課題と展望

リモート運用を中心とした、現在の課題と今後の展望・計画について掲載をしています。日々発生してゆく課題や展望について順次掲載をして行きます。

インターネット回線の信頼性(その1)編

 リモート運用の実験を始めた初期段階で、リモート運用側からのネットワーク接続が非常に不安定になったことがありました。現象としては下記のような状況でした。
@インターネット回線の接続が度々切れてしまう。
 リモート運用を実験していると、度々インターネット回線が切断され、運用ができなくな事象が発生。
Aインターネット回線速度が異様に遅くなる。
 当初12MbpsADSL契約でしたが、実験途中で40MbpsADSL契約に変更をしました。 その際、12M時と40M時の実質性能比較をしようと、インターネット回線速度測定を実施していました。
 そのデータから比較すると、40Mへの変更当初は、12〜15Mbpsであったものが、再測定をすると1〜2Mbpsと非常に低下している状況になってしまうことが確認できました。

 上記状況から想定すると、「関連通信機器の故障」、「NTT側の問題」の2通りが想定されますが、過去このような問題発生時、NTTに問い合わせしても「調査してみます」とは言ってくれるものの、なかなか原因特定ができないものです。ところが何故か障害は復旧してしまう・・・
今回の場合、機器の故障等は想定できないため、ともかく105番に電話を入れ、NTTに調査依頼をしました。NTTからの返答は、
@状況はディジタル数値で計測されているため、異常があることは理解できる。
A宅内引き込みのMDFからの配線に問題があるかも知れないため宅内調査をしたい。
 引き込みに異常があった場合は、有料修理となることを了承して欲しい。
とのことで、有料修理になることも了承しました。ところが翌日に担当者から連絡があり、「NTT局内交換機の接続問題があったため調査には行かずに復旧していると思われるので確認して欲しい」との連絡があり、帰宅後にテストしてみると確かに問題改善していました。
問題なく復旧したことは喜ばしいことでしたが、この事象から得られた教訓は、やはりデジタル的な数値を提示し調査依頼をすることで、NTT側もきちんとした調査をしてもらえるのではないかということでした。

インターネット回線の信頼性(その2)編

 リモート運用もある程度安定稼働をしてきた後、(その1)で示したものと比較する程ではなく、ごくまれに、簡潔的にVPN接続が切れてしまう事象が発生することがあります。特定できる再現性はなく、インターネット回線自体の切断なのかVPN接続のみが切断されるのかが特定できていない状況です。
 また、(その1)当時と比較すると宅内のネットワーク構成も複雑化?されてきており、宅内のネットワークに影響によるものなのかも切り分けができていない状況です。QSO途中でこの様な事象が発生すると相手局には非常に失礼なこととなってしまいますので困りものです。
現在の発生の状況は
 @VPN接続が簡潔的に切断されることがある。
 Aリカバリ機能で自動再接続されるこもあるが、手動で再接続が必要なこともある。
 B接続切断は送信時に発生する訳でなく、受信だけをしているときにも発生する。
 Cある程度長時間接続をしていると安定し、切断発生率が低下する。
 Dシャック内からインターネットを利用している場合、現在のところ回線切断事象は確認できない。
想定できる障害箇所としては
 @宅内ネットワーク機器の何処かに障害がある。
 AVPN接続のために使用しているDDNSサーバ(外部)との接続の問題
 B接続元のインターネット(ケーブルTV)の問題
 C接続先のインターネット(ADSL)の問題
等ですが、未だに特定できずにいるのが現状です。今後問題特定でき、対応ができましたらこのページに追記をします。

参考に、リモートサーバ側宅内ネットワーク構成イメージを以下に掲載します。
監視カメラ接続図
                         【リモートサーバ側宅内ネットワーク構成イメージ】

リモート運用における注意(クランクアップタワーの昇降)

 リモート運用する上で、留意するべき事項の中で最も注意すべき事項としては、事故の防止です。無線設備機器まわりに関してはある程度対策も可能ですが、クランクアップタワーの昇降をリモートで動作させること自体が完全な管理ができない事となります。現在の対策は、監視カメラによる映像を確認しながらの運用をしていますが、通常シャックで利用時の「目で確認」・「音で確認」等人間の五感を使って注意することと比較すれば、確認レベルは低くなってしまいまう事は否めません。また、監視カメラですと固定位置からの映像だけとなってしまいますので、強風時のクランクアップタワーの昇降は、ケーブル類の絡まりを気をつけないと悲劇を招く事となってしまいます。更に、タワー設備そのものの故障や劣化によるトラブルの事前兆候をつかむことも難しくなります。現在、設置・保守・運用時に留意している事項としは、以下を励行しながら運用を行っています。
 @タワーに人間が触れないように防御ネットカバーを設置する。(本来なら防御柵が欲しいところです)
 A現地に行った時は、クランクアップワイヤー・ベルトの状況、張りの確認の実施
 B定期的にグリスアップ等のメンテナンスを定期的に行う。
 C屋外設置の監視カメラで昇降時の映像を確認(夜間は照明を点灯)
 Dタワーのクランクアップは、風速5m以下に限って行う。

更なる運用性の向上編

 リモート運用を開始して、2009年10月で約1年弱です。実験当時から比較すれば色々と運用改善はしてきました。今後改善して行きたいと考えている事項は、下記の通りです。
@リニアの操作
 現状では、リモート運用ではリニアを使用したQRVは運用制限をしています。その理由としては1KW運用でトラブルが発生した場合の影響が大きいことが言えます。この不安をのぞけば運用は可能なのですが、現状ではリニアパネルの操作でなければできない、ボタン操作はリモート運用では行えない状況にあります。あらかじめ設定したものでの運用は当然可能ですが、100%コンパチ運用をしたいと思うのが人間の心理ですので、今後対応して行きたい事項です。
  ・Operation On/Off
  ・Power Low/Higt
  ・Ant Tuner On/Off
Aローテータ、タワーコントローラ表示内容のパソコン表示と指示
 現状は、ローテータ・タワーのコントローラ操作は、ボタンのプッシュ操作ですので、それを制御BOXのリレー操作で行い、コントローラの表示をシャック内モニタカメラで表示による確認方法を取っています。
 将来の構想としては、さらにインターフェース(A/D変換等)を行い、表示内容のパソコンソフトで表示する機能や、ローテータの操作を直接方位を指定することで、プリセット値を変更したように自動で向きを変えることができるようにしたいと考えています。これにより例えば、クラスター情報の位置情報や、HamLog表示のQTH情報から簡易にアンテナ方向を切り換えることが可能となります。