PC-9821Ap3 ネタ
PC-9821Ap3、それは最強の 486デスクトップ。
2010/ 7/ 31 改訂
低価格の PC/AT互換機 (DOS/V) に対抗すべく、A MATEから音源部を除き、安価なグラフィックアクセラレータチップを採用して、コストと価格を抑えたビジネス向け Windowsマシンの B MATEシリーズを経て、1994年 7月に、ハイエンドから、エントリーまでそろった、新 MATEシリーズの X MATEシリーズ Xa, Xt, Xn, Xp, Xs, Xe (Xf) が登場しました。この変化は、ある意味、98の PC/AT化とも言えます。
三代目 A MATEこと Ap3, As3は、それから少し遅れた、1994年 10月に A MATEの最終モデルとして 「時代を受け継ぐ多才な 98です。」 というキャッチコピーで登場しました。
二代目 A MATEの Ap2/As2との違いは、上位モデルで、intel純正 486系で最強の iDX4-100が採用され、BIOSでライトバック機能や、プラグアンドプレイ (PnP) がサポートされるなど、Windows 95を意識した細かなパワーアップが行われました。
また、CD-ROMモデルで、従来のファイルスロットに代わり、ファイルベイが採用され、IDE機器を複数台内蔵できるようになりました。
さらに、FDDモデルを含む全モデルで、当時最高の性能を持っていた S3製 Vision864 (86C864)が標準で採用された一方で、従来の A MATEに採用されていた、VRAMアクセスモードのプレーンアクセスモードとパックトピクセルモードのうち、コストを抑えるため、プレーンアクセスモードが廃止になりました。このため、この機能を利用する一部のソフトでは、正常動作しない場合が有ります。
このように、Ap3/As3では、いままでのハイエンドモデルという、純粋な A MATEというより、X MATEと足して二で割ったような仕上がりになっています。このマシンは、初代 X MATEシリーズと競合しますが、当時、ハイレゾマシンや、5インチフロッピィディスクドライブの需要がまだ多かったため、これらのユーザーへのサポートと言う意味合いが強かったのではないかと思います。
ちなみに、Ap3/M2, As3/M2は、98史上、最後の 5インチ FDDモデルでもあります。
これら、三代目 A MATEは、486機の中でも後発ということもあり、486機ながら、かなりの性能を秘めているので、中古でも人気があり、 2000年 5月現在、店頭では、1万 5千円前後で取引されています。ちなみに、これに、故 NECホームエレクトロニクス (NEC HE) 製 「マニア向け (爆)」 ゲーム機の PC-FX用ソフトを動作させる 「PC-FXGA」 を増設するのが流行のようです。(^ ^;;
PC-9821Ap3のラインナップ
| 商品名 | メモリ | FDD | HDD | CD-ROM | 5インチベイ | グラフィックチップ | 標準価格 (税別) |
| PC-9821Ap3/C9W | 8MB | 3.5インチ | IDE 510MB | ATAPI 倍速 | ファイルベイ | S3 Vision864 | 600,000円 |
| PC-9821Ap3/C8W | 8MB | 3.5インチ | IDE 340MB | ATAPI 倍速 | ファイルベイ | S3 Vision864 | 560,000円 |
| PC-9821Ap3/U2 | 4MB | 3.5インチ x2 | オプション | オプション | ファイルスロット | S3 Vision864 | 448,000円 |
| PC-9821Ap3/M2 | 4MB | 5インチ x2 | オプション | オプション | ファイルスロット | S3 Vision864 | 462,000円 |
三代目 A MATEの主な仕様
| 型番 | CPU | セカンドキャッシュ | CPUソケット | ODP |
| PC-9821As3 | ライトバックエンハンスド iDX2-66 | オプション | Socket 3 | DX4ODP, PODP5V83S対応 |
| PC-9821Ap3 | iDX4-100 | 128kB | Socket 6 | 非対応 |
★ 搭載 CPUとセカンドキャッシュ ★
Ap3に搭載されている CPUは intel DX4 (100MHz)
で、ベースクロック 33MHzの 3倍速で動作します。一次キャッシュメモリの容量が、従来の
i486DX2に比べ、倍の 16kBに増え、コプロセッサ (浮動小数点演算ユニット)
も CPUに内蔵 (今時当たり前ですが)
されています。

標準で搭載の iDX4は、残念ながらライトバック非対応ですが、BIOSで、一次キャッシュのライトバック制御をサポートし、この機能に対応した CPUを搭載すると、標準 (ライトスルー) より演算処理を高速に行うことができます。なお、通常、この機能は、intel製 CPUや ODPにのみ有効になります。
