Tenderness
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Three Love Song



Love Song


指と指の間に 芽吹いている
孤独な 星のように
いたって しずかに
呼吸の歌を 口ずさむ きみ

爪の風景のなかに 陽射しを封じ込め
ゆっくりと 泣いていた 少女の日々
 
きみに 逢いたいのは やまやまだけど
希望は 半分ぐらいだ

季節の隙間に 埋もれた 倦怠を
大人になった 今のきみは 隠すことができない

明るい光に うつむいた ふたりの時間
そして なまあたたかい さようなら

掴めても すこし 嫌いになる 気まぐれは
何でもない日の お祝いだから




Lady

きみが おんなのめで ぼくを みつめる
きのうまでの ぼくたちの あいだは
はるやすみの ちゅうがくせい みたいだった

でも きょうの きみのくちびるは ルージュのみずに ういている
きみの ひに やかれたことのない しろいくびすじが
ぼくのしょっかくの こきゅうを いきぐるしくさせる

きみの てが のばされている そのさきに
ぼくの てが ふるえながら つづく
ごごの こうさした ひかりの まちで

きのうまでと ちがう おんなのいきで わらう きみ
こうして あるいていると なにかを とうこともなく
じかんが とまり せかいが いなくなる
まるで めを とじたように




Day

夢に うなされてる  彼女
洗濯機のなかで 毎日試されている
そのせいで 疲れている 彼女

おまけに 蒸し暑い
そんな 都会に流れる 川の側で
臭気を含んだ 風に身を任せる 木のように
彼女は 直面している わけではないが

それでも 世界の中に住む ひとりの 女
鼻唄まじりで グラビアな夢を見ている
だけど 今日の この僕に向かって
もう 歌ってはいないのかい





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●POEM_詩index

3つのラブソング ◆Three Form ◆詩ごとあそび ◆詩ごとあそび-2. Irony
詩モノ語り-「森の情景」(MIDIつき) ◆「少しだけの季節」
◆ かなしみ、そして
人として生まれあなたも 12月の語らい わかれ かなしみをのりこえるもの