潰瘍性大腸炎 内科・外科治療体験と生活習慣をアドバイス
潰瘍性大腸炎 内科・外科治療体験

お見舞いのマナー

 患者にとって、友人知人等のお見舞いほど元気づけられるものはありません。ある意味、このような場面で見舞いにきてくれるかどうかということは、日頃の親密さを確かめるバロメーターにもなります。
 しかし、他人にとってはマナーをわきまえないお見舞い客は迷惑なだけでなく、危険を及ぼす存在にすら映る場合があります。
 以下のような病院内での最低限のマナー、お見舞いのルールを守って患者と接してください

1.お見舞いは必要最低限の人数で。

 個室を利用している患者ならともかく、多くの患者は2〜6人部屋に収容されています。これら個室以外の部屋の場合、患者のベッド周りのスペースは決して広くはない上、点滴棒や様々な処置用機材が置かれていることが多いため、多人数のお見舞い客を受け入れるスペースはありません。しかも、ベッドサイドにあふれんばかりの人数で見舞いに来られることは、患者本人はもちろん、とりわけほかの患者の大迷惑になります。
 病院によっては、ベッドサイドでのお見舞いを禁じて、談話室等の場所で談笑することを要求している病院もあります。
 お見舞いに行くときは、必要最低限に人数で行くべきです。

2.面会時間を守る。

 入院患者が収容されている病棟は、衛生面はもちろん、容体管理という点でも高度に管理された空間です。原則として出入り自由というわけではありません。また、多くの病院では、面会時間に制限を設けています。実際に、病棟の午前中は投薬、回診、午後は検査、などがあり、一見時間が余りあると思われがちな入院生活も、患者にとっては意外なほど時間がありません。症状が重いほどこうした傾向があります。
 こうしたことから、介護や看病の家族などを除いて、友人知人等によるお見舞いは、面会時間厳守でお願いします。

3.病棟ではお静かに。

 病棟では症状の重い患者も軽い患者も、様々な方が病気と戦っています。また、手術を終えて睡眠をとられている方、安静を保っている方が多くいます。そうした状態であるが故に、お見舞いなどで騒がしくされることは、睡眠の妨害等になり、迷惑となるものです。
 また、お見舞いに子供を連れてくるケースがたまにありますが、子供が不用意に病棟内で大声をだしたり、病棟内を走り回ったりすることがあったりすると、患者にとっては非常に迷惑なだけでなく、衝突等により命の危険が及ぶ可能性すらあります。
どうしても子供を連れてこなければならない状況の場合は致し方ないにしても、その場合は子供に静かにするよう躾る、あるいは。子供の書いた手紙を持参し代読する、など子供を連れてくる代わりになるような工夫もいいかもしれません。
 病棟ではお静かに。また、なるべく子供連れのお見舞いはなるべくさけるべきです。

4.お見舞い時のおみやげ

患者がどんな病気等で入院しているのかにより、持っていって喜ばれるおみやげ、喜ばれないおみやげ、というのがあります。たとえば、目の手術をした患者のおみまいに本を差し入れることは適切ではありませんし、胃腸の手術をした患者にヨウカンを差し入れても、患者はうれしくないのです。
 ちなみに、管理人は大腸の病気での手術・入院でしたが、困ったおみやげとしては、果物、ヨウカン、ドーナツといった、食べ物系などがありました。胃腸系の病気で入院だと、食事制限があるので、食べ物の差し入れは困るのです。
 また、花束を持ち込む見舞客もいたりします(病院内にお花屋さんがあったりするケースもあるので仕方ないかもしれません)が、造花なら問題ないものの、生花はベッドサイドの衛生管理の面であまり好ましくはありません。
 さらに、(これは管理人だけかもしれませんが)お見舞い金のようなものをお持ちになる見舞客もいたりしますが、患者にとってはこれもやはり気が引けるものです。
 患者にとっては、見舞客本人の姿さえ見えれば、それで十分なのです。「それでも何かおみやげを持っていかなければ。。。」とお考えならば、ベッドサイドで患者の希望を聞いた上で、病院内の売店で買い物をする、くらいのことで十二分です。

5.患者に掛ける言葉

 「患者にどのような言葉を掛けるべきか」。これは、見舞客の立場と、患者の立場で大きな意識の差を感じる場面です。よくありがちなのは、患者に対して「大丈夫?」「がんばってね」という”励まし系”の言葉を掛けてしまうケースですが、実はこれらの言葉は患者を不愉快にさせるだけです。もちろん、見舞客に悪意がないにしても、患者は言外の意味を敏感に感じ取ってしまいます。
 というのも、患者自身も好き好んで病気になったわけではなく、「なんで私がこんな目に遭わなきゃならないのか」という感情を常に持っているわけです。つまり全然「大丈夫」な状態ではないわけです。なので、「大丈夫?」などと言われれば、「大丈夫なわけないじゃない」としか応えられない。さらに、患者自身「早く社会復帰したい、元気になりたい」と思って病気と闘っている、つまり入院生活自体が”いつも絶えずがんばっている”状態であるわけです。そんな思いを知りもしないで、友人知人と云えども他人から「がんばってね」などと言われてしまうと、「十分がんばっているのに、これ以上何を”がんばれ”と言うのか?」と反感を感じてしまうだけなのです。
 なので、”励まし系”の言葉は控えるべきです。
 では、どんな言葉をかけたらいいのか?
 それには、患者の思いや状態に同調し、認めてあげるような言葉がいいのです。たとえば、入院生活というものは過酷な状態です。そこで「大変だね、つらいね」と労ってあげる言葉を掛けられると患者はうれしく感じます。また、患者は入院生活から早く脱したい、けどそうできない、という焦りの状態にあるわけです。そこで、「ゆっくりするのがあなたの使命」「焦らずゆっくりね」「温泉にきたつもりでのんびりとね」などと言った言葉を掛けられると患者はうれしいです。
 その上で、さらに効果的なのが(人によってはイヤがる可能性もありますが)”握手”です。患者にとって、握手は言葉以上の感情を感じることができるものです。
 ちなみに、管理人も、「ゆっくり焦らず」「のんびりとね」と言葉を掛けられながら握手されたときは、嬉しくて涙が止まりませんでした。こういう言葉が自然に出てくる人というのは、間違いなくその人自身も入院の経験があるか、過酷な状況を経験していたりするものです。

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