TOMMY BOYCE & BOBBY HART
(トミー・ボイス アンド ボビー・ハート)



2005年に、イギリスのREV-OLAレーベルから発売になったコンピレーション・アルバム。
フォト・リサーチ協力で、僕の名前がクレジットされています。

Special Thanks to KEVIN


トミー・ボイスボビー・ハートモンキーズの作曲家として有名だけど、歌手としても「あの娘は今夜」の全米第8位ヒットを持っています。もともと自分たちがモンキーズになりたくて、オーディションにも応募しているのだけど、裏方として採用されました。それも、かのドン・カーシュナーが、彼らが作曲したジェイ&アメリカンズの「もっと寄りそって」を気に入ったためだそうです。'76年には、元モンキーズのデイビー・ジョーンズミッキー・ドレンツとともに、「ドレンツ・ジョーンズ・ボイス&ハート」(通称ニュー・モンキーズ)なるグループを組み、ファンを喜ばせてくれました。その後はそれぞれの道を歩みますが、悲しいことに、'94年、トミー・ボイスは自殺を図り、この世を去りました。


SINGLES

AMERICAN SLEEVE JAPANESE SLEEVE RELEASE LABEL TITLE WRITERS MOTES
'67-8 A&M-858
(TOP1176)
Out and About
(アウト・アンド・アバウト)
Boyce - Hart 実験的な香りのするヒット・ソング。当初、モンキーズ用として書き下ろしたが拒否され、自分たちで発表することに。大々的なプロモーションの割には第39位の中ヒットに終わり、商業的にはモンキーズ・スタッフの判断は正しかったとも言えます。
My Little Chickadee
(マイ・リトル・チカディー)
Boyce - Hart けだるい感じのボードヴィル調の曲。ファースト・アルバムに収録されています。
'67-10 A&M-874
(TOP1208)
Sometimes She's a Little Girl
(ちっちゃな少女)
Boyce - Hart ビートルズっぽいギター・リフとコーラス・ワークが聴ける佳曲。アップ・テンポからスローへ転調するのも秀逸です。ただし、1回目のスロー部で、"I'll take care of you"のフレーズが、シングル盤ではカットされています。しかし、このおかげでスピード感と抑揚のバランスがアップした感じがします。110位まで上昇。
Love Every Day
(ラヴ・エヴリ・デイ)
Boyce - Hart 美しいバラード。セカンド・アルバムに収録されましたが、前曲のフェード・アウトがイントロに被ってしまっているので、独立して聴けるこのシングルは貴重かもしれません。
'67-12 A&M-893
(TOP1231)
I Wonder What She's Doing Tonight?
(あの娘は今夜・・・・)
Boyce - Hart 全米第8位まで上昇した、彼ら最大のヒット曲です。軽いタッチのギターから始まり、ドラムスやホーンが絡んでスリリングに盛り上がっていきます。最高に明るくポップな仕上がりをみせ、間奏でのトミーとボビーの掛け合いも楽しさを倍増させてくれます。ポップ史に輝く永遠のマスターピースと言えましょう。1980年代のモンキーズ・リバイバル当時、この曲の存在を知って衝撃を受け、アルバムで手に入れられた時は、天にも昇る思いだったことを思い出します。
 The Ambushers
(待伏せ部隊)
H. Montenegro - H. Baker ディーン・マーチンのスパイ映画第3弾「サイレンサー待伏部隊」の主題歌で、親しみやすいポップスですが、アルバムには未収録です。映画で使われたものとは別バージョンで、、こちらはやや乾いた感じの仕上がりになっています。映画版では、女性たちが踊る映像がカラフルで楽しく、また「ヘイ」という掛け声も入っていて、正直、映画版の方が親しみやすく、デキがいいと思います。ちなみに、この映画の第2弾「サイレンサー殺人部隊」では、主演のディーン・マーチンの息子が在籍するディノ・デシ&ビリーが出演し、ボイス&ハート作の"If You're Thinkin', What I'm Thinkin'"(二人のハートが一つなら)を歌っています。
'68-4 A&M-919
(TOP1264)
Goodbye Baby (I Don't Wanna See You Cry)
(別れの涙は)
Boyce - Hart ビートルズを意識したような曲です。セカンド・アルバムに収録されたミックスはやや冗長なイメージがありますが、このシングルでは短く編集されています。全米第53位。
Where Angels Go, Trouble Follows
(さえない天使)
Boyce - Hart 同名のコメディ映画の主題歌で、奇妙なコード進行の曲です。イントロに「あの娘は今夜」の引用的なところがあります。映画の中ではインスト版が頻繁に使われ、別ボーカルのバージョンも聞くことができます。日本でビデオ発売はないけど、映画自体面白いから一見の価値アリ。
'68-7 A&M-948
(TOP1301)
Alice Long (You're Still My Favorite Girlfriend)
(アリス・ロング)
