愚行連鎖 Martin Style18一寸研究

GB楽器博物館

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商標に“EST 1833”と誇らしげに書かれた創業年を見ても分るが、Martinは現存する最古の組織的ギターメーカーであり、現在アコースティック・ギターと呼ばれるフラット・トップ・スチール・ストリングス・ギターの原型を完成させた会社でもある。
>Martin Histry
>Martin Histry(和文)

現代アコースティック・ギターの直接のルーツとも言えるMartinオーケストラモデルに関しては、 [GB楽器博物館]資料の頁:5 OM(Orchestra Model)についてで簡単に記述したが、現代アコースティック・ギターの発生は、要約すると以下のようなことになる。


他の弦楽器もそうであるように、ギターは元々が羊腸(Gut)等を弦に使用した物であった。
クラシック・ギターやフラメンコ・ギターはその伝統的音色を重視して、弦素材を羊腸から新素材ナイロンに移行したが、要求される音楽によって、より大きく、より明確な音質を求めて、新天地アメリカで金属弦に移行し、花開いたグループもあった。
その中心的存在が当時ドイツより移民し、合衆国で楽器商を営むギター職人、Cristian Frederic Martin I世であった。
> [GB音楽館]ギターメインテナンス:弦の素材について

Martinのオーケストラモデルを「アコースティック・ギターの直接のルーツ」と書いたが、それまでも、金属弦を使用するギターは存在した。
現在の標準的アコースティック・ギターは金属弦に細身の棹(ネック)と14フレット部分で比較的大型のボディと接合された物と言うことになるが、当時は現在のクラシックギター・スタイルの楽器:太めの棹を12フレット部分で小型ボディに接合:に金属弦を張った物であった。
時代の要求により、より大きな音量を目指し、ボディは少しずつ大きくなり、奏法の変化に伴って、実効弦長が長い14フレット接合のロングネックが現れた。これがオーケストラモデルである。
全ては流行に追われて食い詰めたバンジョープレーヤーの思いつきから始まったのだと言える。

アコースティック・ギター、その誕生から立ち会ってきたMartin社では用途によって数々の型番を揃えている。
分類大綱の一つは型番最初部分のアルファベットなどで表されるボディサイズ。
そしてもう一つは型番に表示された数字部分である。
数字は基本的な材質と装飾の種類を表し、確認できた物では
( 1)( 2)(15)(16) 17 (18)(19)(20)(21) 22 23 24 (25) 26 27 (28) 30 34 (35) 36 (37) 38(40)(41)(42) 44 (45)(50)(60)(62) 64 65 68(76)(93)
などがある。
( ):Dサイズ有り。
調査:戦うおやじの応援団山下さん
現在(2003)Martin社のWebカタログには
15 16 17 18 21 28 35 37 40 41 42 45 50
等の数字型番のモデルが掲載されている。
基本的にStyle30以上の型番は貝装飾などが施されたモデルであり、材質構造や歴史的分類から言えばStyle18と28がMartinギターの基本的な型番と言うことが出来る。
Style28については、D-28徹底研究という超有名サイトがある。
ここではベーシックモデルであり、人によっては「一番Martinらしい」とまで表されるStyle18について、ほんの少しだけ調べてみようと思う。

> [GB楽器博物館]ギターについて ギターボディのこと
> [GB楽器博物館]資料の頁:5 OM(Orchestra Model)について
> [GB楽器博物館]資料の頁:5 各サイズの呼び名


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