PC-9821Xs ネタ

PC-9821Xs/C8Wは、ローカルバスと PCIバスの狭間に生まれた悲劇のマシン。

2002/ 6/ 20 改訂


<< PC-9821Xsとは >>

 1993年 1月、Windows 3.1を視野に、VGA画面 (640 x 480ドット 256色) や、86音源 (FM, PCM音源) を搭載し、従来の PC-9801型番から大きく変身を遂げた、A MATEシリーズは、高性能で好評を博しましたが、安価なモデルでも、30万円以上、Pentiumモデルに至っては、最低でも 約 60万円以上 (後に価格の改定があり 10万円ほど安くなりました) とそれなりに高価だったことが欠点でした。

 また、PC/AT互換機 (DOS/V機) の低価格攻勢がさらに強まったため、1993年11月に、NECは、安価なグラフィックチップを搭載し、音源機能を除き、ファイルベイを搭載した、ビジネス向け Windows3.1対応モデルとして、B MATEシリーズ (Bp, Bs, Be) を発売しました。この後、1994年 1月に、Pentium 60MHzを採用した Bfが加わりました。

 この B MATEシリーズは、二代目 98FELLOWシリーズ (PC-9801BA2, BS2, BX2) にグラフィックチップ (Cirrus Logic GD5428) を内蔵しただけといった感じのもので、発表当時は、賛否両論がありましたが、結果として、安価だったことが、従来の DOSユーザーや、企業ユーザーに受け、 この B MATEシリーズは、成功したといえます。

 これを受け、A MATEシリーズは、主流から外れ (T_T) 、B MATEシリーズが発展し、1994年 7月に、新 MATEシリーズと銘を打った X MATEシリーズが、ハイエンドからローエンドまで、全てを補う形で登場しました。B MATEシリーズとの違いは、Xeを除く全モデルで、PCM音源 (MATE X PCM) や、高性能なグラフィックチップが搭載され、特に、ハイエンドモデルでは、PC-9800型番で初めて PCIバスが採用されるなど、大幅にパワーアップしています。

 そのなかで PC-9821Xsは、 486搭載のスタンダードモデルとして、「高速、大容量、マルチメディア対応で、これからのウィンドウズ・マシンの新基準。」 と言うキャッチコピーで、Xa, Xt, Xn, Xp, Xeと共に登場しました。なお、Xfは少し遅れて 1994年 11月発売です。Xsのラインナップと初代 X MATEの主な仕様は次のとおりです。

 

Xsのラインナップ

型番 FDD HDD CD-ROM グラフィックチップ 標準価格 (税別) 補足
PC-9821Xs/C8W 3.5インチ x1 IDE 340MB ATAPI 2倍速 S3 Vision864 348,000円  
PC-9821Xs/U7W 3.5インチ x1 IDE 210MB オプション S3 Vision864 380,000円  
PC-9821Xs/U7WL 3.5インチ x1 IDE 210MB オプション S3 Vision864 398,000円 NIC搭載

 

初代 X MATEの主な仕様 (価格は、発表当時の価格)

型番 CPU 2nd Cache 最大メモリ グラフィックチップ 価格 (税別) 補足
PC-9821Xt Pentium 90MHz 256kB 128MB Matrox MGA-II 1,000,000円 PC-9821型番で、初のタワー型、PCIバス搭載マシン。
PC-9821Xa Pentium 90MHz 256kB 128MB Matrox MGA-II 500,000円〜 PC-9800型番で、初の PCIバス搭載マシン。フレームモデル有り。
PC-9821Xf Pentium 60MHz 256kB 96MB Matrox MGA-II 370,000円〜 Socket 4、PCIバス搭載。フレームモデル有り。
PC-9821Xn Pentium 90MHz 256kB 96MB S3 Vision864 570,000円〜  
PC-9821Xp iDX4 100MHz 128kB (最大256kB) 96MB S3 Vision864 448,000円〜 Socket 6搭載。
PC-9821Xs i486DX2 66MHz オプション (最大256kB) 96MB S3 Vision864 348,000円〜  
PC-9821Xe i486SX 33MHz 搭載不可 96MB Cirrus Logic GD5430 248,000円 サウンド機能なし。

 