Boyce - Hart サイケデリック・ムーヴメントへ移行を始めた彼らが、新しいエッセンスをうまく吸収しつつ、それまでのポップ・スタイルで再び第27位のヒットを記録しました。とても親しみやすい、楽しい佳曲に仕上がっています。
P.O. Box 9847
(私書箱9847)
Boyce - Hart モンキーズでお馴染みのサイケな作品です。ほとんどアレンジは同じながら、作者らしいウィットに富んでいます。アルバムには未収録です。
'68-10 A&M-993
(TOP1351)
We're All Going to the Same Place
(愛の住み家へ)
Boyce - Hart サード・アルバムからのカット。サイケデリックな雰囲気と、壮大なイメージがマッチしたボイス&ハートの新境地です。第123位。日本では、「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のB面として発表されました。
Six + Six Boyce - Hart 数え歌的な小品ながら、トミーの甘い声とボビーの優しさに触れることができます。アルバム未収録。
- - '69-1 A&M-1017 Maybe Somebody Heard Boyce - Hart おそらくマーケットには出回らなかったテスト盤でしょうか?
It's All Happening on the Inside Boyce - Hart -
'69-3 A&M-1031
(TOP1414)
L.U.V. (Let Us Vote)
(平和への祈り)
Boyce - Hart マーチ調で元気よく「投票しよう」と歌う、選挙のキャンペーン・ソングです。二人は1968年3月、ケネディ大統領の弟、ロバート・ケネディの大統領選出馬をサポートしましたが、彼は同年6月に暗殺されてしまいました。しかし、このL.U.V. 活動が功を奏してか、アメリカの選挙権は18歳まで引き下げられました。全米第111位。日本盤では、「ポピュレーション」のB面としてリリースされました。
I Wanna Be Free
(自由になりたい)
Boyce - Hart セカンド・アルバムに収録されていた、ご存じモンキーズのベスト・バラード。この曲もアルバム中では、前曲のフェード・アウトがかぶってしまっていましたが、このシングルで独立したイントロが聴けます。日本では、こちらも「君は去ってゆく」のB面でした。
'69-10 BELL-380
(BELL88009)
I'm Gonna Blow You a Kiss in the Wind
(風にくちづけ)
Boyce - Hart ボイス&ハートが新しく設立したレーベル「アクエリアン」で、自ら発表した唯一のシングル。残念ながらステレオ盤は存在しないようです。1分35秒付近の「パ・パ・パパパ」以降のボーカルが欠落したミックスもあります。疾走感のあるポップ・チューンながら、ヒットは記録していません。しかしながら、テレビ「奥様は魔女」に彼らがゲスト出演し、この曲を歌っていることは有名です。
Smilin'
(スマイリン)
Boyce - Hart A面同様、楽しいポップ・ソング。当時のコカ・コーラのCMソングとしても、この曲の替え歌が使用されました。
'68? BORDEN RTF-101 Shake It Boyce - Hart The Frosted Shake 5 名義でリリースされた、乳製品会社ボーデンの缶飲料"Frosted Shake"のキャンペーン用プロモーション盤と思われます。作曲は二人ですが、ボーカルではボビーだけが参加していると思われます。女性をフィーチャしたコーラス・グループ風ですが、パンチ不足と演奏のチープさがたまりません。やはりボビーのキャッチーな合の手が売りでしょう。
"Shake It" Music Boyce - Hart A面の曲のインストゥルメンタルです。CMで耳になじんだ人は、このカラオケに合わせて歌ったりしたのでしょうか。
'75 CAPITOL P-4180 I Remember the Feeling
(いかしたフィーリング)
Boyce - Hart ドレンツ・ジョーンズ・ボイス&ハートとして再出発した彼らのデビュー曲です。メインはやはり元モンキーズの二人ですが、ボイス&ハートらしいアコースティック・ギターのカッティング、合の手、サビでの盛り上がりで、素晴らしいポップ・チューンとなっています。
You & I
(ユー・アンド・アイ)
Davy Jones - Micky Dolenz デイビーとミッキーによる愛らしい佳曲。後のモンキーズ再結成アルバムでも演奏されていますが、このオリジナルが断然いいです。
'76 CAPITOL P-4271 I Love You (And I'm Glad That I Said It)
(アイ・ラブ・ユー)
Boyce - Hart ボビーが迫力あるダミ声で歌い上げるバラード。トミーのバック・アップもさすがです。聴くほどに味わいが出てきます。
Savin' My Love for You
(セイヴィン・マイ・ラヴ)
Davy Jones - Micky Dolenz ミッキーのボーカルによるロックン・ロール。ストレートで楽しく、かなりいい仕上がりかと思います。
    Western Recorders The Music Thing   デモ・レコーディングのアセテート盤です。詳細は分かりません。


