潰瘍性大腸炎 内科・外科治療体験と生活習慣をアドバイス

外科治療(再ストーマ造設)

  (このときの手術・入院)
2003/6月に2期opeによりストーマを落としたが、体調不良が続くようになった。
それ以上に、便のコントロールが非常に困難であり、100m歩くにも勇気のいるような毎日で、下着・ズボンを汚損することも頻発した。職場へはクルマで出勤し、仕事はなんとかこなせていたが、積極的に外出する気分はなれないなど、生活の質は極端に低下した。
体調不良により、サルベージopeなども考えたかったため、横浜市大センター病院にも通い、CF検査もしたが、他院で実施したopeのやりなおしには消極的だった。
あまりにも生活に支障をきたすため、主治医に再ストーマの造設をお願いしたところ、了解してもらえたため、再ストーマopeを受けることになったものである。


2004/10/1
救急救命士による気管内挿管実習の承諾を得ました。(麻酔科)
UC、大腸全摘後
小腸stoma造設目的

※救急車内での救命士による気管挿入には賛否があるが、私は問題ないと思っている。そのためなら喜んで研修の機会となってあげようと思い、承諾した。


2004/10/2
MT to 本人
1.本人の希望によりileostmyを造設します。
2.開腹して癒着を剥離しますので、ileusのriskがあります。
3.詳細は術後にお話します。
4.2時間程度のopeですが、慎重に行います。


2004/10/4
ope done
1.トライツより2.2mがpouchと癒着しており、10cm程度切除しました。
2.トライツより3mにileostmyを造設しました。
3.術後ileusの可能性があります。慎重に術後管理していきます。

(手術室の記録)
入室8:30
Epi挿入。点滴の滴下今ひとつため、麻酔導入後再度とり治し、挿管する。Ma-Z,Ba,各挿入。大腿部剃毛施行。
Ope開始 KT35.5(口腔温)
前回腹部瘢痕切除し開腹。
癒着剥離(全体的に癒着あり)2リットル洗浄。
トライツから220cmの小腸に婁孔あり。小腸約5cm切除。端端吻合し1リットル洗浄し、閉創。
左下腹部ストーマ造設し終了(KT36.2°)
(3号ネラトン ストーマに通してあります)
抜管スムーズ 水様KOTありおむつあてていく。
12:30終了

※ オペ前からずっと、Jポーチの一点に痛みを感じていた原因がはっきりした。やはり小腸の一部とJポーチが癒着していたのだ。癒着は仕方がないにせよ、婁孔とは。


2004/10/5
・general good
まだ おなか張っている感じがする。
・vital sign stable
・圧痛−
・b/s poor
A/P #小腸ストーマ造設術後day1
経過良好

※ ストーマを閉じるオペに比べ、ストーマを作るオペは、患者にとってかなりの負担だ。術後の痛みは圧倒的にストーマを作るオペ後のほうが痛い。オペ後、しばらく回復室のようなところにいたが、痛みでろくに口もきけなかった。なぜ経過良好なのか、患者の立場からは大いに疑問。


2004/10/6
・general good
・少し痛いです。
・夜、眠れないです。
・vital sign stable
便 緑色
abd pain −
bowel sound so so
A/P # 小腸ストーマ造設後day2   経過good

※ 大部屋に移り、痛みも徐々に緩和していった。このときあたりから、離床し病棟内を歩いた。ただし、1日10周程度(800m)くらい。


2004/10/7
・体調まあまあ−よく歩いています
・少し痛いです
・夜 腰が痛いです
・vital sign BT 37.0℃
       HR 68
BP 122/60
bowel sound good 圧痛−
茶〜緑色の便+
A/P #ストーマ造設 術後day3
経過goodである。
10/9採血orderする


2004/10/8
・not remarkable change
・よく歩いている
・abd pain−
・vital sign stable
b/s good 圧痛−
A/P #小腸ストーマ造設後day4
水分のみ可
明日回診で食事考える


2004/10/9
(stoma)流出ok  epi抜去
intake 夜より1日upとする。

※ Epiを入れていたにもかかわらず、それが効いていないのでは?と思うほど、術後からの痛みが激しかった。2期オペでもEpi使ったが、そのときはオペ後直後からほとんど痛みを感じることなかった。なせ゜こんなに違うものなのか。


2004/10/10
昨日 vomitingあり(1回のみ)
abd tender +
soft & flat
・末梢ルートもれ多く、CV挿入とする。

※ このときはCVを入れず、点滴を末梢(腕など)から入れていたため、点滴漏れが頻発し、1日に何度もルートをとりなおすことが続いた。研修医がこれをやるため、うまく一発でルートが確保できたことは希で、何度も刺してからようやくルートが確保できるような状態だった。あまりのヘタさと痛みに耐えかねて、「いいかげんCVにしてくれ」とお願いした。