搭載 CPUとセカンドキャッシュ

 Xsに搭載されている CPUは intel 486DX2 (66MHz) で、ベースクロック 33MHzの 2倍速で動作します。一次キャッシュメモリの容量は 8kBで、コプロセッサ (浮動小数点演算ユニット) も CPUに内蔵 (今時当たり前ですが(^ ^;;)) されています。

i486DX2-66

 また、一次キャッシュのライトバック機能に対応し、この機能に対応した CPU, ODPを搭載すると標準 (ライトスルー) より演算処理を高速に行うことができます。ただし、通常この機能は、intel製 CPU, ODPにのみ有効になります。なお、Xs標準の i486DX2は、ライトバック機能に対応していません。

 さらに、ベースクロックの低いマシンで威力を発揮する、非同期 SRAMタイプのセカンドキャッシュを搭載できます。オプションの 「PC-9821XS-B01」 で、128kB増設でき、さらに、 「PC-9821XS-B02」 を追加することで、最大 256kBまで増設できます。

 CPUソケットは Socket 3で、DX4ODPと PODP5V83Kに対応していますが、ロットによって、セカンドキャッシュ増設時にトラブルが発生する可能性があるため、正式に対応するサードパーティー製 CPUアクセラレータは、ほとんどありません。

 

メモリ

 メモリは、標準で、マザーボード上の SIMMソケットに、 6MB (2MB + 4MB) 搭載されています。SIMMソケットは、 3スロット有り、72pin パリ無し FP (Fast Page) SIMMを増設、または交換することにより、最大 96MBまで増設できます。

 ちなみに、パリとは、パリティチェックの略で、データの読み出しや書き込みに、チェックの為のデータを追加してエラーを検出するものです。通常めったに有りませんが、エラーを検出すると、データを破壊する前に、システムを停止させます。

 なお、パリ付きメモリを使っても、パリティデータが無視されるだけで、問題無く使えますが、パリ無しメモリの方が安いので、増設するならパリ無しの方が良いでしょう。(^ ^;;

 

補助記憶装置

 フロッピィディスクドライブ (FDD) は、3.5インチ 3モードタイプのドライブ (型番は、FD1138T, 26ピン) を、1ドライブ内蔵しています。オプションの、「PC-9821B-E01」により、2ドライブに増設可能です。
 なお、5インチ FDDを利用する場合には、以下の方法があります。

メーカー 型番 種類 対応機種 備考
ファイルベイ内蔵用
NEC PC-FD511D 5" 2モード FDD X MATE
R MATE等
3.5"FDDモデルで、5"FDDを使いたい場合に使用。
外付け用
NEC PC-9801-87 1MB FDD I/Fボード X MATE
R MATE等
8", 5", 3.5"の外付け用 FDDユニットを使いたい場合に使用。ボードと各種ケーブルのセット。

 ハードディスクドライブ (HDD) は、C8Wモデルでは 340MB (故 CONNER製 CFS420A) 、U7Wモデルでは 210MBの IDEタイプのドライブ (一台の最大容量が、4.56GB (未フォーマット時) までのものが内蔵可能) を内蔵し、 Windows 3.1と MS-DOS 5.0A-Hがプリインストールされています。
 なお、バックアップディスク等は、別売りになっているので、初回起動時に、必ずバックアップを取ります。特に、本体内蔵のグラフィックアクセラレータの Win3.1用ドライバは、Win 3.1製品版には付属していないので、ここでバックアップを取らないと、再インストール後に使えなくなります。

 他に、CD-ROM搭載モデルの C8Wでは、ATAPI仕様で、2倍速の CD-ROMドライブ 「NEC製 PC-CD60D」 を、ファイルベイに搭載しています。

 

グラフィック機能

 グラフィック機能は、従来の 640 x 400ドット (4096色中 16色: Enhanced Graphic Charger) に加え、Xsの全モデルで、グラフィックアクセラレータ機能を、オンボードローカルバス接続で搭載しています。
 このローカルバスは、16bitの Cバス (汎用拡張バス) に比べ、バス幅が倍の 32bitになっているので、より高速に多くのデータのやり取りができるというものです。

 グラフィックチップは、登場当時に、描画性能の高さで定評のあった S3製 Vision864 (86C864) で、DirectDrawに対応しています。また、VRAMを 2MB搭載しています。

 画面表示は、Windows上では、最大 1,280 x 1,024ドットで 26万色中 256色、DOS上では、最大 640 x 480ドットで 1,677万色中 256色の表示が可能となります。

 また、DOS画面では、モニター出力を 24kHzと 31kHzから選択できます。選択の方法は、電源投入後もしくは、リセットボタンを押してから、 「GRAPH」 キーと 「1」 (24kHz) または、 「2」 (31kHz, デフォルト) を押します。

 