TEST PATERNS (テスト・パターンズ)  ('67 A&M SP4126)
彼らのファースト・アルバム。ビートルズがサージェント・ペッパーズを発表した時代で、第200位に1週間だけチャート・インしました。「テスト・パターン」とは、TVの放送時間外に表示されるカラー・パターンを意味していますが、実験的な香りのするこのアルバムにふさわしいタイトルです。ジャケットの渋さも秀逸です。
タイトル 邦題 作者 コメント
A-1 Out & About アウト・アンド・アバウト Tommy Boyce - Bobby Hart 実験的な香りのする彼らのデビュー曲。当初、モンキーズ用として書き下ろしましたが拒否され、自分たちでカット。全米第39位のヒットとなりました。ボビーのリードにトミーが絡んでいき、サビでテンポ・アップ。ストリングスもサイケさを助長し、アルバム・タイトル「テスト・パターンズ」を象徴する作品です。
A-2 I Should Be Going Home アイ・シュッド・ビー・ゴーイング・ホーム Tommy Boyce - Bobby Hart シタールが使われてインド風の仕上がりです。トミーのゆったりとしたボーカルが印象的です。
A-3 In the Night イン・ザ・ナイト Tommy Boyce - Bobby Hart ボビーのボーカルによるファンキーな佳曲。フレディー・キャノンが1965年にシングル発売しています。
A-4 My Little Chickadee マイ・リトル・チカディー Tommy Boyce - Bobby Hart けだるい感じのボードヴィル調の曲。シングル「アウト&アバウト」のB面でした。
A-5 For Baby フォー・ベイビー Tommy Boyce - Bobby Hart これも単なるポップスとは言えないサイケな出来栄えです。フルートも効果的に使われています。
B-1 Sometimes She's a Little Girl サムタイムズ・シーズ・ア・リトル・ガール (ちっちゃな少女) Tommy Boyce - Bobby Hart ビートルズっぽいギター・リフとコーラス・ワークが聴ける佳曲。アップ・テンポからスローへ転調するのも秀逸です。全米第110位まで上昇したセカンド・シングルです。邦題は「ちっちゃな少女」でした。
B-2 Abe's Tune エイブズ・チューン Tommy Boyce - Bobby Hart このアルバム中、最もユニークな曲でしょう。ウォーキング・テンポのベースとフィンガー・スナップを基本リズムに、淡々と語り続けます。色々な風景を連想させる効果音も挿入されていて、楽しく聞けます。
B-3 Shadows シャドウズ Tommy Boyce - Bobby Hart 「自由になりたい」を彷彿させるきれいなバラードです。やはりトミーのボーカルはスウィートですね。
B-4 Girl, I'm Out to Get You ガール、アイム・アウト・トゥ・ゲット・ユー Tommy Boyce - Bobby Hart これはフランス風? アコーディオンがいい味を出しています。トミーが早口で歌う、ちょっと子供たちの遊び歌にも通ずるような曲です。
B-5 Life
 A. Sunday Night in Phoenix
 B. Life in Hollywood
 C. Sunrise Through the Meadow
 D. What's It All About
ライフ
 A. サンデー・ナイト・イン・フェニックス
 B. ライフ・イン・ハリウッド
 C. サンライズ・スルー・ザ・メドウ
 D. ホワッツ・イット・オール・アバウト
Tommy Boyce - Bobby Hart 4つのパートからなる、ファンキーな大作です。途中のパートではクラシカルな一面も見せますが、かなりヘヴィな演奏に、ボビーがこれまた重いシャウトを聞かせてくれます。


