新・闘わないプログラマ No.462

似た


先週、「競合製品がないから、みんな同じ製品を使うハメに」などと書いたら、図ったようにLet's noteの競合製品が出ましたね、それもSONYから。この前も停電の話を書いたら、その日に東京で大停電があったりして、もしかして私って予知能力が? ←たぶん勘違い。

このVAIO type G、スペックを見た限りではかなり力が入っていますね。Let's noteで言えばTシリーズとWシリーズともろに競合する製品になっています。開発者に対するインタビューでは「Let'snoteを意識しなかったといったら、それは嘘になりますが、意識したのはLet'snoteだけではありません」と言っていますが、実際の製品では意識しまくりでしょう、これは。
3年ほど前にVAIO 505 EXTREMEという、Let's noteで言えばRシリーズと競合する(というと異論もあるかも知れませんが、10.4インチ液晶パネルを使っているという意味で)製品が発売されました。これ、確かにデザインや薄さといった点での見た目はLet's noteよりはるかに格好いい(と思う)けど、バッテリのセル数を少なくし、各種インターフェースを外出しにし、かなり実用性を犠牲にしてまで薄く・軽くした製品で、そりゃあ「スペック的には一見すごいけど、実用性は……しかも値段は高いし、これは大して売れないでしょ」と思ったことがあります。
この505 EXTREMEははっきり言って際物でしたが、こんどのtype Gは違いますね。「本当に持ち歩いて使える実用的なノートPCを追求しました」という設計者のメッセージが伝わってきます。Let's noteとこのtype Gの違いをいくつか挙げてみると、

他にもいろいろありますけど、この中で一番の注目点はHDDでしょうか。Let's noteは頑なに2.5インチHDDを使い続けています。他社のモバイルノートPCがたいてい1.8インチに移行しているのに。あ、そういえば以前、Let's note Tシリーズで、軽量化だけを目的として1.8インチHDDを載せたモデルがありましたっけ。ですので「頑なに2.5インチHDDを使い続けて」というのは正確には誤りですけど、まああれは参考記録ということで。
ユーザから見た、2.5インチHDDが使われていることの最も大きな長所は、大容量のHDDを選ぶことができる、というのがあります。私が今使っている、1年ほど前に買ったLet's note R4は、松下の直販サイトで、BTOで100GB HDDを選んでいます(市販モデルは確か60GBだったはず)。調べてみたところでは、いま存在しているHDDの最大容量は2.5インチで160GB、1.8インチで80GBのようです。
あと、2.5インチHDDが使われているといいことには「HDDの換装が容易」というのが挙げられます。ディスク容量を増やしたい場合や、ディスクが壊れてしまった場合など、2.5インチHDDならそこいらの店でいくらでも売っていますから、それを買ってきて交換することが可能です。それに対して1.8インチHDDは入手性がいまいちよくありませんし、高いです。
まあ、松下が「ユーザが簡単にHDDを換装できるから」という理由で2.5インチHDDを使い続けているわけでは無いでしょうし、HDD換装が容易だからとLet's noteを選択する人がどれだけいるかはわかりませんが……聞いた話では、HDDの換装をしていると、その部分の故障でなくても松下は修理してくれないそうです。
まあとにかくそんなわけで、私としては2.5インチHDDのモデルのほうが好きです。

「Let's noteともろに競合する製品がやっと出たなあ」「やっぱり競争がないと価格も下がらないだろうし」というのが、このtype Gという新製品を目にしたときの感想ですが、しかしこの方面は狭い市場らしい(それも縮小傾向?)なので、共倒れになる危険性も孕んでいるとも言えます。
しかしまあ何と言うか、「マネシタ電器」と呼ばれた松下の真似した製品をSONYが出すとは、時代も変わったものです。


2006.11.13 追記
「いま存在しているHDDの最大容量は2.5インチで160GB」と書いたところ「200GBっつーのがもう出てるだろーが、ちゃんと調べろ、このタコ」(意訳です)というメールを複数いただきました。すみません、調べ方が甘かったようです。訂正しておきます。

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