愚行連鎖 D'Addario Zyex DZ610 Bass Set

GB楽器博物館

D'Addario Zyex DZ610 Bass Set

>これまでのお話

Photo 楽器店の試奏器に張ってあって…ファーストコンタクト。

今使ってるオブリガートより好きかも知れない…

試奏器、多分Contrabassi Del Sole…じゃなかったかな?
店頭試奏で弓を借りる勇気はなかった。

 オブリよりも反応が早い気がする。
 オブリよりもずっと明るい気がする。
 結構でかい音が出ます。

オブリよりも抵抗感があるが、辛い程ではない。
ヘリコアよりは楽かも知れない。

Photo D'Addario Zyex Bass、なんでもNAMMショー2010で発表されたホントにニューカマーのようだ。
最初はヴァイオリンとヴィオラのみで、その後コントラバス用が発売されたのは従来品と一緒。

Tension 3/4 Medium
G = 58.0 lbs. チタン巻
D = 59.5 lbs. ステンレス巻
A = 62.5 lbs. タングステン巻
E = 64.0 lbs. タングステン巻


週末の夜、張り替えを敢行。


Photo 各弦ともオブリより一回り細い。(今度計測しよう)
特にD・A弦は直径で0.2mm程度しか違わないのでセットを一気に袋から出すと訳が分からなくなる危険がある。
(D'Addarioは飾り巻きの色がGから順に赤金黒緑になっている)

張る前の巻きを戻した弦はスチールワイヤーコアのヘリコアと余り変わらないイメージである。
実際、外したオブリと較べるとオブリはふにゃふにゃなのが分かる。(経年変化ではなく、最初からこんな感じ)

楽器に張ってないオブリはまさに「芯が糸」の感触だが、Zyex(ザイエックスって読むのかな?)は糸っぽい印象はない。


Photo おもむろにG弦から一本ずつ張り替え、音出しをしてみる。

うん、全く持って試奏時に感じたイメージ通り。
反応が早く、明るい大きな音が出る。
未装着の時の糸芯じゃない突っ張った感じはない。
(私は余り気にならないのだが、オブリガートで嫌われる「ピッキング時にワウンドが廻る」挙動もない。
なかなか良いかも。
これで弦そのものが堅牢だったら言うことはないんだけれど…

と、E弦の交換にかかる。
テールを止めてストリングポストに巻き部分を通して…

均等に引っ張りながら駒から落ちない程度まで巻き上げたら、ストリングポスト付近で「びびび…」と嫌な音がした。

切れた!
と言うよりも芯が引っ張りに堪えられずへたってワウンド内部で千切れ、巻きがほぐれたと言う壊れ方。

嘘だろ…
まだ殆どテンションかかってないし、そもそも切れた部分はどこにも当たってない所だし…


Photo 私はこれはちょっと異常じゃないかと思う。
普通の切れ方ではないし、弦の張り替えに無理があったとも思えない。

明らかに張り替えミスではなく自然破損ではないかと思ったので、購入店に相談に行った。
確かにこの壊れ方はおかしい、と、もの凄く気持ち良く即座に交換手続きをしてくれ、数日から一週間はかかるかと思っていたら翌日には代替え品が届いた。


流石は大手。

で、早速張り替え作業。

Photo ありゃぁ!E弦解放でノイズが出るよぉ〜〜!
今までオブリガートの柔軟性でナット溝に密着していたようだが、Zyexは弦そのものが硬いので、微かにナットへの落ち着きが悪くビビる様だ。

ビビりはナット上を軽く押さえると止まる。
チューニング・テンション掛けて暫く放置すれば馴染んで消えるであろうレベルだが、気持ち悪いのでナット溝を気持ち修正。
溝の当たりを取る程度。指先感覚だけなので正確には分からないが、寸法にしたら0.1mm以下だろう。

正規のピッチにチューニングする。
ほら、ほぼ止まった。
これで数日放置すれば完全に落ち着くだろう。


Photo で、チューニング時にどうしても動く駒。
ウチのに装着しているShadow SH 965NFXは実に繊細というか華奢なPickup。
駒脚の密着が悪いまま使って壊したことがある。

アンプにつないで暫しテスト。
うん、大丈夫だ。


で、気付いたのだが、この弦、PU乗りがもの凄く良いようだ。
生音も従来型のD'Addario Helicoreよりも個人的にはずっと好きだが、じつはライン一発でアンプに通した音が結構魅力的なのだな、これが。

張り立てでも金気臭さがほとんど無いのはシンセティック芯のなせる技だろうが、出音が明確で一寸角張った感じ、サスティンも長い。
こればっかりは個人の好みなのだが、かなり現代的な音である。

最近思うのだが…P.A前提のライブで使うなら、靄った所がない明確な音を出す方が聴衆には聞きやすいのではないか、と。
(とはいえ、Helicore Pizzicatoは些か喧しすぎる)

ゲージはミディアムとライトがあると言うことで、ライトを所望したが、ミディアムしか在庫がなかった。
結果的にはミディアムゲージでも何の問題もない、と言うよりもミディアムで良かったかな、と言う弾き心地である。

Photo 外したオブリガートはYAMAHA SLB-200に張ってみて、もし良かったらSLBはストックの新品オブリにしようかと、取り敢えずその前に現状のまま弾いてみたが…


う〜ん…

Photo SLBにはHelicore(Orchestra)の方が良いような気がしてきた。
(張り替えが面倒になった…訳ではない。多分…)

とっかえひっかえ弾いてたら、なんだかよく分からなくなってきてしまった。
YAMAHAよりも中華ベース百鬼丸の方が発音が明瞭なんだなどうも…
何かイメージが…


ANIMAにZyexとほぼ同じ値段のSetがあるのね…
知らなかった…一寸気になる。

で、今回のZyex、“シンセティック”と銘打っているが、弦単体で触った感じ、ワウンドが解れた部分を見る限りでは…
ギターで言う所のSilk & Steelに似た構造のようだ。
要するに芯線は金属でその回りに合成繊維を巻き付け、ワウンドを掛けてあるんじゃないかな?
オブリガートでよく言われる「ワウンドが廻る」感じはない。
「テンションが強い」と言うイメージではなく、「オブリに較べると剛性感が高い」とでも言うか…
この感じ、悪くない。

ちなみに、Ben, obrigadoだと、ど〜もありがと〜〜!
弦の名前の方はOBRIGATOで音楽用語、助奏の意味ね。

おぶりがーだ!
…あら、やだ、あたしってば…



>続く


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