I WONDER WHAT SHE'S DOING TONITE? (あの娘は今夜/自由になりたい)  ('68 A&M SP4143)
タイトル曲の大ヒットを受けて急造されたアルバムですが、素晴らしいアルバムに仕上がっており、ポップ史に輝く名作となりました。しかしチャートはかろうじて全米第109位にランク・インしました。どの曲もシングル・カット可能な佳曲ばかり。モンキーズに提供した2曲をセルフ・カバーしているのも興味津々です。セクシーでかっこいいジャケットも魅力です。
タイトル 邦題 作者 コメント
A-1 I Wonder What She's Doing Tonite? あの娘は今夜 Tommy Boyce - Bobby Hart 3枚目のシングルで、全米第8位まで上昇した、彼ら最大のヒット曲です。軽いタッチのギターから始まり、ドラムスやホーンが絡んでスリリングに盛り上がっていきます。最高に明るくポップな仕上がりをみせ、間奏でのトミーとボビーの掛け合いも楽しさを倍増させてくれます。永遠のマスター・ピースと言えましょう。トリニ・ロペスもボイス&ハートのプロデュースでカバーしていますが、変にアップ・テンポになっていてよくありません。ゲイリー・ルイス&プレイボーイズはオリジナルに近いアレンジです。また、トミー自身も80年代にリメイクしていますが、このオリジナルを超えるものは誰にも作れないでしょう。
A-2 Pretty Flower プリティ・フラワー Tommy Boyce - Bobby Hart まるでメドレーのように前作から続く、これまた最高にポップな仕上がりの佳曲です。トミーの軽やかなボーカルは素敵な気持ちにさせてくれます。途中転調して、ボビーがシリアスなボーカルを聴かせ、ラストはサイケなエンディングでフェード・アウトします。
A-3 Teardrop City 涙の街角 Tommy Boyce - Bobby Hart ご存じモンキーズのヒット・チューンです。一瞬、クリスマス・ソング?と、思わせる超意外な軽いイントロで始まります。しかしモンキーズよりもスローなテンポで、重い演奏を聞かせるあたりはビートルズの「涙の乗車券」を意識している気がします。フェード・アウトしながら、次の曲につながります。
A-4 Love Every Day ラヴ・エヴリ・デイ Tommy Boyce - Bobby Hart セカンド・シングルB面にも収録された美しく切ないバラード。シタールを使ったイントロに、前曲のフェード・アウトがクロスして始まります。やはりトミーはこの手を歌わせるとうまい! でも、ボビーのリードも負けずにいいですね。途中のファルセットはトミーでしょうか?別人のようです。
A-5 Two for the Price of One トミーとボビー (ボイス&ハートのテーマ) Watson - Williams - Mundy 唯一、自作でない曲です。当初は「ボイス&ハートのテーマ」というタイトルで紹介されました。歌というよりかけあいなんですけど、こんなところが、ほかのヒット曲に見れるテンポのいいかけあいに通じているんですね。
B-1 Goodbye Baby (I Don't Want to See you Cry) グッバイ・ベイビー (別れの涙は) Tommy Boyce - Bobby Hart 4枚目のシングルで、全米第53位のスマッシュ・ヒット。ビートルズを意識したような曲です。このアルバム・ミックスはシングルよりも長い編集で、やや冗長なイメージがあります。
B-2 I'm Digging You, Digging Me ディギング・ユー、ディギング・ミー Tommy Boyce - Bobby Hart 僕は"A Little Bit Me, A Little Bit You"、といった繰り返しモノはあまり好きでありません。この曲もタイトルがそのまま歌いこまれ、似たような印象ですが、クォリティは十分なデキです。
B-3 Leaving Again リーヴィング・アゲイン (君は去ってゆく Tommy Boyce - Bobby Hart マーチ調ですが、まとまりのいいベスト・バラードです。ボビーが内省的に歌い上げます。日本では「君は去ってゆく」という邦題でシングル・カットもされました。Johnny Carverもシングルとして発表していますが、甘いアレンジになっています。
B-4 The Countess 愛しの伯爵夫人 (伯爵令嬢) Tommy Boyce - Bobby Hart これもポップの王道をいく作品です。親しみ易いビートにためいきを絡め、スウィートなナンバーに仕上がりました。当初の邦題は「伯爵令嬢」でした。
B-5 Population ポピュレイション Tommy Boyce - Bobby Hart このアルバムの中ではもっともロック色の強い曲です。トミーのソロで、5分近い大作になっています。
B-6 I Wanna Be Free 自由になりたい Tommy Boyce - Bobby Hart ご存じモンキーズのベスト・バラード。前曲の喧騒がフェード・アウトしてゆき、この静かで美しいバラードへと引き継がれます。ボイス&ハート盤も負けず劣らず、演奏を含めむしろこちらの方がよくできています。アメリカでは"L. U. V."のB面、日本では「君は去ってゆく」のB面としてリリースされました。


