PC-9821Ap ネタ
PC-9821Apは、FDDが故障した FA/U2の後継として購入しました。
2010/ 8/ 28 改訂
PC-9821Ap は、その価格の安さから急速にシェアを伸ばす PC/AT互換機 (DOS/V) に対抗すべく、1993年 2月に、「ウィンドウ環境での利用に最適。ハイコストパフォーマンスを実現した高機能 98登場。」 というキャッチコピーで、As, Aeと共に颯爽と登場しました。
この頃から、PC-9800シリーズは、用途によって細分化され、PC-9821型番は、98MATEと、98MULTI (Iが小文字になったのは、二代目から)、PC-9801型番は、98FELLOWという愛称がつき、筐体のデザインが、米国 IDEO社と共同開発した新デザインに変更されました。このデザインは、最終モデルの PC-9821Ra43まで、使用されています。
この初代 98MATE (A MATE) は、PC-9801FA/FS/FXの後継に当たり、従来に比べ、ベースクロックが 1.5倍から 2倍に高速化し、上位機種で、当時最強の CPU 「i486DX2-66」 を採用するなど、大幅に強化されました。
さらに、次期 OSの Windows3.1 (1993年当時) を意識し、PC/AT互換機同様、標準で、640 x 480ドット 256色の画面モードを搭載、IDEタイプ (一台の最大容量 544MBまでのものが内蔵可) の HDDも内蔵できるようになりました。また、マルチメディアには欠かせないサウンド機能も、86音源相当 (PCM音源 + FM音源) に強化され、NECの本気を感じさせるマシンとなりました。
後に、1993年 5月には、Windowsモデルとして、U7W, U9W, M7Wが登場しました。Windows 3.1と MS-DOS5.0A-Hに、S3社製 86C928を搭載した、ローカルバス用グラフィックアクセラレータ 「PC-9821A-E01」、2MBの RAM、マイク、マウスをセットにして登場しました。価格も U7, U9, M7の各モデル (PC-9821Apの場合) との差額が 52,000円と、お買い得でした。
PC-9821Apのラインナップ
| 型番 | FDD | HDD | その他 | 標準価格 (税別) |
| PC-9821Ap/U2 | 3.5インチ 3モードタイプ x2 | オプション | 550,000円 | |
| PC-9821Ap/U7 | 3.5インチ 3モードタイプ x1 | 120MB | 600,000円 | |
| PC-9821Ap/U9 | 3.5インチ 3モードタイプ x1 | 510MB | 830,000円 | |
| PC-9821Ap/M2 | 5インチ 2モードタイプ x2 | オプション | 564,000円 | |
| PC-9821Ap/M7 | 5インチ 2モードタイプ x1 | 120MB | 607,000円 | |
| PC-9821Ap/U7W | 3.5インチ 3モードタイプ x1 | 120MB | Windows3.1, PC-9821A-E01等付属 | 650,000円 |
| PC-9821Ap/U9W | 3.5インチ 3モードタイプ x1 | 510MB | Windows3.1, PC-9821A-E01等付属 | 882,000円 |
| PC-9821Ap/M7W | 5インチ 2モードタイプ x1 | 120MB | Windows3.1, PC-9821A-E01等付属 | 659,000円 |
初代 A MATEの主な仕様
| 型番 | CPU | メモリ | ODP |
| PC-9821Ae | i468SX-25 | FDDモデル 1.6MB HDDモデル 3.6MB |
DX2ODP 「PC-9821A-E03/L」 対応 |
| PC-9821As | i486SX-33 | 3.6MB | DX2ODP 「PC-9821A-E04/L」 対応 |
| PC-9821Ap | i486DX2-66 | 3.6MB | DX4ODP 「PC-9821-E02」 対応 |
★ 搭載 CPU ★
Apに搭載されている CPUは、intel 486DX2 (66MHz)
で、CPUボード上に有ります。キャッシュメモリ 8kB内蔵し、動作クロック
(コアクロック) をベースクロック (33MHz) の 2倍速に引き上げるクロックダブラーを搭載しているため、従来の
386や 486より高速な処理を実現しています。
さらに、コプロセッサも CPUに内蔵されています。コプロセッサは、現在の
CPUの浮動小数点演算ユニットにあたり、CPUと共に動作して、関数計算などを専門に担当します。

CPUソケットは、Socket 2の黒いソケットで、CPUボード上に有ります。オーバードライブプロセッサ (ODP) 、CPUアクセラレータが利用できますが、PentiumODP5V83は、ソケット側のピン穴の数が足らないので、物理的に装着できません。
★ メモリ ★
