愚行連鎖

GB楽器博物館

愛機S-Yairiについて


S Yairi 504F
S Yairi 504F

アコースティックギターの項でも書いたが、これは今を去る15年ほど前…神田のスズラン通りの中古楽器店で発見して衝動買いしたもの。
S.Yairiブランドは現在は存在しない(…らしい)。
当時から、他の国産ギターとは異なり、ギターというより家具みたいな色と仕上げの渋いデザインが気に入って入手したものだった。
もちろん、音もかなり良く鳴る楽器である。
通常、国産ギターの型番は、価格を暗示する数字が付けられる事が多いようだが、この楽器の型番“504F”をそのまま読むと5万円定価とも考えられる。
しかし、材質、仕上げ、パーツ類等を見る限りでは15年以上昔の物とはいえ、とてもそんな価格帯の楽器には見えない。
中古として購入した価格も(詳しく覚えていないが…)5万円以上だった。
(10万円支払った覚えは無いけど…)



S Yairi 504F Back view

S Yairi 504F Back view

これは後ろ姿。
バックとサイド、ネックはマホガニーのようである。
バックはブックマッチ製法の真ん中1本継ぎ。
ネックは縦方向に縞模様が出るように凝ったラミネート加工がされている。
バインディングは木製と思われる。
バックは単板、サイドもボディ内側に細い補強リブが木目に直角に何本か入れられているので単板であろう。

head

S Yairi 504F Head

ペグはS.Yairiの刻印が入ったハイグレードシャーラータイプのゴールド。
ヘッドそのものの形も特徴的である。
フィンガーボードはエボニー製。



S Yairi 504F Head Back view

S Yairi 504F Head Back view

ヘッドには微妙な曲面加工がなされている。


S Yairi 504F Neck Back view

S Yairi 504F Neck Back view

ネックとボディの接合部分にもこれまた微妙な曲線が使われている。


S Yairi 504F Bridge

S Yairi 504F Bridge

ブリッジの形状も独特で、他に類を見ないデザインである。
表面板はスプルースではなさそうである。シダーか?
サウンドホール内のラベルには

MODEL 504F
This specialiged Model hand clafted
according to the design and construction
teqniques of Irish Luthier George Lowden

George Lowden氏のサイン

とある。


デザインもローデンだが、材質ももろローデンである。
強いて言えばローデンにはないブリッジピン(エボニー、白蝶貝インレイ入り)を使っている所が過渡期的デザインを感じさせる。


LOWDEN Guiter
LOWDEN Guiter

注:これはGBの所蔵物ではありません。

これが問題のローデンのギター。
10数年前は国内では見る事も知る人もほとんどいなかったが、最近よく話題に上る様になった高級ギター。とても高くて手が出る代物ではないが、GB所蔵のS.Yairiと非常に良く似ている。
このLOWDENと私のS.Yairiと、まったく無関係ではなさそうではあるが、一体どういう関係なのであろう。
兄弟に近い物のようではあるが…
このLOWDENはS.YairiにサインをしたG.Lowden氏と同一人物の作なのだろうか?




〔LOWDEN情報〕

ローデンギター社は一時経営不振に陥り、1980〜'85の間日本でライセンス生産していた事を突き止めた。
当時5,000本程度が作られたらしいが、もしかしたらウチのYairi-Lowdenはそのうちの1本なのかもしれない。
G.Lowden氏はその後、自分で起こしたローデンギターを退社、現在は再びLowdenブランドのギター制作を開始していると言う事である。


お手紙コーナー

△アコースティックギター展示場へ戻る
△国産ギター大好き!目次へ戻る
returnトップページへ戻る