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該当機種 危険度最高、黒タイプ実装のマザー (^ ^;;

 確認欄について「○」の箇所は当方で実際に液漏れが確認できた物です。
 あくまでも当方で調べた結果です。いまだ調査中なのでこの一覧に記載がなければ該当しないというわけではありません。 特に、PC-H98 modelT, PC-9821Ts, SV-H98シリーズ辺りは怪しいです。(^ ^;;) 該当しない機種は別途「該当しない機種」の表に載せています。
 なお、94年 9月期製造の PC-9821As2/U8Pのように黒いタイプと白いタイプが混在している個体や、97年製造の OP-98X/20Wのように同機種でも 94年後期以降に製造された物では、全て白いタイプを実装しているなど、同じ機種でも製造ロットにより異なることがあります。

用途 型番 マザー型番 発売開始 液漏れ 備考
民生用 PC-9801RS G8FLM + G8FLN 1989年11月 tshさんより情報提供頂きました
PC-9801UF G8HGX 1991年 1月 省スペースデスクトップ
PC-9801UR G8JLQ 1991年 1月 省スペースデスクトップ
PC-9801FA G8KZE, G8KZEA 1992年 1月  
PC-9801FS
PC-9801FX
G8KQX 1992年 5月  
PC-9801US G8LRG + G8LRH 1992年 5月 省スペースデスクトップ
PC-H98 model105
PC-H98 modelU105
G8MFM 1992年12月  
PC-9801BA G8MUYD, G8NQDD, G8NVZD 1993年 1月 FDDモデルは型番の末尾が B
PC-9801BX G8MUY, G8NQD, G8NVZ 1993年 1月 FDDモデルは型番の末尾が A
PC-9801BA2 G8PLUB 1993年11月  
PC-9801BS2
PC-9801BX2
G8PLU 1993年11月 G8QAAは除く
PC-9821Ae G8MVR 1993年 2月 CPUボードには未使用
PC-9821Ap
PC-9821As
G8MVR 1993年 2月 CPUボードには未使用
PC-9821Af G8NZA 1993年 8月 CPUボードには未使用
PC-9821Ap2/ W
PC-9821As2/ W
G8PHD 1993年11月 CPUボードには未使用
PC-9821Ap2
PC-9821As2
G8PHDA 1993年11月 CPUボードには未使用
PC-9821Be
PC-9821Bs
G8PQC 1993年11月  
PC-9821Bp G8PQC 1993年11月  
PC-9821Bf G8QNC 1994年 2月 未確認  
PC-9821Cs2 ? 1994年 2月 未確認  
PC-9821An/ W G8RGJ 1994年 5月 黒、白混在
PC-9821An G8RGJA 1994年 5月 黒、白混在
PC-9821Xn G8RNX 1994年 7月  
PC-9821Xa G8RMB 1994年 7月 未確認  
PC-9821xt G8RQY 1994年 7月 未確認  
PC-9821Cx G8RXA 1994年10月 未確認 一部ロットのみ
民生用
ノート
PC-9801NS/E G8JLH 1991年 6月  
PC-9801NC G8JUS 1991年11月  
PC-9801NS/T G8KPA 1992年 1月  
PC-9801NA/C G8KQV 1992年11月  
PC-9801NS/R G8MKQ 1993年 1月  
PC-9821Ne G8NTW + G8NTYR 1993年 7月 黒、白混在
PC-9821Np G8RFE + G8RFF 1994年 6月 黒、白混在、液晶パネルにも実装
PC-9821Nd G8RFS + G8RFT 1994年 7月 無し 黒、白混在
産業用 FC-9801U model1 PC-9801UFベース 1991年 7月  
FC-9801U model2 PC-9801URベース 1991年 7月  
FC-9801S PC-9801Tベース 1992年 6月  
FC-9801F model1 PC-9801Tベース 1992年10月  
FC-9801F model2 PC-9801Tベース 1992年10月  
FC-9801B PC-9801BXベース 1993年 6月  
FC-9801K PC-9801BS2ベース 1994年 7月 無し 黒、白混在
OP-98X/10W PC-9821Ap2/As2と同じ -  
OP-98X/20W PC-9821As2と同じ - 97年製造 PCは白
SC-9821A PC-9821Ap2/As2と同じ -  
文豪 DP-50 PC-9821Beと同じ -  
文豪 DP-60 PC-9821Ap2/As2と同じ -  
文豪 DP-70F PC-9821Ap2/As2と同じ -  
産業用
ノート
文豪 DP-30N PC-9821Ndと同じ - 無し 黒白混在
周辺機器 PC-9821A-E11 G8QAT - ローカルバス GA、前期ロット
PC-9821AF-B01 G8NZD - メモリボード