IT'S ALL HAPPENING ON THE INSIDE / Which One's Boyce & Which One's Hart ? (創造の神々 / イッツ・オール・ハプニング・オン・ジ・インサイド)
 ('68 A&M SP4162 / SP4223? / AML-25)
ボイス&ハート3枚目にして、ラスト・アルバムです。チャート・インは果たせませんでした。A面は組曲的に編成され、B面はヒット曲が並ぶ構成になっています。1980年のモンキーズ・リバイバルの際には、このアルバムだけリイシューされず、この「創造の神々」というタイトルにはとても憧れを感じた覚えがあります。カナダでは、"Which One's Boyce & Which One's Hart"のタイトルで発売されました。
タイトル 邦題 作者 コメント
A-1 Prelude プレリュード(開幕) Tommy Boyce - Bobby Hart 「イッツ・オール・ハプニング・オン・ジ・インサイド」のサビをゴスペル調に挿入したアルバムの導入としての曲です。
A-2 Change チェンジ Tommy Boyce - Bobby Hart スローなボビーのソロ曲。1分ちょっとの小品なのがもったいない。
A-3 Maybe Somebody Heard メイビー・サムバディ・ハード
(恋のうわさ)
Tommy Boyce - Bobby Hart ボビーのリードが続き、曲のイメージ的にも前作を踏襲しています。後半ではボビーの早口の語りがフィーチャされています。7枚目のシングルとして発売される可能性があったようです。
A-4 It's All Happening on the Inside イッツ・オール・ハプニング・オン・ジ・インサイド
(すべてお見通しさ)
Tommy Boyce - Bobby Hart アルバム・タイトル曲です。A-1でさわりを聞いたあと、ここへ来て本編の登場です。とにかく、かっこいいマイ・フェイヴァリット・チューン! できればメドレーだの組曲だのにこだわらず、素直にアルバム・トップで披露して欲しかった。
A-5 Abracadabra アブラカダブラ(呪文) Shelton - Lewis - Gallie 前曲からメドレー的に続くインストゥルメンタル曲です。その名のとおりサイケな作品です。作曲は、LPジャケット裏面や、"We're All Going to the Same Place"のジャケットにも写真が連ねられているバンド・メンバーです。
A-6 Jumping Jack Flash ジャンピン・ジャック・フラッシュ Jagger - Richards もちろんローリング・ストーンズのカバーで、日本ではシングル・カット(A&M TOP-1351)もされました。
B-1 We're All Going to the Same Place ゴーイング・トゥ・ザ・セイム・プレイス(愛の住み家へ) Tommy Boyce - Bobby Hart 6枚目のシングル曲で、全米第123位にチャート・イン。日本では、「愛の住み家へ」というタイトルで、「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のB面として発表されました。。サイケデリックな雰囲気と、壮大なイメージがマッチしたボイス&ハートの新境地です。
B-2 Strawberry Girl ストロベリー・ガール Tommy Boyce - Bobby Hart ハードなポップ・ソングといったところでしょうか。アルバムのムードに合わせて演奏もサイケに飾っていますが、内容はどポップ。
B-3 Thanks for Sunday サンクス・フォー・サンデイ Tommy Boyce - Bobby Hart 日本では「シャドウズ・オブ・ラヴ」のB面としてシングル・カットされています。ハードなギターですが曲調は明るく、変化に富んだ作品です。
B-4 MyBaby Loves Sad Songs マイ・ベイビー・ラヴズ・サッド・ソングズ(悲しい歌を聞かせて) Tommy Boyce - Bobby Hart おとなしく淡々とした曲ですが、だんだんホーンも絡んできて盛り上がります。トリニ・ロペスがカバーしています。
B-5 Standing in the Shadows of Love シャドウズ・オブ・ラヴ
(シャドーズ・オブ・ラヴ)
Holland - Dozier - Holland フォー・トップスのカバーで、オリジナルよりもハードな仕上がりです。ボビーのヘヴィなボーカルがマッチしています。こちらも日本でシングル・カットされました。なぜカバー曲がこうもシングル・カットされたのでしょうか?
B-6 Alice Long (You're Still My Favorite Girlfriend) アリス・ロング Tommy Boyce - Bobby Hart サイケな曲に埋もれて、最後の最後は超ポップな曲でしめてくれました。5枚目のシングルとしても全米第27位の大ヒットを記録しました。とても親しみやすい、楽しい佳曲に仕上がっています。



