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DiskSuite による RAID の構築


  1. RAID する?

    RAID (Redundant Arrays of Independent (Inexpensive) Disks) しよー。
    今回は DiskSuite を使用して、連結方式、ストライプ方式、ミラー、RAID5 の論理ボリュームを x86 で構成してみます。操作は全て CLI (Command Line Interface) で行います。


  2. DiskSuite のインストール

    DiskSuite をインストールします。pkgadd によるインストール、Solaris Web Start 2.x (installer) によるインストール、Solaris Web Start 3.0 によるインストールが可能です。ここでは Web Start 2.x を使ってインストールします (下の例では -nodisplay オプションを付与していますが、通常は GUI でインストールする方がわかりやすいです)。

    # pwd
    /net/galley/export/sol/s8/Solaris_8/EA/products/DiskSuite_4.2.1
    # ./installer -nodisplay -locales ja


    DiskSuite 4.2.1 をインストール中
    ログファイル: /var/sadm/install/logs/DiskSuite_4.2.1_install.B02101144
    インストール済みパッケージ: SUNWmdr
    インストール済みパッケージ: SUNWmdu
    インストール済みパッケージ: SUNWmdja
    インストール済みパッケージ: SUNWmdg
    インストール済みパッケージ: SUNWmdnr
    インストール済みパッケージ: SUNWmdnu
    インストール済みパッケージ: SUNWdsab
    インストール済みパッケージ: SUNWjdsab
    インストール完了
    アンインストールプログラムの場所: /var/sadm/prod/com.sun.DiskSuite/424016483/uninstall_DiskSuite_4_2_1.class
    #

    次に、環境変数 PATH と MANPATH を設定します。PATH に /usr/sbin, /usr/lib/lvm, /etc/lvm を追加し、MANPATH に /usr/share/man を追加します (他のバージョンの DiskSuite をインストールしていない場合は PATH 設定は必須の作業ではないようです)。

    デフォルトでインストールされるパッケージを一覧します。

    table1 pkg 一覧
    pkg names notes
    SUNWmdr Solstice DiskSuite Drivers
    SUNWmdu Solstice DiskSuite Commands
    SUNWmdja Solstice DiskSuite Japanese localization
    SUNWmdg Solstice DiskSuite Tool
    SUNWmdnr Solstice DiskSuite Log Daemon Configuration Files
    SUNWmdnu Solstice DiskSuite Log Daemon
    SUNWdsab Solstice DiskSuite 4.2.1 Collection
    SUNWjdsab Solstice DiskSuite 4.2.1 Collection - Japanese


  3. 論理ボリュームの作成

    いろいろ始める前に今回のハードウェア構成を確認します。

    table2 ハードウェア構成
    item value
    hostname casper
    hba controller0: AHA-2940UW
    hdd target0: DCAS-34330
    target1: DDRS-39130
    target2: DPTA-353000 + AEC-7720U
    target3: ST52160N (root-disk)

    ここで使うシステムには4台のハードディスクドライブが接続されています。3台は scsi ドライブですが1台は AEC-7720U という scsi-ide 変換基板を介した ultra ata/66 の ide ドライブです (接続上は scsi ドライブと見なせる)。また、t3: ST52160N は boot-disk で s0: root, s1: swap が存在します。


    論理ボリュームの作成方法です。

    1. メタデバイス状態データベースの複製の作成

    2. シンプルメタデバイス
      1. 連結方式メタデバイス
      2. ストライプ方式メタデバイス (RAID0)
      3. ストライプ方式で連結したメタデバイス
      4. シンプルメタデバイスによるファイルシステムの拡張

    3. ミラーメタデバイス (RAID1)
      1. 未使用スライスによるミラー
      2. 既存スライスのミラー
      3. root ファイルシステムのミラー
      4. サブミラーのオフラインとオンライン
      5. サブミラーの切断

    4. RAID5 メタデバイス

    5. トランスメタデバイスによる UFS ロギング
      1. マウント解除可能なファイルシステムのトランスメタデバイス
      2. マウント解除不可能なファイルシステムのトランスメタデバイスunder construction
      3. ミラーを使用するトランスメタデバイス

    6. ホットスペア集合


    DiskSuite は誤った操作をするとファイルシステムを破壊する可能性があります。
    事故に備えバックアップを取って作業すべきです。


  4. 周辺コマンド

    メタデバイスの構成及び保守に関わるコマンドを以下に一覧します。

    table3 周辺コマンド等一覧
    commands notes
    metaclear メタデバイス、ホットスペア集合の削除
    metadb メタデバイス状態データベースの作成、削除
    metadetach サブミラー、ロギングデバイスの切断
    metahs ホットスペア、ホットスペア集合の管理
    metainit メタデバイスの構成
    metaoffline サブミラーのオフライン化
    metaonline サブミラーのオンライン化
    metaparam メタデバイスのパラメータの変更
    metarename メタデバイス名の変更、交換
    metareplace サブミラー、RAID5 メタデバイスのスライスの交換
    metaroot メタデバイスによる root の構成
    metastat メタデバイス、ホットスペア集合の状態表示
    metasync リブート時のメタデバイス再同期の開始
    metaattach サブミラー、ロギングデバイスの追加
    md.cf ユーティリティファイル
    md,tab ユーティリティファイル
    mddb.cf MetaDB オブジェクトの位置を記録するファイル (直接編集できない)
    growfs UFS ファイルシステムの拡張
    installboot ブートプログラムのインストール
    lockfs ファイルシステムのロック状態の変更


  5. OS のアップグレードに関して

    DiskSuite を使用している Solaris をアップグレードする場合、/etc/vfstab の保存、トランスメタデバイスのクリア、ミラーメタデバイスの解消と物理スライスへの変換及び /etc/vfstab の書き換え、/etc/vfstab のシンプルメタデバイスのコメントアウト、DiskSuite 起動ファイルの削除等が必要です。

    手順は docs.sun.com で確認できます。


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