白タイプ実装のマザー・危険度低?

 白いタイプは、94年6月以降に製造された本体で混在使用され始め、以降順次全て白いタイプに切り替わります。よって、黒いタイプを実装となっていても製造ロットにより異なることがあります。
 デスクトップでは、部品点数の減少もあってかアルミ電解 DIPに変わっていきますが、開発当時大容量のチップコンデンサが無いためノートモデルでは97年頃まで使用されているようです。
 液漏れする例は稀で今のところ数十台程度分解して見てきましたが、液漏れやその部品が原因とみられる異常は確認されていません。ただし、液晶パネルでは液漏れしている個体もあるので油断は出来ません。

 なお、94年6月以前の物に実装されている白いタイプでもドットインパクトプリンタで印字されたようなフォントのコンデンサはここでは除外します。

用途 型番 マザー型番 発売開始 液漏れ 備考
民生用
ノート
PC-9801NS/A G8QAG 1994年 1月 無し  
PC-9821Ns G8SRS + G8RGB 1994年 7月 無し  
PC-9821Nf G8SYX + G8SYY 1995年 2月 無し  
PC-9821Lt G8TLR + G8TPZ 1995年 2月 無し  
PC-9821Na13/C, H G8XGG 1996年 3月 無し  
PC-9821Na12/S G8XGG 1996年 6月 無し  
PC-9821Nr12/D
PC-9821Nr13/D
G8XWB + G8XVZA 1996年11月 無し  
PC-9821Nr15/S G8ZEH + G8ZHG 1996年11月 無し  
PC-9821Nr150/X
PC-9821Nr166/X
G8YGZ + G8YRH 1997年 1月 無し  
PC-9821Nr13/S G8ZEH + G8ZHGC 1997年 7月 無し  
産業用 FC-9821Ke PC-9821Xeベース 1994年 9月 未確認  
FC-9821Ks PC-9821Xsベース 1994年 9月 未確認  
SV-98 model2 ? 1994年 6月 無し  
周辺機器 PC-9821XA7-B01 G8UFX - 無し セカンドキャッシュ
NL6440AC30-09 - - TFT液晶パネル

該当しない機種

 91年製 PC-9801DA /DS/ DX以前のデスクトップ (PC-9801RS21/ RS51除く) ではタンタルコンデンサ、95年製 PC-9821Xa7等の新 MATE Xシリーズ以降では、通常の電解コンデンサが使用され、件のコンデンサは実装されていません。
 この表は、コンデンサの種類が切り替わる時期の境界付近に当たる機種のみ一例として載せています。
ちなみに、PC-9821Nw150/S以降では使用されていないことが分かっていますが、筺体が良く似ている PC98-NX Lavie NXシリーズでは、電源部に使用されていることが分かっています。

