ALCYONE LEGEND For 170馬力への挑戦Vol 37


さていよいよ最終のページへ来てしまいました。

上記の画像はエンジンを搭載し終わった所ですが搭載過程の云々は割愛しますが無事にエンジンもかかりました。


OHを終えたエンジンを初めて始動する際には必ず行わなければならない儀式?があります。

メタルやカムシャフトのオイルラインに潤沢なオイルが存在しない状態でエンジンをかけるとオイルポンプから供給される
油圧が末端まで届くのに数秒かかります。

その数秒の間に油膜がない部分が損傷する結果になります。

距離を重ねた車のエンジンの摩耗部分はほとんど朝一の始動時の油圧が規定迄発生しないほんの数秒間の間の極小摩
耗が積み重なったものでもあります。

修理を終えた際にエンジンが始動しないようにわざと点火コードの配線を抜いたり、コネクターを切り離しておいて絶対にエ
ンジンが始動しないようにしてからオイルが規定量迄入っているのを確認してからセルモーターを回します。

セルモーターを連続で回すのは6秒、7秒迄にしないとセルモーターに負担がかかりすぎて内部の配線がおかしくなって
しまいますので、気をつけます。

セルを回したら、しばらく休んでを何回か繰り返すと油圧計が上昇しますので2,3キロ位の油圧が出れば末端迄オイルが届
いたという事になりますのでこれで始動への準備はOKですので配線もしくはコードを元に戻して始動します。


オイル漏れや水漏れの最終確認をした後、ガソリンに合わせて点火時期を調整しますが、VXの場合ハイオクが純正指定に
なっています。

ガソリン各メーカーによって配合されている成分の違いにより若干いいハイオクと大したことないハイオクが存在するようです。

筆者のお気に入りのハイオクは日石0菱のダッシュレーサー100なのですがこのハイオクは以前にレオーネのターボエンジン
を改造して夢中で遊んでいた時にターボで走りを追求していくとどうしてもノッキングとの戦いがありました。

当時のEA82のターボエンジンではノックコントロールシステムが標準装備でノッキングが起きると自動的に点火時期を遅らせて
回避するようなシステムになっていましたが走りと燃費を両立するにはノッキングの起きにくいガソリンを入れるのが一番有効で
もありましたが、そんな中で当時の色々なハイオクを入れては走って燃費を測定しながらパワーを追求していましたが行き着い
たのが上記のダッシュレーサー100でした。


どんなエンジンでも最適な点火時期というのがあるのですが点火時期は早ければ早い程、燃費がいいのと馬力も出ます。

しかし、反面ノッキングが出やすくなるのである程度の値に設定しておいてノッキングがが出た時に遅らせてコントロールし
ているのが現状です。

筆者は完成したエンジンの点火時期を25度に設定しました。

標準は20度ですがこの20度はメーカーが余裕を持たせて安全率を見込んだ数値ですので今回のように圧縮比や僅かなが
らの排気量の変更で設定された数値は無意味なものになりますのでこの当たりは実際に車に載せて走ってみて決定します。

筆者が25度に設定して走ってみた感触は大変素晴らしいものでした。

慣らし運転を兼ねて98年の夏に横浜へ行ったのですが、暑い夏場の環境下でエンジンのアイドリングは全くの無振動でしずし
ずと廻っていました。

走りの方は低速トルクが増えて乗りやすいものでしたがもともと排気量のおかげでそんなに発進がトロいという物ではなかった
のですが。


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