さらに、ベースクロックの低いマシンで威力を発揮する、128kBの非同期 SRAMタイプで、ライトバック対応のセカンドキャッシュを標準装備し、最大 256kBまで増設できます。
CPUソケットは Socket 6で、Socket 3とは違い、i486DX2, i486DX等の CPUでは 5Vに、iDX4, Am486DX5, Cx5x86では 3.3Vに、自動で電圧を調節できます。ただし、Socket 3に比べ、穴が 1個少ないので、正式に対応する ODPはありません。
ちなみに、As3では、ライトバック機能に対応した、ライトバックエンハンスド (WBE) iDX2-66を採用しています。As3では、Socket 3搭載なので、PODPにも対応しています。
★ メモリ ★
メモリは標準で、4MB (CD-ROMモデルは、 8MB) 内蔵しています。マザーボード上のソケットに 72pinのパリ付き FP SIMMを全部で 4枚増設でき、追加や挿し替えによって最大 128MBまで増設できます。
ちなみに、パリとは、パリティチェックの略で、データの読み出しや書き込みにチェックの為のデータを追加してエラーを検出するものです。通常めったに有りませんが、エラーを検出するとデータを破壊する前にシステムを停止させます。
★ 補助記憶装置 ★
CD-ROM搭載モデルの C9W, C8Wは、3.5インチ 3モードタイプの FDD (型番 FD-1148T) を 1ドライブ搭載し、「PC-9821A2-E01」 で 2ドライブに増設できます。なお、増設したら必ずフロントマスクを外しジャンパを右から左に移します。
ハードディスクドライブ (HDD) は、C9Wは
510MB (故 CONNER製 CFS540A) 、C8Wは 340MB (故
CONNER製 CFS420A) の IDEタイプ (一台の最大容量 4.56GB
(未フォーマット時) までのものが内蔵可) で、Windows
3.1と MS-DOS 5.0A-Hがプリインストールされています。
なお、バックアップディスク等は別売りになっているので、初回起動時に必ずバックアップを取ります。特に、本体内蔵のグラフィックアクセラレータの
Win3.1用ドライバは、Win 3.1製品版には付属していないので、ここでバックアップを取らないと、再インストール後に使えなくなります。
また、CD-ROM搭載モデルの C9W, C8Wは、ファイルベイに、ATAPI仕様で倍速のドライブを搭載しています。
一方、FDDモデルの U2には、 3.5インチ 3モードタイプを 2台、M2には、 5インチ 2HDタイプ (型番 FD1158C, 34ピン) を 2台搭載し、ファイルスロットを採用しています。
なお、全モデルで 1MBタイプ増設 FDDインターフェースは有りません。
本体実装と違うタイプの FDD (例えば U2や
C9Wに 5インチ FDD等)
を利用したい場合には、以下の拡張機器を使います。
| メーカー | 型番 | 種類 | 対応機種 | 備考 |
| ファイルスロット内蔵用 | ||||
| NEC | PC-9801-F04 | 3.5" 2モード FDD | PC-9801FA, FS, FX A MATE全機種 |
5" FDDモデルで、3.5" FDDを使いたい場合に使用。 |
| NEC | PC-FD511F | 5" 2モード FDD | PC-9801FA, FS, FX A MATE全機種 |
3.5" FDDモデルで、5" FDDを使いたい場合に使用。ただし、PCの仕様上、3.5" 2ドライブ搭載のマシンでは、増設した 5"ドライブで 2DDのフォーマットができない。フリーソフトで回避可能。 |
| NEC | PC-FD321F | 3.5" 3モード FDD | A MATE全機種 | 5" FDDモデルで、3.5" FDDを使いたい場合に使用。 |
| ファイルベイ内蔵用 | ||||
| NEC | PC-FD511D | 5" 2モード FDD | Ap3, As3他、ファイルベイモデル | 3.5" FDDモデルで、5" FDDを使いたい場合に使用。ただし、専用のケーブルセット 「PC-9821A3-K03」 が必要。 |
| 外付け用 | ||||
| NEC | PC-9821A2-E02 | 1MB FDD I/Fボード | Ap2, As2, An, Ap3, As3 | 8", 5", 3.5"の外付け用 FDDユニットを使いたい場合に使用。ボードと各種ケーブルのセット。 |
なお、ファイルスロット用 FDDユニットを増設する場合は、インターフェースボードは要りません。
★ グラフィック機能 ★
