登録免許税軽減のための住宅用家屋証明のあらまし法改正の都度、書き加えています)

一定の要件を満たした住宅用家屋については、その家屋について所有権保存登記・所有権移転登記・抵当権設定登記をするにつき、登録免許税が軽減されます。参考 tourokumennkyozeiH18.htm 雑談 jyutakuzatu.htm

1、住宅用家屋証明に関する主な条文(租税特別措置法)

保存登記に関するもの

法第72条の2、同法施行令第41条、同法施行規則25

(平成15年の租税特別措置法の改正で、72条に平成154月から平成183月までの特則が定められたため、所有権保存登記の住宅用家屋減税の規定は、租税特別措置法第72条の2となっています)

移転登記に関するもの

法第73条、同法施行令第42条、同法施行規則25条の2

追加 注)平成1541日より、この法第73条が適用される原因は、政令により「売買又は競落」となっています。したがって、贈与等には適用されないということになります。

設定登記に関するもの

法第74条、同法施行令第42条の2、同法施行規則26

抵当権設定につき、適用条文の租税特別措置法第74条が、第75条に変わっています。

2、適用を受けることができる者

自然人のみ適用され、法人には適用されない。

日本国籍を有していなくても適用を受けることができる。

所有形態は、単独所有、共有のいずれでもよい。

(共有者の一部が適用を受けることができる場合は、その持分のみについて適用を受ける。その場合、適用を受けない他の共有者については、通常の税率による。)

3、適用を受けるための要件

<自己居住要件>

・居住のために使用する専用住宅家屋または居宅部分が全床面積の90%を超える併用住宅家屋。

・販売や賃貸目的の場合は適用されない。

・自己の居住の用に供することの確認は、住民票の写し・申立書等によるので、転居済みか入居予定(2週間程度以内)が望ましい

他に所有不動産があっても当該家屋に居住するのであればOK。

取得する者が単身赴任で、当面、配偶者や子のみが居住する場合でも、その単身赴任が解消したときは居住すると認められる時は適用あり(ただし、転勤等やむを得ない事情で、単身ではなく家族全員が居住しない場合、取得後1年以内に入居することが要件となっている)。

<家屋の要件>

平成19331日までの間に新築(増築)・取得したもの。

床面積の合計が240u以下で、かつ50u以上であるもの。平成1141日以後に新築または取得する住宅用家屋については、240u以下(上限)が撤廃されます。11zeisei.htm 参照

240u以下という上限は撤廃。

注)

・床面積の数値は、登記簿上の面積による。

・付属建物がある場合、主たる建物と合算して判断する。

・共有家屋でも、その持分割合に関係なく、その家屋全体の合計床面積が基準以内であることを要する(例えば、父子共有で、実際に住居として使用するのは子のみの場合、「子の持分についてのみ」当該特例−住宅用家屋の減税が認められるが、全体の床面積が240u以下であることが必要である)。

・区分建物の場合は、専有部分の床面積による(共用部分の床面積は含まない)。

・一棟の区分建物の複数の専有部分を取得した場合は、合計床面積が基準以内であれば適用を受けられる。

・同一敷地内に申請者所有の別建物が存在する場合は、その登記の有無を問わず、申請建物の面積と合算して基準以内であるかを判断するのが原則である。すなわち、提示した建築確認書の図面等から、同一敷地(同一地番)内に、申請者所有の建物(確認書に記載された建物であっても農業用倉庫等の営業用の建物は床面積には算入されない)があると判明した場合、それぞれの床面積を合算して基準以内であるかを市が判断する。但し、建築確認書に記載されていても、以後取壊している場合は、取壊しを証する書面(解体業者の証明書)を添付するか、申出により市が調査確認することになる。

<登記を受ける時期の要件>

新築(増築)または取得後1年以内に登記を受けるものに限る。

例えば、平成14712日取得の場合、平成15712日までであればOK

(登記を受けるとは、登記を申請するという意味ではなく、登記の申請が受理され、登記簿に記載されたことの意味に解されているので(登記研究380)、保証書で登記申請する場合に注意を要する。)

4、申請手続き(必要書類は、最後に記載)

証明書の申請名義人は、登記を申請する者であるが、申請は代理人でもよい。

証明書申請様式は、各市町村で建設省の通知を参考にして作成することとされているので、市町村ごとに若干の相違がみられる。

5、証明事務

証明事務は、市町村長が行う。

6、税率の軽減と税の納付

証明書を登記申請書に添付することによって、登録免許税を軽減することができる。(平成21331日まで)

