ALCYONE LEGEND For 170馬力への挑戦Vol 23


ガスケットが載れば後は先ほど組立の完了したヘッドを慎重に載せます。

ヘッドとシリンダーブロックはノックピン「ダウエルピンとも言います。」によって然るべき場所に落ち着くようになっています。


ヘッドが載っている所です。 特にコメントはありません。

これだけでは寂しいので、バルブの所で説明していなかったのをここであえて。

最近の高性能エンジンでは排気のバルブにナトリウム封入式というのがありますが、WRXにも採用されていたと思いますが
、これは排気バルブが特に高温にさらされますので、バルブの冷却をバルブシートに頼っていたのを更に押し進めて、バルブ
の軸の所にナトリウムを封入して冷えている時は個体になっていますが暖まってくると液体化してバルブの上下運動に合わ
せて流動してバルブの熱をバルブガイドの方へ逃がすものがあります。

目新しい技術と思いますが、このバルブは1975年頃のメルセデスのM110という280Eとかに搭載されていたエンジンには
既に採用されていて、ヨーロッパ車が高速走行で燃費がいいのはこういう肝心な所にはお金をかけて丈夫に作り、多少の熱に
は大丈夫という設計をしています。

国産ではあまりいいものを採用しなかったのでバルブとかの冷却を過剰なガソリンを噴射する事によって冷やすようにしていた
為に概ね、高速燃費が悪い傾向にありました。


ヘッドボルトを付ける前のヘッド上面です。

右側画像で油圧穴とあるのはここからオイルがカムシャフトの方へ強制圧送されます。

ヘッドの方にもノックピンが設けてあり、こちらはカムケースとの位置決めの為にあります。


ヘッドを載せて締結用のヘッドボルトを付けていきますが、このボルトのネジ部と頭のヘッドと当たる部分にオイルを塗っ
てからねじ込んでいきます。

これはトルクレンチで締めていく過程でスムーズにネジが回るようにする為で、ネジを入れる前に一回全てのネジがちゃん
と通るように確認するのと、ヘッドボルト自体も伸びていないか長さを測定して伸びているものは廃棄します。

伸びたネジを使用すると適正なトルクが得られないのとエンジンが回っている時に膨張に耐えられずにネジの頭が飛んで
カムシャフトとの間に入り込みエンジン損傷という憂き目に遭います。

BMWのスモールシックスという旧旧型320iに搭載されていたエンジンはよくこの手のトラブルに遭遇して筆者は10台
位、ヘッドを交換した事があります。


トルクレンチでヘッドボルトを締め付けています。

締め付けトルクや締め付け順序は後ほど、後述編で全てを記載する予定です。

右側はラッシュアジャスターです。


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