FC-9821Xa model1 Power Up
FC-9800シリーズ デスクトップタイプ FC-9821Xa model1のパワーアップについてまとめたページです
2014/ 4/ 20 更新
FC-9800シリーズは、ファクトリコンピュータといい、工場や研究施設で機械制御、装置への組込み等、ファクトリオートメーション (FA) を目的としたPC-9800 (PC-98) シリーズの派生種で企業ユーザーを対象に販売されているシリーズです。基本的に PC型番とアーキテクチャは同じなのでCPU等のハードウェアに依存するもので無ければPC型番の拡張機器や、周辺機器、ソフトウェアも利用可能です。
FC-9800シリーズの特徴として、PC-9800型番のデスクトップモデルをベースに、設計されていますが、耐久性や、信頼性を高めるためマザーボードを流用することは無く専用マザーボードになっています。さらに、モータ駆動のドライブを一切排除すれば振動の激しい場所や、衝撃の加わる場所、高温多湿な場所等、苛酷な環境でも連続稼動できるように頑丈に設計されています。
FC-9821Xa model1は、1996年 5月にデスクトップモデルの FC-9821Xの後継として登場しました。このモデルでは、FC-9800シリーズとしては珍しく標準価格が設定されていました。(下の表参照)。
FC-9821Xaのラインナップ
商品名 | モデル | 備考 | 標準価格 (税別) |
---|---|---|---|
FC-9821Xa model 1 | 標準モデル | 388,000円 | |
FC-9821Xa model 2 | UPS機能内蔵モデル | 無停電電源装置 (UPS) 内蔵 | 418,000円 |
この FC-9801Xaの特徴は、PC-9821Xa13/K型番をベースに設計されていて、FCシリーズでは初めて、Pentiumを採用たモデルです。さらに、拡張バスに高速な PCIバスを搭載するなど、先代の FC-9821Xとは、明確に世代が異なり全ての面で大幅にパワーアップしています。
筐体は、PC-9821Xa13/K型番の筐体を縦に引き伸ばしたようなデザイン (写真参照) でデスクトップながらCバスが 6スロットもあるためミニタワー並みの大きさです。(^ ^;;) 外見だけでなく内部もほぼ同じ配置のためHDD固定金具や、増設 FDD、PCカードスロットアダプタなど、一部のパーツは、互いに流用可能です。
FC-9821Xa model1。それは、FC-9800シリーズ最後で最強のデスクトップ。
FC-9800シリーズの中でデスクトップタイプとしては最終モデルです。なお、2004年でNECのファクトリコンピュータシリーズは、すべて、PC-98NX互換の FC-NXに完全に移行します。
ちなみに、このモデルは、工場以外でも計測、測定等、Cバスボードを同時に多く使用する用途にも便利かと思います。またPC-9821Xa13/K型番とほぼ同じなのでFC-9800シリーズ初心者にもお勧めです。(^ ^;;
ただし、残念ながらこれら FCシリーズは、受注生産ということもあり新品、中古問わず店頭では、まず出てきません。(T_T)
2014年現在では FC-9821Xaならびに FC-9801Xa専用の拡張機器は全て製造、販売を終了しており新たに入手することはできません。
FC-9821Xaが搭載しているチップセットは、MATE-Xや、VALUSTERユーザーには、おなじみのVLSI Technology製「SuperCore594 (Wildcat) 」でPC-9821Xa13/K**と同等です。よって、PC-9821Xa13/K** のパーツやパワーアップ方法がそのまま当てはまります。なお、FC-9821Xa model1、FC-9821Xa model2ともマザーボードは共通です。
ちなみに、Wildcatは、Intel製 i430FX (Triton) に対抗する形で登場し、安価ながら最大 1024MBまでメモリを搭載できたり (ただし、98では、最大 128MBまで) 、高速なメモリアクセス等、いろいろな面でi430FXを上回っていたため98シリーズに採用された当時は、注目を集めました。
FC-9821Xaのマザーボードは、「G8VYJ」という FC型番専用マザーボードでPC型番では、「G8VSU」にあたり改造やパワーアップの際には、ほぼ同じ挙動を示します。部品の配置は、良く似ていますが、FCシリーズ独自の機能を実現するための部品が追加されています。
ノースブリッジに「VL82C594」と「VL82C595」が 2個、サウスブリッジに NEC製「STAR ALPHA 2」を搭載しています。この「STAR ALPHA 2」のため内蔵の標準 IDE I/F (専用固定ディスクインターフェース) や、Cバスのデータ転送速度が 486機など旧機種に比べて遅くなっています。(^ ^;;
