3.作成から廃棄まで
3-4.書類の保存期間 
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保管が必要な書類は、「書類の種類」のページで触れていますが、それらの書類はどの程度の期間保存する必要があるのでしょうか。ほとんどの書類は、自主的に、決定することができますが、一部の書類では、法律でその保存期間を決められています。
この一部を次に示します。(今後、規制緩和などにより変更される場合があります。)
 
     
文書の種類 保存期間 法律

株主総会議事録、商業帳簿

十年

商法

仕訳帳、総勘定元帳等の帳簿、棚卸表、賃借対照表、損益計算書、注文書・見積書・契約書の控え
七年

所得税法、法人税法

財産形成非課税貯蓄申込書・移動申請書
五年
所得税法
雇用保険被保険者に関する書類
四年
雇用保険法
労働者名簿、雇入、解雇、退職に関する書類
三年
労働基準法
健康保険の被保険者資格取得確認通知書
二年
健康保険法

このほか医療関係では、診療録(カルテやレントゲンフィルム)などは医師法、歯科医師法などで5年間の保存が義務付けられています。

法律で規定されていないその他の書類は、自主的に保存期間を定めれば良いわけですが、基本的には業務に差し障りのないようにするのが最低限必要な期間でしょう。また、全社一律に決められるものもありますが、部門ごとに決めるほうが現実に即したものとなり、守りやすいルールとなります。
顧客との取引などはPL法を念頭におくほか、信頼関係を維持するために、ある程度の期間は保存が必要です。しかし、基準を決めないでいると、いつまでも廃棄できないでいることとなります。業務内容にもよりますが、おおむね次のようなものでしょうか。

一般の連絡書など 不要になり次第
予算関係書類

1年 or 2年

予算関係書類(3ヵ年計画などが基準の場合) 基準年限
特許関係 権利消失まで
研究記録など 特許取得まで
ノウハウなど 公知となるまで

研究記録などは通常であれば特許取得までの保存で十分と考えられますが、アメリカの特許制度は先発明主義を取っており、さらに明細書を修正するなどしてわざと特許の成立を遅らせたいわゆるサブマリン特許の問題もあります。これに対応しようとすれば相当長い期間の保存が必要となりますが、どのようなサブマリン特許があるか分からないため難しい問題です。

2005年に問題化した松下電器の温風機リコール問題は、個人情報の漏洩を防ぐために顧客名簿を処分したことが、製品回収に手間取っている原因となっているようです。(「書類の廃棄」のページ参照)
この温風機は 85年から92年に製造されたもので、古いものでは20年以上経過しており、通常の感覚ではこれらの顧客データは廃棄してもおかしくないものです。一般消費者の生命や身体に対する危害の発生が危惧される製品に関しては、全く別の観点から保存期間を定めることも必要です。


民間での書類保管とは異なり、官庁の場合は情報公開法にも関係することから、「行政文書の管理方策に関するガイドライン」(平成12年2月25日各省庁事務連絡会議申合せ)として公表されていますが、このなかで主なものをピックアップしてみました。
民間に法律で保管を義務付けている期間と比較して、意外に短いと感じられるでしょう。法律の制定でさえ30年です。

また、この期間についての考え方も民間とは違っています。民間の場合は保存期間といった場合、最低限保存が必要な期間を指している場合が多く、実際の保存期間はさらに長くなる傾向にあります。これに対し、官庁の場合は、文書の管理簿を作成し、ここに保存期間を書きこみます。そして半年毎あるいは一年毎にこれをチェックし、期限を過ぎたものは廃棄します。(廃棄することを義務付け、残すことはルール違反)。

行政文書の区分
保存期間
該当する行政文書の類型
法律又は政令の制定、改正又は廃止その他の案件を閣議にかけるための決裁文書
三十年
条約その他の国際約束の署名又は締結のための決裁文書
法律の制定・改廃の決裁文書
特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人(以下「認可法人」という。)の新設又は廃止に係る意思決定を行うための決裁文書
認可法人の設立・廃止の決裁文書
イ又はロに掲げるもののほか、国政上の重要な事項に係る意思決定を行うための決裁文書
関係閣僚会議、政務次官会議、事務次官等会議付議のための決裁文書
内閣府令、省令その他の規則の制定、改正又は廃止のための決裁文書
府省令等の制定・改廃のための決裁文書
行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等(以下単に「許認可等」という。)をするための決裁文書であって、当該許認可等の効果が30年間存続するもの
公益法人設立許可の決裁文書
事業免許、資格免許等の許認可の決裁文書
内閣府設置法第37条若しくは第54条、宮内庁法第16条第1項又は国家行政組織法第8条の機関の答申、建議又は意見が記録されたもの
十年
審議会等の答申、建議又は意見
行政手続法第5条第1項の審査基準、同法第12条第1項の処分基準その他の法令の解釈又は運用の基準を決定するための決裁文書
法令の解釈・運用基準の決裁文書、許認可等の審査基準
許認可等をするための決裁文書であって、当該許認可等の効果が10年間存続するもの
有効期間が10年以上の許認可等をするための決裁文書
法律又はこれに基づく命令により作成すべきものとされる事務及び事業の基本計画書若しくは年度計画書又はこれらに基づく実績報告書
五年
事務又は事業の方針・計画書
事務又は事業の実績報告書
独立行政法人、特殊法人、認可法人又は民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人の業務の実績報告書
業務実績報告
指導監督の結果報告書
許認可等をするための決裁文書であって、当該許認可等の効果が5年間存続するもの(一の項ホ又は二の項ハに該当するものを除く。)
有効期間が5年以上10年未満の許認可等をするための決裁文書
許認可等をするための決裁文書であって、当該許認可等の効果が3年間存続するもの(一の項ホ、二の項ハ又は三の項ハに該当するものを除く。)
三年
有効期間が3年以上5年未満の許認可等をするための決裁文書
所管行政上の定型的な事務に係る意思決定を行うための決裁文書(五の項に該当するものを除く。)
研修実施計画
調査又は研究の結果が記録されたもの
政策の決定又は遂行に反映させるために実施した調査又は研究の結果報告書
許認可等をするための決裁文書(一の項ホ、二の項ハ、三の項ハ又は四の項イに該当するものを除く。)
一年
有効期間が1年以上3年未満の許認可等をするための決裁文書
  その他の行政文書
事務処理上必要な一年未満の期間
週間、月間予定表
随時発生し、短期に廃棄するもの
1年以上の保存を要しないもの

 

| Topページ | 0.はじめに | 1.情報の記録 | 2.増加する書類 | 3.作成から廃棄まで |
| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

backnext| 7.電子ファイルとファイリング | 8.LANの活用と問題点 | 9.ファイリング意識の向上 |
| 10.ファイリングを考慮した書類の作成 | 11.マネジメントシステム |
| 12.リスク管理 | 13.ファイリングに関する動き | 14.付録 | 15.編集雑記 |


Updated on 2013/09/28