Tenderness
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Three Form




Form 1

生きていくことのなかにある さまざまなかたちが
静かな老人を その圧力で迷わせる
昼下がりの 眩しい光に溶けていくのは
ぼくたちの 勇気アイス

子供たちは じぐざぐの遊歩道で 笑う
今日 学校であったことを 夜の糧にするために
時代は 変わったかもしれないが・・・

色彩が消滅する そんな闇の中で 
蝙蝠たちは 空中に舞う

影のなかでその人は 一日を終えるのを いつまでもためらう
そういう 人類の住処が そのアルミの窓から見えるだろうか

むかし夢が 救いを演じた 歴史もあるが
その影のなかの人は 希望を持つことを忘れ ここを出る
肝心なことなんか ない そんな愛




Form 2

疲れてくるね お前は言うだろう
何年か前も お前は 言ったね

聞き飽きたと言えば 言い飽きたと言う
そんな 繰り返しだね

時間は どうしたって どこかで裏切る
いつまでたっても 時間に気持ちは追いつけない

探ろうとすれば 目の前のなにもかもが 
許しがたいように見えるかもしれない
ふたりが 子供の時に観た風景は まるで違っていただろう
そんな ふたつの視線がすれちがえば・・・

理由を捜せば見つかるよ
見つけたものは 幸せには導かないとしても

どうしても 我慢できないなら 時間を味方にすることだ
見たいものだけが 見える場所へ行くことだ
そういう人たちもいるし お前の満足があれば・・・ そんな愛



Form 3

ふと 終りを 考える
終りがある はじまり

もし 終わりがなければ 一日もない
時間がないので するということがない
目的地は どこまで行っても 自分
その どこまでもついてくる こころのようなもの 

この足が運んだのは 始まりも 終りもないもの
もちろん ちゃんと日は暮れてしまったけどね

帰る場所はあっても 帰れない・・ ほんとうは終りがない
どこへ行こうと なにも変わらないもの そんな愛



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●POEM_詩index

3つのラブソング ◆Three Form ◆詩ごとあそび ◆詩ごとあそび-2. Irony
詩モノ語り-「森の情景」(MIDIつき) ◆「少しだけの季節」
◆ かなしみ、そして
人として生まれあなたも 12月の語らい わかれ かなしみをのりこえるもの