潰瘍性大腸炎 内科・外科治療体験と生活習慣をアドバイス
ストーマ(人工肛門)の話
潰瘍性大腸炎(大腸ガンなどでもそうですが)の手術を受けると、術式ににもよりますが、一時的に人工肛門(以下、「ストーマ」といいます。)をつけることになります。1期目から2期目の手術の間、多くの場合ストーマのある生活を強いられますし
、パウチ炎などで自然肛門に戻すことがQOLの低下に繋がる場合などによっては、そのままストーマ生活となる場合もあります。管理人は、自然肛門に戻した時期もありましたが、パウチ炎等で体調が悪化し、やむなくストーマ生活を選択することとしました。
1.「ストーマ」の種類
ストーマにはいくつかの種類があります。
(1)コロストミー
大腸ガンなどで大腸を部分的に切除した場合など、残存した大腸を使って腹壁に穴をあけ、ストーマを作るタイプのものです。残存した大腸の長さによって、便の性状が様々なようです。切除した大腸が少なく、残存した大腸が多い場合には腸内で水分吸収される余地が大きいため、ほぼ固形便になるようです。一方、残存した大腸が少ない場合は、それだけ水分吸収されなくなるので、下痢様の便になるようです。
(2)イレオストミー
潰瘍性大腸炎などで大腸を全摘した場合、小腸を使って腹壁に穴をあけ、ストーマを作るタイプのものです。もちろん、管理人もこのタイプです。大腸がほとんどすべてなくなってしまうので、水分吸収が行われず、常に下痢様の便になります。食べ物によって便の性状がかなり変化します。また比較的短時間でしょうかされたものが排出されてしまい、水分もあまり吸収されないため、栄養不良、脱水等の症状を呈しやすいようです。
管理人も特に夏場は全身的に脱水のような状態になり、冬は肌の乾燥に悩まされます。
また、潰瘍性大腸炎でストーマを作る場合は、胃側からの小腸と、Jポーチ側の小腸の、2つの穴がセットとなったストーマをつくる場合が多いようです。(双孔式)
胃側からは当然、食べ物等の消化物が排出されますが、Jポーチ側からも消化液のような液体が排出されます。これが非常に厄介な代物で、管理人の場合は体調の善し悪しでこの液体の多い少ないが大きく変動します。特に装具交換のときに、この液体が盛んに出てきてしまう状況だと、装具空間に非常に手間がかかります。
(3)ウロストミー
膀胱ガンなど、泌尿器系の病で膀胱等を摘出してしまった場合、尿を排出する手段として小腸の一部を切除し、尿管と吻合し、その小腸を腹壁に取り付けます。これをウロストミーといいます。
「日本オストミー協会ホームページ」の「ストーマについて」というページにも詳しい上うが掲載されていますので、ご参考にしてください。
なお、「コック式」という方法でストーマが造設されるケースは少ないものと思われます。
2.補装具について
ストーマになれば、補装具がなければ日常生活は成り立ちません。補装具には様々な種類のものがあります。また、肌との相性や好みによってもっとも使いやすい補装具は人によって違ってきます。補装具にはどんなものがあるのか、どう使うのか見ていきます。なお、ここではイレオストミーでの補装具選びを中心に見ていきます。
(1)ワンピースタイプ
ストーマになれば、誰もが入院時に補装具の交換方法を学び、を訓練するかと思います。そのときに初めて出会う補装具はワンピースタイプのものが多いはずです。
ワンピースタイプとは、面板(肌にくっつける側)と、袋(便を溜める側)が一体型になった補装具です。ストーマになってまだ間もない時期、交換に慣れない時期などは、単純に貼ればいいだけのワンピースタイプが使いやすいようです。また、価格も比較的お求めやすいものが多いようです。
長所としては、上記のとおり、簡単に貼り付けることができる、価格が安い、といった点があります。
一方、短所としては、(製品にもよりますが)耐久性がない(2〜3日程度で交換)、(当たり前ですが)袋だけの交換ができない、という点があげられます。
ストーマ生活や装具の交換に慣れてくると、こうした短所が目立ってしまいワンピースを使うことは少なくなってくるようです。しかし、夏など蒸し暑い時期には特に、短期で頻繁に補装具を交換したほうが、ストーマ周りの肌荒れ、かぶれを防ぐことができ、気分的にも清涼感を得られることから、あえてワンピースタイプにすることも有効です。交換頻度は高くなりますが、ワンピースタイプの「価格が安い」という特徴により、補装具代が嵩む、ということもありません。
(2)ツーピースタイプ(二品系という場合もある)
ストーマ生活や補装具交換にもなれてくると、屋外で活動する機会も増えてくるかと思います。そうなると、補装具に耐久性をどうしても求めたくなってくるものです。ツーピースタイプは、比較的耐久性があり、メーカー各社からも豊富な品揃えがあるタイプです。
「日本オストミー協会ホームページ」の「ストーマ装具について」というページにも詳しい上うが掲載されていますので、ご参考にしてください。
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