FC-9801Kとは

 はじめに FC-9800シリーズは、ファクトリコンピュータといい工場や研究施設で機械制御、装置への組込み等、ファクトリオートメーション (FA) を目的としたPC-9800シリーズの派生種で企業ユーザーを対象に販売されていました。価格は、販売店見積もりとなってて、FC単体での販売 (売りきり) ではなく周辺機器やソフトウェア、サポートなどを含めたシステムとして販売される事が多いようです。基本的に PC型番とアーキテクチャは同じなのでCPU等のハードウェアに依存するもので無ければ、PC型番の拡張機器や周辺機器、ソフトウェアも利用可能です。

 FC-9800シリーズの特徴として PC-9800型番のデスクトップモデルをベースに設計されていますが耐久性や信頼性を高めるため、マザーボードを流用することは無く専用マザーボードになっています。さらにほとんどの機種でモータ駆動のドライブを一切排除でき、振動の激しい場所や衝撃の加わる場所、高温多湿な場所等、苛酷な環境でも連続稼動できるように頑丈に設計されています。

 FC-9801Kは、1994年 6月に登場しました。FC-9800シリーズ初の組み込み型の PCでフロントアクセスタイプの FC-9801Fを発展させたものです。なお、FC-9801Kは、フレームモデルの一種類しかなく補助記憶装置類に至るまで全てオプションになっています。つまり、ユーザーが利用環境や用途によって、組み合わせることができるようになっているのです。
 なお、FC-9801KならびにFC-9801K専用の拡張機器は、本体の生産終了に伴い全て製造、販売を終了しています。これらを新たに入手することはできないので注意が必要です。

 FC-9801Kの最大の特徴は、装置への組みこみを考慮し比較的コンパクトで出っ張りが少なく味も素っ気も無い筐体 (というよりただの箱 (^ ^;;) である点がデスクトップなどと大きく異なります(写真参照、(1) 前部、(2) 後部、(3) 上部、(4) ロゴ部拡大)。ちなみに、リセットボタン、POWER LED、HDDアクセス LEDは、フロントパネルの右下にあります。またフロントパネルは、取り外せるようになっていて、内部の作業がしやすくなっています。

FC-9801K (前) (1) FC-9801K (後) (2)
FC-9801Kは、FC初の組み込み専用モデル。(^ ^::

FC-9801K (上) (3) FC-9801K (ロゴ) (4)

 筐体の構造は、ネジは多い (分解が面倒 (^ ^;;) ですが部品点数自体は少なく簡素な作りになっています (写真 5)。この写真では、右側の電源ユニットの下に2.5"HDD (写真奥)、青の Socket 1、SIMMスロット (写真手前) が見えます。なお、CPUは、HDDの下にあります。
 このFC-9801Kは、デスクトップ PCの PC-9801BS2をベースに設計されており、性能や機能は、ほぼ同じですが写真を見て分かるようにマザーボードの形はまるで違います (写真 6)。

FC-9801K (内部) (5) FC-9801K (マザーボード) (6)

 筐体ファンは、本体の横にニ連のケースファンの入ったファンユニット取り付けることができます (写真 7)。これを取り外してしまえば、電源ユニットにもファンが無いため、動作時の騒音は全くありません。おかげで電源が入っているのを忘れてしまいます。(^ ^;;

FC-9801K (筐体ファン) (7)

マザーボード

● CPU

 FC-9801Kに搭載されている CPUは、QFPタイプの Intel 486SX (33MHz) でシステムクロック 33MHzと同期して動作します。i486SXは、当時、非常に高価だった i486DXの廉価版に当たりコプロセッサ (浮動小数点演算ユニット) が有りません。コプロセッサは、現在の CPUの浮動小数点演算ユニットにあたりCPUと共に動作して、関数計算などを専門に担当します。当時は、CPU自体が非常に高価だったのでオプションになっていました。
なお、486系 CPUは、従来の 386に比べ、キャッシュメモリを CPUに内蔵しているため、大幅に高速化されています。
 ただしCPU内蔵キャッシュのライトバック制御には非対応です。

● コプロセッサ

 FC-9801Kでは、コプロセッサを増設するためには、ODPを増設します。CPUの隣に青の Socket 1 (ODPとは書いていない) が用意されておりODPを取り付けることができます。
 なお、ソケットの側に、怪しげなジャンパが用意されていますが (^ ^;;)、CPUをここに直接、取り付けることができるかどうかは、未検証です。

