ALCYONE LEGEND For FLAT6 OH&ドーピング?


 

ようこそ!たぶんここへ来られた方はアルシオーネのエンジンに対しての興味がありありで水平対向とはどんなものじゃい
  と思っておられるに違いないと思います。

ここでは筆者所有の63年式VXが走行距離19万キロと600程走行した時点で遭遇したトラブルなのですがスバルのエン
ジンは巷でロングライフという定評があり、確かにそうです。

  しかし、私のようにご老体のエンジンを極限までこき使っての、あげくの果てが今回の顛末でした。

今回のトラブルは前より伏線がありまして2日程エンジンをかけないと始動後ラッシュアジャスターよりカンカンと例のカン高
い音が30分位消えずに又、夏場のかなり高い気温の時にエンジンの油圧が通常より下がりオイルポンプを交換したりして
のいできましたがメタル系の隙間が過大になってきていて油圧がドロップするものと判断していました。
  
  それからオイル消費が激しく1000キロで1,5リッター位減ります。
  バルブガイドのガタやステムシールのくたびれと判断してそのまま誤魔化しつつオイルのチェックを頻繁にしながら乗っていました
がついに来るべき時が来てしまいました。

 98年の初頭、高速道路を名古屋方面へ向かう途中にイカしたレガシィーGT-Bと高速バトルになり法定速度プラス@での過酷な
  状況を長時間続けた結果、メタルの油膜が切れてしまいクランクかコンロッドのメタルが剥離してしまいエンジンのオーバーホールを
要する修理になってしまった次第であります。

  
修理のプロがこれではダメですね。

                                  エンジンをいたわらずにその瞬間の快楽を求めた結果の天罰ですね。                                 
          そこで普通にオーバーホールを慣行するのでは面白くないので少し、エッセンスを付け加えての作業をする事になりました。       

  内容は巷ではニッサンのRB系、トヨタの1G系等、メジャーなエンジンにはそれなりのメーカーが豊富なパーツをリリースしていて選択
の余地はかなりあるのですがこの当時のスバルのエンジンには現在のレガシーやインプレッサみたいにアフターパーツは無いに等
しく現在のレベルからすると出力や燃費面でも時代遅れという事は否めません。

  そこでエンジンの内部パーツを新製する訳にいかず、限られた資本と今まで培ったノウハウを今回のエンジンにそそぎ込むべく画策
致しました。


軽量加工及び、重量合わせ、研磨作業の終了したコンロッド群です。 まばゆいばかりに光輝いています。


コンセプト発表!

     まず初めにこのER27エンジンの生い立ちから説明せねばなりません。

     そもそもこのエンジンを構成しているパーツがVS、VRのターボエンジンのベースになったEA82というオールニューレオーネから搭載された従来のOHVを
改良してOHC化したスバルの新世代エンジンの内部部品を多用しているという事です。

     ベースエンジンの18004気筒エンジンにもう2気筒付け足した単純明快なエンジンです。

     1800の半分の900を足して2700の排気量であり最高出力もベースエンジンの100馬力の1,5倍で150PSとパワーまで同比率の向上を見せています。

     最近ではモジュラーエンジンと言ってシリンダーやブロックを共用してニーズがあれば即、異なる排気量やシリンダ数のニューエンジンを外国メーカーが製作
しだしました。

     通常、排気量を倍にしても抵抗や損失で同じ比率で馬力も上がらないのが普通なのですがこのエンジンはそのままで150馬力あるのが面白い所です。

     今回のエッセンス、すなわちドーピングはレオーネに省燃費対策車でSEというグレードがありこれは高圧縮比のピストン形状をもちメーカーがリリースして
いる以上、安全なパーツであり要のピストンはこれを使用します。


     当然、製造時にばらつきのある重量差をシビアにそれぞれ同量になるように合わせます。

    更に、ピストンピンを加工軽量致します。

     これはターボ車でも同様のピストンピンを使用していますのでNAのVXにはオーバークオリティーだと思われます。

     燃焼圧力がそんなにターボほどかからないのでこの軽量化はレスポンス向上に対して効果はあると判断しています。

     それからピンを受ける部分に小さな穴を開けてピストンが下降していく時に油滴を捕らえて潤滑に対する対策を施します。

     本当はこのピストンの場合、ピストンピンの支持がフルフローで潤滑の面では心配ないのですがこれからのノウハウ蓄積の
     一環としてトライします。

     次にシリンダーヘッドですがこれもベースエンジンから譲り受けたバスタブ型燃焼室でノッキングに強い形状ですがこれもスキッシュエリアを加工して耐ノック性や
混合気の撹拌性を向上さしながら専門書を参考にしながらやります。

     圧縮比ですがノーマル状態で9,5と良好な数値なのですがこれには満足せずに11位をターゲットにしてピストン頂部、燃焼室容積を測定しながらヘッド面の削り
代を算出します。

     これは2分割になっているヘッドの構成からインテークマニホールドの取り付けボルトの関係上折り合いをみて最終の圧縮比を決定致します。

     今回のコンセプトは馬力優先ではなくレスポンス重視の気持ちいいフィーリングのエンジンを目指す事としてフリクションを出来るだけ少なくする為にクランクピンと
ジャーナル部を削ってアンダーサイズのベアリングを組み込み寸法からすると些細なものですが細かい部分での積み合わせで徹底的にロスをなくしながら
加工、組立を行い、バルブ系の軽量化やガイドの加工を踏まえニューコンセプトエンジンを作り上げる所存です。


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