愚行連鎖 一軍復帰/ATELIER Z“CUB”Elite-2

GB楽器博物館

ATELIER Z“CUB”EliteことEliちゃん運用再開に向けて-2

>これまでのお話

Photo この小さなボディは、Pizz.だけで使うなら、ボディレストは無くとも何とかなるが、Arcoしようと思うと、楽器保持が難しく、これは大変。

ボディレストはオリエンテのミニコントラバスMB-33の様なモノ(写真)なら自作できそうだし。



Photo 駒は…
このままではどう頑張ってもまともに立てることすら出来ない。
そもそも芯がずってるし、裏表を間違えてセットアップしたとしか思えない。
現に、OEM同型を扱っていたQUEST INTERNATIONAL(ページ・バックアップ)にあった(現在は削除されている)Landscape Super Electric Wood Bass“Swing Bass Custom”の駒写真はATELIER Zと裏表逆になっている。

Photo また、峰のアールがG線側とE線側で全く違うので、本気で削り直さないと裏返しも出来ない。
指板断面から言えば、こんなに極端な非対称にする必要はないと思うのだが…

FishmanのPUに合わせてザグってあるので裏返すのもナンだかなぁ…

写真は3/4ウッドベース駒との比較

他の駒を探すにしても、余りにサイズが違うから、どうしよう。
やっぱり、オリジナルを加工するしかないかな…


Photo もっと肉抜きして薄くしてやれば、又かなり変わる…と思うのだが。

そもそも高音側と低音側の脚がつながっているのが気にくわない。

これは買った時から気にくわない。
左右をつないでいるブリッジ(?)がもの凄く厚みがあるし。
このブリッジの真ん中に穴があって、PUケーブルが通ってるから駒の完全取り外しするにはボディ内のどっかでPU切り離さなけりゃならないし。
これは多分取り扱い優先のデザインだろう。(駒立てが楽…大した手間ではないが)

とはいえ、駒脚が左右繋がっている必要は全くないし、こんなに頑丈で分厚い必要も全くない。

YAMAHA Silent Bassの駒も随分分厚くて頑丈だが、鳴りを犠牲にしてまで多分、反りなどのクレームを恐れているんだと…


Photo その上、何を思ったか、駒脚の下、表板との間にコルクが張ってある。
これが一番気になっていたことである。

やはり「極力鳴らないように」心砕いてるとしか思えない。

前段で魂柱調整(と言うか完全に位置変更立て直し)したら、これが殊の外、と言うか思った通り、鳴るようになった。

まぁ、この楽器は言ってみれば「縦のエレキベース」なので、電気拡声をかけたときに、無駄な振動からハウリングを起こしたりしにくい様、「わざと鳴りを押さえるためのミュート的役割」で駒にコルクを挟み込んだりしているのかも知れない。
大音量の電気拡声を前提とすれば仕方ないのか?


しかし、曲がりなりにも生楽器に見えるモノとしてはいかがなモノかな…


Photo で、次は…
どうにもならない、この駒を何とかしないと。

と、言うわけで、取り敢えず、不思議な形に繋がってピックアップのケーブルを通してある駒脚、このケーブル通し穴に割を入れてケーケーブルを外す。
ケーブルを切断し、ピックアップそのものを外す、と言う選択肢もあったが、ちゃんと作動している構造部分に手を入れたくなかったのと、駒部分は今後大改修を行う予定なので、第一歩としてザックリ行ってしまうことにした。
後々の点検調整にもこの方が便利なはずである。

当然、そのうちぶった切っちゃうだろうし…

まずは駒脚の下に貼り付けてある2mm厚のコルクの除去。


Photo 剥がすだけで済むかと思ったら…
これが、実は駒脚調整(ボディ表板の曲面に合わせて削る)を手抜きするための仕掛けだったのだ!
コルク板を剥がすと、駒脚の表板との接触部は全く調整しておらず、表板に載せると密着どころか…
まるで使い物にならない。

駒そのものの立ち角度もおかしいので、きちんと駒裏面が表板と垂直になるように、摺り合わせ。


Photo アジャスターの角度が邪魔して、これが限界…

駒足裏を調整し、取り敢えず立てた。
(表板に対してアジャスターが直角に立っていない)

予定では無骨で頑丈すぎる形そのものも削り込んで小さくしようと思っていたが、根気切れにて次回のお楽しみ。
きちんと立て直すのも次回へ持ち越し。


取り敢えず弾いてみると…

これがまた…
オリジナルの状態では「これだったら別にソリッドボディでも良いんじゃないか?」と思える程度だったのが…
ちゃんと箱が付いた楽器っぽい音が出る。
(本気で調整したウッドベース“百鬼丸”と較べちゃ可哀想だけど…)


何度も書く。
店頭渡しの状態は、もう、力一杯「出来る限り鳴らないように調整」してあった、としか思えない。
エレクトリック・アコースティック・ギターでは、電気拡声の音を優先し、ハウリングなどを防止するため、生楽器としてのギターの音を敢えて殺したような設計もあると聞くが…

前述の高音側と低音側の脚を連結するブリッジにしても、駒下のコルクにしても、通常ヴァイオリンとかヴィオール属の駒にはこんなモノはない。
今まで、いったい何のためのモノかと思っていたが…
鳴りを犠牲にして手を抜いていたわけである…

次に時間が出来たら駒そのものの加工とボディレストの制作をしなくては…
ボディレストも色々アイディアがあるのだが…
メモ書き散らすばかりでなかなか形が決まらない。

この作業で弦を全部外して駒を立て直したら…
アジャスターを見ると解るように、弦高が8mm近く変わった。
外したコルクは2mm厚で、足裏の調整ではコンマ以下しか削ってないのだが…

Photo 駒そのものを交換してしまう、と言う選択肢が欲しいが…
これが機種特有の形状、専用品なのである。

形もサイズも全く特殊で、多分取り寄せてもすぐ来ないだろうし、恐ろしく高いことは想像に難くない。

1/2コントラバスのでも大きすぎる、チェロのでは全然小さすぎる…


まだ…>続くんだな…


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