ビールにもいくつかの流れがある。各社主力商品の販売競争は当然として、価格面を追求した発泡酒や高級感を競うプレミアムビールにおいても、先行するメーカに他社が対抗商品をぶつけてさらなるシェア拡大を目指している。
『麦100%』というと「ヱビス」に「MALTS」という状態が長らく続いていた。しかし、昨年各社が「ヱビス」対抗のプレミアビールを発売したのに続き、大衆ブランド(といってよいのかわからないけれど)においても『麦100%』を前面に押し出した新製品を売り出しはじめた。
ビールには「麦酒」という漢字を当てるのだから、米・トウモロコシ・芋などの副原料は使わない方が良いに決まっている。私はこうした新製品の登場を歓迎する。そんなわけで、ありがたく味わわせていただこうと仕事の帰り道に近所の酒屋に赴き、目に付いた銘柄を飲み比べてみることにした。今回はまず通常価格帯の製品である。
→プレミアムビール
→通常価格帯ビールその2
→2001限定ビール
→その他の麦100%
以下に記す感想は筆者が酔いに任せて書き連ねた個人的意見である。味覚に自信があるわけでもなく、事実認識に誤りがあるかも知れない。また、全く異なる感想を持たれる方もいらっしゃるかと思うがなにとぞご容赦いただきたい。ご覧いただいた方ご自身の舌でお確かめいただければ幸いである。なお、私は各ビール会社とは一切無関係である。また配列は順不同である。
Asahi SUPER MALT | |
宣 伝 (英文) |
"This beer is brewed from quality ingredients by using our pure cultured yeast." |
宣 伝 (和文) |
『モルトの味わいと、ライトの軽やかな飲み口を兼ねそなえた、新 麦芽100%生ビールです。』 |
感 想 | さっぱりとした口当たりはドライ譲りだろうか。苦みは少ない。アルコール分が約3.5%と低めに設定されていることもあり、宣伝文句どおり「ライト」な感覚である。色合いも若干薄め。 トータルとして飲みやすいビールに仕上がっている。マイルドな後味をもの足りなく思うかどうかは個人差かも。 |
SAPPORO GRAND BEER | |
宣 伝 (英文) |
"THE BREAK-THROUGH BEER FROM SAPPORO,BREWED FOR THE NEW CENTURY'S LEADERS" |
宣 伝 (和文) |
『ググッときて、スッとひく。これが、グランドブレイク』(添付シールに記載) |
感 想 | 金属質の味。苦みが勝ってしまう。『黒ラベル』のメーカーさんがこんな製品を作るとは....(嘆)。このビール、自腹を切って飲むことはないでしょう。 |
SUNTORY MALTS | |
宣 伝 (英文) |
"RICH & SMOOTH DRAFT BEER BREWED WITH NATURAL WATER" |
宣 伝 (和文) |
『副原料を一切使わず、天然水だけで仕込んだ麦100%の生ビールです。』 |
感 想 | 飲み口はキリッとした感じで若干の重厚感がある。「辛口」とされるピリピリした味ではなく、ビール本来の苦みが感じられる。後味は爽快。ただし、私が好んで飲む銘柄なので味に慣れているだけかも知れない。 一時は『麦100%はMALTSだけ』というコピーを用いて他社からクレームを付けられたが、昨今の情勢を見るにつけ『麦100%』の選択は間違っていなかったというべきであろう。 |
KIRIN BEER 素材厳選 | |
宣 伝 (英文) |
"100% EUROPIAN MALT SELECTED AROMA HOP FRESH YEAST BREWING" |
宣 伝 (和文) |
『ヨーロッパ産の厳選した麦芽とホップだけを使用し、独自のフレッシュイースト製法で素材のサッパリした「うまみ」を引き出しました。』 |
感 想 | これも苦みが抑えられ、軽い飲み口になっている。アルコール分は5%ということになっているがライトビール的感覚である。ラガーのしっかりとした飲みごたえとは対極の位置にある。なかなかイケると思います。 |
(2000/3/15 作成 4/4,5/3 修正)
→プレミアムビール
→通常価格帯ビールその2
→2001限定ビール
→その他の麦100%