに搭載する場合、本体 BIOS (ITF) 内の専用固定ディスク I/F部が原因で正常動作しない。
 Intelでは、この対策として自社のチップセットである i430FXを搭載した PC-98シリーズ向けに「PC-98対応」のシールが貼られた専用パッケージを用意した。PC-98対応版のパッケージには、3枚のフロッピーディスクが付属していてこのディスクを使って当該パソコン本体の BIOSをアップデートすることにより、MMX PentiumODPを利用することが出来るようになる。
 対応機種は PC-9821V7、PC-9801V10/S5K、PC-9821V10/S7K、PC-9821Xa7e、PC-9821Xb10、PC-9821Xn。ただし、PC-9821Xnで BIOSのリビジョン (Revision: 「レビジョン」ともいう) が 0.16または 0.17の場合は付属のメディアでは書き換えできないので、NECより別途修正版を入手する必要があるので注意が必要。
 なお、1996年 6月以降に登場した PC-9821シリーズ (例: PC-9821V13とV16の S5, M7型番、PC-9821V20の M7型番以降) では、 BIOSのアップデートは必要ない。
 現在では、この「PC-98対応」の製品及びアップデート用メディアを入手することは絶望的と言って良い。

 アップデートをしなくても HDDや CD-ROMを SCSIボードを利用して接続する等、内蔵の専用固定ディスク I/Fを使用しなければ使用する事は可能で、当時これらの事を PC-98ユーザーの間では「総 SCSI化」と呼んでいた。
 ただし、MMX Pentium同様に本 ODPに交換すると SMIT転送の SCSIボードで誤動作する製品が有るので注意の事。

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名称 Mobile MMX Pentium (Tillamook) 製造メーカー Intel
Intel MMXテクノロジ Pentium TCPパッケージ版 発表年月日 1997/9/8
形状 320lead TCP、296pin PPGA
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 4,500,000
製造技術 0.25microne process
対応ソケット Socket 7
動作クロック
(MHz)
200/ 233 /266/ 300
システムクロック
(MHz)
66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
32KB (16KB/ 16KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧
(コア部/ I/O部)
1.8〜 2.1V/ 2.8V
命令セット 32ビット命令 (IA-32)、MMX命令
PC-98本体
での採用例
 PC-9821Nr233/Nr266/Nr300
PC-98オプション
での採用例
 なし
CPUアクセラレータ
での採用例

Buffalo/ MELCO

 HP5-MX300-L (300MHz: PC/AT互換機対応)
備考 MMXテクノロジ搭載。
解説  Mobile MMX Pentium (Tillamookコア) は MMXテクノロジ Pentium (通称 MMX Pentium) をノートパソコンなどのモバイル用途に設計した Intelの x86系 32ビット CPU。製造方法が 0.25ミクロンプロセスに微細化された事で、動作電圧がコア部で 2.1V以下、I/O部も 2.8Vに下がり消費電力や発熱が大幅に抑えられている。動作倍率も 3.5倍に加え 4倍と 4.5倍が追加されている。それ以外にコアに変更はない。
 当時 Intelは競合する AMDの追撃を阻むため Socket5/ 7を早々に終息させ、特許で固めた Slot1の PentiumIIを推進する戦略を取っていたが、モバイル用 Pentium IIの開発の遅れから、これを補うために Socket 7用 MMX Pentium (P55C) よりも高クロックの製品が登場することとなった。
 パッケージとしては、PPGA、TCPがあり、TCPと L2キャッシュ、ノースブリッジ、電圧レギュレータを一つの基板に搭載した Mobile Module Connector 1 (MMC-1) タイプの物もある。
 PPGAタイプは、通常の Socet 7と互換性があるが、コア部だけでなく I/O部の電圧も一般的な 3.3Vとは異なるので、そのままでは搭載できない。

 PC-98シリーズでもノートブックモデル 98NOTE Lavieの最終モデルで最高クロックの 300MHz版が採用された。この CPUが採用されているモデルでは、PC-9821Nr150/S20や Nw150/S20等の従来の MMX Pentium搭載モデルより発熱が低い事もあって CPU冷却用ヒートパイプが省略されている。

 メルコ (現バッファロー) から、この CPUを搭載した PC/AT互換機用 CPUアクセラレータが登場した。PC-9800シリーズでもメーカー保証範囲外では有るが、PC-9821Xa13/Xa16/Xv13/Xv20(いずれも W型番)、V200といったIntel 430HX、 430VXチップセット搭載 (MMX Pentium ODPが動作する) モデルでは動作する。
 これは、PC/AT互換機や SV-98 model3、EPSON PCシリーズの PC-586RA等で、BIOSの Genuine Intelチェックで Intel製 CPU以外が BIOSで弾かれて動作しない機種でのパワーアップ手段としては極めて有効である。
 なお、この CPUアクセラレータは、一般的な Pentiumとは異なりマルチプロセッサには対応していない。