CPUソケットは、シングルボルテージの Socket 5です。BIOSレビジョンが「0.03」のため MMXテクノロジ Pentiumには対応していません (「0.04」以降は、対応しているらしい) 。なお、BIOSについては、PC型番とは違い FC型番では、RASボードや RAMファイルの制御機能等が追加されています。
ちなみに、自分の FC-9821Xa/1のマザーボードは 1999年 12月製造です。こんな頃まで Wildcatマザーボードを製造していたんですね。驚きです。(^ ^;;
CPUは、セラミックパッケージ (SPGA) の Intel Pentium (133MHz) で一次キャッシュメモリ 16KB搭載、コプロセッサ (浮動小数点演算ユニット) も内蔵 (今時当たり前ですが) されています。
セカンドキャッシュは、バースト SRAMに対応し、標準で256KBのモジュールをマザーボードのソケット上に実装しています。交換によって最大 512KBまで搭載できます。
メモリは、ノーマルで 32MB (16MBの SIMM x2) 実装しています。4本の SIMMスロットに、72pin FP (Fast Page Mode) SIMMを追加または、差し替えることによって、最大 128MBまで増設できます。メモリの増設には、Pentium機なので必ず同容量で同種の SIMMを 2枚一組で増設します。
SIMM増設の際には、FC-9821Xaでは、パリティチェック非対応なのでパリ付きでもパリ無しでもどちらでもかまいません。このためオプションの増設 RASボード「FC-9801-06/06K」では、パリティチェック機能のみ利用できないので注意が必要です。
ちなみに、パリとは、パリティチェックの略でデータの読み出しや書き込みに、チェックの為のデータを追加してエラーを検出するものです。通常めったに有りませんが、エラーを検出するとデータを破壊する前に、システムを停止させます。
なお、パリ付きメモリを使ってもパリティデータが無視されるだけで問題無く使えますが、パリ無しメモリの方が安いので増設するならパリ無しの方が良いでしょう。またEDO DRAMには非対応です。挿しても壊れませんが、正常動作しません。(^ ^;;
フロッピーディスクドライブ (FDD) は、標準で 3.5インチ 3モードタイプ (ベゼル付き FD1231T) が 1ドライブ搭載されています。増設 FDDベイに「FC-9821XA-FD1 (フロントベゼル付き、FD1231T)」、を増設することにより 2ドライブに増設可能です。
なお、「PC-9821XA-E02」も流用可能ですが、フロントベゼルが無いので見た目が悪くなります。「PC-9821XV-E02」等タワーモデル用であればフロントベゼルが付いているので見た目がすっきりしてお勧めです。
FDDには、埃や塵の侵入を防ぐためカバーが取り付けられています。中央が、スモークになっているので蓋を閉めたままでもFDDのアクセスを確認できます。
なお、1MB FDD I/Fは、オプションで「PC-9801-87」が対応しています。また5インチ FDD等を利用する際には、以下の方法があります。
メーカー | 型番 | 種類 | 対応機種 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ファイルベイ内蔵用 | ||||
NEC | PC-FD511D | 5" 2モード FDD | 98MATE X, 98MATE R、 PC-9821Ap3/ As3等 |
3.5" FDDモデルで5" FDDを使いたい場合に使用。ただし、専用ケーブル「PC-9821-K08」が必要。PC-9801-87とは、排他利用。 |
NEC | PC-FD321DH | 3.5" 3モード FDD | 98MATE X, 98MATE R |
3.5" FDDを増設したい場合に使用。 |
外付け用 | ||||
NEC | PC-9801-87 | 1MB FDD I/Fボード | 98MATE X, 98MATE R等 |
8"、5"、3.5"の外付け用 FDDユニットを使いたい場合に使用。ボードとケーブルのセット。ただし、専用ケーブル「PC-9821-K10」が必要。 |
ハードディスクドライブ (HDD) は、オプションですが、HDD接続用ケーブルのみが標準で添付されています。一台の最大容量 4.56GB (未フォーマット時) までのものが 2台まで内蔵可能です。
FC-9821Xaでは、容量 1.6GBの「FC-9821XA-HD1」と容量 850MBの「FC-9821KE-E02」の他、ミラーリングディスクユニット「FC-9801-MD2」が用意されています。
なお、2台目を内蔵する場合には、オプションの HDアダプタ「FC-9821XA-E01」と IDEケーブル等を用意する必要があります。サードパーティ製品では、一般に 98ドライブベイ用金具と呼ばれている、I-O DATA製「HDK-DB」や、メルコ (バッファロー) 製「DBN-DB」等が利用できます。