サウンド機能

 サウンド機能は、 MATE X PCM と呼ばれる PCM録音再生機能 (Cristal製 CS4231) を、標準で搭載しています。これは、86音源 (PC-9801-86が持つ PCM、FM 6音、リズム 6音、SSG 3音の音源) の PCMとは違い、 Windows 95等で再生時に CPUに負荷が低く、音飛びしにくくなっています。

 ただし、残念ながら 86音源相当の FM音源機能は省かれているので、 FM音源を使った DOSゲームでは音楽が鳴りません。この場合、別に 「PC-9801-86」 や 「PC-9801-118」 等を増設する必要があります。
 なお、この場合あらかじめソフトウェアディップスイッチでサウンド機能を切り離しておいたほうが無難でしょう。一応、フリーウェアのドライバを使えば共存もできるようです。

 

インタフェース

位置 種類 形状と補足
本体前部 ヘッドフォン出力 ステレオミニジャック
マイク入力 ステレオミニジャック
本体後部 キーボード ミニ Din 8pin
バスマウス ミニ Din 9pin
アナログディスプレイ出力 D-Sub 15pin、24と 31KHz対応で切り替え可
LINE出力と入力 ステレオミニジャック
RS-232Cシリアル I/F D-Sub 25pin、最高 19,200bpsまで対応
プリンタ用双方向パラレル I/F アンフェノールハーフ 36pin

 この中で特に、PC-9801型番等、旧型機とは、プリンタのコネクタが、Xa, Xt以降のマシンとでは、アナログディスプレイのコネクタの形状が違うので注意が必要です。

 

拡張スロット

  拡張スロットは、PnP (プラグアンドプレイ) に対応し、Cバススロット (汎用拡張スロット) を 3スロット搭載しています。なお、ローカルバスや、PCIバスといった高速な拡張スロットはありません。

 ちなみに、Xs, Xp等 PCIバス非搭載機では、「STAR ALPHA 2」 を搭載していないため、X MATEや、R MATE等、最近の機種に比べ、内蔵 IDE I/Fや Cバスのデータ転送が速く、性能をフルに引き出すことができます。(^-^)

 また、旧機種の 4スロット仕様の Cバスライザーに交換し、バックパネルを加工する改造により、4スロットに増設することが可能です。(^ ^;;

 

Dip SWの設定

 この機種では、ハードウェアディップスイッチは無く、内蔵 HDDの切り離し等の設定は、ソフトウェアディップスイッチで設定します (「HELP」 キーを押しながら、電源投入もしくは、リセットボタンを押します)。

 

その他の特徴

 初代 X MATEシリーズでは、先代の B MATEシリーズと同様に、コストを抑えるため、筐体の内部のつくりが大幅に簡略化され、A MATE等に比べ、内部空間に余裕があり、重量が軽くなっています。

 また、A MATEで標準だった、ファイルスロットに変わり、5インチファイルベイ (ただの空間) を採用しています。ここには、CD-ROMやハードディスク、MO (光磁気ディスク)、PCカードスロット、3.5または 5インチ FDD等のファイルベイ機器が内蔵できます。
 ただし、ファイルスロットと違い、それぞれにあった インタフェースボードの増設が必要になります。特に、ほとんどの Cバス用 SCSIボードでは、内蔵用 SCSIコネクタが無いので、SCSI機器の内蔵は困難です。そんなときは、PC-9801DAネタ SCSI機器の内蔵 DA編が参考になると思います。

 ちなみに、ドライバーが無くても、コインでネジを外すことができ、ルーフカバーが外せます。

 他に、Xsには、もう一つの特徴として、普通に使う分には問題がありませんが、製造時期により数々の問題や、仕様上の問題があり、パワーアップや改造がしにくい機種としても有名です。(T_T)

 


<< CPUの換装 >>

★ はじめに

 さて、だいたい Xsのことが分かったところで CPUの換装です。この CPUが載っているソケットは、 Socket 3と呼ばれ、オーバードライブプロセッサ (ODP) に正式に対応し、DX4ODPと PODP5V83があります。ここで使うものは、ODPまたは、CPUアクセラレータを使います。
 なお、Xs, Xpに PODPV83を載せる場合、不具合が発生する可能性があるので注意が必要です。これは後で説明します。

 ちなみに、iDX4や Am486DX5等の CPUも搭載できますが、これらの CPUは、動作電圧が、i486DX2と違うので、電圧を調整するソケット (電圧変換下駄) が、CPUと本体ソケットの間に必要になります。

 では、始めに、ODPについて、簡単に解説をしておきます。

 

