ALCYONE LEGEND For エンジン分解編10
シリンダーヘッドを脱着するに当たって、ヘッドを締め付けているボルトを外しています。
ヘッドの締め付けボルトは片側13本あり、2種類の長さがあります。
右側の画像に赤丸で囲んであるボルトは通常、ナンバープレートを固定しているサイズのボルトでありますが、これと比較する
と、このヘッドボルトがいかに太いかがよく分かりますね。
ヘッドボルトは材質も通常のものとは違い、焼きが入っており、かなり硬くてボルトを締め込んでも簡単にボルト自体が伸びな
いようになっています。
取り外したシリンダーヘッドです。
片側3気筒でも排気ポートが2個なのがミスマッチ?ですがカムシャフトを支える部分がないので非常に薄いのがよく分かります。
右側の画像は排気ポートの奥を覗いた所ですがチラリと見える排気バルブ「エキゾーストバルブとも言います」が官能的?です。
シリンダーヘッドの燃焼室面側です。
燃焼室の形状はバスタブ型と呼ばれる、ノッキングに強いタイプのものが採用されています。
こうして見るとバイクのシリンダーヘッドみたいに見えますが、水冷エンジンの為にヘッドの各所に水の通る水路と潤滑の
終わったオイルがオイルパンへ戻る穴も設けられています。
各気筒の燃焼室を囲むようにヘッドのボルト穴が見えますが、片側13本で1気筒当たり、5本のボルトで締めるようにな
っています。
13を5で割ると、中途半端な数字になりますがこれはボルトを各気筒で共用しているからでありまして、エンジン設計者
のナイスなアイデアであると思います。
右側の画像は燃焼室です。
排気バルブは通称エキゾーストバルブといいますが簡略してEXバルブと表記する場合もあります。
吸気バルブはインテークバルブでINバルブと表記します。
吸気と排気でバルブの大きさ違うのは、吸気はピストンが下降した時に吸い込む作用をしますが、排気の場合は燃焼した圧力
とピストンの上昇により強制的に排出される為に吸気バルブと比べると小さくて済むからであります。
燃焼室の近接画です。
排気バルブと吸気バルブで色に違いがあるのは排気バルブは常に高温にさらされている為です。
燃焼室にはカーボンがびっしりと付いていますね。
横から顔を覗かせているのはプラグですが、本来はエンジン性能の面から見れば燃焼室中央にあるのが理想的ですがSOHCと
いう機構上仕方ないというのがありますがホンダのエンジンではカムシャフト廻りを工夫して中央にプラグを設けている例
もあります。
この辺りのデメリットはピストン頂部の工夫により出来るだけ完全燃焼しやすいように考えている所もありますので許す!
右側は片方のシリンダーヘッドを外されたクランクケースです。
こうしてみるとクランクケース自体は小さくてヘッド、カムケースが付いている反対側のバンクは結構、ボリュームがあります。
シリンダーヘッドを外したクランクケース側です。
左側の画像にはまだヘッドガスケットが残っています。
カーボンの付着したピストンが見えています。
右側の画像はヘッドガスケットを取り除いた所ですがヘッドに設けられていた水穴やオイルの戻る穴が相対してあるのが確認
出来ますね。
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