夏休み企画 人間萬歳 〜実篤のこころ〜


 これまでの中で一番早い、朝9時過ぎに行った。一番乗りかとおもったら、先客がお一方いらっしゃった。
 例年夏休みに開かれている実篤入門。代表作を中心に各時代まんべんなくとりあげているし、文芸・書画・新しき村と活動分野もバランスよく配されている。基本的な資料のため初見のものはほとんどないが、その選び方と構成はよく考えられたものだと思った。展示パネルの説明一つ一つもよく練られた文章で、よく理解してかつ見る人に伝えようという気持ちがないと書けないものだと、改めて感心した。

 今年も「実篤に挑戦」のコーナーがあり、実篤の絵とそのモデルと画用紙が置いてある。実篤が描いたのと同じ物を描くことができるのだが、私は今年も不戦敗だ。いつも配布されている展示目録に加えて、絵などについての別紙資料も5種用意され、入門者向けの(そうでない人にも展示パネルや配置の一つ一つがひじょうに味わい深かったと思う)良い展示だった。順路の終わりには実篤の書「人間萬歳」が掛かっていた。りっぱな字で展示のしめくくりにふさわしい書だ。来年も夏休みには同様の展示があると思うが、初めて記念館においでになられる方(特に小中学生には)この展観をご覧になるようおすすめする。

 萩がのびて記念館から公園へ抜けるトンネルの入り口を覆うほど。朝の雨を浴びて緑もきれいだ。旧邸の周りを掃き清めている人にあいさつして、公園口への坂をのぼった。

※8月25日(火)には「聞いて、見て、楽しむ会」が開かれた。14時から16時、場所は記念館。参加は無料で父母の参加も歓迎。

(1998年8月14日見学)
(1998年9月11日:記)
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