またOSは、MS-DOS Ver6.2の FDパッケージ版が付属します。
FC-9800シリーズは、基本的にフレームモデルなのでCD-ROMドライブもオプションです。標準では、ATAPI仕様のドライブが 5"ファイルベイに搭載できます。この場合には別途、信号ケーブルと音声ケーブルが必要になります。SCSI仕様のドライブを内蔵するためには、さらに、SCSI I/Fボートが必要になります。なお、ファイルベイで CD-ROM等を利用するためには、ファイルベイカバーのスモーク板を外します。
その他に、FDDの代わりに、FDと同じ感覚で使用できる、RAMファイル「FC-9801F-RF1K」(容量 1MB、「FC-9801F-RF2」で最大 2ドライブに増設可能) 等があります。これらは、電池でバックアップされているので電源を切っても内容は消えません。またデータの読み書きにモーター等を使用していないため振動や、衝撃に強いのも特徴です。
グラフィック機能は、標準で従来の 640 x 400ドット (4,096色中 16色: Enhanced Graphic Charger) に加え、ウインドウアクセラレータ機能をオンボード PCIバス接続で内蔵しています。なお、DOS画面のモニター出力は、24kHzと 31kHzから選択できます。選択の方法は、電源投入後もしくは、リセットボタンを押してから「GRAPH」キーと「1」(24kHz) または「2」(31kHz、デフォルト) を押します。
グラフィックチップは、Trident製 TGUI9680XGiでDirectDraw、ビデオアクセラレーション機能に対応しています。またVRAMは 2MB搭載しています。
画面表示は、Windows上では、最大 1280 x 1024ドットで 1677万色中 256色、DOS上では、最大 640 x 480ドットで 1,677万色中 256色の表示が可能です。
ちなみに、後期ロットでは、部品調達の関係からか TGUI9682XGiを搭載しています。ただし、機能や性能は同じということになっています。(^ ^;;
FC型番ながら珍しくMATE-X PCM と呼ばれる PCM録音再生可能なサウンド機能を標準で搭載しています。これは、 WSS (Windows Sound System) 対応の PCM音源チップ CS4231を搭載したもので86音源の PCMと違い Windows 9xでも再生時に CPUに負荷が掛からず音飛びしにくくなっています。またCD音声ケーブルを使用することで CDの音声も本体スピーカから出力できます。
なお、マイク入力とヘッドフォン出力端子は省略されていてありません。
ただし、残念ながら PC-9801-86相当の FM音源機能 (86音源: FM 6音、リズム 6音、SSG 3音) はありませんのでFM音源や、MIDI音源を使った DOSゲームでは音楽が鳴りません。この場合には別に拡張バスに「PC-9801-86」や「PC-9801-118」、「WaveStar」等を増設する必要があります。なお、この場合あらかじめソフトウェアディップスイッチでサウンド機能を切り離しておいたほうが無難です。一応、フリーウェアのドライバを使えば共存もできるようです。
位置 | 種類 | 形状 |
---|---|---|
本体前部 | キーボード | ミニ Din 8pin |
バスマウス | ミニ Din 9pin (防塵カバー付き) | |
本体後部 | アナログディスプレイ出力と入力 | ミニ D-Sub 15pin、基本的には 24と 31KHz対応で切り替え可。 |
LINE出力と入力 | ステレオミニジャック | |
RS-232Cシリアル 2チャンネル | D-Sub 25pinと赤外線通信対応の D-Sub 9pinで両方とも最高115,200bpsまで対応。 | |
プリンタ用双方向パラレルインタフェース | アンフェノールハーフ 36pin | |
電源リモートコントロール端子 | 4芯 x 2 |
この中で特に、PC-9801型番等の旧機種とは、プリンタのコネクタ、アナログディスプレイのコネクタの形状が違うので注意が必要です。
またマイク入力とヘッドフォン出力端子はありません。
FC-9821Xaは、PnP (プラグアンドプレイ) に対応しています。拡張スロットは、Cバススロット (汎用拡張スロット) が脅威の 6スロット、PCIバス (Rev. 2.0) が 2スロットです。この PCIスロットは、「G8VSU」相当であるため設計上データ化けが起こりやすく一部のボードでは、正常動作しない場合があります。
なお、Cバススロットのうち、一番上の♯1は、RASボード兼用スロットになっています。オプションの増設 RASボード「FC-9801-06K」を利用する場合には必ずここに増設します。このスロットは、他のスロットと信号線が一部異なるのでボードによっては、正常動作しない場合があります。
