奈良県知事候補へのアンケート


あいさつ

はじめまして。奈良市法蓮南(一条通り)に3年住んでました横田と申します。
奈良県知事への立候補を表明されたとのことで、早速ですが簡単なアンケートをお願いしたいと思います。

 いただきました回答につきましては、公示前までに、ネットで紹介させていただきたいと思いますので、そのように仕立てていただけますと幸いです。
衆議院議員の時も同様なアンケートをお願いし、下記URLにて掲載してあります。
http:// www.amy.hi-ho.ne.jp/miskij/nara024j.html

質問内容

Q1.
 昨年の大和北道路に関する環境影響評価準備書では、柿本知事が「県民とコミュニケーションを図ること」と指示しています。
 継承されることになるかどうか判りませんが、もし、そうなるようであれば、これをどのように継承されるのか、具体的に教えてください。

Q2.
 環境影響評価準備書に対し、下記を指摘し、知事宛で送付済みです。
 これに関して、率直に思われた事を述べていただけたらと思います。

1.トンネルを通すなら、事前に地下水位を保持できる設備を試作し、確認すること。
2.トンネルを通した後、深刻な渇水が発生しても遺産保存のために注水事業を中断
  することは出来ないことを県民に納得してもらうこと。
3.各種の変動要素を組み入れた評価にすべき。
4.高松塚シンポジウムで青木氏が発言し、またユネスコも求めている、
  「柔軟に修正でき、やり直しのできるもの」の評価が欠如している。
5.八条で、大和北道路本線は現在の国道24号線の上を跨ぐ構造になって
  いることが明記されていない。
6.八条付近での、50mにおよぶ標高差の上下移動に伴う環境負荷が示されていない。
7.景観への影響は遠景、近景、車両移動、歩行移動など多面的に行うべき。
8.その他:
  ソニーやサンヨーがリチウムイオン電池を「全数回収」したこと。
  日立製作所が「(中部電力浜岡原子力発電所で発生した破損に際し)
  もっと幅広く検証すべきだったという反省点はある」と述べたこと。
  環境影響評価準備書の応答を紋切り調子に終始させることは、
  コミュニケーションの点で疑義である。

それぞれの子細については、ネットにて2006/12/30に公開しています。
もしお時間があれば、下記URLにてご覧いただけますと、より深くご理解いただけると思います。
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/miskij/nara024m.html

Q3.
 ゴア氏の「不都合な事実」を見て、さらに調べたところ、平城京跡近辺での、夏期の地下水位の周期的な低下は、農作物の地下水のくみ上げによるものだと判明しました。
 また、1年おきに県営プールの閉鎖が発生するほど、渇水が頻繁に起きていますが、万が一、トンネルを通して地下水位が下がり、注水事業を行うことになれば、プールの閉鎖だけに留まらず、市民生活において水を利用する場面、つまり農業だけでなく、ホテル、飲食業など様々な分野にわたって大きな制限が発生することも予想されます。
 これを事前に説明していないことも含め、どう思われますでしょうか?

Q4.
 私のサイトでは迅速な代替案として、第二阪奈道路を菅原から北へ延長し、やっと秋篠まで延びてきた大和中央道までつなぐことを提唱しています。
 家屋の移転補償については、神戸淡路震災復興や都市再開発などで適用されたと聞く「等価交換」が考えられます。
 具体的には高の原や登美ヶ丘近辺の住宅物件の提供です。また、状況によっては移転対象世帯の近辺世帯が代わりに提供物件へ移転し、空けてもらった所へ対象世帯が入る(玉突き方式)などの方法も考えられますが、いかがでしょうか?
(周辺の動線を考え、阪奈道路の宝来IC周辺の改造は不要と考えられます)

 加えて、第二阪奈道路の中町ICを、宝来方面にも出入りできるようにすると、大和中央道としての機能をほぼ満たせることになり、この付近の大和中央道の計画を無理して実施する必要がなくなり、予算を他に回せるようになります。
 なお、菅原・秋篠近辺の環境保持対策としては、出入りをETC 限定にすれば、地域限定にしたり、夜間割り増し等で流量を制御できると思われます。

 不思議なのは、西名阪の法隆寺ICと郡山ICのほぼ中間に、安堵ICを設ければ、筒井近辺の工業団地への出入りがしやすくなるのに、未だにその話を聞かない点です。これがあれば、法隆寺の近辺を大型輸送車両が行き来する不自然な景色や、郡山近辺の集中が解消しそうなものです。
 安堵ICのETC利用と、中町のETC利用を組み合わせて、誘導することも出来ます。

以上になります。
長くなり恐縮ですが、ご協力ありがとうございました。

追伸

 6日に辞職届を出されたとのこと、おつかれさまでした。遅まきながらマニフェストに奈良の連絡先が記載されているのに気づきましたので、こちらにも送らせていただきます。

 政策提言4ですが、奈良の地質学的な特性や、国際的な地位を充分に理解したうえで、必要なら修正も受け入れるような文面にしたほうが良いと思います。

 近鉄西大寺駅や平城京跡内の線路の地下化ですが、豊潤な地下水にて保護されている埋蔵遺跡への悪影響があり、文化庁も「掘るな」と近鉄に指示していることをご存じでないような記述と感じられます。また、この事業案を、世界遺産の登録要件の観点から見ても文化庁、ユネスコは認めない可能性が高いです。

 JR奈良駅周辺のJR線が高架で立体化された理由の一つが、地下水位への影響を避けるためと解釈すると、近鉄西大寺駅も、車両基地(車庫)付近へ少し移設する形で高架化したほうが合理的かつ整合性も合うと思います。また、多量の泥も出さずに済みます。

