PC-9821An is converted into a file bay
PC-9821Anのファイルスロットをファイルベイに魔改造
2012/ 3/ 18 更新
この改造は PC-9821Anや A MATEシリーズ, PC-9801FA, FS, FX, PC-H98model105のユーザーに勧めているわけでは決してありません。このページの内容はメーカーの禁止している改造行為に当たるので保証範囲外になります。修理を受けることはできないものとお考えください。
また、筺体を加工するため成功、失敗に関わらず元に戻すことはできません。この改造の結果によりパソコン本体やデータが破損したり、怪我を負ったりしても当研究所では一切の責任をとりません。試してみようというチャレンジャーな方は全て自己責任で行ってください。
なお、このページの解説でファイルベイ化の改造方法が理解できない方は大変危険ですので、参考程度に留めて置きましょう (^ ^)b
PC-9821Anでは、PC-9801FA, FS, FXや PC-H98 model105で採用されたファイルスロットを採用しています。ファイルスロットは、本体のルーフカバーを開くことなく用途に応じて CD-ROMドライブや FDD、HDD等を差し替えるだけで使用する事が出来て大変便利ですが、装置ごとに異なるコネクタを用意しなければならない構造のためコストが高く普及しませんでした。
PC/AT互換機では 5インチファイルベイ (5インチベイ) に機器を搭載してケーブルでつなぐ方式でコストも安いため一般化し PC-98シリーズでも 98MATE Xシリーズ以降はファイルベイに一本化したため、それ以降にファイルスロット機器の後継モデルが登場することが無く結果として CD-ROMドライブでは 2倍速止まり、光磁気ディスクに至っては純正品では 128MBタイプしか存在せず、そもそも装置自体の入手がほぼ不可能という状況です。
そこで、すでに終息してしまったファイルスロットをファイルベイに改造し 5インチベイ対応機器を使用しようと考えました。成功すれば SCSIタイプの比較的新しいファイルベイ機器を内蔵することができるようになります。ちなみに、IDE機器、特に ATAPI接続の CD-ROMドライブは PC-9821Anではそのままでは使えません。CD-ROMドライブは保証外ですが アイ・オー・データ機器 (I-O DATA) の IDE-98を内蔵すれば使えるかも知れません。
ただし、実際の作業には金工用鋸 (できればディスクグラインダー) や金工用やすり、ハンダ鏝等の工具が必要になる他に大変な労力を要しますので覚悟しましょう。(^ ^;;)
あらかじめ断っておきますが、これらの行為はメーカーの禁止している改造に当たるので当然保証外です。また、改造の結果により本体やデータが破損しても、当研究所では一切の責任はとりません。全て自己責任で行ってください。
それでは作業に入ります。まず始めに PC-9821Anの本体からファイルスロットのフレームを取り出します。取り出し方は次の通りです。
このときに柄の長いドライバーを使うと楽にネジが外せます。
ファイルスロットの金属フレームだけにした処でファイルスロット部分の両側の黒いプラスチック製のレールを三カ所の爪を押して外します。これは、後で使うので折らないようにします。外したらファイルスロットをふさぐ金属カバーの為のネジ穴を折り取ります。
次にいよいよ金工用鋸等の登場です。まず、次の画像のように
ファイルスロット内側の 4カ所のガイドレールと奥の出っ張りを切ってやすり掛けをして平らにしておきます。ガイドレールは外側から角の部分を削ると比較的に楽に加工できます。
続いて信号ケーブルを逃がすためにファイルスロット上側を次の画像のように切ります。右側は拡大図です。
ここからは仕上げになります。一度適当なファイルベイ機器を取り付けてみてひっかかりが無いかチェックして有ればやすり掛けをして修正します。
問題が無ければ最後に金属の削り屑をが残っていると後でショートの原因となり大変危険ですので良く払って除いておきます。外した黒いプラスチック製のレールを元の位置に取り付けます。
この作業中、金属フレームの断面は鋭くなっているので手を切らないように注意しながら行います。また、下手に一箇所に力をかけすぎるとフレームが歪むので、これにも気をつけなければいけません。
ファイルスロットの金属フレームの加工が終わったら、次はファイルスロットバックボードを加工します。コネクタを外した後に信号線と電源ケーブルを配線していきますが、配線を繋ぎ間違えると SCSI機器やマザーボードが故障する他に火災の原因になり得ます。くれぐれもご注意ください。
ファイルベイ機器に信号ケーブルをつなぐ際に邪魔になるので、ファイルスロット機器用の黒いコネクタをハンダごてを使って外します。外すのは CD-ROMドライブ等の SCSI機器用の 60ピンコネクタと FDD用の 44ピンのコネクタです。このコネクタを外しておかないと、後でファイルベイ機器が奥まで入らず前に出っ張ってしまいます。
コネクタを外したら SCSI機器用の 60ピンコネクタ部分に、SCSIケーブルと電源ケーブルを配線します。配線用の SCSIケーブルには 50ピンの内蔵用スダレケーブルを使うと良いでしょう。コネクタ跡の左端上の 1番ピンから 50番ピンまでが SCSIの信号線なので順次配線して行きます。
ファイルベイ機器用電源ケーブルは、一般的なストレートの電源ケーブルではコネクタ部分が後ろに出てしまいファイルベイ機器が奥まで入らないので、L型コネクタの物を使います。自分は適当なのがなかったので変換コネクタを切って使いました。
電源ケーブルの配線は 53、54番ピンが +5V、57から 60番ピンが +12Vですのでそれぞれ間違わないように配線します。グランド (GND) はどこからとってもいいですが、今回は内蔵用 FDDコネクタから取りました。次の画像は、加工後のファイルスロットバックボードです。
一通り改造が終わった時点で仮組をして動作確認をしておきます。SCSI機器が正常に認識するか、FDDや HDDが正常に動作するかを確認します。特に、SCSI機器が正常に認識、動作しない場合は、配線の間違いやハンダ不良、バックボードの接触不良をチェックします。
最後にフロントマスクをファイルベイ機器が取り付けられるように口を広げるようにやすり等で削ります。始めは、荒目のやすりで削り、一度に多く削らず、途中でファイルベイ機器をあてがってみて、引っかかる部分を削っていきます。荒削りが終わったら、紙やすり等で仕上げます。次の画像は、加工後です。左側は、表側で、右側は、裏側です。
この作業では、FDD下の棒状の部分が折れやすいので注意します。また、見た目が重要なので完成予想を頭に思い浮かべながら、無理せずなるべく丁寧に作業するのがポイントです。(^-^)
以上で加工は終了です。後は、全てを元通りに取り付けて完了です。次の画像は、完成したファイルベイ仕様の PC-9821Anです。
今回の加工のポイントは、金属フレームよりもフロントマスクにあります。いかにファイルベイ機器を取り付けて自然な感じに仕上がるかが最大のポイントになるでしょう。現在、この PC-9821Anでは適当な CD-ROMドライブが入手できなかったので、バルクのパイオニア製 SCSI-2対応 32倍速 CD-ROMドライブ 「DR-966」を搭載しています。おかげでデータ転送速度が 内蔵 HDDより速くなりました。(^ ^;;)
ただし、今のところ Windows95では問題ないものの DOSではドライブの認識は正常、CD-ROMを読もうとすると読み込み途中で割り込みエラーが出て使えません。(T_T)
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