メモリはノーマルで 3.6MB内蔵し、メモリ専用スロットで、オプションの 4MBのメモリボード「PC-9821A-B01 (親亀ボード)」 上に 2MBのメモリサブボード 「PC-9801-61」 で、合計最大 14.6MBまで増設できます。なお、14.6MB以上のメモリは、増設しても無視されます。
注意として、メモリサブボードは、その型番から 61 SIMMと言う 72pin の SIMMで、形は似ていますが、FP SIMMや EDO SIMMとは仕様が全く違う、NEC独自規格の物なので使えません。間違って挿すと、メモリが燃えたり、マザーボードが壊れます。
ちなみに、セカンドキャッシュは搭載できません。搭載できないおかげで、CPUアクセラレータ搭載時にトラブルが少なく、製品の選択肢が広くなっています。(^ ^;;
★ 補助記憶装置 ★
HDD搭載モデルでは、IDE仕様の HDDを 1ドライブ内蔵しています。容量は、U7,
M7モデルでは 120MB、 U9モデルでは、510MBです。また、日本語
MS-DOS Ver5.0A-Hがプリインストールされています。
FDDは、U7, U9では、3.5インチ 3モードタイプ
(型番は、FD1138T: 26ピン) が 1台、M7には、
5インチ 2HDタイプ (型番は、FD1158D: 34ピン) が 1台搭載されています。
なお、後から 2ドライブ仕様に増設することは、ファイルスロットを使わない限りできません。
FDDモデルでは、U2には、 3.5インチ 3モードタイプが 2台、M2には、 5インチ 2HDタイプが 2台搭載されています。こちらには、OSは付属しません。
本体実装と違うタイプの FDD (例えば U2モデルにに 5インチ FDD等) を利用したい場合には、ファイルスロット内蔵用または、外付け用のドライブを接続することで利用できるようになります。
| メーカー | 型番 | 種類 | 対応機種 | 補足 |
| ファイルスロット内蔵用 | ||||
| NEC | PC-9801-F04 | 3.5" 2モード FDD | PC-9801FA, FS, FX A MATE全機種 |
5" FDDモデルで、3.5" FDDを使いたい場合に使用。 |
| NEC | PC-FD511F | 5" 2モード FDD | PC-9801FA, FS, FX A MATE全機種 |
3.5" FDDモデルで、5" FDDを使いたい場合に使用。ただし、PCの仕様上、3.5" 2ドライブ搭載のマシンでは、増設した 5" ドライブで 2DDのフォーマットができない。フリーソフトで回避可能。 |
| NEC | PC-FD321F | 3.5" 3モード FDD | A MATE全機種 | 5" FDDモデルで、3.5" FDDを使いたい場合に使用。 |
| 外付け用 | ||||
| NEC | PC-FD512R | 5" 2モード FDD | 1MB FDD I/F搭載機 | 5" FDDドライブユニット。 |
| NEC | PC-FD312R | 3.5" 2モード FDD | 1MB FDD I/F搭載機 | 3.5" FDDドライブユニット。 |
★ グラフィック機能 ★
グラフィック機能は、標準で、従来の 640 x
400ドット (4096色中 16色: Enhanced Graphic Charger)
に加え、A MATEシリーズで新たに追加された、Windows、DOS両方で利用できるプレーンアクセスモードの
640 x 480ドット (1677万色中 256色: PEGC) です。
また、モニター出力を 24kHzと 31kHzから選択できます。選択の方法は、電源投入後もしくは、リセットキーを押してから
「GRAPH」 キーと 「1」 (24kHz) または 「2」 (31kHz,
デフォルト) を押します。
さらに、オプションの 98ハイレゾボード 「PC-9821A-E02」
を増設することにより PC-98RL, XL, XA互換 (Hyper98とは、非互換)
のハイレゾモードで、最大 1120 x 750ドット、4096色中
16色の画面を DOS, Windows 3.1 (Windows 95は非対応)
で利用できます。
しかも、DOS画面のフォントが
24 x 24ドットの明朝体に変わります。このモードを有効にする場合、ソフトウェアディップスイッチ画面でハイレゾモードを選択します。なお、このモードでは、メモリマップ等が変わるためソフトウェアやハードウェアで正常動作しないものがあります
(詳しくは、それぞれの説明書を参照)。
また、このボードを増設することによりハイレゾ、ノーマル関係なく本体標準のプリンタポートは使用不可になり
「PC-9821A-E02」 上のプリンタポートを使います (詳しくは、本体マニュアル参照)。
なお、Windowsを利用するためには、別途グラフィックアクセラレータボード (ウィンドウアクセラレータボード) を Cバスまたは、ローカルバスに増設することをお勧めします。
他に、PC/AT互換機とは異なり、漢字 ROMを搭載しているため、DOSや BASIC上で、高速な漢字表示が行えます。
★ サウンド機能 ★