用途 型番 マザー型番 発売開始 実装コンデンサ 備考
民生用 PC-H98 model80
PC-H98 modelU80
PC-H98 model90
PC-H98 modelU90
G8KLE + G8KLF 1991年12月 タンタル DIP  
PC-9801BX2
PC-9801BS2
G8QAA 1993年11月 タンタル DIP 台湾製
PC-9821Xe G8RNT, G8SGV 1994年 7月 アルミ電解 DIP  
PC-9821Xs G8RNL 1994年 7月 アルミ電解 DIP 一部ロットは台湾製
PC-9821Xp G8RNL 1994年 7月 アルミ電解 DIP 一部ロットは台湾製
PC-9821As3 G8SPMA 1994年10月 アルミ電解 DIP  
PC-9821Ap3 G8SPM 1994年10月 アルミ電解 DIP  
PC-9821Cx ? 1994年10月 アルミ電解 DIP 一部ロットのみ
PC-9801BA3
PC-9801BX3
G8SHW 1995年 1月 アルミ電解 DIP 香港製
PC-9821Xe10 G8TZA 1995年 6月 アルミ電解 DIP  
PC-9821Xe10/S G8VBD 1995年 7月 アルミ電解 DIP  
PC-9801BX4 G8TZA, G8UZM 1995年 7月 アルミ電解 DIP G8UZMは 2nd CCU端子無し
民生用
ノート
PC-9821Nd2 G8TQW 1995年 6月 アルミ電解 SMD  
PC-9821Ne3 G8TQV 1995年 6月 アルミ電解 SMD  
PC-9821Nw133/D
PC-9821Nw150/S
G8YXB + G8YYF 1997年 5月 タンタルチップ  
PC-9821Nr233/S G7BSA + G8YYFA 1997年 5月 タンタルチップ  
産業用 FC-9821X PC-9821Xベース 1995年 2月 アルミ電解 DIP  
文豪 DP-50D
文豪 DP-60D
PC-9821Xe/ Xsと同等 - アルミ電解 DIP  

解決策

 唯一の解決策は、マザーを改造して該当部品を全て交換することです。使用する電解コンデンサは、タンタルコンデンサがベストです。ただし、タンタルコンデンサは高価な上、劣化や故障した時にショート状態になる (最悪、大電流が流れて破裂する) ので要注意です。対策の採られているチップタイプがあるのでそれを使用すると良いでしょう。

 私的には、比較的安価な小型タイプ (高さ 5mm) の標準品で十分だと思います。当方所有の PC-9821Ap等は、5年以上経過していますが異常は見られません。85℃でも、105℃対応でもどちらでもかまいません。

 ただし、固体コンデンサ (三洋 OSコン等) などの超低インピーダンス品、音響用のコンデンサなどでは、特性の違いによって動作に異常を来したり、起動しなくなったりすることがあります。最悪、デバイスの破損につながることも考えられますので、使用する場所には十分注意してください。特に固体コンデンサは、劣化や故障した時にタンタル同様にショート状態になるので無暗に使用すると危険です。

 交換の為に電解コンデンサを入手する際は、耐圧に注意してください。交換箇所の物と同じかそれ以上であれば問題ありません。16V品が無い場合は 25V品は OKですが、10V品は NGです。耐圧が低いと劣化が極端に早くなる他、電解コンデンサの破壊に繋がります。
 逆に 10Vに対して 50Vと耐圧が高すぎる場合はインピーダンスなどの特性が変わる場合があります。よほどシビアな回路でない限り問題はないと思いますがお勧めできません。

 コンデンサの静電容量は厳密には同じ物が無い場合は代用できませんが、例えば 10V 15μFの場合は 10V 22μFで代用するなど元よりも大きめで最も近い容量の物で代用して構わないと思います。
 いままで50台以上交換していますがそれが原因で動作不良を起こしたという事例はありません。こちららも極端に容量に違いがあると動作不良の原因となり得ます。特に容量が増えた場合では、起動時にコンデンサに電流が一気に流れ込むため電源に負荷がかかって寿命を縮める他に、起動に時間がかかるといった異常動作に繋がります。

 交換時は極性に注意が必要です。プリント基板のシルク表示で極性を良く確認してから取り付けましょう。これも間違えると電解コンデンサの破壊につながります。電圧の高い箇所では結構大きな音を出して爆発します。

