ALCYONE LEGEND For エンジン分解編9


バルブロッカーカバーを外した画像です。

   オイルが変質してスラッジがたくさん付いていますがカムシャフトにオイル供給が途絶えたと見られる傷が付いているのが
   確認出来ます。

   右側も同じ画像ですがバルブスプリングが見えます。

   赤丸部分に小さな穴が見えますが、これはエンジン回転中にロッカーアームと接する部分が摩耗しないようにオイルが絶えず
   吹き出ていてカムシャフトを潤滑するようになっています。


溜まっていたスラッジをすくって見ました。

   森永のチョコフレークみたいな感じでポロポロした固まりになっていますが、食べても絶対においしくはないと思います。

   右側はカムシャフトを支えているカムシャフトのケースを外した画像です。

   通常のエンジンですとカムシャフトはシリンダーヘッドに設けられた台座に据えられますがこのエンジンはベースになった
   1800のEA82が従来のOHVを改良して後からSOHC化した為にシリンダーヘッドの上にこうしてカムシャフトケースを載せる
   形になっています。

   カムケースは12本のボルトでシリンダーヘッドに固定されますが、ヘッドとケースとの間には0リングが設けられていて
   フローティング構造になっており、エンジンの膨張、収縮に際しての変化をケースが受けない構造になっています。
 


先程外したカムケースです。

   中もスラッジでいっぱいでしたが外も負けずに漏れたオイルがこびりついています。  掃除が大変です...........。

   右側はカムケースを外したシリンダーヘッド部分です。

   バルブの上にロッカーアームと図示してある部品が見えますが、これはカムシャフトとバルブとの間に入って、テコの原理
   でバルブを押し下げるものです。

   バルブの駆動方式はカムシャフトで直接、バルブを押し下げる直打式と間接的にロッカーアームを設ける方式がありますが、
   どちらがいいかは判定出来ません。

   最近の高性能エンジンは割と直打式が流行っていますが、ホンダはロッカーアーム方式をたくさん採用しており、ロッカー
   アームのレバー比を変える事によりバルブのリフト量をカムシャフトでの設定以上に稼ぐ事が出来ます。

   高回転でエンジンを回すと、回転にアームが付いてこられずに脱落するトラブルが極、希にありますが、メーカーの定める
   回転範囲さえ守っていればトラブルは起こらないので安心してください。


ロッカーアームとラッシュアジャスターの単品です。
  
   エンジンのシリンダーヘッドには上記画像のような関係で取り付けられますが、ラッシュアジャスターの先の丸い頭の所に
   ロッカーアームが常に接しています。

   ロッカーアームの反対側にはバルブのステム部「端面」が接しています。
             
   ラッシュアジャスターはバルブとロッカーアームの隙間を自動で調整するもので下記画像のようにシリンダーヘッドに組み込
   まれています。

   右側の赤矢印の部分がシリンダーヘッドに相当する部分です。


ヘッドから外したラッシュアジャスターです。

   バルブ廻りの構造がよく理解出来ると思いますが、ヘッドの端の方にはヘッド形状に沿って、スラッジがまとわりついてい
   ますが、オイルの流れの悪い部分に集中してガン細胞が生成されているようですので、この辺りは組む時に改善せねばなり
   ません。

   右側画像はシリンダーヘッドのラッシュアジャスターが入る部分です。

   赤丸の部分からポンプから供給された油圧が上ってきてカムケースへと行きます。
   
   この部分には0リング付いて、油圧がドロップするのを防ぐのと同時にフローティング構造を形成しています。

   矢印で示したオイル穴はラッシュアジャスター本体へ油圧を供給する穴であります。
 


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