サウンド機能は、 PC-9801-86相当の FM音源機能 (FM 6音、リズム 6音、SSG 3音) と PCM録音再生機能を標準で搭載しています。ただし、使用する OSが Windows 95の場合、PCM再生時に CPUに負荷が掛かり、システムの動作が若干遅くなったり音飛びするので、気になる場合は、故 Q-Vison製 「WaveStar」 等のサードパーティー製 86互換ボードや、「PC-9801-118」 を増設しましょう。なお、この場合あらかじめソフトウェアディップスイッチでサウンド機能を切り離しておく必要があります。
残念ながら ATARI (MSX) 仕様ジョイスティック用コネクタはありませんが、マウス I/Fに変換ケーブル 「PC-98DO/P-11」 を接続し、再起動することにより使用できるようになります。なお、この場合マウスとの同時使用はできません。
★ インターフェース ★
| 位置 | 種類 | 形状 |
| 本体前部 | キーボード | ミニ Din 8pin |
| バスマウス | D-Sub 9pin | |
| ヘッドフォン出力 | ステレオミニジャック | |
| マイク入力 | ステレオミニジャック | |
| 本体後部 | アナログディスプレイ | D-Sub 15pin, 24/ 31kHz対応 |
| LINE入力 | モノラルミニジャック | |
| LINE出力 | モノラルミニジャック | |
| 1MB FDD I/F | アンフェノール 50pin | |
| RS-232Cシリアル I/F | D-Sub 25pin, 最高 9,600bpsまで対応。 | |
| プリンタ I/F | アンフェノール 14pin、双方向非対応 |
この中で特に、Ap, As, Ae以降の PC-9821系とでは、バスマウス、アナログディスプレイ、プリンタのコネクタの形状が違うので注意が必要です。
★ 拡張スロット ★
拡張スロットは、Cバス (汎用拡張スロット) が 4スロットで、うち下の 2スロットが 32bitローカルバスと兼用になっています。
32bitローカルバスは、16bitの Cバスに比べ、バス幅が倍の
32bitになり、供給クロックも上がっているので、より高速に多くのデータのやり取りができます。これに対応するボードは、グラフィックアクセラレータやビデオキャプチャ、98ハイレゾボード等があります。
ただし、PC-H98/SV-H98シリーズ用の
NESAバス用ボードとは互換性がまったくないのでご注意ください。ここに挿すと本体や拡張ボードが壊れます。特に、中古品やジャンク品などで、NESAバス用ボードがローカルバス用として間違って売られている場合があります。(^
^;;
さらに SCSI I/F専用スロットを搭載しています。一部のファイルスロット機器や、SCSI仕様の HDDを内蔵する際には、必ずこのスロットに対応した SCSIボード 「PC-9821A-E10」 や、相当品が必要になります。
★ Dip SWの設定 ★
この機種では、内蔵 HDDの切り離し等の設定が画面上で設定できるソフトウェアディップスイッチを採用しています。呼び出し方は、電源投入後もしくは、リセットボタンを押してから 「HELP」 キーを押します。
また、スイッチが本体前面のカバー内に 2つ有ります。それぞれ以下のようになっています。赤い部分がデフォルトです。
CPU動作速度の切り替え (左側)
表示 |
電源ランプ | 動作速度 |
| H | 緑色 | i486DX2 66MHz。 |
| M | 黄色 | i486SX 16MHz相当。 |
| L | 赤色 | V30 8MHz相当。 |
注意点として、V30エミュレーションモードでは、メインメモリが、640kB固定になります。他に、V30を必要とする一部の古いソフトウェアでは正常動作しないものがあります。
動作モードの切り替え (右側)
表示 |
|
| N | ノーマルモード。 |
| H | ハイレゾモード、98ハイレゾボード搭載時に選択可能。 |
★ その他の特徴 ★
他にこのパソコンの特徴として、筐体が大変凝った作りになっており、簡単にフロントマスクが外せるため、HDDの増設や交換が簡単にできます。
また、PC-9801FA, FS, FXから受け継いだ、ファイルスロット (ファイルベイの前身) が本体前部に 1スロット付いており、CD-ROMや HDD, MO (光磁気ディスク)、テープストリーマ、3.5または 5インチ FDD等が差し込むだけで簡単に内蔵、交換ができます (CD-ROM搭載モデルではここに CD-ROMを標準で実装) 。
ちなみに、ドライバーが無くてもコインでネジが回せるため、簡単にルーフカバーが外せるという心憎い工夫もなされています。(^-^)
★ はじめに
さて、だいたい Apのことが分かったところで CPUの換装です。(^ ^;;)
この CPUが載っているソケットは Socket 2の黒いソケットで、「DX4ODP (R)」 や CPUアクセラレータが利用できます。ただし、購入する場合は、Apに正式に対応しているものを選びましょう。