交換の手順

 すでに漏れてしまっている場合は、漏れている部品を取り除いた後に、電解液を十分に拭き取ってください。部品の周囲にも広がっている可能性があります。汚れを落とすには、アルコール系の洗浄液 (サンハヤト製ニューリレークリーナー、ホーザン製オーバーホールクリーナー、など) がお勧めです。
 なお、四級塩電解コンデンサの電解液は、アルコールに溶けにくいため本来は蒸留水がベストですが、水を含む洗浄剤は金属が錆びるので基本的には NGです。

 コンデンサを取り外す際に電解液でハンダ部分が錆びている場合は、沸点が高くなっているため、通常より熱を多く加えないとハンダが溶けません。このためパターンの剥離には注意が必要です。電解液との長期間の接触でパターンが弱く剥がれ易くなっています。どうしても取れない場合は、先に交換するコンデンサの足を切ってしまう方が安全に作業できるかもしれません。

 基板を洗浄した場合は、良く乾いてから最後に新しい電解コンデンサを取り付けます。新しい電解コンデンサで小型のリードタイプを使用する場合は、次の左の画像のように、あらかじめ足を曲げて短く切って加工しておく必要があります。右の画像は、PC-9821An改で実際に交換した例です。

コンデンサの加工例  PC-9821Anでのコンデンサの交換例

 大抵は、部分洗浄と交換で大丈夫です。

 これでも異常動作が改善しない場合 (特に、サウンド機能のノイズ) は基板全体の洗浄を試みます。フロンなど基板専用の洗浄液が有れば良いのですが、環境や人体に悪影響が出る為に一般には入手できませんので、水と一般的な洗剤でやるしかありません。当然ながらコンデンサに溜まっている電気やバックアップ電池、静電気には注意が必要です。(^ ^;;

究極の必殺奥義 水洗い (爆

 あまりに危険なので、絶対に真似をしないでください。同じように作業を行いマザーボード等を破壊しても TRISSは、一切の責任を負いません。自己責任でお願いします。

 とりあえず、自分は次の様な手順で作業しました。PC-9821Ap/M2のスピーカから出るノイズ音の例です。

 水洗いする前に、マザーボードだけの状態にしてバックアップ電池を外し、30分程度放置して完全に放電した後に作業を開始。

 洗剤 (マジックリン、弱アルカリ性) を基板全体にかけて歯ブラシで擦った後に、冷水 (蒸留水がベスト)をかけながら歯ブラシで擦って洗剤を落としました。基板や部品の黒い印字は消える事が有るので要注意です。なお、部品のピンは錆び易いので温水は危険です。錆は水と金属の化学反応なので温度を下げる事で発生を幾らか抑止出来ます。

 直ぐにマザーボードを軽く叩いて水気を良く切った後にドライヤーで乾かしました。この時、熱を加え過ぎるとデバイスが壊れます。まぁ、触れない程に加熱しなければ大丈夫ですが。(^ ^;;
 QFPの下や CPUソケット等は水が残り易いです。こういった個所は、エアブロワーを使って水を追い出してからドライヤーで乾かすと乾燥が早いです。ただし、エアブロワーの中には、引火性の高いものが有るので注意が必要です。

 最後に乾燥させて 2、3時間程度 (余裕が有れば一晩以上) 風通しの良いところに置いて完全に水気を飛ばせば終了です。いままで数十枚で水洗いしましたが、これが原因で壊れた事は一度も有りませんでした。ハンダの曇りも取れてピカピカになります。(^ ^;;

 あとは、神に祈りつつ (ウソ) マザーボードを組み上げてスイッチオン (ぽちっとな) 。

 これで、PC-9821Ap/M2からスピーカのビープ音の様なノイズが消えました。(^ ^)
 なお、それでもノイズが収まらない、電源投入後に暫く経過するとノイズが出る、音が出なくなる場合は、電源の +12Vが正常に出力されているかを確認してください。

 ここまでしても改善されない場合は、液漏れとは別の理由か、ハターン腐食、周囲の部品がすでにお亡くなりになっている可能性があります。合掌 (-人-)

