10.ファイリングを考慮した書類の作成
10-1.書類作成時の注意点
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ファイリングの考えは、手元あるいはオフィスにある書類をどのように整理し、利用しやすいように片付けるかを狙ったものです。しかし、この考えを一歩進め、書類の作成する段階から、作成した書類の保管方法を考慮し、さらには廃棄するところまで含めた一連の流れとしてとらえようとしたものがレコード・マネジメントと呼ばれる分野です。書類の一生については、「書類の一生」のページで触れていますが、書類を作成する段階から最後の廃棄までトータルで考える必要があります。
 

紙の書類

用紙の選択
  A4を基本に
    ファイリングを考えた場合、書類のサイズがバラバラであれば非常に取り扱いが面倒になります。最近ではB4やB5サイズの書類は減ってきていますが、少し古い書類ではまだまだ混在しています。
官庁に提出する書類は、最近までB系列の書類に制限されていましたが、国際化の流れの中からA4サイズが標準となってきました。このようなことから、今後はよほど特別な必要が無い限り、A4サイズを基本とすべきです。
     
  保存性
    最近では、ほとんどの書類はコピー用紙を使用するようになっていますが、少し古い書類ではいろいろな用紙が混在していました。これらの用紙のうち、感熱紙やジアゾコピー紙は、保存するには不適切です。いずれも時間が経つと、書かれている文字が薄くなり、いずれは判読不明となってしまいます。感熱紙はいまでもFAXや電子黒板などに利用されていますが、長期保存が必要であれば、これらをコピーして保存する必要があります。
長期でも数十年以上の長期保存が必要な書類については、中性紙を選択する必要があります。通常の洋紙は酸性紙であり、長期保存をすればボロボロとなり、内容を確認するために、書類を触るだけでも崩れてしまいます。
     
  特別な用紙
   

作成した書類が、コピーではなくオリジナルであることが重要な場合には、コピーをすることで文字が浮き上がってくる用紙を選択します。役所が発行する住民票などにも利用されていますが、最近ニセの住民票が見つかったとニュースになりました。これは、スキャナーの精度が向上したために、これまでスキャニング時のエラーを利用して文字を浮き上がらせていたものが、エラーが出なくなったことが原因となっているようです。
機器の性能アップとイタチゴッコでもあり、絶対に安心だとは言い切れないようです。

     
作成上の留意点
  作成日の記入
   

何度も考察を重ねる書類では、ちょっと見ただけでは区別のつかない書類が混在してしまうことになります。これを避けるためには書類に作成日(場合によっては時間まで)記入しておくことが大切になります。特に複数の人で、1つの書類を修正しているときは、必須といっても過言ではありません。

     
  綴じ代の考慮
    もらった書類にパンチ穴を開け、ファイルに綴じようとしたところパンチ穴で文字が抜けてしまったり、綴じた部分が読めなくなり、読むためにファイルから書類を取り出すことが必要な場合があります。これは、適切な綴じ代をとっていないことが原因となります。文脈から、内容を推定できる場合には我慢できる範囲かもしれませんが、大切な数値やキーワードのようなものが含まれている場合は、書類そのものの保管自体が無意味なものとなりかねません。
     
  適当な文字の大きさ
    非常に細かな文字は、読む人のことを考慮していないともいえます。目のいい人に対しては、あまり問題とはなりませんが、目が悪くなると小さい文字は読むことができなくなります。逆にあまり大きな文字では、内容量に対してページ数が多くなり、保存時には邪魔になってしまいます。
プレゼンテーション用以外では、文字の大きさは10から12ポイントといったところでしょうか。
     
  両面印刷
    大量の書類をコピーや印刷し、保存する必要があるときは、省資源や保管スペースの削減のために、出来る限り両面印刷とします。 コピーの場合は、省資源のため不要となったコピー用紙の裏を利用する場合もありますが、すぐにすてても良いようなものは別として、保存が必要な書類にはこのような用紙の再使用は好ましくありません。
裏紙を利用したものは、作成者はすぐに判断できるでしょうが、作成者以外では、裏側に印刷されたものが関係があるのか、全く関係の無いものかを判断するのに時間がかかってしまいます。
     
  縦横が混在している書類
    1つの書類の中に、用紙を縦に使用したものと横に使用したものが混在したとき、どのように書類を綴じるでしょうか。これは、人によってまちまちですが、これも統一するべきです。用紙を縦に用いた左横書き文書は左とじとすることが原則で、用紙を横長に用いた横書き文書は上とじが原則です。したがってこれらが混在したときは、綴じる方向が同じ向きになるようにします。具体的には、横長横書き文書は、左に90度回転させた状態で、縦長の文書と一緒にとじるようにします。
     

電子データとしての書類作成については、「電子データ作成時の注意点」を参照してください。

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| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

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Updated on 2013/09/28