なお、対応機種から外れている CPUアクセラレータを使うと保証外になるのでご注意下さい。詳しくは注意事項をお読みください。
ここで、自分が実際に使用したものは、intel製の 「DX4ODP (R)」 という ODPと、メルコ製 「HAS-33TP」 です (仕様は以下の表参照)。これらの製品は全て生産終了です。
ちなみに、ODP, OverDriveProcessor は intel社の登録商標です。注意しましょう。(^ ^;;)
代表例
| 商品名 | メーカー | 種類 | クロック倍率 | 動作クロック | 搭載 CPU | 内部キャッシュ | コプロセッサ | 現状 |
| PC-9821-E02 | NEC | ODP | 3倍 | 100MHz | intel DX4 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| DX4ODP (R) | intel | ODP | 3倍 | 100MHz | intel DX4 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| PK-586x3 | I-O DATA | CPUアクセラレータ | 3倍 | 100MHz | Cyrix Cx5x86-GP100 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| PK-A586/98 | I-O DATA | CPUアクセラレータ | 4倍 | 133MHz | AMD Am5x86-P75 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| HAS-33T | メルコ | CPUアクセラレータ | 3倍 | 100MHz | intel DX4 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| HAS-33TP | メルコ | CPUアクセラレータ | 3倍 | 100MHz | Cyrix Cx5x86-GP100 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| PNT-33 | アセットコア | CPUアクセラレータ | 2.5倍 | 83MHz | intel PODP5V83 | 32kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
★ ODPについて
Apで使用できる ODPは、DX4ODP (R) のみです。NEC純正品では、「PC-9821-E02」 です。この ODPは、iDX4を搭載し、ベースクロックの 3倍速 (100MHz) で動作し、キャッシュメモリが倍の 16kBになります。iDX4と DX4ODP (R) との違いは、i486DX2と iDX4では、動作電圧が、前者が 5V、後者が 3.3Vと違うので、iDX4に電圧変換機構を組み込み、ヒートシンクを付けたもので、それ以外は、元の iDX4と変わったところはありません。
なお、DX4ODPには、(R) がつくものと、つかないものがあります。(R) と言うのは、CPU置き換え型 (Replace) を表し、Apで動作保証があるのは、(R) の方です。無印の方は、ODPソケット用で、As/Aeではこちらを使います。Apでは、どちらでも動作するようですが、購入の際には、ご注意ください。
ちなみに、Pentium (P24T) を搭載している、PODP5V83/63は、ODP側の ピンの数が多いため、物理的に装着できません。この場合、ODP最外周の CPUクーラーへの電源供給用の余分なピンを全て切れば搭載できますが、CPUクーラーが回らず、動作速度が、等速 (33MHz) になってしまいます。(^ ^;;
★ CPUアクセラレータについて
486機用 CPUアクセラレータは、386DX用と同様に、沢山の種類がありますが、搭載している CPUにより、大きく 3つに分かれます。
一つ目は、iDX4を搭載した物で、性能的には、DX4ODPとかわりません。これには、メルコ製 「HAS-33T」 等が該当します。
二つ目は、Cyrix製 Cx5x86または、IBM製 5x86Cを採用した物です。Cx5x86/5x86Cは、PentiumODPに近い構造で、同クロックの
486系 CPUの中では、最強を誇り、その性能は、Pentium
100MHzに迫ると言われています。
また、ソフトウェアから、ライトバック動作等、CPU内部の設定ができるため人気がありました。(詳しくは、企画課を参照)
ただし、先進の構造があだとなり、intel純正
CPUとの互換性が低く、安定動作させるためには、それなりの知識が必要でした。これには、I-O
DATA製 「PK-586x3」、メルコ製 「HAS-33TP」
等が該当します。
三つ目は、AMD (Advanced Micro Device) 製 Am5x86 (Am486DX5)
を採用した物です。Am5x86は、iDX4を改良した構造で、486系