グラフィック機能は、従来の 640 x 400ドット (4096色中 16色: Enhanced Graphic Charger) に加え、グラフィックアクセラレータ機能を、オンボードローカルバス接続で搭載しています。
ただし、DOS画面での 640 x 480ドットで 1,677万色中 256色の表示方式が、二代目 A MATEから変更になり、プレーンアクセスモードが廃止になったため、この機能を使う、初代 A MATEや二代目 A MATE、Af、An専用のソフトウェアでは、正常に動作しないものがあるので注意が必要です。
グラフィックチップは、登場当時に、描画性能の高さで定評のあった S3製 Vision864 (86C864) で、DirectDrawに対応しています。また、VRAMを 2MB搭載しています。
画面表示は、Windows上では、最大 1,280 x 1,024ドットで 26万色中 256色、DOS上では、最大 640 x 480ドットで 1,677万色中 256色の表示が可能となります。
また、DOS画面では、モニター出力を 24kHzと 31kHzから選択できます。選択の方法は、電源投入後もしくは、リセットボタンを押してから、 「GRAPH」 キーと 「1」 (24kHz) または、 「2」 (31kHz, デフォルト) を押します。
他に、別売りの 98ハイレゾボード 「PC-9821A-E02」
を増設することにより PC-98RL, XL, XA互換 (Hyper98とは、非互換)
のハイレゾモードで、最大 1120 x 750ドット、4096色中
16色の画面を DOS, Windows 3.1 (Windows 95は非対応)
で利用できます。
しかも、DOS画面のフォントが
24 x 24ドットの明朝体に変わります。このモードを有効にする場合、ソフトウェアディップスイッチ画面でハイレゾモードを選択します。なお、このモードでは、メモリマップ等が変わるためソフトウェアやハードウェアで正常動作しないものがあります
(詳しくは、それぞれの説明書を参照)。
また、このボードを増設することによりハイレゾ、ノーマル関係なく本体標準のプリンタポートは使用不可になり
PC-9821A-E02上のプリンタポートを使います (詳しくは、本体マニュアル参照)。
★ サウンド機能 ★
サウンド機能は、 PC-9801-86相当の FM音源機能 (FM 6音、リズム 6音、SSG 3音) と PCM録音再生機能を標準で搭載しています。ただし、使用 OSが Windows 95の場合、PCM再生時に CPUに負荷が掛かり、システムの動作が若干遅くなったり音飛びするので、気になる場合は、故 Q-Vision製 「WaveStar」 等のサードパーティー製 86互換ボードや、「PC-9801-118」 を増設しましょう。なお、この場合あらかじめソフトウェアディップスイッチでサウンド機能を切り離しておく必要があります。
残念ながら ATARI (MSX) 仕様ジョイスティック用コネクタはありませんが、マウス I/Fに変換ケーブル 「PC-98DO/P-11」 を接続し、再起動することにより使用できるようになります。なお、この場合マウスとの同時使用はできません。
★ インターフェース ★
| 位置 | 種類 | 形状と補足 |
| 本体前部 | ヘッドフォン出力 | ステレオミニジャック |
| マイク入力 | ステレオミニジャック | |
| 本体後部 | キーボード | ミニ Din 8pin |
| バスマウス | ミニ Din 9pin | |
| アナログディスプレイ出力 | D-Sub 15pin、24と 31KHz対応で切り替え可 | |
| LINE出力と入力 | ステレオミニジャック | |
| RS-232Cシリアル I/F | D-Sub 25pin、最高 19,200bpsまで対応 | |
| プリンタ用双方向パラレル I/F | アンフェノールハーフ 36pin |
この中で特に、PC-9801型番等、旧機種とは、プリンタのコネクタが、MATE X系とでは、アナログディスプレイのコネクタの形状が違うので注意が必要です。
★ 拡張スロット ★
拡張スロットは、PnP対応で、Cバス (汎用拡張バス) が 4スロットあり、うち下の 2スロットが 32bitローカルバスと兼用になっています。
32bitローカルバスは、16bitの Cバスに比べ、バス幅が倍の
32bitになり、供給クロックも上がっているので、より高速に多くのデータのやり取りができるというものです。これに対応するボードは、グラフィックアクセラレータやビデオキャプチャ、98ハイレゾボード等があります。
ただし、PC-H98/SV-H98シリーズ用の
NESAバス用ボードとは互換性がまったくないのでご注意ください。ここに挿すと本体や拡張ボードが壊れます。
