愚行連鎖 WorksGBの道具達-38

ATフォーム・ファクターよ永遠に!

WorksGBの道具達-24(2000.6.)で
1号機 四度目の大改修
今度こそ本当の最後か

でもう今後は出ないであろうATの最新MBに換装し

WorksGBの道具達-26(2000.9.)
1号機 またも改修
いつまで続く「今度こそ本当」
で、
PineerのDVD-ROM導入でATファクター筐体マシンは「本当に本当の」最後の改修と、持ち主ですら、思っていたのだが…

No Brand DVD DVD-ROMの具合が悪くなり、DVD二層ディスクの読み込みが出来なくなってしまった。
仕方なくNoBlandのユニットと交換したのが昨年。

先日、デフラグかアンチ・ウィルスのシステムスキャンだったか忘れたが、作業中放置して完了後カーソルを動かした途端に…

「C:\ドライブに書き込めません」

のアラートと共に二度と立ち上がることがなかった…



(そりゃそうだ、何をしてもHDDが回転しないのだからどうにもならない)


久々のオーバーホール 以前も書いたが、私はシステムとデータが一つの媒体に混在する、等というのは我慢が出来ない。
よってウチのマシン達は(Noteを除いて)全て物理的に複数のHDDを持っている。
だからマスタードライブ(OS)が死んでも特に慌てやしないのだ。
慌てやしないのだが…
今回のケースに関しては流石にへばった。
何となれば、このメインマシンのシステムはなんとあっと驚く(元祖)DOS/V、Windows3.1を経てWindows95、Windows95 OSR-2と引き継いできた物だからである。
(何故最後がWin95 OSR-2か?アップグレード・インストール用のWin98が手に入らなかったからである。)
OSはこれを機会にクリーンインストールして快調になるだろうが、長年(10年近く)にわたって構築してきた作業環境は…戻らない…

ば、ば、バカヤロー!白い空なんか、青い雲なんか、大っ嫌いだぁぁぁぁ〜!
(かなりローバイしておる)


気を取り直して、新しいHDDを用意。OSは…
無駄に肥大したXPや2000は要らんし、そもそも売り手が全く信頼しておらず、気が付くと消えていたMeなんぞは論外だし…
(Windows2000とMeの発売時のMicroSoftの説明は、
「お仕事には2000」「ホームエンタテイメントにはMe」
「お仕事を持ち帰る方には2000」
…ってMeぢゃ恐くて持ち帰り仕事もできねーてか?)

と言うことでWin98 SEだろうな妥協点は。

新たにC:ドライブ用にSeagate ST320014A 20GBとD:(data/swapドライブ用)にHitachi Deskstar 80GBと40GBのディスクを用意する。(つーか手持ち新品のHDD。未フォーマットのHDDがまだいくつかあるのが我ながら何とも…)
Win98のシステムとアプリのみなら20GBでも多すぎるくらいだが、取りあえず余裕たっぷりの容量と言うことでOSをインストール。
40GBの方には今まで使っていた20GBからデータを全てコピー。
マスター/スレーブとも新たに作り直したHDDに交換、再起動。ふんふん、もう楽勝。

…の筈だったのだが。

使っていると必ずNortonがスレーブ40GB HDDにクラスタ・エラーがあると騒ぐ。
修正して正常のお墨付きを貰って再起動。作業を継続しようと思うと又エラー。

:Hitachi Deskstar 40.0(32clip) dataドライブ用の40GBと80GBにはHITACHIのディスクを用意したのだが…
こりゃてっきりHDDの初期不良か??と80GBに変更しても状況は同じ…
このマシンでFDISK/FORMAT。データを移して…又エラー!
スキャンかけるだけで10〜20時間かかる。

これで悩むこと10日間…

何のことはない、このMBはOver 33.8GB 以上のHDDには対応していなかったのだ…

(じゃ、認識するなよー。OSレベルでは容量表示もちゃんとしてたし…)
BIOSレベルでの認識状況を確認したら、40GBも80GBも、確かにLBAが65,536しかなかった…。

良く見たら、HITACHIのHDD、40GBも80GBも32GB Clipなるジャンパ・スイッチがあるじゃないか…

HDD容量認識の壁

IDE HDDには二通りのアクセス方法がある。

CHS方式とLBA方式

HDDには内部にデータを記録するための円盤(プラッタ)が入っており、それぞれ表裏の両面にデータを書き込めるようになっている。
データの記録には、「セクタ」と呼ばれる512byteのブロックを基本単位としているが、PCはHDD上のデータにアクセスする場合、セクタに付けられた「番号」を指定する。ここで問題になるのが、その指定の方法である。

PCがIDE HDDにアクセスする場合には、ATA(AT Attachment)という規格に則ってセクタを指定する。
このATA規格には、セクタの指定方法として、「CHS」方式と「LBA」方式という、二通りの方法があり、どちらを使ってもよいことになっている。

CHS方式
  • シリンダ(Cylinder:HDD内のプラッタを同心円状に区分けした領域)=“C”
  • ヘッド(Head:1枚のプラッタの表裏を読み取るために付いた磁気装置)=“H”
  • セクタ(Sector:シリンダ内を一定の円周角で区分けした領域)=“S”
それぞれに割り当てられた番号を使って、HDD内を物理的に指定するもので、実際にセクタを指定するには、C、H、Sの三つの値が必要となる。