DOLENZ, JONES, BOYCE & HART (素晴らしき門出/ニュー・モンキーズ)  ('76 CAPITOL)
ボイス&ハートの2人に加え、元モンキーズのデイビー・ジョーンズとミッキー・ドレンツが参加した、新ユニットのスタジオ・アルバムです。10周年のオフィシャル再結成ながら、オリジナル・モンキーが2人しか集まれなかったことが悔しいところです。しかし潜在的モンキーズ・ファンにあたたかく迎えられ、各地で行われたライブも大盛況でしたが、アルバムはこの1枚のみで解散してしまいました。A面はソフト、B面はハードといった色分けがされていますが、カバー曲も交えてバラエティに富んだ聴き応えのあるアルバムになっています。
タイトル 邦題 作者 コメント
A-1 Right Now ライト・ナウ Tommy Boyce - Bobby Hart 日本では来日記念盤としてシングル発売された、デイビーのバラードです。
A-2 I Love You (And I'm Glad That I Said It) アイ・ラブ・ユー Tommy Boyce - Bobby Hart 2枚目のシングルとして発表された、ボビー・ハートによるバラード。当時、そのダミ声に圧倒されていましたが、今聴いてもホントきれいな曲です。
A-3 You and I ユー・アンド・アイ Micky Dolenz - Davy Jones デイビーとミッキーが共作した傑作です。なんともいいムードを醸していて、本人たちもお気に入りだったのか、後のモンキーズ再結成アルバムでも再演しています。
A-4 Teenager in Love 恋する十代 Doc Pomus - Mort Shuman ディオン&ベルモンツのヒット曲のカバーです。お気に入りだったようでライブでも披露していますが、そちらのエンディングはもちろんフェード・アウトせず、かっこよくキメていますので、ぜひ一聴を。
A-5 Sail on Sailor セイル・オン・セイラー Doug Trevor いわくつきの曲です。4人が次々とボーカルをとるタイプなのですが、ミッキーの出番がない! 歌詞カードにはミッキーが歌うであろうパートがしっかり記載されているのに…。当初はミッキーもボーカルを吹き込んでいたのですが、あまりにデキが悪くてカットされたとの噂です。幻のミッキーのパートは、超レアなアセテート版で聴くこともできますが、やはりそのとおりでした。
A-6 It Always Hurts the Most in the Morning 朝は嫌い Micky Dolenz - Tommy Boyce ミッキーとトミーという珍しいユニットの作品ですが、きれいなミディアム・ナンバーです。
B-1 Moonfire ムーンファイヤ Bill Martin モンキーズの幻の作品「オール・オブ・ユア・トイズ」や「ザ・ドア・イントゥ・サマー」の作者、ビル・マーティンのペンによるソリッドな作品です。
B-2 You Didn't Feel That Way Last Night (Don't You Remember) 昨夜の君は Tommy Boyce - Bobby Hart "Radio DJBH"のジングルに続いて、「ステッピン・ストーン」風のロックン・ロールの登場です。日本では「ライト・ナウ」のB面でシングル・カットされました。
B-3 Along Came Jones アロング・ケイム・ジョーンズ Jerry Leiber - Mike Stoller コースターズのヒットのカバーです。現代的に作り上げ、汽車やピストルの効果音も登場して、楽しい仕上がりです。最後に登場する可愛い声は、ミッキーの娘で後に女優になったエイミー・ドレンツです。
B-4 Savin' My Love for You セイヴィン・マイ・ラヴ Micky Dolenz - Davy Jones ミッキーとデイビーのご機嫌なロックン・ロール作品です。ボイス&ハートの作品にも負けない魅力を放っています。
B-5 I Remember the Feeling いかしたフィーリング Tommy Boyce - Bobby Hart ファンファーレに紹介されて登場するのは、彼らのデビュー・シングルです。ワクワクするキーボードとギターに始まり、ミッキーとデイビーの素晴らしいボーカル・パートに、ボイス&ハートのかっこいいコーラスと掛け合いときて、彼らの魅力を余すことなく発揮した感動モノのハッピー・チューンです。ヒットしなかったのは不幸としか言えません。
B-6 Sweet Heart Attack スウィート・ハート・アタック Tommy Boyce - Bobby Hart これもコーラスが冴えわたる、ソリッドなロック・チューンです。間奏はボイス&ハートらしいサイケな演奏です。曲の終了後にはイコライズしたアナウンスが収録されています。