● メモリ

 メモリは、標準でマザーボード上の SIMMソケットに 4MB搭載されています。SIMMソケットは、 3スロット有りますが標準装備の SIMMは交換できません (4MBまでしか認識しない) ので実質 2スロットです。そこへ 72pin FP SIMMを増設することにより、最大 36MBまで (実際には、68MBまで) 増設できます。

 SIMM増設の際には、FC-9801Kでは、パリティチェック非対応なのでパリ付きでもパリ無しでもどちらでもかまいません。このため、オプションの増設 RASボード「FC-9801-06/06K」では、パリティチェック機能のみ利用できないので注意が必要です。

 ちなみに、パリとはパリティチェックの略でデータの読み出しや書き込みにチェックの為のデータを追加してエラーを検出するものです。通常めったに有りませんがエラーを検出するとデータを破壊する前にシステムを停止させます。

 なお、セカンドキャッシュは搭載することができません。

補助記憶装置

 FC-9801Fのようなファクトリコンピュータでは、振動や衝撃等、過酷な条件での使用が考慮されているため、基本的に フロッピィディスク (FDD)、 ハードディスク (HDD) 等モーター駆動のドライブは、全てオプションになっています。またこれらの装置を搭載すると動作時の環境条件が変わるので注意が必要です。

● フロッピーディスクドライブ (FDD)

 FDDを使用する場合には、FDD兼用スロット、「FC-9801F-FD4/ FD4R (3.5インチ 3モード 2HDタイプ) 」を増設します。FDDは、 2ドライブまで内蔵できます。それ以外の方法では、拡張 1MB FDD I/Fを搭載しているので外付けの FDDユニットが利用できます。

● ハードディスクドライブ (HDD)

 HDDは、純正品では、2.5" IDE仕様で540MBの ミラーリングディスクユニット「FC-9801-14」が内蔵可能です。純正品以外でも上記と同様なものであれば、固定に工夫が必要ですが内蔵可能だと思います。ただしE-IDEには非対応なので544MB (未フォーマット時) を超える HDD接続することはできません。

● RAMファイル

 その他に、FDDの代わりにFDと同じ感覚で使用できる、ROMファイル等があります。これらは、電池でバックアップされているので電源を切っても内容は消えません。ただし利用するためには、専用のドライバが必要です。

 なお、ファイルベイやファイルスロットは無いので CD-ROMドライブや MOドライブなどを内蔵することはできません。これらの機器を使用する際には、別途 Cバス対応インターフェースボードを取りつけた上で外付けとします。

グラフィック、サウンド機能

● グラフィック機能

 グラフィック機能は、最大 640 x 400ドット 4096色中 16色でEGC (Enhanced Graphic Cherger) により描画の高速化が図られています。またPC/AT互換機とは異なり、漢字 ROMを搭載しているため、DOSや BASIC上で高速な漢字表示が行えます。
 なお、Windowsを利用するためには、別途グラフィックアクセラレータボード (ウィンドウアクセラレータボード) を Cバスに増設する必要があります。

● サウンド機能

 FC-9801Kでは、サウンド機能はオプションです。サウンド機能を利用する場合には、PC-9801-26Kや PC-9801-86等サウンドボードを Cバススロットに増設することにより利用できます。
 なお、ビープ音は、ソフトウェアディップスイッチ (セットアップメニュー) 上で音量の調節ができます。

インターフェースと拡張スロット

● 本体のコネクタ

位置 種類 形状
本体前部 キーボード ミニ Din 8pin
バスマウス ミニ Din 9pin
アナログディスプレイ D-Sub 15pin、24kHz対応
RS-232Cシリアル I/F D-Sub 25pin、最高19,200bpsまで対応。
プリンタ用双方向パラレル I/F アンフェノールハーフ 36pin
2nd. RS-232Cシリアル I/F D-Sub 25pin、最高19,200bpsまで対応。(オプション)
本体後部 1MB FDD I/F アンフェノール 50pin

 この中で特にPC-9801型番等、旧型機とは、プリンタのコネクタがXa、Xt以降のマシンとでは、アナログディスプレイのコネクタの形状が違うので注意が必要です。

● 拡張スロット

 汎用拡張スロット (Cバススロット) を 3スロット搭載しています。Cバススロットのうち♯1は、RASボードと増設 FDD兼用スロットになっています。
 オプションの増設 RASボード「FC-9801-06/06R」や1ドライブ目の増設 FDDを利用する場合、必ずここに接続します。なお、このスロットは、他のスロットと信号線が一部異なるのでボードによっては、正常動作しない場合があります。
 また♯2は、増設 FDD兼用スロットになっています。2ドライブ目の増設 FDDを内蔵するときは、ここに接続します。さらに、FCシリーズ用 I/O拡張ユニット「FC-9811」で Cバススロットを拡張することができます。