さらに SCSI I/F専用スロットを搭載しています。ここに、専用の SCSIボード (PC-9821A-E10等) を増設することにより、ファイルベイや、ファイルスロットで、SCSI機器を使用できるようになります。
ちなみに、Ap3/As3等 PCIバス非搭載機では、「STAR ALPHA 2」 を搭載していないため、X MATEや、R MATE等、最近の機種に比べ、内蔵 IDE I/Fや Cバスのデータ転送が速く、性能をフルに引き出すことができます。(^-^)
★ Dip SWの設定 ★
この機種では、ハードウェアディップスイッチは無く、内蔵 HDDの切り離し等の設定は、ソフトウェアディップスイッチで設定します。呼び出し方は、電源投入後もしくは、リセットボタンを押してから 「HELP」 キーを押します。
また、ジャンパスイッチがフロントマスクを外すと本体前面に有ります。左側が、2FDD内蔵モデル用 (FDDモデル) 、右側が、1FDD内蔵モデル用 (HDD, CD-ROMモデル) の設定です。
★ その他の特徴 ★
この三代目 A MATEでは、ファイルスロット機器と、ファイルベイ機器のどちらか一方を選択して利用できます。
ファイルスロットでは、PC-9801FA, FS, FXから受け継いだファイルベイの前身であるファイルスロット が本体前部に 1スロット付いており、CD-ROMやハードディスク、MO (光磁気ディスク) 、テープストリーマ、3.5または 5インチ FDD等が差し込むだけで簡単に内蔵、交換できます。
一方、ファイルベイでは、多彩な、5"ファイルベイ機器を内蔵できます。ただし、ファイルベイ機器に応じたインターフェースボードが必要になります。
なお、CD-ROMモデルでファイルスロット機器を利用する場合には、ファイルスロットアダプタ 「PC-9821A3-E02」 を、FDDモデルで、ファイルベイ機器を利用する場合には、ファイルベイアダプタ 「PC-9821A3-E01」 を使用します。これらのオプションには、バックボードと金属製のフレームがセットになっています。
ファイルベイアダプタで、CD-ROM等を利用する場合、SCSI仕様の場合は、「PC-9821A3-K01」、ATAPI仕様の場合は、「PC-9821A3-K02」のケーブルセットが必要になります。
他にこのパソコンの特徴として、筐体が大変凝った作りになっていて簡単にフロントマスクが外せ、ハードディスクの増設、交換が簡単にできます。
ちなみに、ドライバーが無くてもコインでネジが回せ、ルーフカバーが外せるという心憎い工夫もなされています。(^-^)
対応機種から外れている ODPや CPUアクセラレータを使うと保証外になるので自己責任で行ってください。また、CPUソケットを改造すると、保証期間内であっても保証外となります。詳しくは注意事項をお読みください。
★ はじめに
さて、だいたい Ap3のことが分かったところで CPUの換装です。(^ ^;;) この CPUが載っているソケットは Socket 6と呼ばれ、CPUへの供給電圧を、載せた CPUによって、5Vと 3.3Vに自動で変換できますが、対応するオーバードライブプロセッサ (ODP) はありません。CPUアクセラレータでは、I-O DATA製の 「PK-A586/98」 が対応しています。
そこで、ライトバック対応ということもあり、今回は、Socket 6非対応の PentiumODPを使いました。(爆) (仕様は以下の表参照)。これらの製品は全て生産終了です。「PK-A586/98」 も長いことカタログに載っていましたが、1999年 7月についに消えました。というより、A-MATE自体、カタログのメモリ対応一覧表から消えました。(T_T)
代表例
| 商品名 | メーカー | 種類 | クロック倍率 | 動作クロック | 搭載 CPU | 内部キャッシュ | コプロセッサ | 現状 |
| Am486DX5 | AMD | CPU | 3, 4倍 | 100, 133MHz | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 | |
| Cx5x86 | Cyrix | CPU | 3倍 | 100MHz | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 | |
| PODP5V83 S | intel | ODP | 2.5倍 | 83MHz | intel Pentium (P24T) | 32kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| PK-A586/98 | I-O DATA | CPUアクセラレータ | 4倍 | 133MHz | AMD Am5x86P75 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