★ DX4ODPについて

 DX4ODP (PC-9821-E02) は、i486DX2と iDX4では、動作電圧が、前者が 5V、後者が 3Vと違うので、そのまま載せかえると壊れてしまいます。そこで、iDX4に電圧変換機構を組み込み、ヒートシンクを付けたもので、それ.以外は、元の iDX4と変わったところはありません。

 なお、DX4ODPには、(R) がつくものと、つかないものがあります。(R) というのは、CPU置き換え型 (Replace) を表し、Xsで動作保証があるのは、(R) の方です。無印の方は、ODPソケット用です。見分け方は、無印の方は、 (R) に比べ、ピンが 1本多くなっています。Xsでは、どちらでも動作するようですが、購入の際には、ご注意ください。

 

★ PODP5V83について

 一方、PODP5V83 (PC-9821-E03) は、Pentiumを搭載していますが、搭載されている Pentium (P24T) は元の Pentium (P5, P54C) とは随分違うものです。どこが違うかというと、まず、動作電圧が、i486DX2は 5V、Pentiumは 3.3Vと違うので、電圧変換機構がチップに組み込まれています。

 次に、486系とは、32bitと 64bitでデータのバス幅が違うので、そのまま載せ換えることは不可能です。そこで、バス変換機構が内蔵されています。また、バス変換機構を組み込むと、データの変換の際に、どうしてもそこでウェイトが入ってきてしまいます。そこで、内蔵キャッシュメモリ容量を倍の 32kB搭載し、変換のロスをある程度抑えるようにしています。

 さらに、内蔵キャッシュのライトバック動作対応しています。この機能に対応する BIOSが搭載された本体では、更なる高速化ができます。Xsの BIOSは、ライトバック機能対応なので、PODPを高速に動作させることができます。486系の本体では、ライトバック動作をさせた、PODP5V83が最速だと思います。

 

PODP5V83入手時の注意点

 PODP5V83には、Sタイプと Kタイプの二種類あり、Xsで PODPを利用する場合、Kタイプでなければなりません。これは、マザー上にライトバック機能を制御するための配線が足らないからです。Xsで、Sタイプを搭載すると、FDDが使えなくなる、HDDのデータ転送時にデータが化ける等、正常動作しない場合があるので、購入する場合には注意が必要です。

 Kタイプと、Sタイプの違いは、後者に若干の配線が追加されたものです。見分け方は、Kタイプには、PODPのピンの部分に緑色の薄い基盤が付いています。

 万が一、Kタイプが手に入らない場合、Sタイプを Kタイプに改造することができます。PODP5V83Sまたは、マザー上のソケットの A7と A8のピンを接続すれば良いのですが、詳しいことは、ここでは省略します (^ ^;;)。なお、ピンの場所は、データシートなどで、ご自分で確認してください。

 ちなみに、Xeや Xsなど、Xsがベースとなっている 98 (文豪 DP-60D等) では、全て同様で、Kタイプでなければなりません。

 

CPUアクセラレータについて

 次に、CPUアクセラレータですが、購入する場合は、できれば Xsに正式に対応しているものを選びましょう。特に、486機用アクセラレータでは、同じ Xsでも、バグ付であったり、ロットによりかなり細かい所でばらつきがあるため、対応機種から外されていることがほとんどです。

 CPUアクセラレータの中で、I-O DATA製 「PK-A586/98」 は、QFPパッケージの AMD製 Am486DX5を搭載し、 iDX4より整数演算が高速な上、キャッシュコントローラをハードウェア上で制御しているので、DOSや Windows95以外の OSでも、高速で動作させることができます。

 Xsは後になって、対応機種から外されましたが、本体によっては正常動作するようなので、自己責任ということで試してみる価値はあると思います。この製品は、残念ながら、すでに生産終了で、入手は困難です。

 なお、対応機種から外れている CPUアクセラレータを使うと、保証対象外になるのでご注意下さい。詳しくは、注意事項をお読みください。

 ここで、自分が実際に使用したものは、intel製の 3倍クロックの DX4ODPという ODPです (仕様は以下の表参照)。これらの製品は全て生産終了です。というより、Xs自体、主要サードパーティーのカタログのメモリ対応一覧表から消えました。(T_T)

代表例

商品名 メーカー 種類 クロック倍率 動作クロック 搭載 CPU 内部キャッシュ コプロセッサ 現状
DX4ODP (R) intel ODP 3倍 100MHz intel DX4 16kB CPU内蔵 生産終了
PODP5V83 Kタイプ intel ODP 2.5倍 83MHz intel Pentium (P24T) 32kB CPU内蔵 生産終了
PK-A586/98 I-O DATA CPUアクセラレータ 4倍 133MHz AMD Am486DX5 16kB CPU内蔵 生産終了