LBA方式

Logical Block Addressの略で、HDDの物理構造に関係なく、すべてのセクタに連番を振って、その番号を一つだけ指定する単純な指定方法となる。

初期のIDEでは、CHS方式しかなかったが、528MBを超えるHDDが登場した頃に、IDEは拡張されEnhanced IDEとなり、LBA方式が利用可能=528MB以上のHDDが使えるようになった。
CHSによる指定では、CHSそれぞれの値について、指定できる値に制限があり、Cは0〜65,535、Hは0〜15、Sは1〜255となっている。
この制限のため、指定できるセクタの総数は、これらの掛け算、すなわち、65,536×16×255=267,386,880個が、現行のIDE規格で使える最大セクタ数であり、一つのセクタは512byteなので、ディスク容量に直すとおよそ136.9GBで限界を迎えることになる。

LBAでは0〜268,435,455、つまり268,435,456個と、CHS方式よりわずかながら多くのセクタが指定できるが、CHSとLBA、どちらでも指定できるようにしないとならないので、結局136.9GBに制限されてしまう。

今まで
●528MBの壁(INT13H制限)
●2.1GBの壁(ATA制限)
●8.4GBの壁(BIOSの不適応)
は知っていたが、
●33.8GBの壁
は知らなかった、更に136.9GBの壁も…
もう、いいや…

33.8GBの壁についてはIDE規格の制限ではなく、Award BIOSの4.5x以前のバージョンで33.8GB以上のIDE HDDを認識できないという、いわばバグのようなモノであるらしい。

BIOSはHDDを認識する際、その全容量から、内部で使用するための仮想的なCHSの値を計算する。
このとき、まず初めにH=16、S=63を仮定するBIOSが多いらしい。
このようにすれば、HとSは拡張INT13Hの制限にもATAの制限にもマッチするので、Cの値だけに注意すればよくなる(…らしい)。
2.1GBの壁が解消されても、C値は最大で65,536までしか使えないので、65,536×16×63×512=33,822,867,456、つまり約33.8GBが限界値となる。
これが33.8GBの壁の正体なのだそうだ。

しかしなぁ…
全く認識できないのならまだしも、一応認識はするし、FDISKもFORMATも正常に完了する。
確かにFDISK時もFORMAT時も容量認識の数値が変だったし、BIOSのLBA値も65,536ってはなんか変だとは思ったが、OS上では40GBだろうが80GBだろうがとりあえず容量通りに認識し一応書き込みもできてしまうのが何だかなー…

このマシン、Pentium!!!-Coppermineの初期タイプではあるが、特にこれで何か不自由を感じたことがない。
次々に新スペック、新製品を出さないと生きて行かれない世界なのではあろうが、現在のPC、フツーの人にとっては隣のタバコ屋に行くのにスペースシャトル使うような物なのではないだろうか?

今回のスペシャルパーツ

Owitech(MITSUMI)FA404M FDD with 7in1 USB Card Reader 当初からのパーツで筐体以外唯一残ったFDD。
時々エラーを起こすし、書き込みエラーでFDDを壊すこともたびたび起こり始めた。
えぇぃ!交換してしまえ!
どうせなら変わったモノがいいというので選んだのがこれ。
Owitech(MITSUMI)FA404M FDD with 7in1 USB Card Reader
OSをWin.95 OSR-2からWin98 SEに変更したのでUSBもとりあえず安定するはずだし…
ついでにスロット・パネルに引き出していたUSBポートも一つ外側に引き出してみた。
(5'ベイ、MOの右脇)


FA404M このFA404MというFDユニットはかなり欲張りな仕様で、通常のFDD筐体のスペースにハーフハイト(薄型)FDDを組み込み、残った半分のスペースにカードリーダーを組み込んだモノである。
I/FはUSBで現在流通しているほとんどのメモリーカードを読み書きすることができる。
FDの方はI/F、電源コネクタともレガシーFD(USBではない)ので安心である。
要するにFDとカードリーダーはあくまでも別物なのだ。


分離式4Pin MB直結型のUSB機器を選ぶときはI/Fが重要である。
USBは4本の結線で接続するがこの順序がMBによって異なることがある。
4つの端子がひとまとめになったモノ(結構ある)ではなく、このように一つ一つバラバラになったモノを選ぶのがキモと言える。
ちなみに4本の線は5V電源供給、信号線+、信号線-、GNDとなっている。



USB Pin Converter ウチのATは旧式なのでUSBはオプション扱い。外部ポートはMB上には存在せず、基盤上の端子からケーブルで引き出す形になっている。
MBによっては逆に基盤上にUSB端子がでていないモノもある。
その場合に内部接続のUSB機器を使いたい場合はこのようなケーブルを使って外部のUSBポートから配線を引き込む必要がある。



RICHO RW7060S もう一つの交換
CD-Rは本当に出始めの頃の製品をSCSI接続していたが、こいつもご機嫌が悪い。
そこで貰い物のCD-R/RW。
RICHO RW7060S。これとて既に完全に旧式もいいところだが、今となっては貴重なSCSIドライブ。
なんと言っても当時は人気も高く性能にも定評があったモノである。
6倍速ライト(CD-R)・4倍速ライト(CD-RW)・24倍速リード…と何とものどかな仕様であるが、そんなに使うモノでもないのでよしとしよう。


▽次へ続く…

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