★ PODP5V83Sについて
始めに、簡単に解説をしておきます。PODP5V83は、Pentiumを搭載していますが、搭載されている Pentium (P24T) は元の Pentium (P5, P54C) とは随分違うものです。どこが違うかと言うとまず、動作電圧が、i486DX2が 5V、Pentiumが 3.3Vと違うので、電圧変換機構が組み込まれています。
次に、486系とは、32bitと 64bitでバス幅が違うので、そのまま載せ換えることは不可能です。そこで、バス変換機構が内蔵されています。また、バス変換機構を組み込むとどうしてもそこでウェイトが入ってきてしまいます。そこで、内蔵キャッシュメモリ容量を倍の 32kB搭載し、ロスをある程度抑えるようにしています。
さらに、ライトバック動作により、更なる高速化ができます。特に、浮動小数点演算では、ライトバック動作をさせた、PODP5V83が Am5x86P75-133よりも高速です。他には、CPUクーラが取りつけられています。
なお、PODP5V83には、Sタイプと Kタイプがあります。両者の違いは、Kタイプには、ODPに薄い基板が取りつけられていて、Sタイプには、それがありません。対応機種は、Xs, Xeでは、Kタイプを、それ以外では、Sタイプを使います。
ちなみに、ODP, OverDriveProcessor は intel社の登録商標です。注意しましょう。(^ ^;;
★ Socket 6の改造
Socket 6は Socket 3に比べ、ソケット右下隅の穴が 1個所少なく 236ヶ所です。一方、PODP5V83Sは、ピンの数が 237本と、そのままでは、Socket 6に物理的に取り付けることができません。そこで、載せるにあたり以下の三つの方法があります。
このなかで、もっとも賢明な方法は、3番目ですが、ソケットの入手が面倒なので、後でパテ埋めすれば良いということで 2番目の方法を採用しました。不可逆な改造なので、どちらかというと二研向きの内容です。 (^ ^;;
まず、 Socket 6上のヒートシンクと iDX4を外します。外した iDX4は大切に保管しておきます。外したところで、ソケットレバーを下ろして固定しておきます。
さて、ソケットに穴をあけるわけですが、最も簡単な方法は、適当な大きさのペーパクリップを伸ばして、ペンチでつまみ、伸ばした先をライターで赤熱するまで加熱し、マザー上のソケットの任意の位置にまっすぐ上から押し付けます。すると、熱でソケットが解けて穴があきます。一度でうまく行かないときは、加熱時間を長くし、何度か繰り返します。
ポイントは、加熱する前に、伸ばしたクリップをしっかりペンチで固定する点です。ぐらついていると、まっすぐ刺さらなかったり、思わぬところに穴があいたり、最悪やけどする場合があります。次の写真は、加工後のソケットです。左上隅の穴が開けた所です。

★ PODP5V83Sの搭載
次に、ソケットのレバーを半固定の状態にし、PODP5V83Sをソケットに挿します。完全に刺さったところで、レバーを倒して固定します。

あとは、取り付けた後、CPUボード、ルーフカバー等を元通り取り付け、電源を入れて 「ピーポッ」 と鳴れば、成功です。今までが嘘のようにとはいきませんが処理速度が向上します。なお、自分の Ap3では、自動でライトバックが ONに成りましたが、念の為、適当なソフトでチェックすることをお勧めします。
なお、キャッシュコントローラは、PODPの場合、BIOSで制御できるのでインストールする必要はありません。
★ 結果
最後に、PODPを使い、 DOS Ver 6.2上と Windows95上でベンチマークを取ってみましたので、参考にしてください。使用ソフトは、IO DATAの 「INSPECT Ver 1.03」 と 「HDBENCH Ver 2.610」です。
CPU |
動作倍率 | 動作周波数 | Dhrystone(点) | Whetstone(点) | 総合(点) | |
iDX4 |
iDX4 |
3倍 |
100MHz |
31914 |
28034 |
37500 |
PODP5V83S |
P24T |
2.5倍 |
83MHz |
44117 |
43859 |
52860 |
参考までに、「INSPECT Ver 1.03」 のデータベースでは、ノーマルの PC-9821Af (Pentium 60MHz) が総合で 40000点です。 Windows 95上では、次のようになりました。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821Ap3/C8W
Processor PODP83 83.5MHz [GenuineIntel family 15 model 3 step 2]
解像度 800x600 65536色(16Bit)
Display [X]スタンダード ディスプレイ アダプタ (9821