CPUの中では、最高速を誇ります。(詳しくは、企画課を参照)
キャッシュメモリは、ライトバックに対応しており、133MHz動作では、Pentium
75MHzに迫る性能を持ちます。
ただし、Cx5x86とは異なり、ソフトウェアからライトバック動作等、CPU内部の設定をすることはできません。よって、PC本体側でライトバック動作に対応していない場合、パフォーマンスが落ちてしまいます。これには、I-O
DATA製 「PK-A586/98」、メルコ製 「HAS-33QP」
等が該当します。
他に、アセットコアから、Apのようにソケット側にピン穴が足らず、PODP5V83が物理的に装着できないマシンでも PODP5V83を利用できるように、問題をクリアし、CPUアクセラレータ 「PNT-33」 として発売していました。
なお、これらの CPUアクセラレータの構造に共通することは、採用 CPUの動作電圧が、i486DX2の 5Vと違うので、電圧変換機構が組み込まれています。また、ライトバック対応の CPUを採用している物では、ライトバック制御の機能を持っている物もあります。
この中で、Apのようなライトバック非対応機の場合、I-O
DATA製の 「PK-A586/98」 という CPUアクセラレータが最強となります。これは、AMD製
Am5x86P75 (対 Pentium比で 75MHz相当の意味、実際の動作クロックは
133MHz) を搭載し 「DX4ODP」
より高速な上、ライトバック対応キャッシュをハードウェア上で制御しているので、DOSや
Windows 95以外の OSでも高速で動作させることができます。
残念ながら、2001年 4月現在、すでに生産終了で入手は困難ですが、CPUアクセラレータの中では、こちらをお勧めします。中古では、6,000円前後といったところです。
余談ですが、CPUアクセラレータを使わず、iDX4、Cx5x86等の CPUを Apに載せるためには、5Vの電圧を 3.3Vに降圧する 486用の電圧変換下駄が必要になります。
★ ハイパーメモリ CPU
さて、初代 A MATEでは、CPUアクセラレータのさらに上を行く物があります。それが、メルコが開発した
「ハイパーメモリ CPUシリーズ」
と呼ばれる物です。この製品には、同社の 98ノート用メモリボードの
「ENLシリーズ」 用ソケットが 2つ有り、Ap本体のメモリの最大搭載量
14.6MBを越え、最大 78.6MB (14.6MB + 32MB + 32MB) まで増設できるすぐれ物です。
また、追加したメモリは、ファーストページモード、バースト転送に対応するので、本体内蔵のメモリより高速です。この製品は残念ながら 1999年 4月現在生産が終了し、カタログから姿を消しました。
ここで、自分が実際に使用したものは、ハイパーメモリ CPUシリーズである 3倍クロックの 「EUA-TP0M」 です。
「EUAシリーズ」
| 商品名 | メーカー | 種類 | クロック倍率 | 動作クロック | 搭載 CPU | 内部キャッシュ | コプロセッサ | 現状 |
| EUA-T | メルコ | CPUアクセラレータ | 3倍 | 100MHz | intel DX4 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| EUA-TP | メルコ | CPUアクセラレータ | 3倍 | 100MHz | Cyrix Cx5x86-GP100 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
| EUA-QP | メルコ | CPUアクセラレータ | 4倍 | 133MHz | AMD Am5x86-P75 | 16kB | CPU内蔵 | 生産終了 |
ちなみに、PC-9821Ap/As/Ae用以外では、PC-9801DA/RA21/RA51用 「EUDシリーズ」、PC-9801FA用 「EUFシリーズ」、PC-9801BA/BX用 「EUBシリーズ」、PC-9801BA2/BS2/BX2用 「EUZシリーズ」があります。
★ ODP, CPUアクセラレータの取りつけ
取り付け前の注意事項として、CPUアクセラレータでは、CPUソケットと、ODPソケット両方に対応するため、製品によっては、ジャンパでの設定が必要な場合がありますので、各製品付属の説明書で、設定を確認してから取り付けてください。設定が誤っていると、正常動作しない場合があります。メルコ製 「HAS-33TP」等が該当します。
さて、ODP, CPUアクセラレータ共に取り付けは非常に簡単です。ルーフカバーを開け、向かって左側の CPUボードとメモリボードの上にある金属製の蓋を外し、向かって手前側に付いている CPUボード上に引き抜いて取り出します。
取り出したら、ヒートシンクと、標準の i486DX2を外してから、CPUソケットには、必ず 1ピンの印があるので、これに CPUの切り欠きを合わせるように向きに注意 (間違って挿すと、CPUや PCが壊れます) して、ソケットに ODP, CPUアクセラレータ本体を取り付け、レバーを下ろして固定します。