 

ODP, CPUアクセラレータの取りつけ

 では、取り付けです。DX4ODPの取り付けは非常に簡単です。ルーフカバーを開け、ヒートシンクを外してから Socket脇のレバーを上げて、標準の i486DX2を取り外し、ソケットに向きに注意して ODP本体を取り付け、レバーを下ろして固定します。ここで取り外した、i486DX2は万が一の場合を考えて、静電気に注意し、大切に保管します。なお、CPUアクセラレータの取り付け方も同様です。

 取り付けた後、ルーフカバーを元通り取り付け、電源を入れて 「ピポッ」 と鳴れば、成功です。今までが嘘のようにとはいきませんが高速に動作します。なお、キャッシュコントロールユーティリティーは同じ intel製の 486系 CPUなのでインストールする必要はありません。

 

結果

 最後に、DX4ODPを使い、 DOS Ver 6.2上と Windows95上でベンチマークを取ってみましたので、参考にしてください。使用ソフトは、I-O DATAの 「INSPECT Ver 1.03」 と EP82改/かず氏の 「HDBENCH Ver 2.420」です。

CPU 動作周波数 Dhrystone(点) Whetstone(点) 総合(点)
i486DX2 66MHz 21276 18775 24940
DX4ODP 100MHz 31914 27909 37480

 参考までに、「INSPECT Ver 1.03」 のデータベースでは、ノーマルの PC-9821Af (Pentium 60MHz) が総合で 40000点、DX4ODPを付けた PC-9821Ap2が総合で 37080点です。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.420 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821Xs/C8W
Processor iDX4 100.985MHz [GenuineIntel family 4 model 8 step 0]
解像度 640x480 256色(8Bit)
Display スタンダード ディスプレイ アダプタ (9821 シリーズ)
Memory 31,124Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1999/ 7/23 17:56

SCSI = NEC PC-9801-55/L/U/FA-02、PC-9801-92/PC-9821A-E10 (DMA Transfer Mode)
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ

A = GENERIC IDE DISK TYPE00
B = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC NEC FLOPPY DISK
D = NEC CD-ROM DRIVE 4 M Rev 1.0

  ALL Text Scroll DD Read Write Cache Drive
i486DX2 66MHz

-

1735 2711

-

-

-

-

-

-

-

-

A:10MB
DX4ODP 100MHz

-

2678 5071

-

-

-

-

-

-

-

-

A:10MB

 測定時にメモリは、NEC純正 SIMMで 16MB増設し、セカンドキャッシュを 128kB増設してありました。感想としては、動作自体は intel純正 ODPということもあり、非常に安定していますが、66MHzから 100MHzなので Windows 95上ではあまり変化は感じられませんでした。また、「INSPECT Ver 1.03」 の結果から、同クラスの機種である Ap2より若干動作が速いようです。(^-^)

 


<< メモリの増設 >>

メインメモリについて

 さて、CPUアクセラレータや ODPを使って高速化したら、さっそく、メモリを増設しましょう。メモリの増設の仕方は、簡単で、マザーボード上の 3本の SIMMソケットに、SIMMモジュールを増設または標準のものと交換して、容量を最大 96MB (ユーザーズメモリ 95.6MB) まで増やすことができます。Xsでは、旧機種のように専用のメモリボードは必要ありません。

 使用できるのは、パリティ無しの 72pin FP SIMM で、これは現在でも販売されています。実際には、安い PC/AT互換機用でも構いませんが、必ず動作する保証はありませんので、多少高くても有名メーカー製で、対応機種に入っているものを使った方が無難です。

 ちなみに、パリティ、パリティジェネレータ付きでも、パリティデータが無視されるだけで問題なく使えます。

 なお、2002年 6月現在、16Mbit DRAMの需要の低下から、種類を問わず SIMMの価格が高騰しています。I-O DATA製 SIMMの価格は、オープン価格ですが、実際には、メルコ製と同じくらいだと思います。

代表的なパリ無しの FP SIMM (ただし NEC製はパリ付き)

