目 次
(この辺りから玄人の範疇に踏み込む)
第4段階 (これ以上は一般的には専門家依頼が正しい道)
第5段階 第5段階以上の作業は趣味で行う人以外愛器に手を出さないほうが無難であろう。ここまで出来るんなら完全自作の方向へ走るのがごく普通の成り行きと言うもの…
しかし、愛器のコンディションを最良に保つためには少なくとも第2段階までは自分でやりたいものです。
- 初めに
( Topへ戻る ) ( 目次へ戻る )皆さん、愛器のコンディションは最良でしょうか?
私は昔から、手に入れた道具は大抵何処かしらいじくらないと気が済まない、という困った性癖の持ち主であります。
別項で紹介しているギター類でも「なにかしらの後加工を全くしていないもの」はS.Yairiのみだったりします。もちろん若い頃は手を入れることによって、あたらまともだったものを台無しにしたり、かえって状況を悪化させたり、そんな事もままありましたが、年とともに慎重になった、と言うか、それなりにテクニックが身に付いた、と言うか、まず失敗をすることは少なくなりました。
私は“プロの素人”を標榜しています。
“プロの素人”とは、Do it yourselfに於いて、『自分で出来る部分を正しく認識できる人』、つまり自分の能力の範囲をきちんと把握している人を指します。
早い話が、「これをいじくっちまうともしかしたら壊すかも知れない」
「ここから先は専門家に任せないといけない」という部分を的確に判断できる人と言うことになります。
各個人の経験値や能力範囲はそれぞれに異なりますから、“プロの素人”としての守備範囲も自ずと人それぞれに違って来るはずです。
失敗は次の成功への布石となる事は間違いない事実ですが、かけがえのない愛器を台無しにしないためにも“プロの素人”意識をきちんと持ちたいものです。
- 参考書について
( Topへ戻る ) ( 目次へ戻る )ギターメインテナンスと題した書籍を楽器店や書店で目にする事がありますが、殆どがエレクトリックギターに関する内容で、アコースティック専門の和書は見た事がありません。
(洋書ではもちろん素晴らしい専門書が幾つかあります。でも英語苦手だからなぁ…)エレクトリックギターに関しては素人(アマチュア)の手で解決できる部分が多いのと、そうした作業によって楽器としての使い勝手や性能を比較的簡単に改良する事が出来るからでしょう。手を入れる部分の多くが本体ではなく、電気回路にかかわる部分であったり、ボルトオンで交換、そして現状復帰が可能な部分である事もその理由となるでしょう。
また、エレクトリックに関しては後付けやリプレイス(交換用)パーツも製造メーカーはもちろん、サードパーティーからも豊富に発売されていて、比較的容易に色々な部品が入手できる事、更に電気的部分であれば楽器店でなく、秋葉原や日本橋の電気パーツ屋でより高性能な部品が安価で購入出来ると言う事もあります。
事実、ボリュームポッドやスイッチ、ジャック、配線、抵抗類、更に形さえ気に入ればノブの類等は電気パーツ店で仕入れるとその価格差に驚いてしまいます。
ピックアップ等は自作すら可能です。
メインテナンスからは離れますが、エレクトリックギターの場合は、ジョイントネック構造のものに限りますが、ボディ材やネック単体さえも比較的容易に入手可能ですから、完全自作のギターもさほど難しくないのです。
(完全自作はしたことがありませんがネックのすげ替えは何度かやった事があります)アコースチックギターの場合情報が無いと言う事は、普通に使っていればまず自然劣化や、壊れて使えなくなる所が少ない(エレクトリックギターもまず滅多に壊れるものではありませんが…)、エレクトリックに比べて構造がシンプルなのでユーザーが手を入れるべき部分があまり無いと言うのが一つの理由でしょう。
楽器屋でお目にかかれるアコースティックギターのリプレイスパーツは、エンドピン、ブリッジピン、サドル、ピックガード、大物でもチューニングマシンやピックアップ位の物です。
逆にいえばこれ以外の部分は普通は交換の必要が無い、あるいは交換が不可能と言う事になります。
アコースチックギターの場合、「普通の素人」による自作はまず考えられませんし、自作のための情報も国内には殆どありません。
これは、エレクトリックとアコースティックが似て全く異なる楽器である事にもよります。
エレクトリックギターも物体を振動させて音を出す道具ですから、本体の構造や材質が音質に与える影響は大きいのですが、それ以上に電気系統が物を言うわけです。つまり電気系統がある程度しっかりしていれば、よほど酷い本体でない限りは取り敢えずそれなりの音が出てしまう。
(逆に言えば「本体が酷」ければいくら良い電気系統使っても駄目、と言うことなんだけど…始末に負えない本体というのは余り無い…と思う)
更にネック・ボディがボルトジョイントになっているもの(Fenderスタイルのギターね)が大きな割合を占め、元々別パーツであり比較的簡単に交換可能である事もあります。
これに対しアコースティックは、ボルトジョイントネックはあっても本体と一体構造であり、Fenderスタイルの分割可能構造とは全く違い、ネックを含めた本体が全て、と言っても過言ではないからでしょう。
(Martinや一部の国産メーカーでアコースチックギターのキットを販売しているが、それらは本件とは別のカテゴリーになると思う)アコースティック専門のギターメインテナンスと題した書籍が無い、と書きましたが一般的にはアコースチックギターに関しては本にするほどのメインテナンスは無い、と言う事になるのかも知れない。
さて、果たして本当にアコースティックギターにはメインテナンスと言う程のものは必要ないのでしょうか?