 平城京跡の中を通る部分については、私案では国道308号線の菅原〜三条大路2間を6車線に拡幅し、阪奈道路の機能を移した上で、阪奈道路に近鉄線を地上線のまま移すのが賢明と思います。そうすれば菅原の阪奈道路と国道308号を分岐させる部分の構造もシンプルなものになります。

 老朽化が進む奈良市役所庁舎の建て替えの際に、新庁舎の1階を新大宮駅にする事も考えられませんか。

 なお朱雀門となりの積水化学は、もともと移転予定だったのですが、奈良市が交通の便の悪い所しか示せなかったためか頓挫したと聞いています。これは国道308号線の南側に半分を移転すれば奈良市も税収を減らさずに済みませんか。

 リニア新幹線も、地下を通すと思いますが、中米のグアマテラでは下水管の破裂による漏水が原因と推定される深さ100m に達する陥没が発生したそうですので、40m以上の地下は安定しているというのは疑わしくなります。

 それから2004年3月末まで毎日新聞の奈良支局長を勤めていた方は、県庁を交通が便利な所へ移転して、跡地に適切なホテルを建てれば良いのではないか、と毎日インタラクティブの奈良版の「支局長からの手紙」のコラムで提案していました。今の県庁を建てる前に、遺跡調査は済んでいるからすぐに建て替えられるでしょう、とのことです。
 海外の有名な観光地のホテルには、保険会社も付いているそうです。その保険会社の目にも適うような観光事業を意識されたら良いのではないでしょうか。

 高松塚古墳の解体では、解体途中で崩壊の危機との報道がありますが、専門家によれば「何でも起こり得ます」との事です。これは平城京跡でも同様でしょう。どうぞ、よろしく熟慮をお願いします。


(上記、荒井候補の辞職報道後にマニュフェスト(公約)を読み、意見を荒井候補に送付。西候補にも情報提供の形で同報。)


参考リンク:「ザ・選挙 奈良県知事選挙」

西ふみ子 候補 (2007/3/20到着)
憲法をくらしに生かすあったか県政をつくる会
建設政策担当者「小井修一」

Q1に対して・・・
  奈良国道は、大和北道路有識者委員会設置に関し、「PI(パブリック・インボルメント=積極的な住民参加)の導入」を全国2番目に導入と大宣伝しましたが、結局、住民へのアンケート、指名によるヒアリング、公聴会が全てでした。
  全国1番目のPIは東京外郭道路で行われ、住民代表と国交省・都によるPI協議が現在も続けられています。奈良県のPIはまさに単なる従来型の「審議会」に過ぎないものでした。
  「あったか県政をつくる会」は、世界遺産「古都・奈良の文化財」を真に高速道路から守る立場から、学術団体や市民からの声を十分聞くために、公募委員を含めた新たな「検討委員会」で、ルートの再検討を行います。

Q2.1〜4に対して・・・
  地下トンネル建設による地下水への影響は、国交省の「地下水検討委員会」で報告が出ていますが、「わずか2p程度の低下」と予測し、地下トンネル建設OKの結論を出しています。しかしこれは、コンピューター・シミュレーションによる、単なる予測に過ぎず、2p以上の地下水低下は無いという保障ではありません。
  従って、「つくる会」はトンネル建設は現状では反対です。質問にあるようにシールド工法(地下約30m以上)による、地下水低下があれば対処の方法がないと思いますので、地下トンネル建設は絶対に避けなければなりません。

Q2.6に対して・・・
  「つくる会」は新たな跨線橋をつくる場合は、現状高さを守ります。

Q2.7,8に対して・・・
  その通りと考えます。

Q4に対して・・・
  対案の大和中央道説は選択肢として、重要な提案の一つとして評価できるものです。あと一つの提案として、現状24号線の現道を利用し、主要な交差点を立体化(但し、上り下り各1車線)し、奈良市内での高速道路建設をしないことが古都奈良の文化財全般を守ることになると考えます。
  そのために必要なのは、観光時(土・日及び春・秋のシーズン)には、観光バス以外の車(障害者・子供連れを除く)の進入を禁止し、バスアンドライドシステムを徹底することです。
  将来の交通費は徐々に減っていき、2055年には約半減するとの予想が新たに出てきました、昨年末「国立社会保障・人口問題研究所の発表した資料=2055年には人口1.27億人が8,993万人に減り、さらに65歳以上の人口比率は40%に達する」ことから明らかです。将来不必要な高速道路を12.4km、3,100億円の巨費を、しかも県民1人当たり約6万円も負担させて建設する必要はありません。

追加
  さらに、地下水低下を防ぎ、地下埋蔵文化財を守るために、奈良市に対し、「地下水汲上禁止に関する条例」設置に向けて、努力します。

荒井正吾 候補
(回答待ち)

ちなみに、「まほろば会」(奈良市)、「荒井正吾事務所」(永田町・参議院議員会館)、「新たな都を造る会」(奈良市)の3カ所へファクス、メールで送付しました。

2007.Aug.1st 追記
公示日(3月22日)になり、「個々の質問に対して申し上げることはご遠慮させて頂きます。」旨の短信が入りました。
公示後の連絡のため、更新記載を見合わせざるを得ませんでした。もう少し考えて欲しいものです。
大手メディアのアンケートには回答しているのには解せないものがあります。
また、地元メディアの「奈良テレビ」での公開討論会の出演も「都合がつかない」という理由で断ったとの情報も入っていました。


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