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遺跡要覧と情報源

周辺の地形
遺跡の時空間
調査区全体図
大形加工材
多様な木製品
漆と朱
律令の祭祀空間
旧石器時代 ナイフ形石器 数点のナイフ形石器が出土しています。オリジナルな包含層は確認されていませんが、暦年代ではおよそ2万年前の後期旧石器時代の遺物です。
縄文時代 柄
漆塗杓子柄
縄文時代前期(諸磯)・中期(加曽利E)の土器も僅かに出土していますが、後期(堀之内・加曽利B)と晩期(安行3b・c)が主体になります。土器・土製品や石器・石製品の他、大形加工材、木製品、漆器、網代、堅果類、イノシシやシカなど、植物質・動物遺存体は枚挙にいとまがありません。当時の河道付近が、木製品の加工など各種の総合的作業スペースとして機能していたようです。ここで生産された製品は、当然広い地域レベルで利用されていたと考えていいでしょう。縄文時代後晩期(暦年代で4,500〜3,000年前頃)は、本遺跡のハイライトとなる時期です。
古墳時代   古墳時代後期の土師器(長胴甕など)が出土しています。
奈良平安時代 池状遺構
池状遺構
掘立柱建物、周溝を持つ土坑、須恵器集中地点、溝状遺構、池状遺構などが、8世紀初頭から10世紀代まで継続する一定の祭祀空間を構成していたようです。中心となるのは、8世紀後葉に始まる池状遺構(12m×5m、1.5m深)で、短軸方向を横断する形で内部に木組が設けられています。覆土からは横刀や鋤先(ミニチュア)・斧など、赤彩が施された鉄製品、馬鍬や鎌柄などの農耕関連の木製品が出土しています。「家成」と墨書された須恵器坏や、瓦塔片の出土も合わせて考えると、律令権力機構の関与が強く感じられます。ちなみに下宅部遺跡から東山道武蔵路の推定線までは1.5kmの距離です。
近世  19世紀代の井戸が発見されています。磁器や擂鉢が出土しています。

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