GBのアームチェアCinema見ist:釣りキチ三平

釣りキチ三平

釣りキチ三平

監  督 滝田洋二郎
音  楽 海田庄吾(主題歌 the generous“Heart”)
主  演 須賀健太
助  演 渡瀬恒彦/塚本高史/土屋太鳳/香椎由宇
製 作 年 2009
シナリオ 古沢良太
原  作 釣りキチ三平:矢口高雄


公開 日本2009年3月20日と言うことだが、もう旬を過ぎたのか、それとも元々転けちゃってたのか…

この劇場では既に他の作品と交代上映で、上映は日に一回。それも18:00から。

このひ映画のハシゴをして、一本目に観た“ヤッターマン”も、前評判から混んでいるかと思いきや、拍子抜けする入りだったが、こちらも指定券を持ってドアを開けると…

なんだよ、1〜2割程度の入り。
それも年配者ばかり…

ネット上の情報、レビューも極めて少ない。
ううむ…

私が鑑賞したのは2009年4月5日だが、翌週4月11日の時点で、都内の上映館はがっくり減っている。
先週鑑賞した劇場がある地元池袋ではすべて終了…

原作は、矢口高雄による漫画作品。
アニメ化もされた。

漫画は1973年から10年間、『週刊少年マガジン』(講談社)に連載され、続編や単発の読み切り作品もたびたび発表され、現在は『平成版・釣りキチ三平』が連載再開されている。

釣りキチ三平 映画は秋田県横手市・湯沢市・由利本荘市などでロケ撮影された、今回が初の実写作品となる。

公開直前に滝田監督作品“おくりびと”がアカデミー賞外国語映画賞を受賞した事により図らずも“アカデミー受賞後の初監督作品”となったのだが…

実は、滝田監督は実力者を多く輩出したにっかつロマンポルノ出身。
エロというなかれ、ロマンポルノは映画人の登竜門だったのだ。

登場人物設定こそ違え、ストーリーの中核は原作「夜泣谷の怪物」に沿い、作品は極めてストレート。ど真ん中直球勝負と言った感じ。
とにかく、秋田の山渓の景観が美しい。

マニアは自分の守備範囲の映画を見るべきではない、と私は思うのだが…
つまり、事象の些細なところに目がいってしまい全体像やストーリーから気持ちが離れがちになってしまうから。
この作品も、本当の「釣りキチ」から見れば突っ込みどころは満載の筈である。
(源流のイワナがどう見ても養鱒場生まれプロポーションだったり…)
が、その肝心の魚釣りの映像は、かなりリアルだった。許せる範囲だと思うがどうだろう?

魚紳さんはちょいと若すぎる…様な気もするが、あの“三丁目の夕日”の子供は立派な三平三平になっていたし。

しかし、魚を追いかける水中シーンになると、どうしても、特撮潜水艦映画に見えて仕方がなかった。
遊弋する大岩魚の尻鰭の両脇に真鍮の2軸推進スクリューがついていそうな…
今にも後部発射管がガバと開いて酸素魚雷撃ってきそうな…

SFXに頼りすぎるのはいかがなモノか、と言う意見が多いのも仕方がないかも知れない。

釣りキチ三平 秋田の山奥の自然は、とても美しかった。
風は爽やかに吹き抜け、眩しいほどの陽射しに溢れ、渓流の水がほとばしる…

しかしなぜ、こんな季節に封切りを?
できればこの作品は、夏に観たかった。
(エアコン止められちゃった劇場、入りが悪いから節約したのか??…寒かったんだよ〜)



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