 この他に、専用の「RS-232C拡張インタフェースボード」を搭載するための専用スロットが本体内にあります。

 現在流通している Cバスボードでは、CPUやハードウェアに依存するボード以外、PC型番でもほとんど全て使用可能です。ちなみに、純正の FC型番の周辺機器を見かけたらぜひご一報ください。m(_ _)m

本体ディップスイッチの設定

 この機種では、ハードウェアディップスイッチは無く内蔵 HDDの切り離し等の設定は、ソフトウェアディップスイッチ (セットアップメニュー) で設定します (「HELP」キーを押しながら電源投入もしくは、リセットボタンを押します)。

その他の特徴

 FC-9801Kは、DOSや制御用の専用 OSで動作させる上で必要な機能のみを搭載しているので筐体の内部のつくりが大幅に簡略化されているので重量が軽くなっています。
 ただし筐体内のスペースは、余裕が無く3.5"の HDDや大きな CPUファンのついたCPUアクセラレータなどは内蔵できません。

 ファクトリコンピュータシリーズで共通することですがキーボードはオプションとなっていて、防塵フィルタ付きの物が用意されています。また本体用の防塵フィルタもオプションで用意されています。

 ちなみに、電源コードは、98では珍しく電源ユニットに直付けになっています。

運用時の注意事項

 FC-9801Kなど、機械への組みこみを考慮されているFCでは、開放部が多く稼動時にノイズが発生することがあります。

 他に、ファクトリコンピュータシリーズの周辺機器は、その大半が受注生産で価格が販売店見積となっているようにNEC特約店のみの取り扱いになっています。このため、新品での入手はおろか、中古やジャンクでも見つけることは希です。というより、自分は、店頭で見たことが一度しかありません。FC型番の本体の活用をお考えの方は、ご注意ください。(T_T)

CPUアクセラレータの搭載 (ODP Socket編)

● はじめに

 さて、だいたい FC-9801Kの仕様を知ったところで CPUの換装といいたいところですが i486SXは QFPなのでマザーボードに直付けされていて換装できません。(^ ^;;

 幸いODPソケットが有るのでCPUのパワーアップの方法としては、ODPまたは、CPUアクセラレータの 2つの方法があります。ただしODPソケットといってもSocket 1なのでPODPを直接取り付ける事はできません。

 注意点としては、ソケットのすぐ上に電源ユニットがあるので大きな CPUファンのついているものは、物理的に内蔵できません。入手する前に取り付けられるかどうか、スペースをチェックしておいてください。
 またファンレスで利用する場合は、AMD Am486DX5等、発熱の多い CPUが搭載されている製品を使う場合は、標準のヒートシンクだけでは、冷却が間に合わない可能性があります。

 ちなみに、i486DX2、iDX4、Am486DX5等の CPUは、搭載できるかどうか分かりません。そばに怪しげなジャンパがあり、これで元の CPUを止めることができそうですがこの辺は、検証していないので試す場合は、ジャンパの接続先などを良く確認してから自己責任でお願いします。やたらにジャンパを変更するとマザーボードを破壊するおそれがあります。

 また搭載できたとしてもiDX4やAm486DX5等の CPUは、動作電圧がi486SXの 5Vと違うので電圧を調整するソケット (電圧変換下駄) がCPUと本体ソケットの間に必要になります。

● Intel純正 ODPについて

 始めに簡単に解説をしておきます。FC-9801Kに取り付けられる ODPは、DX2ODP-66、DX4ODP-100 (無印) の 2つです。ODPの取り付け方向は、親切にルーフカバーの裏に書いてあります。(^-^)

 ちなみに、DX4ODP (PC-9821-E02) は、i486SXと iDX4では、動作電圧が前者が 5V、後者が 3Vと違うのでそのまま載せかえると壊れてしまいます。そこでiDX4に電圧変換機構を組み込み、ヒートシンクを付けたものでそれ.以外は、元の iDX4と変わったところはありません。

 なお、DX4ODPには、(R) がつくものとつかないものがあります。(R) と言うのは、CPU置き換え型 (Replace) を表しFC-9801Kで動作保証があるのは、無印の ODPソケット用です。(R) が付くものを取り付けた場合、元の CPUを止めることができないのでPCが起動しなくなるほか、故障する事があるので注意が必要です。

FC-9801Kで使える ODP

商品名 種類 クロック倍率 動作クロック 搭載 CPU 内部キャッシュ コプロセッサ 現状
DX2ODP-66 ODP 2倍 66MHz i486DX2 8KB CPU内蔵 生産終了
DX4ODP-100 ODP 3倍 100MHz iDX4 16KB CPU内蔵 生産終了

