7.電子ファイルとファイリング
7-3.紙メディアの優位性

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スマートフォンにも対応したRenewal版を開設しました。ここのサイトデータもアーカイブとしてコピーしています。Renewal版の「ファイリングの部屋」をご利用ください。新しい内容も、少しずつ追加しています。

 

オフィスのOA化が進んでも、ペーパーレスにはなっていないことを「OA化と紙の消費量」のページで触れています。 ここではもう少し進めて、なぜディスプレイではなく紙に印刷して読むのかを考えてみました。

ディスプレイと紙メディアの長所、短所をまとめてみると次のようになります。

 
 

ディスプレイ

長所

・特定の語の検索が容易
・動画に対応
・情報量が多い
・データそのものは持ち運びが容易

・携帯性に優れる
・電源は不要
・目の疲れは少ない
・複数枚並べて見ることが容易
・パラパラめくりがしやすい
・大きいサイズの全体を把握しながら部分も詳細に見ることができる
・置く場所、見る場所の選択の自由度が高い

短所 ・装置の持ち運びが不便
・表示には電源が必要
・ちらつきなどで目が疲れやすい
・複数ページの表示が不便
・パラパラめくりに不向き
・大きいサイズは、全体か部分かどちらか一方しか見れない
・設置場所に制限

・特定の語は目で探す必要あり
・静止画のみに対応
・情報量が少ない
・大量のデータは重く、持ち運びが不便

パラパラめくりでは、文字を一文字ずつ読んでいるわけではなく、パターン認識に近い読み方をしています。これが極限までいくと、速読とよばれるものになり、1分間に3万字から5万字(通常は500字前後)読むことができると言います。ここまでくると、ディスプレイで表示させることは不可能になり、紙の独壇場となります。

A3サイズ以上の大きさものは、画面で全体を表示させることはできますが、このとき詳細な部分を見ることはできず、拡大して表示させなければなりません。しかし、拡大すると、全体の位置関係をつかむ事が難しくなってしまいます。これに対し、紙を用いたものは詳細な部分を見ながらも、全体との関係を常に把握することができます。設計図を見るときは、非常に大切なことです。

最近ではディスプレイもブラウン管から液晶ディスプレイに主力が移りつつあり、設置場所も少なくてもよくなりましたが、まだかなりの制約があるといわざるを得ません。
紙に変わるものとして、電子書籍、PDA(Personal Digital Assistance:個人用携帯端末)、ペーパーディスプレイなどが注目を浴びつつあります。

電子書籍(電子ブック)は、ほぼPDAと同じ大きさの機器を使って本を読もうとするもので、数年前からこれを普及させるためのコンソーシアムが活動していますが、あまり成果は上がっていないようです。携帯端末の中に、数冊分の本を取り込むことができ、単行本より軽いとはいっても、文庫本の方が読みやすいのは誰もが認めることでしょう。

PDAはこれまで、スケジュール管理、住所録のほかは、ちょっとしたメモを取る程度でしたが、最近では能力が上がってきており、インターネットの閲覧のほかワープロ機能も充実してきました。PDAはすでにシステム手帳の代替として十分実用の域に達しました。(あとは、値段だけの問題です。)

ペーパーディスプレイは話題にはなっても、実物を見ることはなかったのですが、そろそろ展示会などで発表されだしています。さまざまな角度からアプローチされていますが、基本は紙の長所を取り入れようとするものです。
一旦表示したものは、電気が無くてもそのまま表示され続ける(表示内容を更新するときだけ電気を利用する)もの、軽く薄く、折りたたむことができるものなどが考えられており、実用化も近いものと思われます。
しかし、満員電車の中で新聞や本を読むような使い方は、まだまだ不可能と思われ、使われる用途は限られるものと予測できます。

 

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Updated on 2013/09/28