ALCYONE LEGEND For 170馬力への挑戦Vol 22
左側の画像はそれぞれ吸気と排気の流れを図示したものです。
従来の2気筒に1気筒を足した構成のヘッドになっていますので吸気は1ポートずつで、排気は1ポートを分岐するというレイアウト
なので排気慣性による吸気効率の向上は無理な感じがあります。
排気のポートはそれぞれ、同排気量の車と比較すると比較的大きなものになっていますので排気の抜けに関しては問題はなさそ
うですが。
吸気に関してはインジェクターの装着される場所からするとバルブまでの距離が比較的短いのでエンジンの応答性はいい方では
ないのかなと思っています。
従来からのスバルの水平対抗エンジンの特徴としてこのバスタブ型の燃焼室があげられます。
見たそのままの形が風呂のバスタブにそっくりなのですが、ショートストロークのエンジンでボア径が大きなエンジンは燃焼室を
コンパクトにする事が出来ません。
エンジンはSV比というシリンダー容積に対する燃焼室の容積が小さい程効率がいいのですがボア経そのままで燃焼室を形成
すると効率が落ちてしまうので燃焼効率をよくしたまま燃焼室を設計するとおのずとこういう形になってしまうのですが、この当た
りは昔からの設計を引き継ぎいたという事情もあると思いますが、本来はペントルーフ型と言われるレガシィの4バルブのDOHC
型に採用されているのがいいのですが、2バルブと従来の設計のヘッドなのでヘッドボルトの穴の位置を変更してまではプラグ
の位置を変える事はコスト上、難しいと思われます。
2バルブのSOHCではどうしてもカムシャフトがバルブの真上にきますのでプラグを燃焼室の中心にもってくるのは難しいのです。
昔、ホンダのバイクでV2気筒のGL400というバイクがヘッドを捻ったレイアウトにしてプラグを中心にもってきていた例があります。
右側はピストンヘッドの容積を測定したみたいにヘッドの方にガラスを張り付ける為にグリスを塗布している所です。
注射器で浣腸よろしくどんどん注入します。
本当はこの当たりの作業は組立編に入る前に行っていて、燃焼室の容積の不揃いを全て調整し終わっています。
とにかく全ての燃焼室容積を測定します。
あまり大きな誤差は無かったのですが新品のヘッドは初めからバルブガイドが装着されてきていますが、再使用のヘッド
は新品のガイド、シートリングと交換してシートカットしていますのでバルブ自体のヘッド面からの奥行きは多少変化して
いますのでこの変の微妙な差を調整する必要があります。
ちなみにこの時の燃焼室容積のデータも紛失しています。
工場のどこかを捜索すれば出てくるのですが.......。
シリンダーヘッドガスケットの穴の径と厚みを測定しています。
くどいようですがこのガスケットの厚みも圧縮比に大きく関わってきますので全てを測定するようにします。
この作業も以前に終了していますが組立編の流れとしてここに持ってきています。
右側画像は組立の終了しているクランクケースにガスケットを載せる所です。
Presented by ドクター