奈良県の衆議院候補への公開質問状


あいさつ

 私は、1997年から2000年まで、奈良市に暮らしていました。このこともあり、大和北道路の行方に関心を持っています。
 未来の子供達へ引き継ぐべき遺産の保護と、住民の生活の視点の両方を持って、これまでの動静を見つめ、公聴会に出席したり意見書を送付したりしてきました。
 これらは、私のweb siteで記してきています。
 http://www.amy.hi-ho.ne.jp/miskij/nara000.html

 2005年衆議院選挙における候補者のお考えをお聞きし、可能な限り有権者の皆様に紹介したいと思います。
 勝手ながら、公示前には掲載更新を終わらせたいと思いますので、遅くとも8月26日までにお答えをいただきたいです。
 ご回答は、メールでの返信(引用返信にして各問に回答を挿入していただくなど、簡単な方法で結構です)をお願いします。
 なお、この質問へのご回答の結果(ご回答の有無も含めて)は、私のウェブにて公開させていただきます。
 http://www.amy.hi-ho.ne.jp/miskij/nara024j.html

質問内容

佐保川直下案の事業費4000億円の半分で、既存住居の移転補償も きっちりやって、奈良市西部の南北往来問題も含めて解消できるような、 パリ市のような環状道路を構築可能なら、どちらを選びますか?

補足

推奨されている、佐保川沿いの地下40m級の大深度ルートにかかる事業費は、 4000億円弱と推定、と報告されています。
PIの段階では、法隆寺よりも高い、高さ40mになる換気塔の設置の 可能性が県民には、はっきりと知らしめられていませんでした。 また換気塔を技術力で解消したとしても、トンネルから地上へ避難 するための縦坑が数カ所必要になる可能性があります。 これらの垂直方向の埋蔵建造物が、地層を縦断することによって、 地中埋蔵物を保護している地下水脈に大きな影響を及ぼす可能性も 考えられます。
さらに、大阪城がすっぽり入る大阪ドーム一杯分(東大寺大仏殿10 棟分)になる多量の土砂の発生および運搬は、奈良県環境総合計画に ある、「ローインパクト」の理念に大きく反することになります。

環状道路案は、奈良市西部を通る大和中央道から第二阪奈道路の 宝来IC〜中町IC、県道枚方郡山線をつなぎあわせ、西名阪道路と交差 する所(安堵町)にICを増設して一続きにする西区間、奈良市東部に おいて京奈道路を延長する形で法用、田原を経由し、名阪国道の福住に 接続する東区間、そして事故が多発する名阪国道のΩカーブでは、 下り坂になる西行き車線を、Ωカーブの南側に設置するループ状の 橋梁+トンネルに切り替え、開放空間にあるΩカーブを全て東行き車線 に割り振る南区間からなります。
これらは世界遺産のバッファゾーンを完全に迂回します。
西区間は実測、250戸前後の移転が必要になり、1戸あたり1億円の 補償を行っても、500億円以下の事業費となると推定します。 東区間は山間部になるものの、東北自動車道の仙台付近の勾配が5% で供されるのに倣って節約型で建造すれば400億円以下です。 南区間も200億円以下と推定されるので、相当な足が出たとしても 1500億円以下で収まります。

子細地図などは、先述しました私のweb siteにて数編にわたり掲載して おりますので、併せてご覧いただければより理解が深まると思いますのでよろしく ご覧ください。

上記、2005年8月17日にて各候補へメールで送付。

追記-1

回答が揃うよう、29日に延期。
あわせて自民の各候補、民主の事務所へ再度依頼。(8月27日)

追記-2

公示されましたので更新をいったん停止します。(8月30日)


参考リンク:「選挙でGO!」

奈良一区
馬淵 澄夫民主前
(回答待ち)
鍵田 忠兵衛自民新
(回答待ち)
森岡 正宏元・自民
8月18日9:54分
  あなたのおっしゃる環状道路もあればいいと思いますが、京奈和道は奈良だけの 問題でなく、近畿全体の環状道路の一部ですからこれも早期完成が急がれます。どう かよろしく。
細野 歩共産新
一括回答

奈良二区
中村 哲治民主前
(回答待ち)
高市 早苗自民元
(回答待ち)
滝 実元・自民
(回答待ち)
中野 明美共産新
一括回答

奈良三区
奥野 信亮自民前
(回答待ち)
吉川 政重民主新
(回答待ち)
正木 敦共産新
一括回答

奈良四区
田野瀬 良太郎自民前
(回答待ち)
森下 豊民主新
(回答待ち)
青木 光治共産新
一括回答

日本共産党奈良県委員会 からの一括回答
2005/08/25
大和北道路に関する公開質問状へのご回答について
横田充洋様

 あなたのご質問にお答えいたします。
 古都奈良の道路問題や文化遺産の保存に強い関心をもって見守っていただていることに、心から敬意を表わします。
 ご質問の趣旨は、現在、国・県が推進しようとしている佐保川に沿った地下トンネル案か、環状道路案かということですが、日本共産党は、単純にどちらかを選択するという態度はとりません。
 古都奈良の道路行政の推進は特別に慎重な検討が必要であると考えています。
 奈良の交通事情、将来の予測から見て、国・県が強調するように、京奈和自動車道大和北道路が計画通り必要であるかどうかを深く検討する必要があります。
 私は古都奈良の道路行政で最優先すべきは、市民・県民の生活道路の整備を最優先とすることにおくことが大事であると考えています。
 京奈和自動車道大和北道路計画は、世界遺産・平城宮(京)跡を破壊するばかりでなく、古都奈良の交通渋滞を深刻化し、大気汚染をもたらし、国・県の財政破綻にいっそう拍車をかける無謀な事業であると考えており、中止すべきものと考えています。
 また、環状道路の必要性をパリのような大都市の例を引いて考えることは、奈良市のような規模の都市にとっては適切でないと考えています。
 問題の南北の24号は朝夕の通勤ラッシュでも、奈良市内の信号はほぼ1回の停止でクリヤーしていることが、高速道路から世界遺産・平城京を守る会の調査で明らかになりました。
 問題は、土日曜日の24号奈良市内の買物や観光客による混雑対策です。その解決策は、1週間のうち2日間の混雑のみですので、必要最小限の交差点の立体化、店内誘引道路の車線拡幅(本線上)一車線増設などで、対処することが必要です。また、奈良への観光は鉄道など公共交通機関を中心として、パークアンドライドによって、奈良の市街地へのマイカーは厳しく規制することが重要であると考えます。
 今後とも、古都奈良の文化遺産、自然・景観の保全のためあなたのお力添えを心からお願い申し上げます。

以上
日本共産党奈良県委員会
ほその    歩
中 野  あけみ
正 木  あつし
青 木 みつはる

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