ALCYONE LEGEND For エンジン分解編14
真ん中のシリンダーのピストンを抜き取るのに先ほど製作した工具では奥まで届かないので、急遽、棒を溶接して延長しました。
エンジンを分解するのに特殊工具に頼らずに、ひらめきとアイデアで困難をクリアしていくのも技術の一つだと思います。
左側の画像にはコメントはありません。
右側画像はこれからリヤ側シリンダーのピストンピンを抜くのに、エンジンスタンドから一旦、エンジンを降ろしてビールケ
ースに載せています。
ビールケースは強度も十分あり、穴がいっぱい開いているのでオイルが溜まらずに下でオイルや水分を受ける事が出来るのと
プラスチックなのでエンジンに傷が付かないと良いことばかりの素晴らしい働きをします。
左側の画像はエンジンのリヤ側です。
AT車の場合はドライブプレートにトルクコンバーターが締結されて動力をミッションに伝えています。
ドライブプレート自体は薄い鉄板で、MT車はここにドライブプレートの替わりにフライホイールが付きますがフライホイ
ールと比べると軽くて軽量なものです。
ドライブプレートはクランクシャフトに8本のボルトで固定されていますが、取り付けボルトは通常のボルトではなく、クロ
モリ鋼みたいな強化ボルトが使用されています。
右側はドライブプレートを外した所です。
オイルセパレータカバーとありますがこれは、エンジンが回転中に中で発生するブローバイガス中に含まれるオイル分を分離
さす小部屋みたいな所のカバーです。
クランクシャフトのリヤのオイルシール付近です。 ご覧の通り、恥ずかしい染みがありますね。
右側の画像はリアハウジング「別名でフライホイールハウジングとも言います。」を外している所ですが、搭載するミッション
やエンジンに合わせて、このハウジングを変更する事により整合性を高める事が出来ます。
このリアハウジングはクランクケースにボルト4本で固定されていますが、この辺りは他銘柄に比較すると本数が少なく思います。
本数が多ければ強度的なものや発生する振動に対して有効ですが重量増の兼ね合いもあり難しい所ですが、本当はOHV時代のクラン
クケースの設計が基本なので、昔の1000cc当時では振動面では問題ない範囲で今回も大丈夫だろうという判断の元に継承し
ているのではと推測しています。
オイルセパレータカバーを外した所です。
スラッジのせいでメクラ蓋の6角穴が埋もれていますね。
右側はリヤ側シリンダーのオイルセパレータと反対側のサービスホールです。
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