メーカー 製品名 容量 枚数 標準価格(税別) 現状
NEC PC-9821A-B02L〜04L 4〜16MB 1枚 30,000〜140,000 16MBのみ発売中
NEC PC-9821BF-B01 32MB 1枚 310,000 生産終了
NEC SV-98/2-B02 32MB 1枚 ? 発売中
メルコ EMF-P 8〜32MB 1枚 5,000円〜19,800円 発売中 (パリティジェネレータ搭載、8MBのみ生産終了)
メルコ EMW-P 16〜32MB 2枚 8,000円〜37,800円 発売中 (パリティジェネレータ搭載、16MBのみ生産終了)
I-O DATA NE-SIMXB 16〜64MB 2枚 オープン価格 発売中 (16MBのみ生産終了、32MBは、在庫限り)
I-O DATA NE-SIM32 16〜32MB 1枚 オープン価格 生産終了

 

セカンドキャッシュについて

 さて、Xsのマザー上には、PCIバスに良く似たスロットが有ります。ここには、専用のセカンドキャッシュメモリボードが搭載できます。

 セカンドキャッシュは、簡単にいうと、高速で動作する CPUと、ベースクロックで動作するメモリとの間の、データ転送速度の差を埋めるものです。この機種では、最大 256kBまで増設できます。

 これの有る、無しでは、処理能力が体感で分かるほど違うので、無い場合はとりあえず 「PC-9821XS-B01」 で128kBの増設を勧めます。ただし、すでに、128kB搭載している場合は、あえて追加増設する必要はありません。 256kBまで増やしたとしても、ほとんど処理速度に違いが出ず、あまり意味がありません。

 なお、256kBまで増やす場合には、「PC-9821XS-B01」 を増設し、このボード上に、「PC-9821XS-B02」 を搭載します。

 また、セカンドキャッシュを増設すると、不具合が出る可能性があります。このため、Xs, Xp用のセカンドキャッシュは、サードパーティー製のものはなく、NEC純正のものしか有りません。また、現在では生産終了で、手に入れるには、中古在庫を探すしか無く、見つけることはかなり難しいでしょう。

Xs, Xp用セカンドキャッシュ

メーカー 製品名 容量   標準価格(税別) 現状
NEC PC-9821XS-B01 128kB   ? 生産終了
NEC PC-9821XS-B02 128kB 追加増設用 ? 生産終了

 


<< Xsの問題点 >>

 Xsでは、本体に多くの問題点があり、標準で使う分には問題有りませんが、パワーアップや拡張が非常にやりにくい機種として有名です。(^ ^;;) 以下に、それぞれの問題について解説していきます。

 

★ メモリ周りのバグ

 Xsで、

 という条件がそろっている場合に、Windowsが起動しなかったり、ハングアップしたりする等、正常に動作しなくなる可能性があります。

 ただし、これは非常に複雑で、確実なものではなく、稀にこれらの条件全てが該当していても、症状が現れない機体があります。

 また、セカンドキャッシュメモリを 128kB増設したときには、問題が起こらず、256kBに増設すると、問題が発生したり、PODPでは無く DX4ODPとセカンドキャッシュメモリで問題が出たり、製造番号が該当していなくても症状が現れる等、本当に複雑です。(^ ^;;

 このようなことが起こり得るので、サードパーティー製の CPUアクセラレータでは、対応機種から Xsを外したり、セカンドキャッシュとの併用が、不可になっていたりします。

 この対策にはマザーボードの交換が必要になりますが、NECでは、中古であっても無償で交換をしてもらえるのでこの症状が出て困る場合は、NECのサポート (現 NECフィールディング) に相談してみてください。ちなみに、自分の本体では大丈夫なのか、気になる場合も NECフィールディング では、症状の判定をしてくれるそうです。(^-^)

 

★ Windows 95でのマウスの問題

 Xpや、Xsの一部ロットで、Windows 95を使用する場合に、マウスカーソルが挙動不審になる本体があります。これについては、Windows 95の CD-ROM内に、説明のテキストファイルがあります。
 もし、この症状が出て困る場合は、NECのサポート (現 NECフィールディング) に問い合わせてください。この対策にはマザーボードの交換が必要になるらしいです。(^ ^;;

 

★ 内蔵ハードディスクの問題

 Xs (Xp, Xe, Bp, Bs, Beも恐らく同じ) が標準で搭載している IDE仕様ハードディスクは、取り外すことができません。取り外すと、動作が不安定になったり、ATAPI接続の CD-ROMを認識しなくなったり、外付け HDDに Windows95が正常にインストールできない等、正常動作しなくなる可能性があります。なお、接続さえされていれば良いので、使わない場合は、セットアップメニューで、 「切り離す」に設定しておけば OKです。しばらくすれば、静かになります。

 また、セットアップメニューで、内蔵固定ディスクを 「切り離す」 にしても、割り込み (INT 3: IRQ 9) を開放できません。こればかりは、 残念ながら Xsの仕様なのでどうにもなりません。

