愚行連鎖

GB Racer icon 飛行機大好き/Dr.1建造報告:6

工程:5-6 胴体の組立/2

今週は、突発Poco(プラドのミーティング)や夜の会合などがあり、作業は多少遅延気味。

メーター廻りパーツ しかし、胴体部分の組立も大詰めにさしかかる。
これらはコックピット、メーター廻りパーツである。
殆どはホワイトメタル製である。
この部分の塗装は説明書などに一切記述がない。
カラーガイドの完成見本写真ではメタルパーツは磨き出しのみで仕上げてある。
実機の資料はなかなか手に入らないが、既報の映画“華麗なるヒコーキ野郎”、空中戦のシーンで何度か操縦桿廻りが登場する。


操縦桿廻り こちらは既に組み上がっている操縦桿廻り。
前方のつや消し仕上げの黒いモノは機銃の弾倉及び、薬莢受けである。
その下の黒い物は足載せ、磨きだし仕上げのパーツはラダーペダルである。



コックピット廻り こちらはメーターなどを取付けた様子。
映画を参考に、メーター枠などは“金色”で仕上げてみた。
蒸気機関車などもそうだが、メーターボディなどは、真鍮製のようである。
この辺りは、船舶部品の流れを汲んでいるのだろうか…

足元の白いモノが回転計(6-28スケール)、3連メータが、説明書では気圧計、速度計、圧力計となっているが、目盛り単位は右からkm,km/h,kg/cmである。
左手にはスロットルレバー、その上に温度計。床に立っている赤い目盛りの計器はコンパス(羅針盤)である。


コックピット廻り 回転計(タコメータ)に駆動ワイヤがないのは寂しいので、サイズドンピシャの手許にあったネットワーク・ケーブルの芯線を一本抜いて取付けた。
スロットルレバーも説明書には記載がないが、当然ワイヤー引きの筈なので、フレーム前方のスロットルアームと穴糸を使って連結してみた。

写真、大圧縮してしまったので、殆ど見えない…


コックピット廻り 反対側から見たコックピットフロア廻り。
手前からコンパス、操縦桿、タコメータ、扇形の物がスロットルレバーである。


尾橇 こちらは前回紹介し忘れた、尾橇部分。
古い飛行機の尾橇など、フレームに固定されている物だとばかり思っていたが、実はゴム紐製のダンパーが付いていたのだ。
塗装は“レッドブラウン”で下地を作り、“タン”のドライブラシで仕上げた。

(白いゴムひもは、なんだか変だ…と感じたのだが、別頁で紹介する、同時期のニューポール復元機体は前輪のショックアブソーバ代わりに白いロープのようなモノを装着していた。)


ファイアウォール いよいよ、防火隔壁(ファイアウォール)を取付ける。
フレーム位置合わせのため、既に取付けてあった、エンジンマウントを一旦取り外し、ボルトナットで共締めする。

材質はアルミ薄板である。水色なのは保護フィルムが貼付けられているからで、エンジン取付時にはこれは剥がす事になる。
それまでは傷防止のためにこのまま作業を行う。


ファイアウォール こちらはコックピット側から見たファイアウォール。

コントロールワイヤ類の行き場がまだないので、取りあえずまとめたワイヤリング(糸製)がトッ散らかっている。

次の工程でフレーム間の張線、サイドウォール及び、燃料タンク廻り、キャブレター吸気管取付に進む。

その後はいよいよクライマックス、翼の製作である。




--補記--

資料購入

SAVOIA S.21F 映画を見まくっていて、フィクションとは言え、やっぱり気になる機体。
SAVOIA S.21Fのキットを入手してしまった。
Dr.1に掛かっているので、当面は(多分)製作には移らないだろうが…
このキットは、説明書に組立以外のデータが豊富に記述されている。
購入理由の一つには、このデータが欲しかったから、と言うのもある。

キットは知る人ぞ知るFineMold製で、ちょっとお高いが、好き者は意に介さず、買ってしまうのだな、これが…
このシリーズには“前期型”と、好敵手、“カーチス”もあるそうで…いやいや


SAVIOA S.21F 1/8のDr.1にずっと掛かっていたら、1/72のこのキットは…本気で小さい!
サボイアにはこういう形の機体も、S.21と言う型番も(多分)存在しないのだが、実機ではアエル・マッキの1925年シュナイダーカップ出場機、M.33が非常に似たシルエットを持っている。
このキットが“F:後期型”と言う由縁は、マルコ・パゴットがカーチスの不意打ちにあって、撃墜大破してしまうエピソードに由来する。
マルコが愛機の修理に持ち込んだ工場がミラノにある(と言う設定の)ピッコロ社、その主任技師が17歳の乙女フィオ・ピッコロ。
胴体部分を残して殆ど壊滅状態だった機体を更に優れた物に改修した、若き天才技師に敬意を表して型式“F”と言うわけである。(映画には機体名称は出てこない)
機体は全く架空の物であるが、改修後換装されたエンジン“フィアット・フォルゴーレ”は実在の物であるとのこと。
作中ではシリンダヘッドの刻印が“FIAT”ではなく“GIBLI”になっていたのはご愛敬。


フィアット“フォルゴーレ”AS.2(1926年、マッキM39搭載)
形式:60°水冷V12
排気量:31,400cc
ボア×ストローク:140×170mm
標準出力:800hp/2,300rpm
最大出力:882hp/2,500rpm

こりゃ、ピッコロ親父でなくとも、狂喜してしまうはずである。



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