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秋の事であった…
こんなモノが玄関に…
少々難あり。超特価!
総単板削り出しなれど、側板にニス垂れアリ。
いや…
本当はこれの調整をするためにチェロ用魂柱立てを発注したはずだったのだが…
何故か、本体も付いてきて…
これより安いんですぜ!
考える事もない。
つい…
リペアの練習台にも良かろうかと…
いや、しかし、作りは悪くない。
(こんなマーク…見た事ないけど…)
材も見た感じではかなり上質。
多分、ヨーロッパ辺りへのOEM製品の製造過程検品でハジかれた材料を使っているのでは無かろうか?
とてもこんな値段には見えない。
(ドイツ国内法では一工程でも国内で施されれば“Made in Germany”と謳って良いのだそうだ。で、ホワイト・バイオリンとかホワイト・チェロ等という塗装工程までを仕上げ、後は色を塗るだけと言う楽器がかなり大量に中国から入っているとの事)
こう言うところが安い要因なんだろうな…。節が…
(何故、こんな姿か…は、後述)
こちらの方が入手された楽器は、有名なハルシュ●ット(多分)のベニヤ板楽器と思われる。
ハルシュ●ットの楽器は店頭で見た事があるが、申し訳ないが弓より安くても食指が伸びる代物ではない。
が、しかし…これはそれとは全く次元が異なる、取り敢えず、見た目は「ちゃんとした楽器」である。
K楽器辺りで売っている6桁クラスの楽器よりもずっと本物っぽい。
ソフトケース(と言うか袋)は一寸恥ずかしくて持って歩けないけどね。
こちらの方が書かれているが…
道具のキャパシティーを自分の技量が超えるのなら、より高度な道具を求めてもいいと思いますが、明らかにそうでないのに、法外な道具を買わせようとするヤカラが、音楽以外の分野でもいますな。壺を買わせるのと同じです。自己暗示。結果、自己満足、はた迷惑。
弘法筆を選ばず、と言いますが、筆には弘法を選ぶ権利がありますよね。道具の声に耳を傾けることも必要ではないでしょうか。
ううむ…
まぁ、皆さん異論はおありでしょうが、私は基本、賛成である。
もちろん、値段が高いモノにはそれなりの理由があるし、値段が高い楽器は良い音がする“事が多い”のだが…
「筆には弘法を選ぶ権利がある」
うむ!肝に銘じよう。
ただ、言うまでもなく、楽器の世界にも安かろうの粗悪品の方が比較にならないほど多いし、モノは良くても未調整で「そのままでは使い物にならない」モノが殆どなので、「目利きの技術」と「調整技術」あるいは「良心的調整を任せられるプロ」が必要ではあるが…
さて、届いたブツであるが…
まぁ、案の定、殆ど未調整。
上駒弦高なんて1mm以上ある。
指板端での弦高は10mm越え。
駒のアールは「他の楽器でまとめて合わせただろ?」と言う位指板アールと合っていない。
これでは「ちゃんと弾けない」わなぁ…
上駒での弦高を0.5mm程度(もっと下げても良いが取り敢えず…)に、駒位置もこれから動く可能性もあるので1弦8mm程度まで下げて様子見。
でも、いや、これ、かなり良いんじゃない?
発音も良いし(音、でかっ!)、安物中華弦の筈なのに出音も悪くない。
何より見た目がとてもバス弓より安いようには見えないし。
もしかして大当たりか?
いやしかし、5度調弦って、なんて複雑なんだ…
指も沢山使わないといけないし…
等と喜んで遊んでいたら、なにやら異音が…
ありゃりゃん…
送り返そうにも巨大で邪魔な梱包材は全て捨ててしまったし…
と、購入先に連絡を取ると…
当方から必要な物をお送り致しますので、そちらで
指板の接着をお願いできませんでしょうか?
ご購入履歴や先日のお電話の様子から、楽器に明るく
ある程度の事はご自身でなさるのではと推察した次第です。
うははは!
をぃをぃ…なんかエライ事に…
い〜のか?そんなことで。
つ〜か、完全に方向性、読まれてね〜か?ワシ。
浮いた指板は丁度真ん中当たりまで接着が剥がれていた。 綺麗に剥がす事が出来れば、後は位置合わせと密着だけに気を遣えばいい…だろう、多分。
かくして、新人の中華虎虎大提琴は着任早々かようなあられもない姿になるのであった。
うひひ…
なんか楽しい。
ついでに極めていい加減に削ってあった駒も本気で削り直し。
テールピースはホイットナー・タイプの軽合金製4連アジャスター付き。
小刀は親父が作ってくれた手製のモノ。2本ほど貰ったが…形見になってしまった。
これが使いやすくて切れるんだわ。