潰瘍性大腸炎 内科・外科治療体験と生活習慣をアドバイス

外科治療(T期)

内科入院から引き続き、外科治療へ。
術式は、二期IACA方式です。

2002年11月25日
オペ当日。朝8:30から。
朝6時に浣腸を済ませ、術着に着替え、手術室へ。
オペ室では、すでに待機しているドクターも数人おり、いよいよ麻酔がかかろうとするときの麻酔科医の顔が何とも怖く見えた。
麻酔は硬膜外麻酔をやろうとする直前になって背中の状態を見た別の麻酔科医がすかさず、「刺入部分の近くに潰瘍がある。こんな状態では怖くて硬膜外麻酔は使えない」と判断されて、急遽、末梢から麻酔薬を入れることになった。
再び気がついたときには、リカバリー室のベッドの上にいて。このとき「手術はやっぱり止めたんだろうか?」と思っていた。
しばらくしてから、外科病棟に移され、ナースステーション横の回復室にて今夜はオーバーステイ。痛みが強烈。内科の主治医がやってきて、声をかけてくれるも、「んー、んー、」と返事するのが精一杯だった。 当然、痛みで寝られるはずがなく、痛み止めの点滴を求め続けた。
以下、カルテ等の記載;
(手術患者連絡票の記載)
開始8:30 終了18:35
出血量 235g 補液4640ml 
やや緊張された様子にて入室。声かけ多く接してゆく。入室時血圧135/65 脈拍105。エピドラ施行予定であったが、ルートなど抜去後、皮膚に潰瘍できやすいとの情報が患者本人からあり、麻酔ドクター説明し、患者も同意の上、エピドラ施行せず、ルートもCVと右手ルートとする。麻酔、挿管スムーズ。胃管挿入。尿管バルン挿入するが、包茎にて泌尿器ドクターへ依頼する。
切石位に体位整える。腹部へのポート6カ所挿入し、内視鏡下にて腹腔内観察し、剥離すすめる。大腸を遊離させ、皮切加え、大腸引き出し、大腸全摘する。小腸パウチ作成し、肛門と吻合。肛門から40cmの小腸にてストーマ造設。生食約3リットルで洗浄、止血確認し、ドレーン挿入、閉創。続いて、ご家族の承諾をえて、陰茎を環状切開していく。ガーゼにて保護。オペ終了。
術中、血圧110台で経過する。血中酸素レベル98〜99%であるが、ラパでの気腹により皮下気腫みられ、Aライン挿入しガス値を観察。オペ後、胸部X線施行。皮下気腫あり。全身に触れるとプクプクという感じあり。疼痛の訴えあり痛み止め使用していく。覚醒から抜管・リカバリーへ。

2002年11月25日
オペの話の続。
オペが終わり、外科病棟のナースステーション横の部屋に移されたときには、腹部に激痛。
このとき初めて、「もう引き返せないところまで来てしまったんだな」と寂しさのようなものを感じた。 オペが終わると「どんどん回復していって3週間程度で退院できた」と紹介する手術体験談は数多いが、私の場合は、このオペこそが、転落への始まりで、このあと急速に、三途の川へと突き進んでいくことになる。
(手術記録用紙)[注:原本には英語等で記述があるので、誤訳している可能性があることを了承ねがいたい]
6ポートにてアプローチした。まず腹部上方を切開し、左方に切開を延長し、脾臓屈曲部をフリーにした。次に、肝臓屈曲部をフリーにした後、右結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸の順に処理した。直腸を肛門挙筋まで剥離授動し、左下腹部のポートを横に5cmの切開を加え、腹腔保護を装着し、大腸をたいがいに誘導して切除した。 Jポーチを製作し、25cmで再建。ストーマを造設して閉腹した。
(看護記録)
術後MT
KW医師から家族へ説明。炎症強かったこと、ストーマは問題なければ半年で閉じることを話す。
18:30オペ室より帰室。血圧128/82、脈拍90台、体温37.1度。創より浸出少量。サージンパッド当てる。
吻合部ドレーンより淡血の少量。4つ折ガーゼ当てる。
エピドラ入っておらず、強い痛みあり。レペタンを落とす。
酸素マスク5リットル。肺Air入り弱い。全身的に皮下気腫あり。FOY2000g等でキープ。
20:00血圧120台にて安定。体温37.2度。発汗著名。氷枕をあてて掛け物を調節。軽く清拭する。吻合部ドレーンより淡血性の排便あり。呼吸苦なし。肺Air入りOK。ストーマからの排液なし。レペタン落とすも痛み続く。皮膚障害あるため、ナースサイドで2時間ごとに体位交換する。
22:00発汗おさまる。22:40痛み我慢できないと、レペタン落とす。

切除した大腸(クリックすると拡大した画像を表示します):



       

 トップページ
 新  着


 発症〜内科治療(通院)
  [手記]
 内科治療(入院)
  [カルテ・手記]
 外科治療(T期)
  [カルテ・手記]
 外科治療(U期)
  [カルテ・手記]
 外科治療(再ストーマ造設)
  [カルテ・手記]


 合併症(入院)
 合併症(入院なし)
 現状
  (外部ブログへリンクします)



 お見舞いのマナー
 薬の話
 食べ物の話
 ストーマ(人工肛門)の話
 障害者手帳等の話
 その他生活習慣の話