RAID5 はパリティとデータをすべてのディスクに分散させたストライプ方式メタデバイスです。
↓大雑把なイメージはこう。
以下のスライスで RAID5 メタデバイスを構成します。4GB のメタデバイスが作成されます。
| slice1: /dev/dsk/c0t0d0s5 (2.00GB) slice2: /dev/dsk/c0t1d0s5 (2.00GB) slice3: /dev/dsk/c0t2d0s5 (2.00GB) |
|---|
metainit コマンドで RAID5 メタデバイスを構成します。書式は以下です。
| usage: metainit [ generic_option ] RAID -r component... [ -i interlace ] |
以下がオプションです。
| generic options | notes |
|---|---|
| -n | 実際のメタデバイス設定を行わずに構文チェックだけ行います |
| options | notes |
| RAID | 使用するメタデバイス名を指定します (デフォルトで d0 〜 d127 が使用可能です) |
| component | RAID5 を構成するスライスを指定します 少なくとも３個のスライスが必要です |
| -i interlace | 飛び越しサイズを指定します |
以下は RAID5 メタデバイスを構成し、ファイルシステムの作成とマウントを行う例です。
# metainit d0 -r c0t0d0s5 c0t1d0s5 c0t2d0s5
d0: RAID がセットアップされます
#
# metastat
d0: RAID
状態: 初期化中
初期化実行中: 1% 完了
飛び越し: 32 ブロック
サイズ: 8387550 ブロック
オリジナルデバイス:
サイズ: 8387904 ブロック
デバイス 開始ブロック MetaDB 状態 ホットスペア
c0t0d0s5 330 いいえ 初期化中
c0t1d0s5 330 いいえ 初期化中
c0t2d0s5 330 いいえ 初期化中
# metastat
d0: RAID
状態: 正常
飛び越し: 32 ブロック
サイズ: 8387550 ブロック
オリジナルデバイス:
サイズ: 8387904 ブロック
デバイス 開始ブロック MetaDB 状態 ホットスペア
c0t0d0s5 330 いいえ 正常
c0t1d0s5 330 いいえ 正常
c0t2d0s5 330 いいえ 正常
#
# newfs /dev/md/rdsk/d0
newfs: construct a new file system /dev/md/rdsk/d0: (y/n)? y
/dev/md/rdsk/d0: 全セクタ数: 8387550 (シリンダ数: 8175、トラック数: 6、セクタ数: 171)
4095.5MB、103 シリンダグループ (80 c/g, 40.08MB/g, 5120 i/g)
スーパーブロックのバックアップの位置 (fsck -F ufs -o b=# のため) :
32, 82288, 164544, 246800, 329056, 411312, 493568, 575824, 656672, 738928,
821184, 903440, 985696, 1067952, 1150208, 1232464, 1313312, 1395568, 1477824,
:
:
:
7469840, 7552096, 7634352, 7716608, 7798864, 7879712, 7961968, 8044224,
8126480, 8208736, 8290992, 8373248,
#
# fsck /dev/md/rdsk/d0
** /dev/md/rdsk/d0
** Last Mounted on
** Phase 1 - Check Blocks and Sizes
** Phase 2 - Check Pathnames
** Phase 3 - Check Connectivity
** Phase 4 - Check Reference Counts
** Phase 5 - Check Cyl groups
2 files, 9 used, 4126180 free (20 frags, 515770 blocks, 0.0% fragmentation)
#
# mount /dev/md/dsk/d0 /mnt
# df -k
ファイルシステム kbytes 使用済み 使用可能 capacity マウント先
/dev/dsk/c0t3d0s0 1245975 816775 366902 70% /
/proc 0 0 0 0% /proc
fd 0 0 0 0% /dev/fd
mnttab 0 0 0 0% /etc/mnttab
swap 638792 0 638792 0% /var/run
swap 638804 12 638792 1% /tmp
galley:/export/home/tachi
38467555 26373924 11708956 70% /home/tachi
/dev/md/dsk/d0 4126189 9 4084919 1% /mnt
#
|
RAID5 メタデバイスは以下のような特徴があります。
- ディスクに障害が発生した場合、他のディスクに分散しているデータとパリティ情報からディスクの再構築が可能です。
- RAID5 メタデバイス構成時、初期化プロセスは既存のデータを破壊するため、既存のファイルシステムには使用できないです。
- RAID5 メタデバイスをストライプ化、連結、ミラー化はできないです。
- RAID5 メタデバイスを構成するには３つ以上のスライスが必要です。