取り付けた後、CPUボード、ルーフカバー等を元通り取り付け、電源を入れて 「ピポッ」 と鳴れば、成功です。今までが嘘のようにとはいきませんが高速に動作します。(^-^)
仕上げに、各製品に付属の 「キャッシュコントローラ」 をインストールすれば、今までが嘘のように高速に動作します。なお、ODPでは、インストールする必要はありません。また、「PK-A586/98」 は、アクセラレータ上で制御しているので、後からインストールする必要はありません。
★ ハイパーメモリ CPUの取りつけ
こちらも、CPUソケットと、ODPソケット両方に対応するため、ジャンパでの設定が必要です、製品付属の説明書で、設定を確認してから取り付けてください。設定が誤っていると、正常動作しない場合があります。
一方、ハイパーメモリ CPUの場合は、CPUボードから ヒートシンクと CPUを取り出すまでは同じですが、次ぎの手順が少し異なります。
それは、ハイパーメモリ CPU自体が CPUソケットに比べかなり大きく、CPUソケットのレバーが邪魔になって、そのままでは載せられないためです。そこで、このソケットに、ハイパーメモリ CPUに付属の黒いソケット (ハイアダプタ) を取り付け、ソケットのレバーを下ろして固定します。
続いて、ハイパーメモリ CPUを、向きに注意して
(CPUソケットには、必ず 1ピンの印があるので、これに
CPUの切り欠きを合わせます)
ハイアダプタ上に取り付けます。始めは、ハイアダプタの穴に、ハイパーメモリ
CPUのピンを合わせて上に置き、ハイパーメモリ
CPU水平を保った状態で、少しづつ力を加えて、ピンを奥まで完全に取りつけます。
ここで、ハイパーメモリ CPUが傾いていたり、力を加えすぎると、ピンが曲がったり、折れたりして、壊れてしまいます。
取り付けた後、CPUボード、ルーフカバー等を元通り取り付け、電源を入れて 「ピポッ」 と鳴れば、まずは成功です。
仕上げに 「DXキャッシュコントロールユーティリティ」 をインストールすれば、今までが嘘のように高速に動作し、ハイパーメモリ CPU上に増設したメモリも認識されます。もっとも、いくら高速とは言っても、新型のパソコンとは比較になりませんが、ノーマルの PC-9821Xa7 (Pentium 75MHz搭載) 位になら肩を並べられるかも知れません。(^-^)
★ CPUアクセラレータ、ハイパーメモリ CPU搭載時の問題点
ただし、注意点があります。「DX4ODP (R)」 や
「PK-A586/98」 を除き、i486DX2 と Cx5x86/5x86Cや Am486DX5では、CPU内部のキャッシュメモリの制御の仕方が微妙に違うので
(どう違うかは、ここでは省略します)
必ずキャッシュコントローラをインストールしなければなりません。
ちなみに、キャッシュコントローラをインストールしないと
Cx5x86や、Am486DX5の本来の力が発揮されず 2割ほどパフォーマンスが落ちてしまいます。
そして、このキャッシュコントロールユーティリティは
MS-DOS, Windows 3.1, Windows 95でしか動作しないので、インストールできない
MS-DOS以外の OS (例えば、N88-BASICやソフトメーカー独自の
OS)
では、動作が不安定になる場合があります。
また、「HAS-33TP」 や 「EUA-TP」等、Cx5x86/5x86C搭載の CPUアクセラレータを使用した場合、拡張ボードとの相性により、稀に正常動作しなくなることがあります。特に、SCSI I/Fボードで、バスマスタ転送が正常に動作しなくなります。他にも、DMAチャネルを使用するボードで、影響が強く現れます。
ほかに、メルコ製ハイパーメモリ CPUの 「EUA-QP」 では、「ENL-32M」 を搭載すると、Windows95上で、エラーが頻発したり、Canopus製 GAの 「PowerWindow964LB」 を使用している場合、フルカラーモードで色化けを起こすなど、動作が不安定になることがあるそうです。これについては、どろんぱ氏が HP 「Moveα」 で、詳しく報告されていますので参考にしてください。
以上の事があるので、念の為、ご注意ください。また、完全な安定動作を必要とする環境の場合は、メーカー推奨の ODPである DX4ODP (R) をお使いください。
★ 結果
最後に、これらの ODPや CPUアクセラレータを使い、 DOS Ver 6.2上でベンチマークを取ってみましたので、参考にしてください。使用ソフトは、I-O DATAの 「INSPECT Ver 1.03」 です。
名称 |
搭載 CPU |
動作倍率 | 動作周波数 | Dhrystone(点) | Whetstone(点) | 総合(点) |
i486DX2 |
i486DX2 |
2倍 |
66MHz |
21276 |
18775 |
24940 |
DX4ODP (R) |
iDX4 |
3倍 |
100MHz |
27522 |
27777 |
33040 |
EUA-TP, HAS-33TP |
IBM 5x86C/WT |
3倍 |