このため PCカードスロット増設ボード「PC-9821XA-E01」や、1MB FDD I/Fボード「PC-9801-87」を増設する場合は、上から 2段目のスロットに増設します。
また1995年 11月以降発表のパソコン全機種でCバスの仕様が若干変更になっておりCバスリフレッシュ信号のサポートが無くなりました。この機能を使用する Cバスボード (ICM製 IF-2769等) は、データ化け等で正常に動作しない場合があるのでこれにも注意が必要です。
現在流通している Cバスボードでは、CPUや、ハードウェアに依存するボード以外、PC型番でもほとんど全て使用可能です。ちなみに、純正の FC型番の周辺機器は、PC型番の緑の箱ではなく赤い箱です。見かけたらぜひご一報ください。m(_ _)m
ちなみに、PCカードスロット増設ボード「PC-9821XA-E01」と1MB FDD I/Fボード「PC-9801-87」は、排他利用となっていますが、実際には、ケーブルを通す時に工夫すれば二枚同時に取り付けられます。しかし、Cバスが、6スロットもあると全て埋めるのが大変です。(^ ^;;
一般的な 5インチファイルベイを 1スロット搭載しています。
この機種では、ハードウェアディップスイッチは無く内蔵 HDDの切り離し等の設定は、ソフトウェアディップスイッチで設定します。呼び出し方は、電源投入後もしくは、リセットボタンを押してから「HELP」キーを押します。
本体前面のカバー内に、スピーカのボリュームと電源リモートコントロール設定スイッチがあります。これでリモートとローカルを切りかえられます。通常は「ローカル」で構いません。ちなみに、「リモート」では、本体後部の電源リモートコントロール端子に信号を入力することで離れたところから本体を起動させることができます。
このほかに、マザーボード上に電源断時の自動シャットダウン処理設定用のジャンパ SWが有ります。設定と機能は以下のようになっています。
ジャンパ | 基板上の表示 | 用途 | 工場出荷時設定 (従来互換) |
シャットダウン利用 | model 2無停止 |
---|---|---|---|---|---|
SW1 | SOFTOFF | ソフトオフ有効/無効 | 無効 (2-3) | 有効 (1-2) | 無効 (2-3) |
SW2 | ACFAIL | 電源断時のNMI発生/無効 | 発生 (1-2) | 発生 (1-2) | 無効 (2-3) |
工場出荷時設定では、シャットダウン処理はできません。自動シャットダウン処理は、Win3.1/95/NT3.51で利用でき、利用する場合は、添付の FDからドライバをインストールする必要があります。model 2無停止は、同モデルでUPS機能を利用する場合に設定します。
電源は、AT電源ながら本体に付属のドライバで自動シャットダウンが利用できます。このため電源の入れ方が、 一般の PC型番とは異なります。電源の入れ方は、本体裏のスイッチを ONにします。すると電源ランプが赤く点灯します (待機状態) 。次ぎに、本体前面の電源スイッチを押すと電源ランプが緑に点灯し、本体が起動します。電源の切り方は、逆になります。
FC-9821Xa model2では、無停電電源装置 (UPS) を内蔵しています。これを利用するには、バッテリを別に用意する必要があります。使用できるバッテリに付いては、取扱説明書を参考にしてください。
ファクトリコンピュータシリーズで共通することでキーボード「FC-9801-KB8」はオプションとなっていて、防塵カバー付きの物が用意されています。また本体用の防塵フィルタ「FC-9821XA-E02」もオプションで用意されています。
なお、本体の左右に開放部分が多いので稼動時にノイズが発生したり巨大な筐体ファンによる騒音があります。(^ ^;;
他に、ファクトリコンピュータシリーズの周辺機器は、価格が、販売店見積となっているように、標準価格が無く (オープン価格とも違います) 、きわめて高価です。
新品の取り寄せは、NEC特約店経由 (秋葉原では、ファーストポイント等) で可能ですが、中古やジャンクでは見つけることはきわめて希です。というより自分は一度しか見たことがありません。FC型番の本体の活用をお考えの方は、かなりの出費が予想されます。くれぐれもご注意ください。(T_T)/~~
さて、Windowsを快適に使うには、まず、メモリを増設しましょう。メモリを多く搭載すると動作がだいぶ違ってきます。メモリの増設の仕方は、マザーボード上の 4カ所の SIMMソケットに増設または標準のものと交換し、最大 128MBまで増設できます。
FC-9821Xaで使用できるメモリは、パリ無し 72pin FP SIMM です。これは現在でも販売されています。実際には、安い PC/AT互換機用でも構いませんが、必ず動作する保証はありませんので多少高くても有名メーカー製でPC-9800シリーズに対応しているものを使った方が無難です。