余談 他の原因で壊れる PC-98

● やっぱり電解コンデンサ

 PC-9801DA /DS /DXや PC-9801BA/ BX等の電源ユニット PU463系は、電解コンデンサや半導体の劣化で壊れ易く電源が入らなくなる事が有ります。中でもサンケン電気製はその傾向が多いようです。電解コンデンサが原因の場合は、耐圧 50Vの小型電解コンデンサを全て交換すると一時的に回復出来ることがあります。
 他にも、PC-9801FA/ FS /FXや PC-9821Ae/ As/ Ap等の PU716では、+12V系の出力が低下する (およそ +9V程度) 故障があります。症状としては、+12V系を使用する機器類 (5インチ FDD、HDD、内蔵サウンド機能のアンプ部など)が作動不良を起こすのが典型です。やはりこれもサンケン電気製の電源で良く見られます。これは、残念ながら電解コンデンサを交換しただけでは治りません。

 PC-9801型番の 98NOTEも電解コンデンサが原因で電源が入らなくなる事が非常に多いです。当方所有の PC-9801NS/Tや PC-9801NS/R等も突然電源が入らなくなって壊れました。この様な場合も電解コンデンサを交換することで回復することがあるようです。交換対象はマザーボード中央部の電源部に有る 16V10μFと 25V4.7μFのチップアルミ電解コンデンサです。次にPC-9801NCと PC-9801NS/Aの例を挙げます。

PC-9801NCのコンデンサの交換例  PC-9801NS/Aのコンデンサの交換例
交換例:左は PC-9801NC、右は PC-9801NS/A、赤い矢印部分が交換対象

 その他の 98ノートもほぼ似たような構成ですので、開けてみれば何処を交換すれば良いかは察しがつくと思います。該当機種名をネット上で検索するとその様な記事を見つけることができるでしょう。


 電解コンデンサが壊れないまでも劣化すると出力電圧が一定しなくなり HDDを正常に認識しなくなるような症状が出る事が有ります。PC-9821Apでは、Ultra SCSIタイプの 2.1GBの HDD、DCAS-32160の全容量を認識できくなった事が有りました。電源部分の電解コンデンサを全て新品に交換したところ症状が緩和されたので、この例では電源部分が問題だったといえます。
 実際に交換した電解コンデンサは、電解液が蒸発 (ドライアップ) していたせいか、どれも新品に比べて重さが軽くなっていました。(^ ^;;

 フロッピードライブの電解コンデンサも液漏れし易いものがあります。5インチドライブでは FD1158系が、3.5インチドライブでは FD1138系、FD1148Tが該当します。特に FD1158系では液漏れした電解液でセンサと ICを繋ぐパターンが断線し、ヘッドを動かすモータが誤動作を起こして大きな異音を発する故障が多いです。
 ちなみに、FDD型番の末尾が、C: VFO無し、D: VFO有り、T: 3モード対応で VFO無しとなっています。もちろん例外もありますが、一般的に VFO有りと無しのドライブは相互に交換できないと思って間違いないです。なお、NEC製 FDDでは同じ型番でもピン配置が違うものもあるので油断できません。正確には 134から始まる品番を良く確認しましょう。

● カレンダ時計バックアップ用電池

液漏れしたバックアップ用 Ni-Cd電池
液漏れしたバックアップ用 Ni-Cd電池

 電解コンデンサ類似のもので、カレンダ時計バックアップ用電池の液漏れがあります。PC-9801DA/ DS/ DX以前の Ni-Cdタイプ二次電池の機種では要注意で、経年劣化によって派手に液漏れする事があります。この液体は腐食性でかつプリント基板に浸透しやすいので液漏れして長期間接触したままにしているとマザーボードが壊れます。接続端子付近に青色の結晶が付着していた場合は漏れた証拠です。(^ ^;;

