ALCYONE LEGEND For 170馬力への挑戦Vol 19
新品のヘッドですがさすがに綺麗であります。
右側画像では吸気ポートが見えていますが2個と1個の組み合わせで、本当に1気筒を足しただけといったようなレイアウト
になっています。
2個の方の吸気ポートはヘッド内部で2通路に別れていますが、1個の方は独立ポートなので吸気効率からすると?いう感
が拭い切れませんね。
シリンダーヘッドは圧縮比を上げる為に、加工屋で0.5ミリ面研磨を行いました。
この0.5ミリという数字は今まで、ピストン容積や燃焼室容積、ピストンヘッドの出代とインテークマニホールドの取り付けボルト
穴の余裕度から算出しました。
これまたデータが紛失しているのですがトータルで圧縮比は10.5になっています。
ノーマルの9.5と比較するとまあまあかなと思っていますが目標の11には届かなかったのが残念ですが、それ以上を追求するの
は金と時間がかかりすぎるので今回はあえなく断念しました。
でも今回のプロジェクトはパワー優先ではなくフィーリング向上の追求ですので各部のバランス取りと軽量化でそれなりの結果は
出るのではと手応えを感じています。
パワーを追求するならカムシャフトの変更、ヘッドのポート研磨等、クリアしなければならない事柄が多すぎるので業務をこなしなが
らの作業は無理ですね。
新品ヘッドにこれまた新品のバルブを入れてみた所です。
再使用の片側のヘッドの方はバルブの軸の入る部分のバルブガイドを全て交換しています。
バルブガイドは重要なものでバルブとガイドとの隙間が大きければバルブが作動時に傾いてしまって正確にバルブシートに密着しなく
なり、圧縮が漏れる原因になります。
走行距離が8万キロや10万キロをオーバーしているエンジンは概ね、このガイドとの隙間が大きくなっています。
新品のヘッドを使用してヘッドの面の歪みを測定しています。
いくら加工屋で研磨を行っていても信用?せずに1に確認、2に確認です。
これは作業中のモチベーションを高める意味で自分で作業した部位でも何回でも再確認しながら組み立てる事により、集中力が高ま
るようにします。
アメリカのドラッグレースで使用されるヘッドは大きな鉄板の上に100個位、新品のヘッドを炎天下に1年間放置して歪みの全く出ない
物だけを使用したりします。
それだけヘッドというのは重要な物で、人間と同じで頭が良くないとパワーは出ません。
バルブの摺り合わせです。
新品のヘッドにはバルブシートリングが加工済みでくるのですが、新品、古を問わずにバルブがしっかりとシートリングに密着するように
初めに当たりを付けておきます。
左側画像でバルブに付いているのがバルブラッパーと呼ばれる吸盤がついた棒で別名、タコ棒と言います。
Presented by ドクター