ちなみに、パリティ、パリティジェネレータ付きでもパリティデータが無視されるだけで問題なく使えます。
2002年 5月現在、16Mbit DRAMの需要の低下から種類を問わず SIMMの価格が高騰しています。I-O DATA製 SIMMの価格は、オープン価格ですが、実際には、メルコ (バッファロー) 製と同じくらいだと思います。
代表的なパリ無しの FP SIMM (ただし NEC製はパリ付き)
メーカー | 製品名 | 容量 | 枚数 | 標準価格(税別) | 現状 |
---|---|---|---|---|---|
NEC | PC-9821XA-B01/02 | 4/8MB | 1枚 | 33,000〜65,000円 | 生産終了 |
SV-98/2-B01/02 | 16/32MB | 1枚 | 160,000〜330,000円 | 生産終了 | |
メルコ (バッファロー) | EMF-P | 8〜32MB | 1枚 | 5,000円〜19,800円 | 生産終了 |
EMW-P | 16〜32MB | 2枚 | 8,000円〜37,800円 | 生産終了 | |
I-O DATA | NE-SIMXB | 16〜64MB | 2枚 | オープン価格 | 生産終了 |
NE-SIM32 | 16〜32MB | 1枚 | オープン価格 | 生産終了 |
FC-9821Xa以外でも PC-98シリーズの Wildcat機では、1枚辺り64MB以上の SIMMは全容量を正常に認識しません。
またEDO DRAM搭載の SIMMはメモリカウントを通過し一見正常動作のようですが、Windows 95終了時や DOSモードで再起動するとハングアップしたりして、正常動作しないので注意が必要です。
セカンドキャッシュは、簡単に言うと高速で動作する CPUとメモリの間のデータ転送速度の差を埋めるものです。この機種では、標準でマザーボード上のソケットに、バースト SRAMタイプのセカンドキャッシュを 256KB積んでいます。512KBのものと交換できますが、費用の割には効果はごくわずかなので自己満足でしかありません。 (^ ^;;
ただし、これらの製品は、既に生産終了なので中古在庫を探すしかありませんが、512KBの物は、滅多に見かけることがありません。またi430HX用のセカンドキャッシュは、仕様、形状が違うので使えません。購入の際には気を付けてください。
代表的なセカンドキャッシュメモリボード (バースト SRAMタイプ)
メーカー | 製品名 | 容量 | 枚数 | 標準価格(税別) | 現状 |
---|---|---|---|---|---|
NEC | PC-9821XA7E-B02 | 512KB | 1枚 | 40,000円 | 生産終了 |
I-O DATA | NE-XA512K | 512KB | 1枚 | 35,000円 | 生産終了 |
メルコ (バッファロー) | SX7-512 | 512KB | 1枚 | 34,800円 | 生産終了 |
さて、そんな FC-9821Xaですが、Windows 95で扱うには、パワー不足の感じがします。せめて、MMXテクノロジ Pentium (P55C) 以上の CPUパワーがほしい所です。
MMXテクノロジ Pentiumは、MMX機能 (マルチメディア向けに新たに追加された 57の命令セット、整数演算処理が高速化される。) を搭載し、同クロックの Pentium (P54C) に比べ、コアに細かな改良が加えられているためパフォーマンスが高くなっています。詳しくは、企画課を参照してください。
Intelより Pentium (P54C) 搭載パソコン用に MMX Pentiumオーバードライブプロセッサ (ODP)を発売しましたが、VLSI Wildcat搭載機には、非対応です。
なお、以下の行為は、メーカーの禁止している改造行為に当たります。PC本体の改造すると保証期間中であっても当然、保証外になります。またこの改造により思うように動作しなかったりCPUやパソコン本体が故障してもこちらには、一切責任がありません。全ては、自己責任です。詳しくは、注意事項を参照してください。
まず、搭載するには、幾つかの条件が有ります。始めに、パソコン本体の BIOSがこれらの CPU対応していなければなりません。次に、P54Cと P55Cや 互換 CPUでは電源の供給方式や電圧が異なり (下表参照) そのままでは載せ換えることはできません。そのまま載せると CPUやマザーボードが壊れるどころか最悪燃えます。
代表的な CPU
CPU名 | メーカー | 動作クロック | キャッシュ (演算用/命令用) | MMX機能 | 電源の供給方式 | 内部電圧 | I/O部電圧 | 対応Socket |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Pentium (P54C) | Intel | 75〜200 | 16kB | − | Single Voltage | 3.3V | 3.3V | 5、7 |