2004/10/11
vomiting continue
abd distersion +
MZ tube挿入  約750ml引けた

※ すでに食事が始まっていたが、どうやらイレウス様になった。吐き気嘔吐が30分〜1時間間隔で続き、吐瀉物で窒息しそうになるくらいだった。吐瀉物自体も緑色の液体(胆汁か?)で、これが強烈に苦い。オペするたびにイレウス様になる患者は珍しいのではないかと思うが、どうだろうか。


2004/10/12
・MZチューブ1300ccくらいの排液
・stomaよりstoolもある
・排液量を見ながら経過観察
fly(両親)から現状についての質問あり
・腹痛は腸管の流れがわるく、胃が張ったための痛みと考える
・経鼻胃管を留置して排液後、症状は軽減している。
・手術の影響で癒着などにより流れが悪くなっていると思うが、ストーマからも排液はあり、完全な腸閉塞ではない
・経過をみていきます
圧痛、自覚痛+
病棟echoでcheck
・右腎:hydro−
・十二指腸がやや拡張しているかんじがする
subileusにより十二指腸が張って痛みがあるのか。
MZチューブで1300ccくらい引ける
経過みて改善しなければイレウス管を入れる
P.Tにも上記お話した。

※ まだマーゲンチューブ(胃管)ですんでいるからいいが、本物のイレウス管を口から入れるのはさぞかし苦痛だろうなぁ・・・と戦き、はやく直りますように、と祈りつづけた。


2004/10/13
abd pain −
vomiting −
nausea −
よく歩いています
vital sign stable
緑色の排便少量
MZより770ml
bowel sound poor
圧痛−
A/P# イレウス傾向
廃液770mlと減少見られる
まだ増えてくるようであればイレウス管を考える。

※ イレウス様やおなかの局所的な痛みが続き、気分がへこんだ時期。カルテには書いていないが、なぜか「うつ病」と診断される。誰だってへこみます、ってば。


2004/10/14
abd pain ややあり
vomiting −
nausea −
vtal sign stable
MZ排液740ml
緑色便で量は昨日よりupしている。bowel sound so so
昨日より動きgood
A/P# イレウス傾向 改善してきている

※ よりによって鼻から胃管をつけて無様なこのときに、職場の同僚が見まいにきてくれた。嬉しいやら恥ずかしいやら。みまいのタイミングって大切だと思います。


204/10/16
general good
(ストーマ上の)抜糸done
MZ 250ml−抜去した
まず水分のみ

※ 胃管も運良く抜くことができて、イレウス様も改善。イレウス管の恐怖から解放された。


2004/10/18
嘔気嘔吐−
stomaよりよく出ている
旧ドレーン付近に痛み軽度ある
イレウス(−)にて流動食始める

※ ここから退院までは早かった。この時期、歩行中に転んでかすり傷をつくってしまい、看護師さんたちを大いに心配させてしまったようだ。本人としては、たいして心配する必要もなかろうに、と思ったが、病棟内での転倒事故は、看護師さんたちにとっては一大事の一つのようだ。


2004/10/19
nausea −
vomiting −
abd pain −
vital sign stable
bouwel sound so so
A/P#  イレウス傾向 現在症状なし
流動スタート 1/2摂取 10/20採血

※ ふたたび流動食。ふりだしに戻る、という感じ。


2004/10/20
fever free
3分食 摂取ok
abd soft
(便)やや固形になってきた  このままupの方向で


2004/10/21
general good
abd pain −
vital sign stable
Hb 9.1 (←9.7)
茶色便 下痢−
bowel sound 消失亢進ない
圧痛−
A/P# ストーマ造設後
Hb やや低め(以前と傾向かわらず)
フェログラデュメット内服スタート


2004/10/22
oral intake good
abd soft & flat
明日ENT


2004/10/23
ENT(=退院)



☆振り返って・・・・
再ストーマ造設のための入院は3週間で終わったが、手術後にイレウス状態になってしまったり、おなかの痛みが消えなかったり、と、順調な回復とはいい難かった部分もあった。
食事が完全に常食になる前に退院を迎えた。
自宅に帰っても、おなかの痛み(局所的に痛い部分が2カ所あった)は続き、朝の起床時には特に痛みが激しく、呼吸を整えてから体を起きあげなければならない状態だった。
また、おなかの正中の一部が化膿してしまい、傷が直るのにしばらく時間がかかった。


そして、この入院を最後に、現在まで今のところ入院はしていない。
ただし、このあともおなかの痛みや体調不調、合併症により、通院は続いている。

続きは別ページブログにて。
 

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