 PC-98DO+で実際に確認した事例では次のような物がありました。この本体は PC-88モードでは起動できるものの PC-98モードで起動できない状態でした。マザーボードを調べるとディップスイッチの後ろ辺りに実装されていたNi-Cd二次電池が液漏れを起こして周囲に青緑色の液体が飛び散った跡がありました。さらに、よく見るとディップスイッチ周辺の配線パターンが腐食し断線していました。もっとも、これが原因とも限りませんが中古の PC-98DO+は電池を外さないと危険です。

● バッテリパック

 ノートパソコンのバッテリパック (Ni-Cd, Ni-MH) も液漏れを起こして深刻な状況を引き起こします。98NOTEシリーズの内蔵バッテリは本体に内蔵したままで長期間保管していると完全放電してしまい派手な液漏れを誘発します。普段から使わない時はマニュアルに記載があるように外しておくことを強くお勧めします。上記 Ni-Cd電池同様、バッテリパックから漏れた液体はマザーボードを侵します。接続端子付近に青色の結晶が付着していた場合は漏れた証拠です。PC-9821Nr系、PC-9821Lt等の Ni-MHバッテリパックは比較的液漏れし易く流出する液の量も多いので、筺体の底の部分が変色していたり樹脂が劣化して割れてしまう事例があります。

PC-9801NS/Aのバッテリーの液漏れ裏面
PC-9801NS/Aのバッテリーの液漏れ跡、青い結晶が大量に付着

 PC-9821Nr系 (PC-9821Nr13は除く), PC-9821Nw150、等のハイバネーション用バックアップ電池 (ボタンタイプの電池を 6個繋いだもの) も非常に液漏れし易いので、直ぐに外しておいた方がいいでしょう。この電池は、液漏れした電解液がケーブル上を伝ってマザーボードに広がりマザーボードを壊します。

● Winchip2と PC-9821An、PC-9821As3/ Ap3の突然死

 電解コンデンサがらみ以外では、PC-9821Anは、IDT製の Pentium互換 CPUである Winchip 2に交換していると突然マザーが死亡する事例があります。原因は不明です。(^ ^;;) このマシンでは、他にも、寿命が比較的短い GAL (Generic Array Logic) という論理回路をプログラムできる素子を大量に使用しているとか、電源が負荷に弱いとか、心配のタネが尽きないマシンです。
 また、三代目 98MATEこと PC-9821As3/ Ap3も私的には突然死しやすい印象のモデルです。理由は不明ですが大量のジャンパと GALに原因があるのかもしれません。また、このモデルでは件のコンデンサを使用していない筈ですが、スピーカからノイズが出ると言う不具合が出る事もあるようです。

● 液晶のインバータ

 有名なものでは、PC-9821Nr166の例があります。液晶のインバータが熱などの負荷で壊れてバックライトが点灯しなくなるというものです。その前兆として「ジー」という異音が発生します。残念ながら交換用の部品は型番や仕様が不明のため手に入りません。手に入ったとして交換しても恐らくまた壊れます。当方もそのような機体を所有していますが別途に入手した 12Vで動作する非純正のインバータユニットを外付けにするという方法で回避しています。(ぉ

● 想定外の負荷

 電源に関しては、劣化以前に極端に負荷に弱い物があります。PC-9801DA/ DS/ DX等で採用例がある PU463系の中でもサンケン電気製、PC-9821Anに搭載されているPU732等は、経験上かなり負荷に弱い印象を受けます。これらの電源は、故障した場合に半導体にダメージを受けていて電解コンデンサを交換しただけでは回復不可能な事が多いです。
 これらの機種で、CPUアクセラレータや、高クロックの CPUの他、大容量の HDD等に交換して運用している場合は、電源に与える負荷も同時に多くなるのでさらに電源の寿命を縮める事になります。長く使う事を検討する方はパワーアップや改造は程々にしましょう。

 このように、旧式のマシンを使い続けるには、それなりのリスクがついて回ります。中古の同型機体で代替するにもいずれは同じ状態になるのが痛いですね。(T T)

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お願い

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