MMX Pentium (P55C) | Intel | 166〜233 | 32kB (16kB/16kB) | ○ | Dual Voltage | 2.8V | 3.3V | 7 |
K6-2 | AMD | 266〜533 | 64kB (32kB/32kB) | ○ + 3DNow! | Dual Voltage | 2.2V/2.4V | 3.3V | 7 |
K6-III | AMD | 400〜450 | 64kB (32kB/32kB) + fullspeed L2 (256kB) | ○ + 3DNow! | Dual Voltage | 2.2V/2.4V | 3.3V | 7 |
Mobile K6-2+ | AMD | 450〜533 | 64kB (32kB/32kB) + fullspeed L2 (128kB) | ○ + E-3DNow! | Dual Voltage | 2.0V | 3.3V | 7 |
Mobile K6-III+ | AMD | 450〜500 | 64kB (32kB/32kB) + fullspeed L2 (256kB) | ○ + E-3DNow! | Dual Voltage | 2.0V | 3.3V | 7 |
M II | Cyrix | PR300〜400 | 64kB (兼用) | ○ | Dual Voltage | 2.9V | 3.3V | 7 |
WinChip2 | IDT | 200〜240 | 64kB (32kB/32kB) | ○ + 3Dnow! | Single Voltage | 3.3V/3.52V | 3.3V/3.52V | 5、7 |
では、FC-9821Xaではどうかというとまず、本体の BIOSが P55C及び互換 CPUに対応していません (^ ^;;)。このため電圧を調節できてもそのままでは、メモリカウントの時点でハングアップしてしまい正常動作しません。
さらに、CPUソケットがシングルボルテージの Socket 5なのでコア電圧とI/O電圧の違う Socket 7用 CPUを載せると CPUが壊れます。
では、このような場合はどうするかというとP55Cでは、総 SCSI化 (内蔵 IDE I/Fの切り離し) と電圧変換ソケットを利用します。
なお、1999年 1月現在では、メルコ (バッファロー) 、I-O DATA、アセットコア等各社が CPUアクセラレータを発売していますので安全に MMX化をしたい場合や PC-9821Xa/W、PC-9821Xv/W型番以外の場合は、対応機種を確認してしっかりした保証のあるそちらをご利用ください。
特に、PC-9821Xa/W、PC-9821Xv/W型番、一部の 98MATE VALUESTAR以外の機種で P55Cまたは互換 CPU (Cyrix、AMD製) を動作させる為には、俗に言う MTSA-M1T等の持つ魔法機能 (A20ラインマスク機能、説明は難しいので省きます) が必要になります。この魔法機能を持った下駄でないと PC-98で CPUが生きている証の「ピポッ」すら言わず動作しません。
P55C及び、互換 CPUを載せる場合の注意事項をまとめると以下のようになります。
CPU名 | メーカー | 電圧変換 | 魔法機能 | |
---|---|---|---|---|
Pentium (P54C) | Intel | 不用 | 不用 | 内部逓倍設定を変更する場合は、MTC-40001等の下駄で設定する。 |
MMX Pentium (P55C) | Intel | 必要 | 不用 | 内蔵 IDE I/Fを有効にしていると起動しないのでセットアップメニューで切り離す。 内部逓倍設定を変更する場合は、MTC-40001等の下駄で設定する。 |
MMX ODP | Intel | 不用 | 不用 | 内蔵 IDE I/Fを有効にしていると起動しないのでセットアップメニューで切り離す。 |
K6-2シリーズ | AMD | 必要 | 必要 | PL-K6-III/98等、魔法機能付きの下駄を使用する。 |
K6-IIIシリーズ | AMD | 必要 | 必要 | PL-K6-III/98等、魔法機能付きの下駄を使用する。 |
Cx6x86MX、MII | Cyrix | 必要 | 必要 | PL-K6-III/98等、魔法機能付きの下駄を使用する。 |
WinChip2 | IDT | 不用 | 不用 | 内部逓倍設定を変更する場合は、MTC-40001等の下駄で設定する。 |
この中で特に注意が必要なものは、AMD製 CPUや、Cyrix製 CPUで必ず魔法機能の有る下駄が必要になります。初期に一般的だったのは、MTC製 MTSA-M1Tという下駄と適当な電圧変換下駄を組み合せる方法です。その後、Power Leapから魔法機能と電圧変換機能を一体化したPL-K6-III/98等が発売されました。