シリーズ)
Display PC-9821 As3,Ap3,Xs,Xp,Xn (S3)
Memory 39,356Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 2000/ 5/23 13:29
SCSI = I-O DATA SC-98V(非PnPモード)
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク
コントローラ
A = GENERIC IDE DISK TYPE00
B = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC NEC FLOPPY DISK
D = NEC CD-ROM DRIVE:260 Rev 2.05
| ALL | 浮 | 整 | 矩 | 円 | Text | Scroll | DD | Read | Write | Cache | Drive |
3007 |
4839 |
5110 |
4444 |
3121 |
2075 |
59 |
2 |
2076 |
2333 |
4631 |
A:10MB |
測定当時、メモリは、純正品で 40MBに増設していました。現在の機器の構成については、電算機管理室の項を参照してください。感想としては、動作自体は intel純正 ODPということもあり、非常に安定しています。また、ライトバック対応ということも有り、Windows 95上では若干の高速化が体感できます。逆に、動作周波数が iDX4の 100MHzより低いため、DOSアプリでは、若干遅くなりました。
★ 486互換 CPUの搭載
これら、CPUの換装は、改造行為となり保証外になるので自己責任で行ってください。詳しくは注意事項をお読みください。
また、As3では、電圧変換のできない Socket 3なので、電圧変換下駄が必要になります。そのまま換装すると CPUやマザーボードを壊す可能性があるので、くれぐれもご注意ください。
Ap3では、電圧変換ができるので、As3と違い、CPUアクセラレータや PODP以外でも AMD製や、Cyrix製 i486互換 CPUがそのまま搭載できます。以下が、代表的な i486互換 CPUです。
| 商品名 | メーカー | バス | クロック倍率 | 動作クロック | 内部キャッシュ (合計) | コプロセッサ | WB | 特徴 (詳しくは 企画課へ) |
| Am486DX4 | AMD | 32bit | 3倍 | 100MHz | 16kB | CPU内蔵 | 対応 | iDX4と同等で、ライトバック機能を追加したCPU。 |
| Am5x86P75 (Am486DX5) |
AMD | 32bit | 4倍 | 133MHz | 16kB | CPU内蔵 | 対応 | 486の高クロック版で、コアの改良が行われ、整数演算処理が PODP5V83より高速。 |
| Cx5x86 | Cyrix | 64bit | 3/4倍 | 100/ 133MHz | 16kB (統合) | CPU内蔵 | 対応 | Pentiumに近く、同クロックの AMD製品より高速。ただし、互換性が低く Ap3では、安定動作しないことが多い。 |
CPU換装についての注意点は、AMD製では、WBを有効にするために、BIOSにソフトウェアで WB有効を通知する必要があります。このソフトウェアについては、A-MATEr's Homepage よりダウンロード可能です。
一方、Cyrix製では、486系とは CPU自体の制御法が大幅に違うので、ソフトウェアで制御する必要があります。
★ メインメモリについて
さて、ODPを使って高速化したら、さっそく、メモリを増設しましょう。メモリの増設の仕方は、マザーボード上の 4カ所の SIMMソケットに、増設または、標準のものと交換します。この機種では、旧機種でありがちな専用メモリボードが必要ないので、特に面倒なことはなく、72pin パリ付き FP (ファーストページ) SIMM 4枚を、直接マザーボード上に増設できます。
また、PC-9821Afからメモリ容量の上限 14.6MBの壁がなくなったので、1枚辺り 32MBまでの SIMMを使い、メモリ容量を最大 128MBまで増やすことができます。この 72pin パリ付き FP SIMMは現在でも販売されていますが、2000年 7月現在、FP, EDO問わず DRAMの主流は、64Mbitに移り、つつあるため、16Mbit DRAMの品薄から価格が高騰しています。(T_T)
代表的なメモリサブボード (72pin パリ付き FP SIMM)
| メーカー | 製品名 | 容量 | 枚数 | 標準価格(税別) | 現状 |
| NEC | PC-9821A-B02L〜04L | 4〜16MB | 1枚 | 30,000〜140,000 | 発売中 |