 ちなみに、当時 Pentium搭載ノートパソコン向けにMAXUSコンピュータ が、TCPリペア装置で MMXPentiumへの貼り換える改造を (他にも色々あり) 有償で請け負っていた。(^ ^;;
 Pentiumを Tillamookに交換するとクロックの向上以外に発熱の抑制や省電力化によるバッテリ駆動時間の延長といったメリットもある。

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名称 K5 (5K86) 製造メーカー AMD
AMD K5 発表年月日 1996/3/27
形状 296pin CPGA
バス幅 64ビット (内部 32ビット)
トランジスタ数 4,300,000
製造技術 0.5micron BiCMOS process
0.35micron BiCMOS process
対応ソケット Socket 5
動作クロック
(MHz)
75 (PR75) / 90 (PR90)/ 100 (PR100), (前期)
90 (PR120)/ 100 (PR133)/ 117 (PR166), (後期)
システムクロック
(MHz)
50/ 60/ 66
一次キャッシュメモリ
(命令用 / データ用)
24KB (16KB/ 8KB)
二次キャッシュメモリ なし
動作電圧
(コア部/ I/O部)
3.52V/ 3.3V
命令セット 32ビット命令 (IA-32)
PC-98本体
での採用例
 なし
PC-98オプション
での採用例
 なし
CPUアクセラレータ
での採用例

アセットコア

 VIPER Super Drive AK5 (117MHz)
備考 スーパースケーラ・アーキテクチャ、ライトアロケート機能 (PR166版のみ) 搭載。
解説  K5は AMDが開発した RISC系プロセッサの Am29000シリーズを応用、スーパースケーラ・アーキテクチャを利用し、486に対し大幅な高速化を実現した Pentium互換 CPU。
 K5の大きな特徴は、Pentiumより高度な 5段パイプライン 6個を備え 4命令同時実行が可能で、分岐予測、アウトオブオーダー実行、投機実行などの機能や、x86命令を Am29000シリーズの RISC風の命令に変換して実行する先進の技術に加え、Pentium同様にハーバード・アーキテクチャを導入し L1キャッシュに命令用として 16KBの 4ウェイセットアソシエイティブ構成のキャッシュと、8KBのライトバックキャッシュの 2つを搭載している。これらにより、同クロックの Pentium (P54)より整数演算処理で高速化されている。しかし、浮動小数点演算は弱く Cyrixの Cx6x86よりは良い物の Pentiumには及ばない。
 実際に Windows95上で HDBENCHといったベンチマークソフトの演算処理速度の結果は、整数演算では同クロックの Pentiumより 20%程度高い結果となった。しかし、浮動小数点演算は同クロックの iDX4と同程度であった。

 前期の製品は、PR値 (P-Rating: Pentium比) が動作クロックと同じだが、後期の製品からはコアが改良されて演算処理能力が向上したため PR値が動作クロックより高くなった。特に PR166版では内蔵キャッシュメモリに新たにライトアロケート方式を採用、キャッシュミス (キャッシュメモリにデータが無くメインメモリを参照する) が発生した際にキャッシュにアロケート (メインメモリからデータをキャッシュメモリに割り当てる) してからアロケート先のデータを書き換える方式で、繰り返しの演算に威力を発揮する。この方式はライトバック制御のように BIOSによる制御は必要ない。K5を最適化する Windows用ツールとしては M.Horiguchi氏作の「Write Allocate Monitor U」が有名。この方式は K6シリーズにも受け継がれている。
 ライトアロケートの効果は、演算処理よりもグラフィック処理での効果が大きく Matrox MGA-IIを搭載した機体で Windows95上で HDBENCH実行した結果、有効時は無効時に比べグラフィック関連の数値が 10%程度向上した。

 Pentium同様に内部逓倍回路により、従来は固定 (1種類) だった動作倍率設定が、2本のピン (BF0, BF1) を使い 1.5/1.75/2/(1.5) 倍の 4通りの設定ができるようになった。PR166版では、システムクロック 66MHzの 1.75倍という半端な倍率で動作する。パッケージも放熱を良くするため通常のセラミックパッケージから金色のヒートスプレッダのついたパッケージに変わった。

 登場がライバルの Pentiumより遅かった事から Pentiumを凌ぐ先端の機能を搭載していたが、ソフトウェア側の最適化が進まなかった事に加え動作クロックの向上が追いつかず 133MHz (PR200) 版の発売を予定していたものの K6シリーズの登場も有ってキャンセルとなり短命で終わった。K5プロセッサは結果として成功したとは言えないが、Pentiumの初期ロットに浮動小数点演算バグが存在していた事も有り、K5は P54と互換性が高いので代替品として重宝された。
 Pentium (P54、Socket5) 搭載機では、CPUの厚みが若干薄くなるがそのまま載せ替えることにより簡単にパワーアップができる。

 PC-9800シリーズでも Pentium搭載機で有れば交換する事が出来る。筆者は Pentium 90MHz搭載の PC-9821Xa/C10Wで正常動作することを確認した。ちなみに、後継の K6シリーズ同様にウェイトの差異によって起動時の「ピポ」音が短くなる。

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