愚行連鎖 資料の頁
アコースティックギターと一言で言っても…

GB楽器博物館

ギターについて

Martinロゴ ギターボディのこと

無銘の国産ドレッドノート マーチンのギター、あるいはそのコピーの型番の“D”がドレットノート(Dreadnought)と言う言葉から来ていることは割合知られているが、その名前が100年近く昔の大英帝国海軍の誇る巨大戦艦であったことは意外に知られていない。
“弩級(どきゅう)”、“超弩級(ちょうどきゅう)”等と言う言葉もいまだに時折使われるが、これもこの戦艦ドレッドノートに由来する。(「弩」は「ド」の当て字)
1916年、マーチン社が楽器商ディットソン支配人ハリー・ハントの注文でオリジナルギターを試作した時にその中の一番大きなボディをマーチン氏が、「まるで戦艦ドレッドノートだ」と言った事からこの型番が付けられたと言われている。

後に1931年、マーチン社はディットソンのOEMから自社製品としてのドレッドノートを試作し、1934年に正式にドレッドノートと名付けたギターをマーチン・ブランドで発売することになる。
マーチン社はロゴに書かれた“EST.1833”の文字からも分るように、マスプロギター、特にスチール弦ギターの製造会社としては世界最古の歴史を持つ。
(マーチンのギター作りは1800年代の始めに遡るが、ドイツから移住した初代C.F.Martinがニューヨークに店を開いたのが1833年である。)
現在あるアコースティック・ギターの基本形はマーチン社が作り出したと言っても過言ではない。
このマーチン社の型番呼称がそのまま現在アコースチックギター(フォークギター)のボディ形状を現す様になっており、マーチン社以外のギターでも**社のDタイプ等と呼ばれる。

通常、大型のボディを持つドレッドノートはコードを刻んだり、フラットピッキングを演るのに向き、オーディトリアム等の小型ボディはフィンガーピッキングに向く、等と言われるがあまりこだわる事は無いとおもう。
要するに弾きやすく自分の気に入った音の出るギターを使えばいいのだな。

>Martin Histry

Warship Dreadnought
 

  

ボディの材質では、一般に表面板には柾目が奇麗に通ったスプルース等の針葉樹が使われる。
側面板や裏板はローズウッドやマホガニーなどが使われ、それぞれに音質に差が出る。
高級品では充分に寝かせた材木からとった一枚板が使われるが、中級品以下では表面のみ一枚板、あるいはすべてが合板(要するにベニヤ板)だったりする。
ネック部分も高級品は1本の材から削りだして作るが、安物はつぎはぎだらけの合わせネックの場合が多い。
この辺りがギターの価格、1万円台から100万円を越す物がある秘密なのだな。
国産ギターの場合、[単板」とことわっていない場合は大抵合板製であるが、マーチンの場合は、かつて合板ギターはカタログにわざわざ「ラミネーテッド」とことわリ書きが入っていた。
(現在は国産と同様、“Solid”表示がない材は合板である)

しかし、どんなに高級なギターでも飾ってあったものじゃぁどうしょうもない。
きちんとメンテし、ン10年じっくり弾き込んだ国産の安物にもかなわないのだな。
結局道具なんて使う側の問題だって、結論に達するのであった。


アコースティックギターのボディシルエット

ギターボディシルエット

右から
☆L: ボディの長さ、W: ボディの横幅、D: ボディの厚み(Martinの型番による/単位はInch)

>各サイズの呼び名

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