所有権保存登記 税率 1000分の1.5(軽減を受けない場合、1000分の2。平成184月から1000分の4

所有権移転登記 税率 1000分の3(軽減を受けない場合、1000分の10。平成184月から1000分の20

抵当権設定登記 税率 1000分の1(軽減を受けない場合、1000分の4

家屋の課税標準額は、固定資産課税台帳に登録された不動産の価格です。(新築家屋で価格が登録されていない場合は、法務局の価格認定基準表による)。参考 kazeikakaku.htm 平成18年tourokumennkyozeiH18.htm

 

所有権保存登記

<自ら、建築主として建築確認を申請し、個人住宅を新築した後、自己の名義で表示登記及び保存登記をする場合>

・新築後1年以内に登記するものに適用がある。

・新築の日とは、新築工事完了の日で、登記簿に記載されている日をいう。

・新築後1年以内の付属建物も、主たる建物を保存登記する場合、主たる建物と同様に軽減の適用がある。

・新築後1年を超える付属建物がある場合は、主たる建物については軽減の適用があるが、付属建物については通常税率が適用される。この場合「証明書」には特段の記載がされていないので、税額の算出には注意しなければならない。

・表示未登記の既存建物に増築して表示登記した場合には、登記簿に「新築」の旨記載されるが、既存建物が1年以上経過していれば適用されない。

<建売住宅の購入者等、建築後未使用・未登記の建物を取得した者が、自己名義で表示登記及び保存登記をする場合>

未使用住宅の取得の場合、新築後1年以上経過していてもよい。取得後1年以内に登記をすれば適用される。

例えば、建売業者の建物で、新築後、1年を超えて、やっと売却できた場合(未使用)、購入者は「取得後」1年以内の登記であればOK。ただし、住宅用家屋証明書の申請には、建売業者の譲渡証明書の写し等を添付し、新築年月日ではなく「取得年月日」を記載して申請する(でないと減税が受けられる証明書にならない)。

共通

<種類の要件>

登記簿上の建物の種類は原則として、「居宅」であること。

登記簿上の建物の種類が「居宅・車庫(物置等)」となっている場合で、車庫・物置等の床面積が総床面積の10%以上であっても、全体として住宅の効用を果たしていれば適用がある。

登記簿上の建物の種類が「居宅・店舗(事務所・倉庫等)」の場合、居宅部分の床面積が総床面積の90%を超えていれば建物全体に適用がある(90%以下の場合、適用なし)。

床面積の内訳は、建築確認書を参考に市が判断するが、土地家屋調査士作成による床面積の内訳を証明した書面(図面等の写し)を疎明資料として提出するほうが望ましい。

「共同住宅」には適用なし。

付属建物がある場合

付属建物の種類が「居宅」「物置」「車庫」等、主たる建物と一体となって住宅の効用を果たすものの場合は、主たる建物と付属建物の合計床面積が上記基準以内であれば、主たる建物及び付属建物双方に適用がある。

付属建物の種類が「事務所」「店舗」「倉庫」等の業務用建物の場合は、その付属建物の床面積が総床面積の10%未満で、かつ、総床面積が上記基準以内であれば、主たる建物及び付属建物双方に適用がある。

<構造の要件>

非区分建物については、制限なし。

区分建物の場合

次のABの建物に適用される。

A 耐火建築物・簡易耐火建築物(石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)。木造や軽量鉄骨造の区分建物には適用がない(ただし、木造の区分建物でも、耐火建築物であることが分かる書類を添付して証明書の交付を受けたことがある)。

B 低層集合住宅

面積1000u以上の一団の土地に集合的に新築された地上階数3以下の一棟の家屋で、建築基準法第29号の3に規定する耐火建築物に準ずる耐火性能を有するものとして、国土交通大臣の定める基準に適合するもの。

(特定認定長期優良住宅・認定低炭素住宅について yuuryoujyuutaku.htm

 