100MHz |
33333 |
38910 |
41080 |
EUA-TP, HAS-33TP |
IBM 5x86C/WB |
3倍 |
100MHz |
38461 |
38505 |
46100 |
参考までに、「INSPECT Ver 1.03」 のデータベースでは、ノーマルの PC-9821Af (Pentium 60MHz) が総合で 40000点です。
測定当時、メモリは、純正品で 14.6MB増設していました。現在の機器の構成については、電算機管理室の項を参照してください。感想としては、動作自体は
DX4ODP (R) では、intel純正品ということもあり、非常に安定していますが、66MHzから
100MHzなので Windows 95上ではあまり変化は感じられませんでした。
一方、CPUアクセラレータの EUA-TP, HAS-33TPでは、Apでもライトバック動作が可能になるので、グラフィック画面の表示が速く、動作が機敏になったように感じました。(^-^)
ただし、 EUA-TP, HAS-33TPを搭載すると、故 ICM製 SCSI I/Fボート 「IF-2769」 でバスマスタ転送を行うと、データ化けが発生するようになり、Windows95が正常に起動しなくなりました。(T_T) これを、SMIT転送の I-O DATA製 「SC-98IIIPSB」に交換すると、トラブルは無くなりました。
★ はじめに
さて、CPUアクセラレータを使って高速化したら、さっそく、メモリを増設しましょう。メモリの増設の方法は、メモリ専用スロット、EUA-TP/QP上のスロットの 2つの方法があります。他にも、Cバススロット用がありますがメモリアクセスが遅いのでお勧めしません。と言うよりやめたほうがいいです。(^ ^;;
★ メモリ専用スロット用メモリ
まず、メモリ専用スロット用メモリでは、専用メモリ (親亀) ボードが必要になります。純正品以外では、I-O DATA製の 「BA34シリーズ」 やメルコ製の 「EABシリーズ」 があります。前者では、4MBのメモリをボード上に、後者では、SIMMソケット上に 4MB〜14MB搭載しており、 追加で、PC-9801-61/U/R互換の 2MBの SIMM (メモリサブボード) で容量を 14.6MBまで増設できます。
なお、14.6MBを超えるメモリを増設しても、超えた部分は切り離されます。 ちなみに、PC-9821Ae/As/Ap用親亀ボードと
PC-9801FA/FS/FX/BA/BX用親亀ボードは、同じ仕様なので、保証外ですが、交互に使いまわしができます。
ただし、残念ながら現在は全て生産終了で、手に入れるには中古在庫を探すしか有りませんが、割と見つかりやすいです。01年
4月現在の相場は、2MB当たり 500円程度です。
メモリサブボードも、生産終了で手に入れるには中古在庫を探すしか有りません。なお、形は似ていますが、FP SIMMや EDO SIMMとは仕様が全く違うので使えません。間違って挿すと、メモリが燃えたり、マザーボードが壊れます。また、メモリサブボードでも、1MBの 「PC-9801-53」 も使えません。
代表的な専用メモリボード
| メーカー | 製品名 | 容量 | 標準価格(税別) | 現状 |
| NEC | PC-9821A-B01 | 4MB | 39,000円 | 生産終了 |
| メルコ | EABシリーズ | 4MB | 19,800円 | 生産終了 |
| I-O DATA | BA34シリーズ | 4MB〜14MB | 28,000〜87,000円 | 生産終了 |
代表的なメモリサブボード (61 SIMM)
| メーカー | 製品名 | 容量 | 枚数 | 標準価格(税別) | 現状 |
| NEC | PC-9801-61/U/R | 2MB | 1枚 | 20,000円 | 生産終了 |
| メルコ | XMC-2000 | 2MB | 1枚 | 6,000円 | 生産終了 |
| I-O DATA | PIO-SIM61 | 2MB | 1枚 | 6,000円 | 生産終了 |
★ ハイパーメモリ CPU用メモリ
もう一つの方法は、EUA-TP/QP上のスロットで増設します。このスロットでは、ファーストページモードや、バースト転送に対応するので、本体内蔵のメモリより高速に動作します。使えるメモリは、メルコ製で
PC-9821 Ld, Lt, Lt2, Ne3, Nd2, Na7, Nx, PC-9801 NL/A対応の 「ENLシリーズ」
です。1999年 1月現在、16MBタイプが生産終了となり
32MBタイプのみが販売中です。
中古市場では、8MBや 16MBが主流で 32MBタイプはまだ多く出回ってないようでが、運よく見つけることができれば、5千円前後で買えると思います。
なお、同じ対応機種の NEC製 「PC-9821LD-B02/03/04」 や、I-O DATA製 「Ld34シリーズ」 等では、ロットによって稀に動くものが有ります。