DOLENZ, JONES, BOYCE & HART CONCERT IN JAPAN (ニュー・モンキーズ・コンサート・イン・ジャパン)
  ('81-8 CAPITOL ECS-91018 / '96 Varese Sarabande VSD-5625)
日本で1980年にモンキーズ・リバイバルが起きた時、お蔵入りとなっていたこのライブが、5年の月日を経て、初めてレコード化されました。1976年7月20日、東京の郵便貯金ホールでのコンサートで、白熱したステージが展開されています。当時、ボイス&ハートのアルバムはまだ再発売されておらず、「あの娘は今夜」がライブながら収録されていることに、非常に喜んだものです。その15年後、アメリカでもCD化されました。
タイトル 邦題 時間 作者 コメント
A-1 Last Train to Clarksville 恋の終列車 2:49 Tommy Boyce - Bobby Hart 4人の紹介があって、ちょっと長めのイントロからワクワクさせてくれる、モンキーズのデビュー・ヒット。
A-2 Medley: Valleri メドレー:すてきなバレリ 1:15 Tommy Boyce - Bobby Hart ここから3曲はデイビーによるモンキーズ・ヒット・メドレー。派手なギターがかっこよく、あえてスパニッシュ調にしないのがいいのかもしれません。
- Daydream Believer - デイドリーム・ビリーバー 1:08 John Stewart 会場からは「トミー! トミー!」という声援が聞こえ、モンキーズ・ファンだけでなく、意外にボイス&ハートのファンも多いのかなと感じます。
- A Little Bit Me, A Little Bit You - 恋はちょっぴり 2:11 Neil Diamond レコードは可愛い感じの仕上がりですが、ライブではデイビーが力強く、のりのりに歌います。
A-3 I Wonder What She's Doing Tonight ? あの娘は今夜 3:29 Tommy Boyce - Bobby Hart デイビーがあらためて「ショーへようこそ」と言った後、この曲を紹介します。ちょっと息切れしててセリフを噛むのがご愛敬です。ボイス&ハートらしく合いの手も入り、楽しいパフォーマンスになっています。
A-4 (I'm Not Your) Steppin' Stone ステッピン・ストーン 2:50 Tommy Boyce - Bobby Hart 例によってミッキーが艶っぽく崩して歌っています。当時は聴きなれていなかったので、レコードのようにストレートに歌ってほしいと思いました。
A-5 I Wanna Be Free 自由になりたい 2:42 Tommy Boyce - Bobby Hart 一転して静かなバラードです。しみじみ聴かせます。
A-6 Savin' My Love for You セイヴィン・マイ・ラヴ 3:04 Micky Dolenz - Davy Jones トミーが「ミッキーとデイビーの曲」と紹介します。モンキーズの二人も、作曲の才能あふれていることを感じさせるロックン・ロールです。サイレンを模した声も、レコード通りいい効果を出しています。
A-7 Pleasant Valley Sunday プレザント・ヴァレー・サンデー 3:36 Carole King - Gerry Goffin ミッキーのロックが続きます。エンディング付近の"Another Pleasant Valley"の繰り返しがイキです。
B-1 I Remember the Feeling いかしたフィーリング 3:41 Tommy Boyce - Bobby Hart うねるギター・イントロにあわせてイントロダクションが始まり、後半の期待感もマックスに! 彼らの新曲ですが、グレートなポップスに仕上がっており、サイコーです。フェード・アウトしないエンディングもいいですねぇ。
B-2 A Teenager in Love 恋する十代 2:51 Doc Pomus - Mort Shuman ここでカバーを一曲。エンディングはスタジオ・レコーディングよりも素敵なコーラスを聞かせてくれます。
B-3 Cuddly Toy カドリー・トイ 2:13 Harry Nillson デイビーがおしゃれなダンスを披露したのだろうと途中のブレイクでは、きっと
B-4 Medley: Come a Little Bit Closer メドレー:もっと寄りそって 1:32 Tommy Boyce - Bobby Hart - Wes Farrell ここからはボイス&ハート作品のメドレーです。デイビーが「みんなが生まれる前の曲だよ」って紹介し、会場から「アハハ」って声が聞こえるのがほほえましいです。トミーがイントロで、すごくためて歌いだすのが印象的です。ミッキーが唇をぶるぶる言わせているのが目に浮かびます。
- Pretty Little Angel Eyes - プリティ・リトル・エンジェル・アイズ 0:46 Tommy Boyce - Curtis Lee メンバーが互いに元気いっぱいに歌いあうのが楽しくっていいですね。
- Hurt So Bad - 心の痛手 1:04 Teddy Randazzo - Bobby Hart - Bobby Weinstein マイナーな曲ですが、ボビーのボーカルにデイビーが絡んでいくのがいいです。
- Peaches 'N' Cream - ピーチスン・クリーム 0:24 Tommy Boyce - Steve Benet 短いですがメンバーのコーラスワークと掛け合いが楽しめます。
- Something Wrong with Me - サムシング・ロング 0:35 Danny Janssen - Bobby Hart 再びボビーの聴かせるタイプの曲です。
- Keep on Singing - 歌のある限り 1:14 Danny Janssen - Bobby Hart トミーとミッキーがリードをとります。会場からまた女の子の笑い声が聞こえ、観客も楽しんでるなーって感じます。
B-5 I Love You (And I'm Glad That I Said It) アイ・ラブ・ユー 3:17 Tommy Boyce - Bobby Hart 彼らの2枚目のシングル曲です。当時はボビーのダミ声にだまされて、この曲を素直に楽しめなかったのですが、ホントいい曲ですねぇ。
B-6 Action アクション 4:26 Tommy Boyce - Steve Benet ミッキーが日本語で「ありがとう」と言った後、楽器のまねをしながらメンバー紹介します。ミッキーのエンターテイナーぶりが感じられる一面です。この曲は、ギターのキース・アリソンがリード・ボーカルをとり、メンバーがバックを歌っています。パーティのように踊れるナンバーで、ステージは最高潮に達しています。



