素人が出来るメインテナンス範囲
- 第4段階
- ピックアップ取り付け(ボディ加工要す物)
ピックアップを常設にするならば配線をボディ中通しにして出力ジャックを取り付けなければなりません。
ボディ側面に穴をあけて取り付ける方法もありますが、目立たないように通常はエンドピン穴を拡大して出力ジャックを取り付けるのが一般的です。
内部取付け圧電式ピックアップには表板裏側に貼り付ける物の他ブリッジサドル下に挟み込む形式のものもあります。この場合はブリッジのサドル下部分にも配線用の穴をあける必要があります。
どちらにしても気に入った楽器に穴をあけるのはかなり抵抗があるでしょう。
気に入った楽器の気に入った音をP.A.に出力したいのか、それとも単にアコースティックの音をP.A.に出したいのかで方針が決まるでしょう。
後者が理由ならば最初からピックアップを内蔵したエレアコと呼ばれる楽器を新規購入してしまった方が良いのでは?と私は思います。出力バランス調整はもちろん、ハウリング対策等も設計時から為されているわけですし、最近のエレアコは高級品でなくとも結構良質なプリアンプやイコライザ等も内蔵されていますから。
後付けのピックアップもピンからキリまであり、価格にすると数千円〜数万円。これにプリアンプが必要となります。一番良い(高価な)物を揃えると中級品のエレアコが一本充分に買えてしまう価格となります。
- ナット(上駒)交換・調整
ナットも消耗します。
また、常用の弦よりも細い弦を使いたい場合等も弦溝が合わずにビビリが出る事があります。
こういった場合には思い切ってナットを交換してしまいましょう。
ナットは接着剤で固定されていますが、比較的簡単に取り外す事が出来ます。
市販のナットにはやはり合成樹脂や牛骨、象牙等があり、一般的な形(ドレッドノート標準)に整形され、弦溝が切られたもの、整形のみで弦溝の無い物、大き目のブロック等の種類があります。
整形され、弦溝が切られたものであってもそのままでは合わない事が多いので弦溝の無い物やブロックを使用した方が良いでしょう。整形には通常の金ヤスリ、紙ヤスリ、耐水ペーパー、コンパウンド等があれば作業できますが、溝切りには専用のナットファイラーを使用するのがベストです。写真上、ナットファイラー。
下がギタースケール。
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ナットファイラーはヤスリと鋸の合いの子の様な工具で組み合わせで色々な弦ゲージのサイズに合わせられるセットになっており、楽器店で10,000円前後で購入出来ます。
1フレット上での標準的な弦高は、好みにもよりますが0.5mm程度です。
弦高やナット弦溝の間隔はIbanezが販売している商品名“Fritz Ruler”と言うギタースケールを使うと簡単に出せますが、このギタースケールは「生産完了」だそうで、現在店頭にある物が無くなるともう手に入らないそうです。欲しい方は見つけたら必ず買いましょう。定価2,000円です。
この他に作業に当たっては、ノギス等もあった方が良いでしょう。