2003年 8月現在、PL-K6-III/98は、秋葉原の PCパーツショップの OVERTOP2で購入できます。
Wildcat搭載機でCPUアクセラレータを使用する場合には必ず、使用する機体が、対応しているかを確認する必要があります。FC-9821Xaの場合は、ベースモデルである、PC-9821Xa13/K12または、PC-9821Xa13/K16が対応している製品が使用できます。
例えばメルコ (バッファロー) 製 CPUアクセラレータの場合にはHK6-MDシリーズ (K6-2搭載) や、HK6-MSシリーズ (K6-III搭載) では、型番の最後に、N、または NVが付くものが、Wildcat搭載機で使用できます。
CPUと下駄、CPUクーラーを別々にそろえるよりは、一まとめになったCPUアクセラレータを買ったほうが、手間が少なくて便利です。
ただし、現状では、カタログ落ちしてからかなりの月日がたっていますので秋葉原でも店頭での購入は、難しくなっています。ネットオークション、個人売買などでは、比較的良く見られるのでそちらを利用すると良いでしょう。
FC-9821Xaのような BIOSでMMX Pentium (P55C) に対応していないマシンでは、電圧を調整しても起動途中でハングアップしてしまい、P55Cを動作させることができません。
この原因は、PC本体の IDEコントローラにあるようです。つまりこれを使わないようにすれば回避できます。そこで必要になるのが、SCSI I/Fまたは、IDE I/Fボードです。Cバス用でも良いですが、せっかく 高速な PCIバスがあるのでPCIバス用のものを利用すると良いでしょう。
PCIバス用 SCSIボードでは、I-O DATA製「SC-UPCI」シリーズが有名です。他にも98対応ボードはあるのでお好きな物をどうぞ。
またすでに、IDE仕様の HDDや CD-ROMを内蔵している場合は、同社製「UIDE-66」を使うと良いでしょう。ほとんどの場合にはHDDは、つなぎかえるだけで使用でき、本体の I/Fより高速にアクセスできるようになります。
HDDもお好みで用意してください。本体に、巨大ファンがあるので10,000回転クラスもいけると思いますが、7,200回転クラスの HDD辺りが良いでしょう。
各種、I/Fボードと対応する HDDとCD-ROMを用意したらあらかじめ I/Fボードを取り付けて、説明書を読んでリソースを設定し、HDDとCD-ROMを使えるようにしてください。なお、ボードや使用環境によって異なるので設定の説明は省きます。
これが終わったらセットアップメニューから内蔵固定ディスクを切り離すに設定してください。
総 SCSI化が終わったら取り付け前に必ずハードディスクのバックアップをしておきます。改造前にデータのバックアップをとっておくことは鉄則です。
初めに、電圧変換下駄のコア電圧を2.8Vに、内部逓倍設定を 3.5倍 (233MHz版の場合) に設定します。設定をしたらCPUを下駄に取り付けます。
次ぎに、本体のカバーを開け、元々付いている CPUクーラーを外し、CPUをソケットのレバーを上げて外します (この CPUは問題が起こった時のために大事に保管しておきます)。外したらP55Cユニットを取り付け、下駄への電源供給用の電源ケーブルを接続します。
続いて、用意した CPUクーラーを取り付けます。
以上で CPUの換装は終了です。
あとは、ルーフカバーを開けたまま電源を入れて「ピョッ」(P54C 133MHzのときより音のタイミングが速くなります) と言えば成功です。ここで何も音がしなかった場合 (スピーカのボリュームが最小だったという冗談は抜きにして) や焦げ臭かったり煙が上がるようだったらすぐにコンセントを抜いて、もう一度、チェックし直してください。
Socket 7用 CPUの中でK6-III、モバイル K6-III+、モバイル K6-2+と言った CPUは、CPUチップ内にCPUコアと等速で動作する高速なセカンドキャッシュを内蔵しています。これらの、CPUを利用するとメモリアクセスの遅い、98のボトルネックを解消できる利点があります。
また本来マザーボード上にあるセカンドキャッシュは、Wildcat機では、なにも問題無くサードキャッシュとして利用できます。 他に、内部逓倍設定が、P54Cの 2倍設定を K6-IIIでは 6.0倍設定と認識するようになっています。
P55Cへの換装では、起動時にハングアップしてしまうのを総 SCSI化で対処できましたが、Cyrix製 6x86MX、MIIや、AMD製 K6シリーズへの換装の場合では、この方法では解決できません。FC-9821Xaのような、Wildcatを搭載している 98では、A20ピンマスク機能 (通称、魔法機能: この機能の説明は難しいので省きます) を持った下駄がないとCPUが生きている証の「ピポッ」すら言わず、本体が動作しません。