 

★ 内蔵グラフィックアクセラレータの問題

 Xs以外にも、Xp, Ap3, As3等 S3製 Vision 864搭載の機種では、ロットによって、高解像度にすると画面が滲んだり、ゴーストやゴミが出たりするようです。改善方法としては、マザーボード上のグラフィックアクセラレータ部のフェライトコアを交換することにより、改善するようです。自分では、良く分からないのでこの程度にしておきます。 (^ ^;;

 どうしても納得いかない、高解像度でハイカラーモードを使いたい場合は、本体を買いかえるか (爆)、別途 Cバス用グラフィックアクセラレータボードを増設することになりますが、標準で内蔵のものは、腐ってもローカルバス接続なので、画面描画は遅くなります。下のベンチマーク参照してみてください。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.420 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821Xs/C8W
Processor iDX4 100MHz [GenuineIntel family 4 model 8 step 0]
解像度 800x600 65535色(16Bit)
Memory 20,880Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1999/ 8/ 6 20:49

HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ

A = GENERIC IDE DISK TYPE00
B = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = NEC CD-ROM DRIVE:260 Rev 2.05

GA

Cip

ALL Text Scroll DD Read Write Cache Drive
内蔵GA S3 Vision864 3126 2678 5071 6366 2936 2024 60 10 2017 2024 4961 A:10MB
GA-DRV4/98 Trident TGUI9680XGi 2871 2650 4948 6043 1168 1921 54 4 1975 2022 5062 A:10MB

 どうしても、Cバス用グラフィックアクセラレータを使うなら、Cバス最強と呼ばれているカノープス製の 「Power Window 968」 にすると良いでしょう。
 ただし、この製品は、とっくの昔に生産終了になっていてメーカーにも、流通在庫もまったくなく、その上、探しているユーザー (特に、CanBeユーザー (^ ^;;) が血眼で捜しているので、中古でもまず見かけることがありません。たとえ有ったとしても VRAM 4MBの製品では、約 3万円という高額で取引されています。でも、その金額に合った性能を持っているそうなので、運よく見つけられたら挑戦してみてください。(自分には、とてもついて行けません (^ ^;;)

 ちなみに、ドライバは、カノープスのサイトにあります。

 


<< 内蔵ハードディスクの換装と増設 >>

 ハードディスクの換装ですが、 Xsで使用可能な内蔵用ハードディスクは、IDE仕様で 1ドライブ辺り 4.56GB (未フォーマット時) までのものが内蔵できます。これを越える物については、そのままでは本体で認識できない他、メモリチェック後に暴走する等、本体が正常動作しなくなります。

 もし、それ以上の容量の HDDを内蔵したい場合は、 I-O DATA製の高速 E-IDEボードの IDE-98を使えば、 8.3GB (未フォーマット時) のものまで内蔵できるようになり、ディスクアクセスも高速になるのですが、先に述べた通り、マザーボード上の HDD用コネクタからハードディスクを外すことができないので、SIMMの上の空間等、適当なスペースに HDDを増設することになります。

 また、SCSIタイプのものを内蔵したい場合は、PC-9801DAネタ SCSI機器の内蔵 DA編を参考にしてください。

 なお、HDDの交換、増設は自己責任で行ってください。SCSIタイプでは、ある程度規格がはっきりしているのであまりトラブルはありませんが、98の IDE HDD接続用端子 (正式には、内蔵固定ディスク端子) は、独自なものなので、HDDによっては動かなかったり認識しなかったりする場合があります。動かなかったとしてもそういう仕様なのでこちらやメーカーに文句をいわないでください。 (^ ^;;) また、データの破損や何の前触れもなくいきなり不安定になったり、最悪壊れることも考えられますので、重要なデータは、バックアップを取る等、十分ご注意ください。詳しくは注意事項をお読みください。

 


<< グラフィックアクセラレータの解像度を増やす>>

 この方法では、「system.ini」 等の Windows 95を動かすために重要なファイルを書き替えるので事前に必ずバックアップを行っておいてください。なお、画面が表示されなくなったり、データの破損や動作が不安定になったりしても自分に文句をいわないでください。また、メーカーに問い合わせたりしないでください。詳しくは注意事項をお読みください。全て自己責任でお願いします。m(_ _)m

 

★ はじめに

 Xsに内蔵されているグラフィックアクセラレータは、Windows 95では 640 x 480、1024 x 768、1280 x 1024ドットの 256色と 640 x 480、1024 x 768の 32bitフルカラーにしか対応していません。この画面モードを DirectX3以降のドライバをインストールしていると、細工をすることで増やすことができます。