所有権移転登記

A、<建売住宅者名義で表示登記及び保存登記がされたが、建築後使用されたことのない建物を、購入者が移転登記する場合>

建築後未使用であれば、新築後何年経過していてもよい。取得から登記までが1年以内であること。

B、<中古住宅(新築後使用されたことがある既登記建物)を購入した者が、所有権移転登記をする場合>

新築から取得までが15年(もしくは20年)以内、取得から登記までが1年以内であること。

平成1141日以後に新築または取得する住宅用家屋については、中古住宅の築年数制限が、耐火建築物については、25年以内、耐火建築物以外については、20年以内に緩和されます。11zeisei.htm 参照

注)平成1741日から、以下のいずれかに該当するもの。Bが加わる。

@ 耐火建築物 建築後25年以内。A 耐火建築物以外 建築後20年以内。B 新耐震基準を満たすことを証明したもの(建築士等の証明−耐震基準適合証明書が必要)。ブログより(古い建物の住宅用家屋証明)

共通

<種類の要件>

上記保存登記とほぼ同様。

付属建物がある場合の建築後年数による適用の有無

主たる建物、付属建物とも建築後15年(もしくは20年)以内の場合は、主たる建物、付属建物とも適用あり。

主たる建物が建築後15年(もしくは20年)を超えていれば、付属建物は15年(20年)以内であっても、共に適用はない。

主たる建物は建築後15年(もしくは20年)以内であるが、付属建物が建築後15年(もしくは20年)を超えている場合は、主たる建物についてのみ適用され、付属建物については適用されないので通常税率で計算する。この場合「証明書」には特段の記載はされないので、税額の算出には注意を要する。

<構造の要件と建築年数>

非区分建物

Bの場合、木造、土蔵造、軽量鉄骨造等は、15年以内に建築されたものであること。石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の6種類(耐火建築物)は、20年以内に建築されたものであること。

(ただし、築15年を超えている(20年以内)木造建築物でも、耐火建築物であり、それが分かる書類を添付すれば、証明書を交付してもらえる場合があると思われる?)

平成1141日以後に新築または取得する住宅用家屋については、中古住宅の築年数制限が、耐火建築物については、25年以内、耐火建築物以外については、20年以内に緩和されます。

区分建物

Bの場合、上記6種類(石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)のものに限る。20年以内に建築されたものであること。

(ただし、木造でも、耐火建築物であり、それが分かる書類を添付すれば、証明書を交付してもらえる場合があると思われる)

取得が贈与など無償名義の場合にも適用あり(相続には適用なし)(旧)。ただし、平成154月より「売買又は競落」のみとなり、贈与等には適用なしとなっています。

平成1141日以後に新築または取得する住宅用家屋については、中古住宅の築年数制限が、耐火建築物については、25年以内、耐火建築物以外については、20年以内に緩和されます。11zeisei.htm 参照

注)平成1741日から、以下のいずれかに該当するもの。Bが加わる。

@ 耐火建築物 建築後25年以内。A 耐火建築物以外 建築後20年以内。B 新耐震基準を満たすことを証明したもの(建築士等の証明が必要)。ブログより(古い建物の住宅用家屋証明)

新築後の期間計算

例えば、鉄筋コンクリート造の場合、取得日以前25年以内。昭和521017日新築であれば、平成141016日取得までであれば、OK

特殊な例)例えば、同じ一棟の建物のマンションで、家屋番号111番1の222が居宅(2階部分、区分建物)で、家屋番号111番1の12が車庫(地下1階部分、区分建物、持分12分の1)などとなっている場合(車庫に独立した家屋番号が付いている場合)。この居宅と車庫をいっしょに購入した場合、車庫について住宅用家屋の減税の適用があるかどうか。

市役所で車庫部分も含めた住宅用家屋証明書を出してもらえる場合は、適用を認めるという法務局もあるが、適用はないとする法務局が多いと思われる。

(特定認定長期優良住宅・認定低炭素住宅について yuuryoujyuutaku.htm

 

抵当権設定登記

上記事例に該当する建物を新築(増築)・取得するための資金の貸し付けを受け、その債権を担保するための抵当権設定登記をする場合。新築(増築)または取得後1年以内に登記を受ける場合。増築資金の貸し付けの場合、増築年月日が基準。震災特例tokurei.htmと異なり保存登記、移転登記と同時(連件)でなくてもよい。