以前は、MTC製 MTSA-M1T (魔法機能を持った下駄) と電圧変換下駄を利用し、これら CPUを搭載するのが、流行でした。
その後、魔法機能と電圧変換機能の両方を持つ PowerLeap製 PL-Pro K6-III/98が登場しました。ただし、これらの魔法機能を持った下駄は、残念ながら今では入手できません。
2001年 9月現在では、メルコ (バッファロー) が 多種の Socket5/7用 CPUアクセラレータを発売しています。これらCPUアクセラレータは、新品、中古問わず、多くの製品が、市場に出回っています。希少なパーツを探すよりは、これらの製品を利用した方が、安価で容易にかつ、安全に、K6シリーズを載せることができます。また新品であればしっかりした保証がのあるのでこれらの製品を利用した方が、良いでしょう。
ちなみに、メルコ (バッファロー) 製 CPUアクセラレータの、N4/NV4シリーズでは、クロックアップをしていない 98では不可能だった400MHzを超えるクロックでの CPU駆動が可能です。
Windows95 (OSR 1) では、起動画面でフリーズしたり Windows保護違反で正常に起動しなくなります。この理由難しいのでここでは省略します (^ ^;;)。これは、Windows95のいくつかのファイルに藤田さんが作った通称「藤田パッチ」を当てることにより回避できます。「藤田パッチ」の方は、検索サイトで検索すれば見つかると思います。
ただし、パッチを当てても Windows95が起動しない場合にはロゴカットまたは起動ロゴを別のものに換えます。方法は、前者は、Windowsファイルの「msdos.sys」に「logo=0」を書き加え、後者は、640 x 400 で 16色の BMP形式のファイルを「logo.sys」に名前を換えて Windowsの systemフォルダにある「logo.sys」と置き換えます。
またこれは Windows95起動時の問題を解消するもので起動後に不安定になるのは何か別の問題です。
なお、Windows95に Plus!をインストールしてある場合には起動ロゴが Plus!のロゴになります。この場合にはどういうわけかロゴカットをしなくても大丈夫なことが多いです。
正常に立ち上がるようならK6-IIIのパフォーマンスを引き出すために HK6-MS400-N2付属のキャッシュコントローラや「WAmonitor」等のフリーソフトのキャッシュコントローラをインストールすれば完了です。お疲れさまでした。(^-^)
これでP54C 133MHzからの換装の場合は、「これが同じパソコンか」と思うほど、体感速度が桁違いに上がります。フリーソフトのベンチマークツール等で動作周波数や MMXや 3D NOW!機能が ONになっていることを確認してみてください。
できれば同時にグラフィックアクセラレータを GA-SV2K32/PCIや GA-VDB16/PCI等 (GA-VDB16/PCIの方は生産終了で入手が難しいですが (^ ^;;) ) に交換してみましょう。段違いに、パフォーマンスがアップします。これで21世紀も安心です。(^-^)
では、お約束のベンチマークです。「WAmonitor」というK6-2、K6-III用のキャッシュコントローラで最適化をしています。それ以外は、一切いじってません。
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 FC-9821Xa/1
Processor AMD K6 398.1MHz [AuthenticAMD family 5 model 9 step 1]
解像度 800x600 65536色(16Bit)
Display スタンダード ディスプレイ アダプタ (9821 シリーズ)
Display [X]PC-9821 TGUI968x,Cyber938x,Providia9685 (Trident)
Display WGP-FX16N (3Dfx)
Memory 129,404Kbyte
OS Windows 98 4.10 (Build: 2222) A
Date 2002/10/28 21: 8
SCSI = NEC PC-9821X-B10/AIC-7880 PCI Ultra Wide-SCSI
ABC = IBM DCAS-34330 Rev S61A
D = GENERIC NEC FLOPPY DISK
E = TEAC CD-ROM CD-532S Rev 3.0A
ALL 浮 整 矩 円 Text Scroll DD Read Write Memory Drive
21404 24537 30343 75447 4383 20992 709 74 7392 7430 15466 A:10MB
FC-9801、FC-9821、FC-9800、FC98-NXは、NEC社の商標または登録商標です。
この他、製品名、型番等は、一般に各メーカーの商標または登録商標です。