 

★ DirectX 3以降のインストール

 まず、あらかじめ DirectX3以降をインストールします。 DirectX3以降では Xs内蔵グラフィックアクセラレータ用のDirectDraw対応ドライバにハイカラー (65535色) モードがひそかに追加されています。(^ ^;;) ここでは、 Windows 95のバージョン 4.00.950a (OSR1) と DirectX5の組み合わせについて書きます。

 

★ infファイルの書き換え

 インストールしたら、「マイコンピュータ 」 -> 「表示」 -> 「オプション」 の 「表示」で 「すべてのファイルを表示する」 をチェックします。Windows 95の Windowsフォルダの中にある infフォルダに、「oemx.inf」 が追加されます。「x」 は通し番号で環境によって変わります。 OSR1では、後から追加された infにはすべて 「oemx.inf」 という名前が割り振られるので、下の書き換えセクションの項目を見て、必要なデータが入っているものを選び出して下さい。そうしたら、これを書き換えるので、適当な場所にコピーし、名前を「dxns3.inf」 にしておきます。

 次に、コピーした infファイルを書き換えるため、メモ帳で開きます。このファイルは、グラフィックアクセラレータの情報を Windows 95に追加するための設定ファイルなので、このファイルに Xs内蔵のグラフィックアクセラレータで 800 x 600ドット、65535色等を使えるようにする設定を追加します。具体的には、[NECS3V.AddReg] のセクションに以下の部分を付け足します。

[NECS3V.AddReg]

HKR,"MODES\8\800,600"
HKR,"MODES\16\640,480"
HKR,"MODES\16\800,600"
HKR,"MODES\16\1024,768"
HKR,"MODES\32\800,600"

付け足したら、上書き保存します。

 

★ system.iniファイルの書き換え

 続いて、Windowsフォルダにある Windows95のシステム設定ファイル「system.ini」 を書き換えます。以下の [accmxx.drv] のセクションを iniファイルの最後に追加します。必ずバックアップを取っておきましょう。

[accmxx.drv]
BPP8=ON
BPP16=ON
BPP32=ON
XY640x480=ON
XY800x600=ON
XY1024x768=ON
XY1280x1024=ON

 追加したら、上書き保存します。これらのファイルの書き換えが終わったら、書き換えた infファイルを使ってドライバを再インストールします。

 

★ 解像度を増やす

 まず、「画面のプロパティ」 を開き、「ディスプレイの詳細」 -> 「詳細プロパティ」 で 「ディスプレイアダプタの変更」を選び、「ディスク使用」 で書き換えた 「dxns3.inf」 を指定します。そこで、「Xn/Xp/Xs内蔵ウインドウアクセラレーター (S3)」 を選びます。するとドライバの場所を聞いてくるので、Windowsフォルダの systemフォルダを指定します。ドライバの組み込み完了後 「今すぐ再起動しますか ?」 と聞いてきますが、ここで 「いいえ」 を選び、「システムのプロパティ」 -> 「デバイスマネージャ」 で、グラフィックアクセラレータにきちんとメモリ空間等のリソースが割り振られているか確認しておきます(まれにリソースが変わって他のデバイスと競合したり、割り振られていないことがあります)。これが正常なら、Windows 95を再起動します。

 

★ 結果

 再起動後、「ディスプレイの詳細」でハイカラー (65535色) や 800 x 600ドットを指定して、きちんと表示できるようになっていれば成功です。うまくいかない場合や正常に起動しなくなった場合は、「Safeモード」 で起動し、変更前の解像度に戻してから、書き替えたファイルをもう一度確認してみてください。

 なお、この方法では追加した表示モードを全て表示できるはずですが、本体によっては正常に表示できない場合があるので注意が必要です。自分の場合 1024 x 768ドット 65535色では、黒い画面に縦線だけが表示され正常に表示できませんでした。(T_T)

 

★ Direct Drawの問題

 ちなみに、この方法で解像度を増やし、増やした解像度 (例えば 800 x 600ドット、65535色) で Direct Drawの画面を表示しようとすると画面が崩れて正常に表示できません。
 この場合、MATROX製 MGA-IIでは、Direct Draw非対応なので DirectXで Direct Drawのハードウェア機能を OFF (disable) にすると正常に表示できるようになり、若干表示速度が向上しますが、これを Xsの S3製の Vision864で行うと、このチップは Direct Draw対応なので、当然ながら表示が遅くなるので、あきらめるしかありません。(T_T)


 

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