 ちなみに、PODP5V83を取り付ける場合は、Socket 1なのでピンの数が合わず (PODP側のピンの数が一回り分多い)、物理的に直接取り付けることができません。ソケット上のスペースの問題もありますがこの場合は、486用のスペーサ (下駄) を間にかます事で取り付けることができます。
 なお、FC-9801Kに取り付けられるのは、Sタイプです。動作クロックは、83MHzになります。

● CPUアクセラレータについて

 次に、CPUアクセラレータですが購入する場合は、できれば FC-9801Kに正式に対応しているものを選びましょう。といいたいところですがあまりにもマイナーなため、まず、対応機種にはいっていることはありません。(^ ^;;

 では、選ぶ時の目安は、どうすれば良いかというとベースモデルがPC-9801BS2なのでこれに対応しているものなら動作すると思って良いでしょう。ただしメルコ (バッファロー) のハイパーメモリ CPUシリーズの「EUZ-QP」等は、かなりのスペースを取るので物理的に取り付けることは難しいと思います (未検証)。

 ライトバック制御のできないFC-9801Kの場合、CPUアクセラレータの中でお勧めなのがI-O DATA製「PK-A586/98」は、QFPパッケージの AMD製 Am486DX5を搭載し iDX4より整数演算が高速な上、キャッシュコントローラをハードウェア上で制御しているのでDOSや Windows95以外の OSでも高速で動作させることができます。ただしこの製品は、残念ながらすでに生産終了で入手は困難です。またファンレスでの運用はできなくなります。

 なお、対応機種から外れている CPUアクセラレータを使うと保証対象外になるのでご注意下さい。詳しくは、注意事項をお読みください。

 ここで自分が実際に使用したものは、メルコ (バッファロー) 製の 3倍クロックの「HAS-33TP」という CPUアクセラレータの下駄を改造しCPUを Am486DX5に交換した「HAS-33QP」相当品です (ぉ。当然、ライトバックは無効になっています (^ ^;;)。 (仕様は以下の表参照)。これらの製品は全て生産終了です。

FC-9801Kで使えるであろう CPUアクセラレータの代表例

メーカー 商品名 種類 クロック倍率 動作クロック 搭載 CPU 内部キャッシュ コプロセッサ
メルコ
(バッファロー)
HAS-33TP CPUアクセラレータ 3倍 100MHz Cyrix 5x86 16KB CPU内蔵
HAS-33QP CPUアクセラレータ 4倍 133MHz AMD Am486DX5 16KB CPU内蔵
EUZ-QP* ハイパーメモリ CPU 4倍 133MHz AMD Am486DX5 16KB CPU内蔵
I-O DATA PK-586x3 CPUアクセラレータ 3倍 100MHz Cyrix 5x86 16KB CPU内蔵
PK-A586/98 CPUアクセラレータ 4倍 133MHz AMD Am486DX5 16KB CPU内蔵
アセットコア VIPER Power MULTi PNT-33* CPUアクセラレータ 2.5倍 83MHz Intel PODP5V83 32KB CPU内蔵

  未検証。入手する前に取り付けられるスペースがあるかどうか確認してください。

● ODP、CPUアクセラレータの取り付け

 では、取り付けです。CPUアクセラレータの取り付けは非常に簡単です。まず、CPUアクセラレータに取り付け先がODPソケットなのか、CPUソケットなのかで設定が必要なものは、事前に説明書を確認して、設定しておいてください。設定が誤っていると正常動作しないほか、最悪本体が壊れます。

 つぎに、ルーフカバーを開け、電源ユニットを外してから Socket脇のレバーを上げて、ソケットに向きに注意して ODP本体を取り付け、レバーを下ろして固定します。

 取り付けた後、ルーフカバーを元通り取り付け、電源を入れて「ピポッ」と鳴れば、成功です。今までが嘘のようにとはいきませんが高速に動作します。なお、キャッシュコントロールユーティリティーは同じ Intel製の 486系 CPUなのでインストールする必要はありません。

 ちなみに、ハイパーメモリ CPUの場合は、レバーが邪魔になって取り付けできないのでCPUボードを取り付ける前に付属のスペーサを先にソケットに取り付けておいてからCPUボードを取り付けます。

● 結果

 最後に「HAS-33QP」を使い DOS Ver 6.2上と Windows95 OSR1上でベンチマークを取ってみましたので参考にしてください。使用ソフトは、I-O DATAの「INSPECT Ver 1.03」と EP82改/かず氏の「HDBENCH Ver 2.610」です。