DOLENZ, JONES, BOYCE & HART Golden Hits of The Monkees "The Guys Who Sing 'Em and the Guys Who Wrote 'Em"
 (Wizardo WRMB-515)
1976年7月10日、カリフォルニアのディズニーランドにおけるライブです。日本のライブのほんの10日前であり、曲目のオーダーや演奏は似たスタイルですが、やはり本国ということもあり、英語での会話が弾み、ステージ・パフォーマンスも盛り上がっているようです。ここには収められていませんが、同じディズニー・ライブで7月4日にはピーター・トークもジョイントしました。日本のライブ・アルバムが発売されるまで、ドレンツ・ジョーンズ・ボイス&ハートのライブは、このブートレッグ・アルバムでしか聴けませんでした。音質はさすがに公式録音には負けますが、決して悪くなく、複製CD-Rが出回る前までは非常に貴重な音源でした。ジャケットはプレーン・スリーブのシュリンクにA4サイズのリーフレットが差し込まれていますが、2種類存在します。
タイトル 邦題 時間 作者 コメント
A-1 Introduction イントロダクション 0:49 - 1980年のモンキーズ・リバイバルで、DJの八木誠さんが、よく自分のラジオ番組で、このイントロから次の3曲メドレーまでをかけてくれたものです。
A-2 Valleri メドレー:すてきなバレリ 1:17 Tommy Boyce - Bobby Hart
A-3 Daydream Believer - デイドリーム・ビリーバー 1:07 John Stewart
A-4 A Little Bit Me, A Little Bit You - 恋はちょっぴり 4:02 Neil Diamond
A-5 I Wonder What She's Doing Tonight ? あの娘は今夜 2:46 Tommy Boyce - Bobby Hart
A-6 (I'm Not Your) Steppin' Stone ステッピン・ストーン 2:35 Tommy Boyce - Bobby Hart
A-7 I Wanna Be Free 自由になりたい 2:50 Tommy Boyce - Bobby Hart
A-8 Pleasant Valley Sunday プレザント・ヴァレー・サンデー 3:30 Carole King - Gerry Goffin
B-1 I Love You (And I'm Glad That I Said It) アイ・ラブ・ユー 4:02 Tommy Boyce - Bobby Hart
B-2 The Blue Plate Special 1:30 - メンバー紹介です。日本のライブでも同じ音楽をバックに紹介していました。
B-3 I'm a Believer アイム・ア・ビリーバー 2:13 Neil Diamond
B-4 (Theme from) The Monkees モンキーズのテーマ 0:59 Tommy Boyce - Bobby Hart 「アイム・ア・ビリーバー」を途中で打ち切って、この曲に流れ込みます。
B-5 The Three Tears 5:15 - アンコール曲かと思いきや、別のコンサートの模様です。音質も明らかに変わり、高音が効いています。ミッキーが延々と話し続けますが、途中に短い曲が挿入されています。最後は観客と、次の「彼女」の練習を始めます。
B-6 She 彼女 2:49 Tommy Boyce - Bobby Hart






Flipside of "I Wonder What She's Doing Tonight", "Alice Long", "We're All going to the Same Place"




 

Japanese Only Single "Leaving Again / I Wanna Be Free" (A&M TOP1277), "Standing in the Shadows of Love / Thanks for Sunday"(A&M TOP1375)

Japanese Only DJB&H 45 "Right Now / You Didn't Feel the Way Last Night (Don't You remember)" 






Japanese EP "Golden Boyce & Hart vol.1"(Left) includes "I Wonder What She's Doing Tonite ? / I Wanna Be Free / Leaving Again / Goodbye Baby" (King LS-)

 "Golden Boyce & Hart vol.2" (Right) includes "Jumpin' Juck Flash / Alice Long / Standing in the Shadows of Love / Thanks for Sunday" (King LS-203)




 

"Coca-Cola Commercials" (featuring 2 versions CM, "Smilin'" and "Wake Up Girl"), "The Stars Make It Happen!" (featuring 2 versions of "I'll Blow You a Kiss in the Wind" CM)





Bootleg Albums  "16 Rarities" (featuring non-LP singles & rare performances from TV show), "Tails of The Monkees" (featuring some DJB&H live takes)




 
Compilation album "Where the Action Is !" (featuring "Words" demo version)

 
TOMMY BOYCE BOBBY HART