愚行連鎖   ギターメインテナンス§1-b


アコースティック弦のゲージについて

例は一般的な組合わせ。セット弦の組合わせはメーカーにより多少異なる。
通常は1.2弦がプレーンで3〜6弦が巻弦となる。単位はインチ。

ヘビー・ゲージ:Heavy Gauge
.014 .018 .028 .038 .048 .060
ブルーグラスのフラットピッキングばりばりのイメージ。
テンションが強く楽器に負担が掛かるのと音量はPAでなんとかなるからか、それともブルーグラッサーが少なくなったからなのか、最近は余り店頭でみかけなくなった。

ミディアム・ゲージ:Medium Gauge
.013 .017 .026 .035 .045 .056
最近はフラットピッカーもミディアムを使う人が多い様だ。
ボトルネック用にもせいぜいこの位よりも太めのゲージが良いと思う。

ライト・ゲージ:Light Gauge
.012 .016 .024 .032 .042 .053
最も一般的なゲージ。

エクストラ・ライト・ゲージ:Extra Light Gauge
.010 .014 .023 .030 .039 .047
エレアコなどにも使われる。ベンド(チョーキング)などを多用するプレイヤーや繊細なタッチを必要とするフィンガーピッカーにも好まれる。かのジョン・レンボーンもこのゲージを愛用しているらしい。

ブルーグラス・ゲージ:Bluegrass Gauge
.012 .016 .025 .035 .045 .056
最近登場したゲージ。力強いベースランと高音域の扱い易さを考えた組合わせ。
扱っている店はごく少ない。


弦の構造について

弦は巻線の形状により次の種類に分けられる。

ラウンド・ワウンド

●ラウンド・ワウンド(丸巻き)

楽器屋に並ぶ殆どのギター弦がこのタイプ。
芯線に、円形断面のハリガネが巻いてある。
音質は、きらびやかで、ハーモニクスも出しやすい。
欠点としては、弦の表面が凹凸となる為、指のこすれる音が出やすい。
(この音を意図的に使うスクラッチという奏法もある)

フラット・ワウンド

●フラット・ワウンド(平巻き)

芯線にリボン状の平らな形状の金属を巻き、更に表面を研磨してある物が多い。
(D'Addario はRibbon Woundとパッケージ表記している)
巻かれてある帯状の金属の境目を消すほどに磨かれたものもある。
音質は、まろやかで太い感じになり、ジャズ・ギターの甘い音には欠かせない。
弦の表面に凹凸がないので、指のこすれるノイズは発生しにくいが、逆にハーモニクスは出しにくい。
純粋なアコースティック弦では、あまり見たことがない。

もともと、フェンダーのエレクトリックベースが世に出たときの弦が、フラット・ワウンド弦だった。
これは元になったコントラバスの弦が似た造りだったからであるが、現在ではエレキ・ベース弦も大半の製品がラウンドワウンドである。
ベース弦には、フラット・ワウンドに黒いナイロンを巻き付けたブラックナイロン弦もあり、音質は更にマイルドになる。

ハーフ・ワウンド

●その他

半円形状の巻線を使用したものやラウンド・ワウンドの表面を研磨したようなハーフ・ワウンドやグランド・ラウンド・ワウンド、ハーフ&ハーフのようなブリッジ側はラウンド・ワウンド、ペグ(糸巻き)側はフラット・ワウンドというものもあるが、これらはベース弦であり、ギター弦、特にアコースティック弦では余り目にしない。(あるのか?)



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