CPU 動作周波数 Dhrystone(点) Whetstone(点) 総合(点)
i486SX 33MHz 10869 - 10800
Am5x86P75 (WT) 133MHz 28846 32435 35280

 参考までに「INSPECT Ver 1.03」のデータベースでは、ノーマルの PC-9821Af (Pentium 60MHz) が総合で 40000点、DX4ODPを付けた PC-9821Ap2が総合で 37080点です。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 FC-9801K
Processor Am5x86/WT/4x [AuthenticAMD family 4 model E step 4]
解像度 640x480 256色(8Bit)
Display WGN-DX2 (S3) (DirectDraw)
Memory 68,008Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 2002/ 3/19 23: 8

SCSI = MELCO 非PnPモード SMIT SCSI Interface Board
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ

A = GENERIC IDE DISK TYPE00
B = GENERIC NEC FLOPPY DISK
C = GENERIC NEC FLOPPY DISK
D = KONICA OMD-7061 Rev 3.02

ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
2323 3639 5463 5488 393 1254 345 8 1056 949 3569 A:10MB

 結果としては、CPU上に取り付ける (製品によっては、キャッシュコントローラを組み込む必要あり) という単純な作業だけでライトスルー動作 (ライトバック無効) ながら元に比べて、体感で分かるほど性能が向上しました。ハンダ鏝を使わなくても手軽にパワーアップができて便利です。これが「PK-A5869/98」の場合は、キャッシュコントローラを組み込む必要が無いのでもっと簡単にパワーアップできます。

 なお、データは省きますがライトバック有効と無効では、無効のほうが僅かにパフォーマンスが落ちてしまいます。キャッシュコントローラを組み込めない OSやアプリケーションでは、注意しましょう。(^-^)

メモリの増設

 さて、CPUアクセラレータや ODPを使って高速化したらさっそくメモリを増設しましょう。メモリの増設の仕方は、簡単でマザーボード上の 3スロットの SIMMソケットのうち、空いている 2スロットに増設して、容量を最大 68MB (32MB x2、ユーザーズメモリ 67.6MB) まで増やすことができます。FC-9801Kでは、旧機種のように専用のメモリボードは必要ありません。

 ちなみに、バンク 1の SIMMスロットでは、最大 4MBまでしか認識できないようになっています。試しにここに32MBの SIMMを挿してみましたが4MB分しか認識しませんでした。この辺りの事情は、PC-9801BA2/BS2/BX2と同じです。

 使用できるのは、パリティ無しの 72pin FP (ファーストページ) SIMM でこれは現在でも販売されています。実際には、安い PC/AT互換機用でも構いませんが必ず動作する保証はありませんので多少高くても有名メーカー製で対応機種に入っているものを使った方が無難です。

 ちなみに、パリティ、パリティジェネレータ付きでもパリティデータが無視されるだけで問題なく使えます。

 なお、2002年 5月現在、16Mbit DRAMの需要の低下から種類を問わず SIMMの価格が高騰しています。I-O DATA製 SIMMの価格はオープン価格ですが実際には、メルコ (バッファロー) 製と同じくらいだと思います。

代表的なパリ無しの FP SIMM (ただし NEC製はパリ付き)

メーカー 製品名 容量 枚数 標準価格(税別) 現状
NEC PC-9821A-B02L〜04L 4〜16MB 1枚 30,000〜140,000 生産終了
PC-9821BF-B01 32MB 1枚 310,000 生産終了
メルコ
(バッファロー)
EMF-P 8〜32MB 1枚 5,000円〜19,800円 生産終了
EMW-P 16〜32MB 2枚 8,000円〜37,800円 生産終了
EXB-8M *1 8MB 1枚 9,000円 生産終了
EXB-16M *2 16MB 1枚 14,000円 生産終了
I-O DATA NE-SIM32 16〜32MB 1枚 オープン価格 生産終了
NE-SIMXB 16〜64MB 2枚 オープン価格 生産終了

*1 SIMMの上に SIMMソケットのついたモジュールで8MBの 72pin FP SIMMが取り付け可能。未検証。入手する前に取り付けられるスペースがあるかどうか確認してください。

*2 SIMMの上に SIMMソケットのついたモジュールで2/4/16MBの 72pin FP SIMMが取り付け可能。未検証。入手する前に取り付けられるスペースがあるかどうか確認してください。

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FC-9801、FC-9821、FC-9800、FC98-NXは、NEC社の商標または登録商標です。

この他、製品名、型番等は、一般に各メーカーの商標または登録商標です。