当該建物を抵当権の目的とする場合。

土地もいっしょに担保とする場合にも、適用される(区別が困難なため)。

建物の所有権名義人と債務者が異なる場合は、適用されない。

建物の所有権登記名義人が連帯債務者の一人である場合、適用あり。

建物の所有権登記名義人が複数人で、抵当権の債務者がその内の一人であっても債権額全額に適用あり。

(例えば、建物の所有者(所有権登記名義人)がABCと3名で、Aのみが債務者、もしくは所有者でないDが債務者でAが連帯債務者である場合でも、債権額全額につき適用あり。また、債務者でないE所有の土地もいっしょに担保とする場合も債権額全額に適用あり。要するに、借り入れた債権額につき誰のどの部分か区別が困難なため、建物の所有権登記名義人と債務者(連帯債務者含む、連帯保証人ではダメ)が一人でも重なっていれば(債務者の建物部分として)債権額全額につきOK)

根抵当権設定登記には適用されない。

増築資金貸付けの場合の抵当権設定登記。増築資金の貸付けの場合、証明書交付申請の際提出する書類は、@表示変更(増築)登記済証もしくは不動産登記簿謄本(証明書)(写し)、A住民票写し(写し)、B抵当権設定契約書(写し)が必要。増築の確認のため@の書類が必要であり、増築1年以内に登記するという要件もあり、抵当権設定後、増築する場合は適用されない。

家屋の取得をともなわない住宅ローン借り換えのための抵当権設定登記には適用はない。(と言っても、おそらく取得後1年以内という要件も満たしていないケースが多いと思われる)

見積もりの失敗 - 司法書士とくの日記(ブログ)

<具体例>

付属建物 33u 平成88月築

主たる建物 180u 平成96月新築

居宅

要件 床面積の合計が240u以下、かつ50u以上(登記簿上の面積による)

合計213uなので、240u以下である。これが、付属建物の床面積が60uを超えていれば、主たる建物・付属建物両方に適用がないということになる。

(注)平成1141日以後に新築または取得する住宅用家屋については、240u以下(上限)が撤廃されています)

要件 新築後1年以内に登記

所有権保存登記 

登記が平成97月の場合、付属建物についても適用あり。

登記が平成99月の場合、付属建物には適用なし。主たる建物には、適用がある。

 

付属建物については、平成911日の現状で、固定資産評価が41日以降に出ている。

主たる建物は、平成10年にならないと評価が出ないため、認定基準表による。

 

所有権保存登記の軽減税率

平成9331日以前築の場合、1000分の3

平成941日以降築の場合、1000分の1.5

したがって、付属建物と主たる建物で軽減税率が違うということになる。

 

認定基準表の適用は、登記申請日の認定表による。

 

住宅用家屋証明申請に必要な書類(市区町村により異なる場合があります)

新築住宅の場合(自ら、建築主として建築確認を申請し、個人住宅を新築した場合)

1、登記簿謄本または表示登記済証

2、住民票の写し(住所移転済みのもの)

3、建築確認通知書の写し

 

新築の場合(建売住宅の場合)

1、登記簿謄本または表示登記済証

2、住民票の写し(住所移転済みのもの)

3、建築確認通知書の写し

4、売買契約書または譲渡証明書の写し

5、未使用証明書

建築業者の譲渡証明書(未使用の旨記載あり)は、未使用証明書を兼ねるものとして1通になっている場合が多い。

 

中古住宅の場合

1、登記簿謄本または表示登記済証

2、住民票の写し(住所移転済みのもの)

3、売買契約書(もしくは売渡証書)の写し

 

住所が移転済みでない場合

住民票の写しの代わりに

1、申立書(自己の居住の用に供するものに相違ない旨、入居が登記後になる理由等記載)

「登記日である決済日に鍵の引渡しがあり、その後、当該家屋に引越しをし、入居となります」など

2、現在の住民票の写し

3、申立書に関わる書類が必要

申立書に関わる書類とは、現住家屋を処分したことを証する書面であり、具体的には以下のとおり。

・処分方法が売却の場合

 売却を証する書面(売買(予約)契約書、媒介契約書等)

・処分方法が賃貸の場合

 賃貸を証する書面(賃貸借契約書、媒介契約書等)

・借家の場合は借家に住んでいることを証する書面

 借家を証する書面(賃貸借契約書等)

親族の家に住んでいる場合(上申書) jyousin.htm(親族所有)jyousin2.htm(親族賃借)

・親族が住むことになる場合

 当該親族の申立書

申立書以外はすべてコピーでOKのようです。

 

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