| NEC | PC-9821BF-B01 | 32MB | 1枚 | 310,000 | 生産終了 |
| メルコ | EMF | 8〜32MB | 1枚 | 5,000円〜21,000円 | 発売中 (8MBのみ生産終了) |
| メルコ | EMW | 16〜64MB | 2枚 | 8,000円〜42,000円 | 発売中 (16MBのみ生産終了) |
| メルコ | EMF-P | 8〜32MB | 1枚 | 4,000円〜19,800円 | 発売中 (パリティジェネレータ搭載、8MBのみ生産終了) |
| メルコ | EMW-P | 16〜64MB | 2枚 | 6,000円〜37,800円 | 発売中 (パリティジェネレータ搭載、16MBのみ生産終了) |
| I-O DATA | NE-SIMXA | 16〜64MB | 2枚 | オープン価格 | 発売中 |
| I-O DATA | NE-SIM36 | 32MB | 1枚 | 14,000円 | 生産終了 |
注意: パリティジェネレータ搭載の SIMMを利用する場合は、パリティジェネレータ搭載の SIMMで統一する必要があります。パリ付き SIMMを混入すると、正常動作しない場合があります。
★ セカンドキャッシュについて
さて、セカンドキャッシュは、簡単に言うと高速で動作する
CPUとメモリの間のデータ転送速度の差を埋めるものです。この機種では、最大
256kBまで増設できます。これの有る無しでは、処理能力が体感で分かるほど違います。As3の様に
(Ap3でもジャンクで買ったら抜かれていた等 (^ ^;;)
無い場合は 128kBのものを必ず増設しましょう。
ただし、すでに、128kB搭載している Ap3 (中古で
As3を買ったらラッキーなことに 128kB増設されていた等)
のような場合は、あえて追加増設する必要はありません。
256kBまで増やしてもほとんど処理速度に違いが出ず、意味がありません。これも今や、純正品以外、生産終了で手に入れるには中古在庫を探すしか有りませんが、見つけることは難しいでしょう。
代表的なセカンドキャッシュ
| メーカー | 製品名 | 容量 | 標準価格(税別) | 現状 |
| NEC | PC-9821A3-B01 | 128kB | 30,000円 | 発売中 |
| メルコ | SA3-128J | 128kB | 19,800円 | 生産終了 |
SIMMの価格の高騰から、中古品や、ジャンク品の入手を検討する方もいらっしゃると思います。その時に意外と見分けるのが難しいのが、パリ付きとパリ無しの SIMMです。そこでここでは、Oh!PCの 98年 5月 1日号の P.72を参考に 簡単な見分け方を紹介します。
1. パリ無し SIMMは、SIMMを構成する DRAMの最小単位が、2個なので、2, 4, 8, 16個の DRAMが載っている。
2. パリ付き SIMMは、SIMMを構成する DRAMの最小単位が、3個なので、3, 6, 12, 24個の DRAMが載っている。
3. ただし、パリティジェネレータ搭載 SIMMや、ダミーチップの載った SIMMはこの限りではない。
ちなみに、ECC対応 EDO SIMMと ECC非対応 EDO SIMMの見分け方も同じです。また、61 SIMMは、パリ付きなのである程度は見分けがつきます。(^-^)
★ 解像度の拡張について
Ap3/As3に搭載されているグラフィックアクセラレータは、S3製 Vision864を採用しています。ところが、画面モードが、640 x 480、1024 x 768、1280 x 1024ドットの 256色と 640 x 480、1024 x 768の 32bitフルカラーにのみしか対応していません。この画面モードを DirectX 3以降のドライバをインストールすれば、細工をすることで増やすことができます。
なお、詳しい方法は、同じグラフィックチップを搭載している Xsのグラフィックアクセラレータの項を参考にしてください。(^ ^;;
ただし、高解像度にするとロットによっては、画面がボケたり、ゴーストがかかったり、全く表示できない場合があります。この場合には、あきらめるか、別の Ap3に買いかえるしかありません。(^ ^;;
★ 結果
ちなみに、自分の場合は、 800 x 600ドットにするとわずかにボケます。また、1024 x 768ドットの Highcolorと 800 x 600 Fullcolorは表示できませんでした。 (T_T)
そのほか、SCSIボードのスルー化は PC-9801FAと同様、IDE-98での IDE HDDの搭載は PC-9821Ap2と同様なので、ここでは省略します。(^ ^;;
このホームページに関する、ご意見・ご感想・ご要望等は、triss001@col.hi-ho.ne.jpまでお願いします。