というのも、EUA-TP/QP上で、メモリがメルコ製どうかチェックしているらしく、これに引っかからないものは、動作してしまうようです。ただし、これは使えると言うだけで安定動作するかどうか分かりません。また、保証外になるので、素直に 「ENLシリーズ」 を使いましょう。
ちなみに、手もとの 「EUF-EP (PC-9801FA用)」 では、NEC製 「PC-9821LD-B04」 が正常動作しています。ENLが品薄だった物でついつい...(^ ^;;
なお、先にも述べましたが、「EUA-QP」 では、「ENL-32M」 を搭載すると、Windows95上で、エラーが頻発したり、Canopus製 GAの 「PowerWindow964LB」 を使用している場合、フルカラーモードで色化けを起こすなど、動作が不安定になることがあるそうです。くれぐれもご注意ください。
★ CPUアクセラレータについて
ハイパーメモリ CPUシリーズの 「EUA-QP」では、メモリの管理の方法が、従来のハードウェアからソフトウェアに変更されたため、「ENL-32M」 を搭載すると、トラブルが発生することがあるようなので、トラブルの発生しない 「EUA-TP」 を入手し、ハイパーメモリ CPU上の CPUを IBM 5x86C (Cx5x86互換) から Am5x86に交換し、「EUA-QP」 相当品を作ってみようと思いました。(^ ^;;
ただし、この方法では、ライトスルー動作になるので、本物の 「EUA-QP」 より性能は若干落ちます。
なお、CPUアクセラレータの CPUを交換すると、改造行為となり、保証対象外になるのでご注意下さい。詳しくは注意事項をお読みください。この方法により本体や、CPUアクセラレータが故障しても、こちらに責任はありませんので、文句をいわないでください。全て自己責任でお願いいたします。
ここで、用意したのは、「EUA-TP」 と、AMD製 CPU の Am5x86-P75 ADZです。この CPUは、PC-9801DA用の 「EUD-HP」 に搭載されていた物で、ADZロットは、熱に対する耐性が高いことで有名です。実際、DAでは、160MHz動作にも耐えました。(^-^)
手順は、「EUA-TP」 から、IBM 5x86Cを CPUリムーバー等で取り外し、Am5x86-P75を取りつけます。ただし、このままだと、3倍速 (100MHz) で動作してしまいます。
これを、4倍速 (133MHz) 動作させるためには、CPUのピンを細工して設定しなおさなければいけません。どうするかは、AMDのサイトから Am5x86-P75のデータシートをダウンロードしてみれば分かるのですが、簡単にいうと Am5x86-P75の 「R17」 ピンを GNDに落とす (Vssに接続する) ことで 4倍動作します。
幸い、「EUA-TP」 上の Dip SWの 4番 (下の図の赤い矢印) は、CPUの 「R17」 ピンに繋がっているので、これを OFFにします。これにより、4倍 (133MHz) 動作するようになります。
ちなみに、4倍速設定を持つ Cx5x86を載せた場合も、同じ操作で、133MHz動作になります。

以上で終わりです。EUA-TP付属の 「DXキャッシュコントロールユーティリティ」 をインストールすれば、EUA-TP上のメモリが認識されるようになります。なお、このドライバでは、Am5x86のキャッシュ制御は行えません。Am5x86搭載のハイパーメモリ CPU対応の 「EXキャッシュコントロールユーティリティ」 は、読み込み後に、ハングアップして使えませんでした。(T_T)
では、お約束のベンチマークです。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821Ap/U2
Processor Am5x86/WT/4x [AuthenticAMD family 4 model E step 4]
解像度 800x600 65536色(16Bit)
Display Power Window 964
Memory 80,312Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 2001/ 3/17 17:34
SCSI = I-O DATA SC-98V(非PnPモード)
ABC = NEC DSE1700S Rev 0305
D = GENERIC NEC FLOPPY DISK
E = GENERIC NEC FLOPPY DISK
F = NEC CD-ROM DRIVE 4 M Rev 1.0
ALL 浮 整
矩 円 Text
Scroll DD Read Write Memory Drive
2839 3612 5380
5025 3052 1759 97 8 3273 517 3458 A:10MB
これにより、ノーマルの 「EUA-TP」 に比べ、動作クロックが上がった分、体感では分からない物の、わずかにパフォーマンスが上がりました。なお、自分が扱った上では、Am5x86がライトバックでも、ライトスルーでも大きな違いはありませんでした。(^ ^;;
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